納品書の書き方やポイント・必須項目を分かりやすく解説
更新日: 2024.5.8
公開日: 2021.11.20
jinjer Blog 編集部
取引先に商品を納品する際、通常「納品書」を発行します。
納品書の発行は法的に義務付けられているわけではありませんが、納品書があると取引先が行う検収作業の効率化に寄与できるほか、納品にまつわるトラブル防止にも役立ちます。
ただ、納品書そのものにミスがあると、取引先の検収作業に支障を来してしまったり、無用なトラブルが発生したりする原因となりますので、正しい書き方をきちんとマスターしておきましょう。
今回は、納品書の基本的な書き方と、作成時のポイントについて解説します。
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1.納品書の基本的な書き方
まずは、納品書の基本的な書き方の手順を3つのステップにわけてご紹介します。
1-1. 納品書のフォーマットを用意する
納品書のフォーマットに法的な決まりはありませんので、取引先から指定がない場合は会社ごとに用意しましょう。
すでに会社にフォーマットがある場合はそれを使用しますが、ない場合はExcelやWordなどのソフトを使って自作しても良いですし、インターネットから納品書のテンプレートをダウンロードして使ってもかまいません。
また、最近は納品書を作成できる業務用ソフトも数多くリリースされています。
専用ソフトにはあらかじめ納品書のテンプレートがいくつかプリインストールされており、好みに合わせて選択・アレンジすることが可能となっています。
手間をかけたくない場合は、ネットからのダウンロードまたは専用ソフトの導入がおすすめです。
1-2. 必要事項を記載する
フォーマットが決まったら、納品書に必要事項を記載します。
納品書に記載すべき項目、記載した方が良い項目については次節で詳しく説明します。
1-3. 納品書を郵送or送信する
必要事項をすべて記載したら、手書きorプリントアウトした納品書を取引先に郵送します。
封筒のサイズに決まりはありませんが、納品書がA4サイズなら一般的に、三つ折りにして封入できる「長形3号」の封筒が使用されます。
表面には取引先の名前と宛先を記載したうえで、納品書が入っていると一目でわかるよう「納品書在中」の文字を入れます。
この文字は手書きでもかまいませんし、納品書を発行する機会が多い場合はスタンプを作成することで業務を効率化できます。
裏面には自社の名前と住所を書きますが、こちらもスタンプにした方が効率的でしょう。
なお、納品書は必ず書面で交付することが決まっている文書ではないので、パソコンで作成し、そのまま電子データとして送信することも可能です。
その場合、簡単に文書が編集・改ざんできないよう、PDFファイルに変換してからメールなどに添付し、送信します。
ただ、納品書は確定申告を行うときに使用する国税関係帳簿書類等に該当するため、電子データとして保存するためには、税務署長の事前承認が必要となっています(2022年1月からは不要)。[注1]
もし取引先が電子帳簿保存について税務署長の事前承認が得られていない場合、書面での交付が必要になる可能性もありますので、電子データとして送付する際は、あらかじめ取引先の了承を取っておくようにしましょう。
2.納品書に記入すべき項目
納品書のフォーマットに特に決まりはないと説明しましたが、本来の目的を考えると、必ず記載すべき項目がいくつかあります。
また、必須ではないものの、記載しておいた方が良い項目もありますので、必要に応じて追加しておきましょう。
ここでは、納品書に記入すべき10の項目と、必要に応じて記載した方が良い項目をご紹介します。
2-1. タイトル
納品書であることがはっきりわかるよう、大きめのサイズ&太字で「納品書」と記載します。
記載する位置は、書類の上部中央が一般的です。
2-2. 取引先の名称
納品書を送付する取引先の屋号を記載します。
(株)などと略さず、きちんと◯◯株式会社などと記載し、最後には「御中」をつけましょう。
なお、担当者がいる場合は部署と、「様」の敬称を付けた担当者名を併記します。
2-3. 差出人の名称
差出人、つまり自社の屋号や担当者の名前を記載します。
納品書について質問や問い合わせが来る場合に備え、所在地や連絡先(電話番号やFAX番号、メールアドレスなど)も併せて記載しておくとよいでしょう。
