休日出勤は残業に含まれる?残業代・残業時間の計算方法や割増賃金の取り扱いも解説! - ジンジャー(jinjer)|統合型人事システム

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休日出勤は残業に含まれる?残業代・残業時間の計算方法や割増賃金の取り扱いも解説!

休日出勤

休日出勤、残業のどちらに対しても残業代や割増賃金といった上乗せされた賃金が支払われるため、同じようなものと当たり前のように認識している方もいらっしゃるでしょう。しかし、法律上の意味では、明確に区別された概念となっています。
給与計算をするにあたって、休日出勤と残業を混同していると、正確な残業代の算出が困難になります。この記事では、休日出勤と残業の取り扱い方や実例を用いた賃金計算の方法、休日出勤でも残業代が発生するケースなどについて解説します。

関連記事:残業の定義とは?正しい知識で思わぬトラブルを回避!

休日出勤や残業に深夜労働… 複雑な割増賃金、正しく計算できていますか?

「休日出勤時の割増賃金の計算が複雑で理解できず、困っている」
「土曜日に出勤した場合は、残業扱いになる?」

など休日出勤時の割増賃金計算がわかりづらいと感じている担当者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そのような方に向けて、「賃金計算の実例付き!休日出勤と残業の取り扱い説明書」を配布しています。

本資料では複雑な休日出勤時の割増率をわかりやすく図解しているほか、例を用いた具体的な計算方法も紹介しており、これ一つで休日出勤時の割増計算を理解することができます。

よくある質問とその回答も掲載しているため、休日出勤時の割増計算を正確におこないたい方は、こちらから無料でダウンロードしてご覧ください。

1. 休日出勤が残業(時間外労働)になる場合とは

男性がチェックボックスを確認している様子

実は、休日出勤をしていても残業扱いになる時間とならない時間があります。同じ休日出勤でも残業扱いになるかどうかを正しく理解するには、法定休日と所定休日の違い、および残業との関係性を知っておく必要があります。順を追って解説していきます。

1-1. 休日出勤=出社義務がない日に業務をおこなうこと

休日出勤は、文字通り休日(=労働の義務を負わない日)に出勤して仕事をすることです。

ただし、一般的な意味の「休日出勤」と労働基準法で定めている「休日労働」は、厳密には違うものを指します。

まず、休日には大きく分けて「法定休日」と「所定休日(法定外休日)」の2種類があります。

法定休日とは、労働基準法で与えることが定められた休日を意味し、週1日以上の休日もしくは4週間を通して4日以上の休日を与えなくてはなりません。

これに対して、所定休日は各企業が独自に定めている休日を意味します。週休2日制の会社であれば、2日のうち1日を法定休日、もう1日を所定休日にしているのです。

そして、私たちが一般的に言う「休日出勤」とは、所定休日・法定休日に関係なく、本来休みである日に労働した日を指しますが、労働基準法で定めている「休日労働」とは、法定休日に労働することを指します。法定休日に労働させた場合は、35%以上の割増率で割増賃金を支払わなくてはなりません。

所定休日と法定休日のどちらに労働するかを明確に分けて考えなくてはならないのは、給与計算の割増率が異なるためです。つまり、所定休日に働いても休日労働に対する割増賃金は発生せず、法定休日に働いた時のみ休日労働に対する割増賃金が発生するのです。なお、法定休日におこなった労働は、労働時間数にかかわらず時間外労働ではなく、休日労働として整理されます。

1-2. 休日出勤が残業扱いになるのは、所定休日に出勤して法定労働時間を超えた場合

所定休日に働いていても割増賃金が発生する場合があります。それは、所定休日に労働することで、労働基準法で定められている労働時間の上限「1日8時間、週40時間」を超え、残業とみなされた場合です。

