タイムカードはもう不要?GPS打刻で正確な勤怠管理をおこなう方法
更新日: 2024.10.1
公開日: 2020.1.29
jinjer Blog編集部
タイムレコーダーを使った勤怠管理をしている企業で、「従業員がタイムカードを押し忘れる」「不正な打刻が多い」「外回りの職種のタイムカードが虫食いになってしまう」といった悩みを抱えているケースが少なくありません。
また、紙のタイムカードは手作業で集計・管理する必要があるため、毎月の給与計算作業や労務管理も大きな手間がかかります。
最近、注目を集めている勤怠管理方法が、スマートフォンやタブレットのGPS機能を使う「GPS打刻」です。アプリケーション上で打刻する際に従業員の「位置情報」を取得できるため、紙のタイムカードにありがちな問題の多くを解決できます。
この記事では、GPSで打刻できるアプリの導入メリットや、導入にあたっての注意点を解説いたします。勤怠管理にお悩みの企業の方は、ぜひ参考にしてください。
【関連記事】最新のタイムカード機5選!買い替え時に一緒に見ておきたい勤怠管理システムもご紹介
目次
タイムカードによる勤怠管理で頭を悩ませるのが、「漏れや押し忘れ」「不正打刻の疑い」による正確性の欠如です。
近年では、働き方改革によりリモートワークを導入する企業が増え、多様な働き方が認められつつある一方で、それにより厳密な勤怠管理の難易度もあがっています。
この機会にアナログの勤怠管理を脱出して、勤怠管理を正確に管理したいという人事労務担当者の方には、GPS打刻が可能な勤怠管理システムがおすすめです。
この機能では、GPSによる従業員の打刻時の位置情報を確認することや、GPSの位置情報に基づいて、打刻できる範囲を制限して設定することが可能です。
当サイトでは、GPS打刻の解説をはじめ、勤怠管理システムで実現する工数削減について説明していますので、くわしく知りたい方は、こちらからダウンロードの上ご活用ください。
1. 勤怠管理を正確におこなわなければならない理由
従業員の労働時間を適切に把握することは、労働安全衛生法により義務付けられています。そのため、企業は従業員が「いつ業務を開始して」「いつ退勤したのか」を正確に把握しなければなりません。しかし、タイムカードを押し忘れてしまう人や直行直帰の営業が多い職場では、客観的な記録を用いて労働時間を管理することは難しいでしょう。
厚生労働省のガイドラインでは、労働時間を適切に管理するために講ずるべき措置として「ICカードや勤怠管理システムなどの客観的な記録を基礎とすること」と「従業員が自ら確認できること」の2点を挙げています。やむおえず自己申告制で管理する場合も、「運用ガイドラインの用意」や「労働者とその管理監督者への十分な説明」、「実態調査の実施」などをおこなうよう指示しているため、注意が必要です。
[参照]労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン|厚生労働省
1-1. タイムカードがない会社は違法なのか?
先述のとおり、労働時間を適切に管理することは会社の義務です。そのため、従業員の労働時間を適切に管理していない会社は違法となるでしょう。しかし、タイムカードでなくても、労働時間を管理するための記録を残している場合は違法にはなりません。
一般的に、労働時間を記録・管理するためのツールとして、以下のものが用いられています。
- タイムカード
- 勤怠管理システム
- 日報(業務報告書)
- パソコンの使用履歴
以前はタイムカードを用いて勤怠管理をおこなう企業が多数でしたが、翌月まで従業員の労働時間が把握できず、労働時間の管理が難しい点や直行直帰に対応できないこと、タイムカードの紛失といった問題が多くありました。また、「同僚が遅刻しそうだから…」と他人の分を打刻してしまう不正打刻の問題もあり、タイムカードから勤怠管理システムに切り替える企業が増えています。
関連記事:タイムカードのない会社は違法?正しい勤怠管理について解説
2. 位置情報(GPS)で打刻できる勤怠管理システムとは?