また、屋号や名称にやや重なる形で角印を押印します。
押印は義務ではありませんが、書面の信頼性がアップするため、なるべく押した方がよいでしょう。
電子データとして送信する場合は、電子印鑑を作成し、押印します。
2-4. 発行日
納品書を発行した日付を年月日で記載します。
2-5. 納品した商品の名前
納品した商品の名前を明記します。
検収作業で混乱が生じないよう、基本的には見積書の内容をそのまま転記します。
2-6. 納品物の単価
納品した商品ごとの単価を記載します。
なお、金額の表記は原則として数値のみです。
頭に「¥」をつけるのはOKですが、「円」をつけたり、「万円」などと略したりするのはNGです。
2-7. 納品物の数量
納品した商品ごとの数量を記載します。
この数値が誤っていると、検収作業でエラーが発生し、取引先から問い合わせが来ますので、注文書と照合して間違いがないかどうかしっかりチェックしましょう。
なお、数量の概念がないサービス利用の場合は、数量の部分は「1」または「一式」でかまいません。
2-8. 納品物の合計額
納品した商品ごとの合計額を、単価×数量で算出します。
2-9. 小計
「8. 納品物の合計額」で計算した合計額を小計の欄に記載します。
2-10. 消費税額
「9. 小計」で出した小計にかかる消費税額を記載します。
軽減税率が適用されるものと、そうでないものの2つに分かれる場合は、消費税額の欄を2つ設けて記載しましょう。
2-11. 合計額
「9. 小計」と「10. 消費税額」の合計額を記載します。
なお、5~10まで6項目は表にまとめるのが一般的ですが、合計額に関しては枠外上部にも大きめサイズの太字で記載しておくと、重要な項目を一目で把握できるようになります。
2-12.その他、記載した方が良い項目
ここまでご紹介した10項目は必須事項ですが、さらに任意で記載した方がよい項目が2つあります。
まず1つ目は納品書番号です。
短期間に複数の納品書を発行する場合は、納品書ごとに通し番号を振っておくと、取引先から問い合わせがあった際、納品書番号を教えてもらうだけで確認すべき納品書データをすぐに検索・閲覧できるようになります。
納品書番号があった方が書類整理もしやすくなりますので、納品書の発行数が多い場合は一定のルールのもと、通し番号を振ることをおすすめします。
2つ目は備考欄です。
特に記載すべき項目がない場合は省略してもかまいませんが、「この度はありがとうございました。ご不明な点がありましたら上記連絡先にお問い合わせください」「請求書は別途送付いたします」など、取引先に伝えておきたいメッセージがあった場合は、一筆加えておくとよいでしょう。
ただし、備考欄に記載するのはあくまで当該取引に関する内容のみです。
他の商品のPRをしたり、次回から単価を上げるといった重要事項を伝えたりすると取引先から反感を持たれる可能性がありますので注意が必要です。
関連記事:納品書の作成方法と必要な項目・注意点を分かりやすく解説
3.納品書の書き方に関するポイント
納品書に記載する発行日ですが、納品の仕方によって基準とする日付が異なります。
相手と事前にアポイントメントを取っており、かつ自社配送で納品する場合は、実際に商品や成果物を納品する日付を納品書に記載します。
一方、運送業者に納品物の配送を依頼した場合、出荷の段階で到着日を正確に把握するのは困難です。
仮に2日後に届くことが予想されても、交通事情の影響で遅延が生じたり、取引先が不在で再配達になったりした場合、納品書に記載された日付と実際の納品日にズレが生じてしまう可能性があります。
納品書は必ず、実際の納品より後に発行しなければなりませんので、運送業者に配送を委託する場合は、出荷日を基準に発行日を記載するようにしましょう。
4.納品書はミスのないように正しい書き方をマスターしよう
納品書は、取引先に納品した商品や成果物の内容、数量、金額などを伝えるために作成される書類です。
取引先は納品書と事前に発行された見積書を使用して検収作業を行い、注文通りに商品・成果物が納品されたかどうかチェックしますので、納品書にミスがあると混乱が生じる原因となります。
納品書のフォーマットに決まりはありませんが、取引先に知っておいてもらいたい情報を余すことなくしっかり記載し、円滑な取引を目指しましょう。
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