法定労働時間である「1日8時間、週40時間」を超えて働かせた場合は時間外労働(残業)となり、その時間について25%以上(月60時間超えの場合は50%以上)の割増率で賃金を支払う必要があります。つまり、休日出勤が割増賃金を支給すべき残業扱いになるのは、所定休日に法定労働時間(1日8時間、週40時間)を超えて働いた場合です。

【土曜日と日曜日に出勤した時の例】

例えば、土曜日が所定休日、日曜日が法定休日で1日の所定労働時間が7時間の企業について考えてみましょう。

月~金曜日まで残業なしで7時間ずつ働き、土曜日に7時間、日曜日に3時間働いたとします。この場合、平日の総労働時間は35時間であるため、土曜日に労働した7時間のうち、週40時間に達するまでの5時間分は「法内残業」となり割増賃金(25%増)は発生しません(企業により規定がある場合を除く)。週40時間を超えた2時間分は「法定外時間外労働」となり、25%以上の割増賃金が発生します。

また、所定休日に深夜労働をした場合は、その時間分に25%以上で割増賃金の支払いが必要になります。さらに、時間外労働が月60時間を超えた場合、60時間を超過した時間分は割増率が50%以上になります。

まとめると、労働状況と割増率の関係は以下の通りです。

労働の状況 該当する割増要素 適用される割増率
所定休日に労働

(法定労働時間内・深夜以外)

該当なし 割増なし
所定休日に深夜労働(法定労働時間内) 深夜労働 25%以上
所定休日に労働し、法定労働時間を超過

(月60時間以下・深夜以外)

時間外労働 25%以上
所定休日に労働し、法定労働時間を超過

(月60時間以下・深夜帯)

時間外労働+深夜労働 50%以上

(25%+25%)

所定休日に労働し、法定労働時間を超過(月60時間超・深夜以外) 月60時間超の時間外労働 50%以上
所定休日に労働し、法定労働時間を超過(月60時間超・深夜帯) 月60時間超の時間外労働+深夜労働 75%以上

(50%+25%)

法定休日に労働(深夜以外) 休日労働 35%以上
法定休日に深夜労働 休日労働+深夜労働 60%以上

(35%+25%)

つまり、法定休日に出勤した場合は「休日労働」とみなされ、所定休日に出勤した場合は、法定労働時間を超えた時間が「残業」とみなされます。所定休日に休日出勤しても、法定労働時間を超えないうちは残業扱いにはなりません。

休日出勤時の残業の考え方は複雑であるため、本章で解説した用語を理解することが前提となります。

たまに休日と休暇が混ざってしまうことがありますが、これでは正しい労働時間や割増賃金の計算ができません。

当サイトでは、休日や休暇などの定義や休日出勤をさせた際の正しい対応など、人事担当なら必ず知っておくべき情報をまとめた資料を無料で配布しております。休日出勤に関して不安な点がある方は、こちらから資料をダウンロードしてご確認ください。

関連記事:残業による割増率の考え方と残業代の計算方法をわかりやすく解説

2. 休日出勤と残業(時間外労働)の給与計算の方法をわかりやすく解説

電卓を用いて計算している様子

休日出勤や残業の賃金計算は、実際に具体例を用いて計算してみると理解がより深まります。
基本給から計算の基礎となる、時間あたりの賃金の割り出し方も合わせて紹介しているので、ぜひ確認してみてください。

関連記事:残業代の計算方法は?残業時間の算出や割増率など残業手当の知っておくべき基本ルール

2-1. 賃金計算の前提となる条件の設定

まず、休日出勤や残業の賃金計算をするに当たり、前提となる基本給などを決めておきます。ここでは、ひと月当たりの基本給が24.5万円であり、住宅手当1万円と通勤手当1.5万円が別に支払いをしていると仮定します。定時は8時~17時で、勤務時間は9時間(所定労働時間:8時間、休憩時間:1時間)とします。

また、賃金計算をする月の休日出勤は、法定休日に8時間、所定休日に5時間の労働をおこない、それ以外のその月の残業時間は、合計50時間(深夜労働が15時間)であると想定します。わかりやすく整理すると、次のようになります。