GPS打刻とは、スマートフォンやタブレットのGPS機能を利用し、アプリケーション上で打刻すると同時に本人の位置情報も送信してもらう勤怠管理方法です。
従業員にスマホやタブレットを貸与している企業や、従業員の情報端末の私的利用(BYOD)を許可している企業なら、高額な情報システムを新たに購入する必要はありません。GPS打刻アプリを従業員にインストールしてもらうだけで、すぐに利用開始できます。
2-1. GPSで打刻できる勤怠管理システムが導入される目的
従来のタイムカードと異なり、「いつ打刻したのか」「どこで打刻したのか」の両方がわかるため、より正確な勤務実態の把握が可能となります。アプリにログインし、直感的な操作で簡単に打刻できるため、従来のタイムレコーダーを使用した方法よりも手間がかかりません。
直行直帰・外出先での正確な打刻管理
とくに営業や出張など直行直帰が多い職種では、外出先で手軽にできるGPS打刻を採用するケースが増えています。多くのGPS打刻アプリでは、位置情報を利用して、打刻が有効となる場所の範囲をあらかじめ設定できるため、不正な打刻を防ぐことも可能です。
勤怠管理・集計の効率化
また、勤怠管理の効率化を目的として、GPS打刻を導入する企業も少なくありません。GPS打刻で記録した時刻と位置情報は、勤怠管理システム上で自動保存され、データベース化されます。システムの管理画面を通じて、従業員ごとに週単位・月単位で勤務データを確認し、勤務時間が超過していないかなどの労務管理に役立てることができるでしょう。
3. GPS打刻による3つのメリット
位置情報(GPS)で打刻する方法は、タイムカードを使う方法よりも、企業の勤怠管理に多くのメリットをもたらします。「いつ打刻したのか」「どこで打刻したのか」の2つの情報を活用し、正確で効率的な勤怠管理が可能です。
3-1. 従業員の打刻漏れを防げる
GPS打刻では、スマホやタブレットのアプリを操作するだけで、打刻した時間と場所がシステム側で確実に記録されます。そのため、社員の打刻し忘れが起こりにくいのです。
紙のタイムカードを使った方法では、従業員がタイムレコーダーのある場所に行って操作する必要があるため、打刻そのものに手間がかかります。
始業前の慌ただしい時間帯では、その日の仕事のことで頭がいっぱいで、打刻を後回しにしてしまう社員も少なくありません。
GPS打刻なら、必要なのはスマホやタブレットの操作だけです。数秒で打刻が完了するため、忙しい時間帯や業務量の多い繁忙期でも、従業員の負担になりません。
【関連記事】従業員がタイムカードを押し忘れる理由で意外と多い3つのポイント
【関連記事】タイムカードの押し忘れを完全に防ぐ4つの対策を徹底解説
3-2. 不正な打刻を防止できる
GPS打刻の最大の特徴が、打刻した従業員の位置情報を記録できる点です。
「誰が・いつ・どこで打刻しているか」を管理者側が把握できるため、実際には出勤していないのにもかかわらず、その場にいたかのように装う不正打刻を防止できます。
従来のタイムレコーダーを使った方法では、「代理打刻」がおこなえてしまいます。
代理打刻とは、電車に乗り遅れたり、寝坊して出社時刻に間に合わなくなったりしたときなどに、同僚など他人に頼んで代わりに打刻を頼む不正のことです。
もちろん、生体認証やICカードに対応したタイムレコーダーなら代理打刻を防止できますが、機材を所持していない場合は追加で費用が発生します。
GPS打刻ならアプリのインストールだけで済むため、導入の手間やコストがほとんどかかりません。
【関連記事】タイムカードの改ざんは違法!正しい対処法や対策をご紹介
3-3. 外出先での出退勤を正確に把握できる
営業などの外回りが多い職種では、訪問先へ直行直帰するケースも少なくありません。こうした職種に対しては、日報の提出や後日の自己申告などで、出退勤を管理します。虚偽報告ではなくても、本人の記憶が曖昧になってしまうこともあり、正確な勤務実態を把握することは困難です。
GPS機能を使った打刻は、外出先でもスマホやタブレットで手軽に打刻できます。位置情報を送信するため、従業員が今どこにいるかを正確に知ることもできます。外出先でも、オフィスにいるときと同様に打刻できるのが、GPS打刻のメリットです。
【関連記事】外回り営業担当者の労働時間管理を確実におこなうための3つの方法
ここまでGPS打刻について説明してきましたが、タイムカードが勤怠管理システムに入れ替わった場合の具体的なイメージが湧かないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そのような方に向けて当サイトでは「【課題別】勤怠管理システムを使用したタイムカードの課題解決BOOK」という資料を無料配布しております。本資料ではタイムカードから勤怠管理システムに乗り換えた場合の勤怠管理の方法やメリットなどを実際のシステム画面もみながら理解することができます。
タイムカードから勤怠管理システムへの乗り換えを検討している方にとっては大変参考になる資料となっておりますので、ぜひこちらから無料でダウンロードしてご覧ください。
