接待交際費とは?経費処理で押さえるべき4つのポイント

クライアントとの会食や社員同士の懇親会は、取引をスムーズに進めたり、企業の業績を伸ばしたりするうえで重要な活動です。

これらの活動にかかる費用は経費として計上するのが一般的ですが、接待交際費として計上すべきか、他の項目として計上すべきか、迷うケースも多いでしょう。

そこでこの記事では、接待交際費の概要や、経費処理のポイントなどを解説します。接待交際費を正しく取り扱うことで節税にもつながりますので、経理担当者はぜひ読んでください。

働き方改革が始まり、「経費精算システムの導入を考えているけど、何から着手したらいいかわからない・・。とりあえず、システム比較からかな?」とお悩みの経理担当者様も多いでしょう。

そのような方のために、今回「経費精算システム導入完全ガイド」をご用意いたしました。

ガイドブックには、以下のようなことがまとめられています。

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経費精算システムの導入を成功させるため、ぜひ「経費精算システム導入完全ガイド」をご参考にください。

1.接待交際費の定義と中小企業と大企業の違い

1-1. 接待交際費とは

接待交際費とは、取引先や仕入先といった事業に関係のある企業の人に対して、接待や謝礼などをおこなうためにかかった費用のことです。

国税庁の定義によると、接待だけでなく、供応、慰安、贈答、これらに類する行為にかかる費用は、接待費等であるとされています。[注1]

たとえば、クライアントとの会食にかかった食事代や、取引先へ贈るお中元の費用などは、接待交際費といえるでしょう。

当然ですが、事業をおこなううえでは関係のない友人の会社との会食費用などは、接待交際費ではありません。

あくまでも、事業をおこなうために必要な支出だけが経費となります。また、名目上は交通費や広告宣伝費として計上していても、実質は接待や贈答などに当たると判断される場合、税務上は接待費等として扱われます。

[注1]

国税庁「交際費等の範囲と損金不算入額の計算」

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5265.htm

1-2. 中小企業の接待交通費における考え方

交際費は、全額が法人税の損金(税務上の経費)扱いにはなりませんが、中小企業(資本金または出資金の額が1億円以下となる企業)の場合、接待交際費として年間800万円を上限とした損金算入が特例として認められています。

中小企業における接待交際費の考え方については詳しく調べておいた方がよいでしょう。

関連記事:中小企業こそ要注意の「接待交際費」の範囲や計上のポイント

2. 接待交際費に当たる5つの支出と摘要

クライアントとの会食費用やパーティーを主催するための費用、自社の社員との飲食代、取引先へのお中元やお歳暮にかかる費用など、さまざまな支出が接待交際費に該当します。

ここでは、どのような支出が接待交際費に当たるのか、具体的に見ていきましょう。

2-1.クライアント企業の社員との会食費用

クライアント企業の社長や担当者との会食にかかった費用は、基本的には接待交際費に該当します。

クライアント企業の社員だけではなく、仕入先の社員や役員、株主など、自社の事業に直接的、間接的に関わっている人との会食費用であれば、接待交際費として問題ありません。

ただし、1人当たりの費用が5,000円以下の場合は、接待交際費には該当しません。

たとえば、クライアント企業の社員5名、自社の社員5名の合計10名で会食を行い、合計金額が30,000円だった場合、1人当たりの費用は3,000円です。

1人当たりの費用が5,000円以下であるため、接待交際費には当たらないのです。合計金額が60,000円だった場合は、1人当たりの費用は6,000円であるため、接待交際費に該当します。

