モチベーションマネジメントとは?社員の意欲を引き出す要素も紹介
更新日: 2026.1.30 公開日: 2023.6.15 jinjer Blog 編集部

従業員が高い意欲を持って仕事に取り組めるよう、モチベーションマネジメントについて考えてみましょう。モチベーションマネジメントでは、従業員それぞれの仕事の動機づけをおこない、サポートを図ります。
本記事ではモチベーションマネジメントの基本的なポイントやメリット、目標設定・評価に役立つフレームワークまで紹介します。
関連記事:モチベーション管理とは?失敗例から学ぶ部下のやる気アップに成功するコツと管理方法
目次
人事評価制度は、健全な組織体制を作り上げるうえで必要不可欠なものです。
制度を適切に運用することで、従業員のモチベーションや生産性が向上するため、最終的には企業全体の成長にもつながります。
しかし、「しっかりとした人事評価制度を作りたいが、やり方が分からない…」という方もいらっしゃるでしょう。そのような企業のご担当者にご覧いただきたいのが、「人事評価の手引き」です。
本資料では、制度の種類や導入手順、注意点まで詳しくご紹介しています。
組織マネジメントに課題感をお持ちの方は、ぜひこちらから資料をダウンロードの上、お役立てください。
1. モチベーションマネジメントとは

モチベーションマネジメントとは、従業員が高いモチベーションを保ちつつ自発的に仕事に取り組めるようにするマネジメント業務を指します。モチベーションの維持・向上のために、仕事に対する動機づけをおこなったり、サポートをしたりすることが主な内容です。
従業員のモチベーションマネジメントに有効な日常のアクションとしては、「あいさつをする」「声をかける」「意見を聞く」「情報を共有する」などのコミュニケーションがあります。つまり、管理者は一人ひとりの従業員の能力を認め、共に成果を出すという意識を持つことが重要です。
部下が悩みを抱えている時には「一緒に考える」「ヒントを与える」などのアクションで目標を達成するためのサポートをおこないましょう。
なお、モチベーションには大きく分けて「内発的動機づけ」と「外発的動機づけ」の2種類があります。それぞれの違いを押さえておくと、従業員のモチベーションを高める効果的なアプローチに活用ができます。
1-1. 内発的動機づけ
内発的動機づけは、興味や探究心といった本人の内的要因にアプローチする動機づけのことです。仕事に対するやりがい、自己成長への欲求が例として挙げられます。
内発的動機づけは、本人自らの意志で動くためモチベーションを維持しやすい一面をもつのが特徴です。
資格取得の補助金やサポート、研修やセミナーの実施、副業の許可、得意分野への人事配置といったことが、内発的動機づけには効果的です。
1-2. 外発的動機づけ
外発的動機づけは、報酬や評価など外的要因をもって意欲を引き出す動機づけです。「上司から認められたい」「昇給したい」「懲罰を受けたくない」といった外部からの影響によってもたらされます。
すぐに行動を変容させられる一方で、モチベーションの長期的な持続はあまり期待できません。外発的動機づけをおこなう際は、この点についても注意しておく必要があります。
2.社員のモチベーションが低下してしまう原因