  • 基本給:24.5万円 + 諸手当:2.5万円 = 27万円
  • 法定休日の休日出勤(35%増し):8時間
  • 所定休日の休日出勤:5時間 + 深夜労働以外の残業時間(25%増し):35時間(50時間 – 15時間) = 40時間
  • 深夜労働の残業時間(50%増し):15時間

上記の条件データを元に、次章で休日出勤と残業の賃金計算がどのようにおこなわれるかを確認していきます。

2-2. 休日出勤の際の残業代と割増賃金の計算方法

まず、賃金計算をするに当たり、基本給の情報から1時間あたりの賃金を割り出します。総支給額27万円から住宅手当1万円と通勤手当1.5万円を控除すると、割増賃金の基礎となる金額は24.5万円になります。この24.5万円を月平均所定労働時間(168時間と仮定)で割ったものが1時間あたりの賃金です。

《1時間あたりの賃金の算出方法》

24.5万円 ÷ 168時間  = 1,458円

【より詳しい1時間あたりの賃金の求め方を知りたい方はこちら▶割増賃金の基礎となる賃金とは?計算方法など労働基準法の規定から基本を解説

法定休日に休日出勤した場合は割増率が35%での計算となるため、法定休日の賃金は次のようになります。なお、休日労働は働いた時間数(深夜労働の時間を除く)にかかわらず、一律で割増率は35%が適用されます。

1,458円 × 8時間 × 1.35 = 15,746円

同様に、所定休日の休日出勤と、深夜労働ではない残業時間は、割増率25%が適用されるため、その際の賃金は次のように計算できます。

1,458円 × (5時間 + 50時間 ) × 1.25 = 80,190円

最後に深夜労働の残業時間について、50%増しで計算すると、賃金は次のように計算されます。

1,458円 × 15時間 × 1.50 = 32,805円

これらの休日出勤と残業の賃金の合計を求めると、12万8,741円と算出されます。

基本給とこの金額をあわせた総支給額から、社会保険料と税金を控除したものが手取り給与として従業員の口座に振り込まれることになります。企業側は、従業員に支払うべき給与の総支給額と会社負担分の社会保険料の合計が経費の総額となります。

ここで紹介した労働パターン以外にも、残業が月60時間を超えて発生している場合の割増率など、割増賃金の計算にはさまざまなパターンがあり、場合に応じて正しく計算しなければなりません。
当サイトで無料配布している「賃金計算の実例付き!休日出勤と残業の取り扱い説明書」では、割増率の細かいルールやケース別の具体的な計算方法など、休日出勤時の割増賃金の計算に関して図解でわかりやすく解説しております。

休日出勤時の割増賃金計算に不安のある方は、こちらから無料でダウンロードしてご覧ください。

2-3. 勤怠管理システムや給与計算システムで休日出勤や残業代を計算

タイムカードで勤怠管理をおこなっている場合、打刻機(タイムレコーダー)はオフィスに設置してあることが一般的でしょう。このような状態だと、出勤した従業員しか打刻できず、外回りが多い営業職の従業員やリモートワークをおこなっている従業員の正確な労働時間を管理することが難しいといった課題が生じます。

しかし、勤怠管理システムは、従業員のパソコン、タブレット、スマートフォンなど、さまざまなデバイスでの打刻が可能になるため、正確でリアルタイムな勤怠管理を実現できます。

また、勤怠管理システムに記録された従業員の勤怠情報を給与計算システムに連携することで、少ない工数で残業代や休日出勤分の割増給与も正確に算出することが可能です。

勤怠管理システム「ジンジャー勤怠」は、振替休日や代休の自動付与設定ができるので、法律に沿った勤怠管理をおこないながら効率化できます。当サイトで無料配布している「休日・休暇ルールBOOK」にて、ジンジャー勤怠の自動付与設定についても管理画面を用いながら解説しているため、こちらからダウンロードしてご確認ください。休日休暇の定義から休日出勤を依頼した際の正しい対応についても、詳しく解説しています。