2-2.自社の社員との飲食代

クライアントや仕入先の企業の社員を含まず、自社の社員のみで行う飲食の代金も接待交際費に当たります。

交際費等の相手としては、社外の人だけでなく自社の社員や役員も含まれるため、正確には接待ではありませんが、交際費等には該当するのです。

2-3.クライアントを招待したパーティーなどの費用

クライアントを招待したパーティーを開催する場合、会場代や飲食代は接待交際費に該当します。

特別な司会者を呼ぶための費用、クライアントへのプレゼント代、パーティー後のタクシー代なども、接待交際費に含まれるでしょう。

逆に、クライアントが主催するパーティーに参加するための費用も接待交際費に当たります。

2-4.クライアントへのお中元やお歳暮にかかる費用

取引先や仕入先へ贈るお中元やお歳暮にかかる費用も、接待交際費に該当します。商品券やギフト券といった贈答品も同様です。

冠婚葬祭に関する費用、事業やイベントに協力してもらった謝礼金なども接待交際費に当たるでしょう。

2-5.クライアントを旅行やゴルフに招待するための費用

クライアント企業の社長や役員、担当者などを旅行に招待するための費用も、接待交際費に当たります。ゴルフや演劇、その他のイベントに招待する場合も同様です。

関連記事:接待交際費の摘要欄の書き方3つのポイントを分かりやすく解説

3. 接待交際費に当たらない5つの費用

自社の社員のみが参加する運動会の費用や、1人当たり5,000円以下の会食費用などは、一般的に接待交際費には該当しません。

ここでは、どのような費用が接待交際費から除外されるのか、具体的に確認しておきましょう。

3-1.1人当たり5,000円以下の会食費用

クライアントの接待であったとしても、会食費用が1人当たり5,000円以下である場合は、接待交際費には該当しません。

簡単なランチや飲み会程度の費用であれば、接待交際費には当たらないのです。

ただし、会食をした日付、会食に参加した人の氏名や関係、参加人数、合計金額や飲食店名などを記載した書類を保存しておかなければなりません。

書類がない場合は、接待交際費に該当してしまう可能性もあるため注意しましょう。

関連記事:接待交際費「5000円基準」の意味や具体的な内容とは?

3-2.自社の社員のみが参加する運動会や旅行などの費用

自社の社員のみが参加する運動会や旅行、ゴルフコンペといったイベントの費用も接待交際費には当たりません。

前述のとおり、クライアントが参加するイベントの費用は、接待交際費に当たります。

3-3.打ち合わせのための飲食代

クライアント企業の社長や担当者と打ち合わせをしながら食事をした場合、その費用は接待交際費ではなく会議費に該当します。

クライアントと社内で会議を行う場合のお弁当代やお茶代、喫茶店などで打ち合わせをする場合の飲食代も接待交際費ではありません。

3-4.カレンダーやうちわなどを贈るための費用

取引先や仕入先へ、カレンダーやうちわなどを贈るための費用も、接待交際費には該当しません。

手帳や手ぬぐい、ステッカーなどにかかる費用も同様です。これらは商品券やギフト券などとは異なり、不特定多数の人に対する宣伝的効果を意図しているため、接待交際費ではなく広告宣伝費に該当します。