モチベーションマネジメントで一定の成果を出すには、まずは社員のモチベーションが低下する原因について知っておくことが重要です。ここでは、主な4つの原因についてご紹介します。
- 目標設定が本人の能力に合っていない
- 評価に不満を感じている
- 仕事にやりがいをもてない
- 業務が多忙で疲労を感じている
2-1. 目標設定が本人の能力に合っていない
会社の生産性を上げるために、社員に高い目標設定を強いていることも少なからずあるでしょう。本人のスキルや能力にそぐわない目標になっていると、「達成するのは無理」と諦めモードになってしまい、仕事への意欲低下につながってしまいます。
一方的に目標を課すのではなく、社員との面談を通して目標のすり合わせをおこなうことが重要です。本人のスキルにあった目標であれば、モチベーションの維持だけでなく、本人の成長も期待できるでしょう。
2-2. 評価に不満を感じている
評価に対する不満も、社員のモチベーションを低下させる要因の一つです。社員が評価に不満をもつ原因として挙げられるのは、人事評価の不透明さにあるでしょう。評価基準や評価過程が明確にされていないことで、社員は不満や不信感を抱きやすくなってしまいます。
まずは、人事評価を可視化させて、社員に人事評価の基準や過程を明確に示すことが大切です。現行の仕組みで可視化させることが困難な場合は、客観的に評価ができる人事評価システムの導入を検討してみても良いでしょう。
2-3. 仕事にやりがいをもてない
仕事に慣れてくると処理能力は上がり生産性が高まる一方で、仕事自体が単調に思えてしまい、やる気の低下を招くことがあります。また、自分の仕事が誰かの役に立っている実感が得られないことも、仕事へのやりがいを失う原因につながります。
やりがいを失っている社員に対しては、担当している仕事の目的や重要性、日頃の頑張りに対する感謝の言葉など、適切なコミュニケーションを図ることが大切です
2-4. 業務が多忙で疲労を感じている
残業や休日出勤が続いていると身体的疲労が蓄積されていき、モチベーションを維持することが困難になってきます。また、継続的な身体的疲労は、モチベーションの低下だけでなく、心の病気を招く恐れもあるため放置するのは禁物です。
有給休暇の取得を促すなど、労働時間や健康管理を適切に労務管理するのはもちろんのこと、業務内容や役割分担の見直しも場合によっては必要となってくるでしょう。
3. モチベーションマネジメントのメリット

モチベーションマネジメントによって得られるメリットを3つ紹介します。
- 企業の業績アップ
- 従業員のスキルアップ
- 離職率の減少
メリットを把握してモチベーションマネジメントに取り組みましょう。
3-1. 企業の業績アップ
モチベーションマネジメントがうまくいくと、従業員は自発的かつ意欲的に業務に取り組むようになります。業務の効率化を図れるだけでなく、サービス・商品の品質向上や、生産性アップにつながることも。個々のモチベーションマネジメントの成功により、全体の業績アップを果たした企業も少なくありません。
3-2. 従業員のスキルアップ
従業員が仕事に対して意欲的に取り組むことで、目に見えた成果が出やすくなります。この成功体験が従業員を後押しし、より高い目標にもチャレンジできるようになるのです。
3-3. 離職率の減少
従業員が離職する理由のひとつに、モチベーションの低下が挙げられます。モチベーションマネジメントで従業員の意欲を保つことで、優秀な人材の離職を防ぐことができます。
4. モチベーションを高めるために必要な4つの要素

モチベーションマネジメントにおいて大切な4つの要素について詳しく解説します。
- 状況の把握
- 正当な評価制度
- 適切な目標の設定
- スキルや能力を活かせる人材配置
モチベーションマネジメントをスムーズに進めるためにも、それぞれの要素を把握しておきましょう。
4-1. 状況の把握
モチベーションマネジメントにおいて、現在の従業員のモチベーションを把握しておくことは重要です。チームミーティングや1on1ミーティングなどで、定期的にコミュニケーションを図り、モチベーションの低下にいち早く気づける環境を整えておきましょう。
4-2. 正当な評価制度
成果に対し、正当な評価が得られなければ、従業員のモチベーションは下がる一方です。企業が個人の努力を正当に評価する姿勢を見せるためにも、正当な評価制度の構築に取り組みましょう。
従業員のスキルやその習熟度を盛り込んだスキルマップの運用も評価に活用できます。また、周囲からの評価を内的な動機として活かすために、従業員同士で感謝の気持ちなどを送り合う制度を取り入れている企業もあります。これは経営層や上司だけでなく、同じ立場の人から評価されるため、従業員の自発的なやる気を引き出す仕組みです。
4-3. 適切な目標の設定
人事考課のために個人目標を設定する場合、従業員の目標は、高すぎず、低すぎず、設定するよう心がけましょう。目標達成が困難すぎても、容易すぎても、モチベーション低下の原因となってしまうためです。
目標を設定する際は、企業の経営目標と従業員の個人目標を連動させた「目標管理制度(MBO)」を活用するのも手段のひとつ。従業員の目標の達成が、どのように企業に貢献しているかがわかるため、モチベーションの向上につながります。
関連記事:MBO(目標管理制度)とは?メリットや導入方法を詳しく紹介
4-4. スキルや能力を活かせる人材配置
人材配置をおこなう場合は、企業のニーズを踏まえることはもちろん、従業員個人のスキルや能力を活かせるよう配慮しましょう。スキルや能力を活かせる配置にすると、従業員もやりがいや満足を感じやすくなり、人的資源の最適化にもつながります。
5. 目標設定・評価に役立つフレームワーク

