働き方改革で残業代はどう変わった?知っておきたい3つのポイント

働き方改革では残業の仕組み、ルールに大きな改善を行っており、これにより日本の職場環境が大きく変わっています。残業時間に上限をつくるなど長時間労働によるさまざまな問題が改善されており、従業員に過度な残業を課すことはできなくなりました。

今回の記事では、従来の残業の規則や働き方改革で変わった残業のあり方、残業代の計算方法などについてご紹介します。ぜひご覧ください。

1. 残業の定義とは

暗いオフィスで残業をしている従業員

働き方改革により残業がどのように変わるのかを説明する前に、そもそも残業とはどのようなものを指すのかはっきりさせておく必要があります。

一般的な感覚からすると、残業といえば、定時を超えて働くことを指す言葉ですが、働き方では、法律で定められた労働時間を超えて働くことを残業としています。

このように、法律で定められた労働時間のことを法定時間と呼びます。一方、各会社で定められている定時までの労働時間は、所定労働時間と呼ばれています。所定労働時間と法定労働時間は必ずしも一致しないので、注意が必要です。

1-1. 法定労働時間の定義

法定労働時間は、1日8時間、週40時間と定められています。この法定労働時間を超える労働は、時間外労働と呼ばれています。会社側は、時間外労働を課した従業員に割増賃金を支払うことが義務づけられています。

たとえば、ある従業員に1日9時間、週41時間の仕事を課したとすると、1時間分は時間外労働として見なされ、賃金が割増されます。なお、残業は就業時間を超えて働くことを指しますが、時間外労働では、始業時間前に働く場合や休日労働も含めた言葉になります。

2. 36協定とは

法的書類を確認している人々の写真

36協定とは、時間外労働をおこなう場合に会社と雇用者の間に結ぶ協定のことです。従業員に残業を課す場合は、原則この36協定を結ぶことが必須となっています。

働き方改革では、36協定の内容が一部変更されました。36協定という呼び名は、労働基準法36条にその条項が明記されていることに由来します。36協定には特別条項と呼ばれるものもあり、これを締結すると、規定の上限を超える残業が可能になります。働き方改革では、この上限に関しても修正が加えられています。

2-1. 働き方改革によって変更された2つのポイント

働き方改革では、残業に関するルールの中で、主に2つの点に大きな変更が加えられました。その2つのポイントとは、「残業時間の上限」と「罰則規定」です。以下では、従来のルールと比較しながら変更点を解説します。

従来の残業に関するルールの問題点

従来の残業に関するルールにはいくつか問題点がありました。その中でも最も重大な問題点は、上限なく従業員に残業を課せることです。

以前の法律でも自由に残業がおこなえるという訳ではなく、従業員に残業を課すには36協定の締結が必須でした。この36協定には月に45時間、年360時間が残業の上限であると規定しており、これを超える残業を課すことは違法でした。

しかし特別条項付きの協定を結べば、残業の上限はなくなり、いくらでも働かせることができました。これにより、心身が病んだり、過労死にまで追い込まれたりする人が続出しました。

これまでの36協定には罰則規定がなく、この点も問題視されていました。ただし、行政指導や厚生労働大臣による告示などはおこなわれていました。

改正後は残業を制限

過度な仕事により心や体を壊してしまう人が続出していることを受け、働き方改革では残業の時間に明確な制限を設けています。この規制は、残業の上限規制といった名で呼ばれることもあります。

改正後の36協定にも特別条項はあります。しかし、特別条項付きの協定を結んでいたとしても、月の残業時間に上限が設けられたので、企業は無制限に残業を課すことはできなくなりました。

また従来は法的な罰職はありませんでしたが、この点も改善されています。罰則の内容は、法律の上限を破って従業員に過度な残業を課すと、6ヶ月以下の懲役、または30万円以下の罰金計に処されるというものです。

このように働き方改革後は、残業に対するルール、罰則が厳しくなっています。企業側は従業員に残業を課すことに慎重にならざるをえないので、職場環境が改善されることが期待されます。

3. 残業の上限規制の内容

机に積み重なる書類の山

働き方改革で残業の上限規制が設けられました。この上限規制では、以下のようなルールが設定されています。

●月の時間外労働は100時間未満
●2~6ヶ月間の時間外労働の平均は80時間以下
●年間の時間外労働の合計は720時間以下
●時間外労働の延長は6回まで

注意点としては、休日労働も含めた時間を時間外労働にカウントすることです。残業だけで月100時間を超えた場合は当然アウトですが、残業が月80時間でも休日労働と合わせて100時間を超える場合は違法です。

最後のルールにある延長とは、特別条項付き36協定による時間外労働の延長を意味します。36協定を結ぶと、残業が可能になりますが、月45時間、年360時間という上限が設けられています。

特別条項付きの協定では、この上限を延長できます。しかし、この延長が使えるのは6回まで、つまり6ヶ月分のみということになります。

3-1. 残業代の計算

残業代の計算にもきちんとしたルールがあり、会社側は条件に応じた割増賃金を従業員に支払う必要があります。ここでは、残業代の計算のやり方をご紹介します。

残業代の計算

残業代の計算に必要なものは、「時給」「割増率」「残業時間」の3つです。残業代はこれれあ3つを用いて以下の計算式で算出されます。

残業代=時給×割増率×残業時間

時給を求める際の注意点

もともと時給制の雇用形態の場合は、そのまま時給を用いて残業代を計算することで問題ありません。一方で、月給制の場合は、時給に換算する必要があるため、少し複雑になります。

月給は、基本給に各種手当を加えた額になっています。各種手当の中には、残業代の計算には含めないものがあるため、注意が必要です。たとえば、住宅手当や交通費、扶養手当、家族手当、賞与といったものは残業代の計算には含めません。

割増率とは何か

割増率とは、残業により賃金が割り出される割合を表すものです。時間外労働をおこなう場合は、割増率は25%となり、時給が1.25倍となって給与が計算されます。

割増率は、「月の残業が60時間以上なのか」「深夜勤務なのか」など、さまざまな条件で変わってきます。割増率が適用される条件は以下の通りです。

●法定労働時間を超えた残業:25%増し
●休日労働:35%増し
●深夜労働:25%増し
●残業が月60時間を超えた場合:50%

4. 働き方改革で職場環境はより良いものになる

悩んでいる人に対して解決策を提示しているイラスト

従来の法律では、特別条項を締結することで、従業員は際限なく残業をおこなうことができました。しかし、働き方改革の施行後は特別条項を締結した場合であっても、残業時間に上限があり、従業員に過度な残業を課すことはできなくなりました。

これにより現場で働く従業員を取り巻く環境は改善され、これを機に社内環境を見直されてみるのはいかがでしょうか。

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