3-5.雑誌や新聞などの記事を書くための取材費用

雑誌や新聞などの記事を書くために、喫茶店などで取材をするケースもあるでしょう。その際にかかった飲食代は、基本的に接待交際費には当たりません。

テレビ番組を作成するための座談会の費用や、ネットニュースのための取材費用なども同様です。

関連記事:接待交際費と似た勘定科目とは?間違えないためのチェックポイント

4. 接待交際費を経費処理する際の5つのポイント

接待交際費を経費として処理する場合は、上限金額や領収書の扱いについて把握しておく必要があります。

ここでは、接待交際費を経費として計上する際のポイントについて解説しますので、ぜひチェックしてください。

4-1.接待交際費を経費計上できる額には上限がある

接待交際費は、全額を経費として計上できるわけではありません。事業年度や資本金の額によって、上限が定められているのです。

たとえば、平成26年4月1日以降に開始する事業年度であり、資本金が1億円以下である場合、1年間に接待交際費として計上できる金額の上限は、次のいずれかとなります。

(1)接待飲食費の50%

(2)800万円

(1)の接待飲食費とは、接待交際費のなかでも、取引先や仕入先の社員を接待した場合の飲食費用のことです。

取引先に贈るお中元などの費用は、接待交際費ではありますが、接待飲食費には該当しません。(1)と(2)のどちらを選ぶかは、企業が自由に選択できます。

たとえば、接待飲食費が1,200万円とすると、(1)の場合は600万円、(2)の場合は800万円を経費計上できるため、(2)を選んだほうが節税につながります。

接待飲食費が1,800万円だったとすると、(1)の場合は900万円、(2)の場合は800万円を経費とできるため、(1)のほうが有利といえるでしょう。

関連記事:接待交際費には上限がある!計上時に注意すべきこととは?

4-2.領収書をしっかりと保管しておく

接待交際費だけに限りませんが、さまざまな支出を経費として計上するうえでは、領収書をしっかりと保管しなければなりません。

領収書は、事業に関する費用であることを証明する重要な書類です。

どのような目的で誰を接待したのかがわかるよう、金額だけではなく、日付や参加者名、参加人数なども記載しておきましょう。

とくに新入の営業社員などは、領収書について知らない場合も多いので、しっかりと教育することが大切です。

4-3.商品券やギフト券などの扱いに注意する

接待交際費のなかでも、費用によって課税仕入れか非課税仕入れかは細かく分けられています。

たとえば、接待で飲食やゴルフをした場合の費用は課税仕入れですが、商品券やギフト券などを贈った場合の費用は非課税仕入れです。

細かく分類されているため、取り扱いに注意しましょう。

4-4.会議費や福利厚生費と間違えないようにする

会議費や福利厚生費は、接待交際費と似ているため、間違えないように注意しなければなりません。

たとえば、クライアントと喫茶店に行ったとしても、打ち合わせ目的であれば、接待交際費ではなく会議費として計上できます。

接待交際費には上限がありますが、会議費には上限がないため、できるだけ会議費として経費計上するほうが節税につながるでしょう。

関連記事:接待交際費と会議費を区分する3つの見極めポイントを徹底解説

4-5.接待交際費の消費税について理解しておく

接待飲食費は、基本的に消費税の課税対象です。ただし、日本国外の飲食店において、海外のクライアントを接待する場合は、課税の対象にはなりません。

接待飲食費の消費税課税率は、10%または8%です。

たとえば、料亭や居酒屋などでクライアントを接待した場合は、外食であるため課税率は10%となりますが、社内でお弁当やお茶を提供した場合は、軽減税率が適用されるため8%となります。

関連記事:接待交際費の消費税課税区分やそれぞれの課税率を詳しく解説

5. 接待交際費を規定に沿って正しく経費計上しよう!

今回は、接待交際費に該当する費用やしない費用、経費計上するときのポイントなどについて解説しました。

接待交際費は、会議費や福利厚生費などと混同しやすく、取り扱いが難しい経費のひとつです。ただ、うまく取り扱うことで節税にもつながりますので、よく理解しておくことが大切です。

接待交際費に該当するかどうかは、会食の内容や参加者、かかった飲食代などによっても異なりますので、正確に判断できるよう、しっかりと確認しておきましょう。

関連記事:接待交際費の仕訳の正しい書き方3つのポイントと注意点を解説

関連記事:接待交際費規定の必要性や作成方法・運用ポイントを徹底解説

経費精算システムの導入で工数削減を実現

近年、人手不足などの背景から、バックオフィス業務の効率化が多くの企業から注目されています。

経費精算業務は、申請書類や金額の確認作業にとにかく手間がかかりますし、仕訳やFBデータの作成はミスが許されないので、時間がかかりストレスを感じるでしょう。

どうにか「面倒な手作業」を削減したいけど、どうしたらいいかわからないとお悩みの方は、経費精算システムの導入を検討してみましょう。

経費精算システムとは、経費精算の申請から承認、経理担当者の処理作業までを、一気通貫でオンライン化できるシステムのことです。経費精算システムの導入を検討することで、

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