4. GPS打刻による3つのデメリット
不正打刻や打刻漏れを防止できるGPS打刻ですが、デメリットも存在します。導入にあたっては、デメリットもしっかりと把握した上で検討を進めましょう。
4-1. スマホ端末とバージョンが合っているか
従業員個人のスマホに勤怠管理アプリをインストールして利用する際、スマホ端末とアプリとバージョンや機種が適合しているかが問題になります。その理由として、スマホの端末はandroidやiPhoneなどの種類が多いため、スマホ端末の動作保証が難しいことが背景にあります。
ブラウザを利用する場合でも、スマホのブラウザのバージョンが古いことで、途中で動作が止まってしまったり、打刻画面が開けなかったりなど、上手く動作しない可能性があります。
しかし、古いものや利用者が少ないものは、動作可能かどうか検討するのは難しい形になっています。そのため、具体的にどのスマホ端末であれば動作するか情報収集しておきましょう。
4-2. スマホのOSやアプリを定期的にアップデートする
スマホやパソコンを使用する際に、正しく動作させるためにOSやアプリを最新にする必要があります。勤怠管理システムを導入した場合は、スマホでの勤怠管理の際に、従業員に対してOSやアプリを最新の状態にアップデートしておくよう通知する必要があります。
また、導入したシステムがスマホのOSのアップデートに対応しない場合、利用し続けた際に動作しなくなる可能性があります。導入する前に、導入後のサポート面についても確認しておきましょう。
4-3. GPSの位置情報取得ができない場合、不正打刻の可能性も
スマホで勤怠情報が入力できれば、どんな場所にいても打刻が可能になります。しかし、位置情報が取得できなければ、そもそもGPS打刻を利用できないため、不正な出勤や退勤の打刻をしても、確認することができません。不正打刻は、労働基準法に触れる違反行為に適合するため、場合によっては罰則の適用もあります。
5. 位置情報(GPS)で打刻できるアプリの2つの導入ポイント
ここまで、GPS打刻のメリットを解説しました。しかし、GPS打刻は従業員の個人情報を取得するため、あらかじめ配慮が必要です。
また、より便利にGPS打刻を使うためにも、導入にあたっては2つのポイントを意識しましょう。
5-1. スマホだけでなくタブレットにも打刻システムを採用する
GPS打刻に対応した勤怠管理システムにはさまざまな種類がありますが、中にはスマートフォンにしか対応していない商品があります。
最近は職場でもタブレットを活用する機会が多いため、なるべくスマートフォン・タブレットの両方に対応した勤怠管理システムを選びましょう。
また、スマホ・タブレット両対応のシステムでも、AndroidかiOSのどちらかでしか使えないものもあるため注意が必要です。
そのほか、Google HomeやApple Watchなど、さまざまなデバイスに対応した勤怠管理システムを選ぶと、業務での活用の幅が大きく広がります。
5-2. プライバシー保護に配慮する
GPS打刻を導入するということは、従業員の位置情報を取得するということになります。そのため、位置情報が不正に利用されることがないよう、情報利用の範囲やルールを十分に定め周知することが大切です。
また、位置情報を取得されるとなると、監視されているようで不快だと感じる従業員もいるかもしれません。しかし、GPS打刻によって位置情報が送信されるのは打刻の時点だけであり、管理部門側が従業員の位置を常時把握しているということにはなりません。
そのことを従業員に説明し十分な理解を得てから導入することで、従業員とのトラブルも起きにくくなるでしょう。
6. GPS打刻の導入で正確かつ効率的な勤怠管理を実現!
今回は、位置情報(GPS)で打刻できるアプリを導入するメリットや、導入にあたって注意したいポイントを解説しました。
タイムカードの押し忘れを防止できるだけでなく、営業や出張など外回りの仕事に多い不正な打刻を防止することも可能です。GPS打刻では従業員の個人情報を取得するため、勤怠管理の目的以外に個人情報を利用しないことをあらかじめ伝えておきましょう。
また、スマホだけでなくタブレットにも対応した勤怠管理システムを導入することで、さらにGPS打刻の活用の幅が広がります。正確で効率的な勤怠管理を実現したい方は、ぜひGPS打刻アプリを導入してみてください。
タイムカードによる勤怠管理で頭を悩ませるのが、「漏れや押し忘れ」「不正打刻の疑い」による正確性の欠如です。
近年では、働き方改革によりリモートワークを導入する企業が増え、多様な働き方が認められつつある一方で、それにより厳密な勤怠管理の難易度もあがっています。
この機会にアナログの勤怠管理を脱出して、勤怠管理を正確に管理したいという人事労務担当者の方には、GPS打刻が可能な勤怠管理システムがおすすめです。
この機能では、GPSによる従業員の打刻時の位置情報を確認することや、GPSの位置情報に基づいて、打刻できる範囲を制限して設定することが可能です。
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