モチベーションマネジメントにおいて、ぜひ活用したいフレームワークとして以下を紹介します。
- SMARTの法則
- カークパトリックモデル
- HPI(Human Performance Improvement)
- カッツモデル
5-1. SMARTの法則
目標設定のために使われるフレームワークで、目標達成に必要な次の5項目から分析を進めます。「SMART」とは、5項目の頭文字をとったものです。
- 具体性(Specific):目標の内容が具体的でわかりやすいか
- 計測可能性(Measurable):数字で達成度を測定できるか
- 達成可能性(Assignable):目標は達成可能か
- 関連性(Realistic):(組織などの)目標に関連しているか
- 明確な期限(Time-related):達成までの期限が決められているか
人材育成の場でこのフレームワークを活用すると、従業員の能力にあわせた目標を設定でき、目標達成のために何をすべきかがわかりやすくなります。
5-2. カークパトリックモデル
カークパトリックモデルとは、教育の成果を4レベルに分けて評価するフレームワークです。
- 反応:研修直後、満足度などのアンケート調査をおこなう
- 学習:研修の数日後、理解度を測定する試験やレポート提出などをおこなう
- 行動:研修の3~6カ月後、上司や本人にヒアリングし、仕事上での成果や変化を確認する
- 結果:研修から一定期間後、企業の業績向上度の変化をチェックする
レベルが上がるにつれて、評価の難易度も上昇します。教育の数値がどの程度出ているのか、数字で把握できるというメリットもあります。
5-3. HPI(Human Performance Improvement)
HPI(Human Performance Improvement)は、組織・人材のパフォーマンス向上を図るフレームワークです。
まず、人材の理想像や現状を把握し、課題が生まれる原因分析をおこないます。その後、課題解消に向けて人材育成の手法を実行し、成果を分析します。組織全体の視点から人材育成の課題を把握する方法のため、人材育成の成果が上がらない時にも有効です。
5-4. カッツモデル
カッツモデルは次のようなマネジメント層に対して用いられるフレームワークです。
- ローワーマネジメント:店長、現場監督など
- ミドルマネジメント:部長、課長、係長など
- トップマネジメント:社長など
マネジメント業務においては、次の3つのスキルが重視されます。
- テクニカルスキル:仕事を遂行する能力、専門的な知識など
- ヒューマンスキル:コミュニケーションにおける能力全般
- コンセプチュアルスキル:論理的思考や俯瞰力など
カッツモデルを使うと、マネジメントの立場ごとに必要なスキルを把握でき、目標を設定しやすくなります。また、それに応じて教育を進められるため、効率よくスキルアップを図れるでしょう。
6. モチベーションを数値で「見える化」する仕組み

モチベーションを具体的な経営戦略に活かすためには、個人の感覚に頼らず、客観的な指標として測定・把握しましょう。以下のような方法でモチベーションは数値化可能です。
6-1. 社員サーベイやエンゲージメントスコアの測り方
社員のモチベーションや組織への愛着度(エンゲージメント)を測定する最も一般的な手法は、社員サーベイです。社員サーベイでは、職場の人間関係、仕事のやりがい、企業理念への共感、上司のサポート体制など、多角的な質問項目を設定し、従業員に回答してもらいます。
6-2. モチベーション指標(M-index)の作り方
自社独自のモチベーション指標(M-index)を作る際は、一般的なエンゲージメントスコアだけでなく、企業の経営目標や戦略に直結する要素を組み込むことが有効です。
M-indexを構成する要素としては、以下のような項目を定量的に評価し、総合的に算出します。
定着率(離職率の逆数):社員が企業に留まる意欲の指標
社内公募制度への応募率:キャリア開発や挑戦意欲の指標
有給休暇取得率や残業時間:ワークライフバランスと健康状態の指標
上司との面談回数や満足度:コミュニケーションの質の指標
7. モチベーションマネジメントの事例

モチベーションマネジメントに取り組む際は実際の事例を参考にするのも効果的です。ここでは以下のような事例を解説します。
独自のメソッドの確立
相互評価制度の導入
7-1. 事例1: 独自のメソッドの確立
ある企業では、専門職として働く従業員の多くが女性であり、仕事と育児の両立を組織的にサポートする必要がありました。従業員のモチベーション維持・向上を目的として、独自の支援体制を確立しました。
この制度の概要は、子育て中の従業員(時短勤務者)が、子どもの送り迎えや急な体調不良などで業務を離れなければならない際、専門のサポートスタッフが店頭での業務や顧客対応を代行するという仕組みです。
この支援体制の導入により、出産や育児を理由とする退職率は低下しました。従業員は、仕事と家庭生活のバランスを取れることへの強い安心感を得ることができ、長期的な視点を持ってキャリアを描きやすくなりました。結果として、組織へのエンゲージメント(愛着)と仕事へのモチベーションが向上しています。
7-2. 事例2: 相互評価制度の導入
モチベーションマネジメントの具体的な事例として、ある企業では相互評価制度を導入しました。この制度は、従来の上司から部下への一方的な評価に代わり、同僚や部下、他部署のメンバーといった、日頃から業務で関わる複数の人が従業員を評価する仕組みです。
この制度を導入する主な目的は、従来の評価では見落とされがちだった貢献を正当に評価することでした。具体的には、チームへの協調性、他者をサポートする姿勢、地道なプロセスへの努力など、定量化しにくい側面や非定型的な貢献に光を当てることです。
相互評価制度を導入した結果、評価される側の従業員は、日頃の努力や陰の貢献が正しく認められていると感じ、評価への納得感と仕事への意欲が高まりました。
8. モチベーションとリンクする目標設定・評価が重要

モチベーションマネジメントは、従業員が自発的に意欲を持って仕事に取り組めるよう、動機づけとサポートを行う重要なマネジメント手法です。その成功は、企業の業績アップや離職率の減少に直結します。
マネジメントにおいては、まず目標設定が本人の能力に合っているかを確認し、その達成に向けた取り組みや成果を正当に評価する制度の構築が不可欠です。内発的動機づけと外発的動機づけの二面性を理解し、「SMARTの法則」などのフレームワークを活用することで、目標設定や評価の質を高められます。
さらに、社員サーベイでモチベーションを数値で「見える化」し、ライフイベントへの支援や相互評価制度といった具体的な事例を参考に、従業員一人ひとりの意欲を最大限に引き出す環境を整えることが、モチベーションマネジメントを成功させるポイントです。
人事評価制度は、健全な組織体制を作り上げるうえで必要不可欠なものです。
制度を適切に運用することで、従業員のモチベーションや生産性が向上するため、最終的には企業全体の成長にもつながります。
しかし、「しっかりとした人事評価制度を作りたいが、やり方が分からない…」という方もいらっしゃるでしょう。そのような企業のご担当者にご覧いただきたいのが、「人事評価の手引き」です。
本資料では、制度の種類や導入手順、注意点まで詳しくご紹介しています。
組織マネジメントに課題感をお持ちの方は、ぜひこちらから資料をダウンロードの上、お役立てください。
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