3. 休日出勤が残業扱いになる場合とならない場合

右肩上がりに伸びているグラフの写真

昨今では多様な働き方が推進されているため、下記のような「休日出勤が残業扱いになるかどうか判断が難しいケース」も少なくありません。

  • 振替休日を定めて法定休日に出勤した場合
  • 休日出勤後に代休を取得した場合
  • 管理監督者が法定休日に出勤した場合
  • みなし残業代制を採用している場合
  • フレックスタイム制を採用している場合

ここでは、休日出勤で残業代が発生するケースについて解説します。

3-1. 振替休日を定めて法定休日に出勤した場合

振替休日とは、事前に定められた休日を労働日とし、別の日に休みを振り替える制度のことです。例えば、来週の日曜日(法定休日)に出勤が見込まれる場合に、今週の水曜日(通常の労働日)を休みに振り替えることが挙げられます。この場合、日曜日は通常の出勤日扱い、水曜日が休日となります。

つまり、日曜日に出勤したとしても、休日労働の扱いにはなりません。ただし、日曜日は通常の労働日とみなされるので、所定労働時間を超えて働ければ残業代が発生します。もちろん、法定労働時間を超えて働くことになれば、時間外労働(法定外残業)の割増賃金を支給しなければならないので注意しましょう。

3-2. 休日出勤後に代休を取得した場合

振替休日と似た制度に、代休があります。代休とは、休日出勤をした後に、通常の労働日を休みにする制度のことです。振替休日と代休の大きな違いは、いつ休みを入れ替えたかです。

例えば、日曜日(法定休日)に出勤した後に、次の水曜日(通常の労働日)を休みに変更した場合を考えてみましょう。この場合、休日出勤後に、労働日と休みを入れ替えているため、振替休日ではなく代休の制度を使ったことになります。

代休の場合、後で休みを振り替えたとしても、休日出勤日の取り扱いは変わりません。そのため、日曜日(法定休日)の労働は、休日労働に該当し、割増賃金の支給が必要です。

関連記事:振休(振替休日)と代休の違いとは?をわかりやすく徹底解説!

3-3. 管理監督者が法定休日に出勤した場合

労働基準法第41条により、管理監督者には労働時間や休日の規定が適用されません。そのため、管理監督者が法定休日に出勤したとしても、時間外労働や休日労働の扱いにはなりません。ただし、夜勤が発生した場合、管理監督者でも深夜労働の割増賃金を支給する必要があります。

また、管理監督者とは「経営者と一体的な立場にある従業員」のことです。管理職の肩書きがあっても、実際に経営的な権限がない場合や、上司から指示を受ける立場の場合は、管理監督者として扱われず、一般労働者と同じように残業代や休日手当を支払わなければならないので注意しましょう。

関連記事:労働基準法第41条第2号に規定された管理監督者について詳しく解説

3-4. みなし残業代制を採用している場合

みなし残業代制(固定残業代制)とは、あらかじめ一定時間分の時間外労働(残業)に対する賃金を「固定残業代」として支給する制度のことです。みなし残業代制を採用している場合、所定休日に出勤し、法定労働時間を超えて働いたとしても、直ちに割増賃金を含む残業代の支給義務が生じるわけではありません。事前に定められた基準を超えた場合に、残業代が発生することになります。

関連記事:みなし残業制度とは?ルールやメリット・デメリットを詳しく解説!

3-5. フレックスタイム制を採用している場合

フレックスタイム制とは、一定の期間内(清算期間)で総労働時間を管理し、その中で始業・終業時刻を従業員が自由に決められる制度です。実労働時間がこの総労働時間を超えたとき、残業とみなされます。

また、清算期間でみた法定労働時間の総枠を超えた場合には、時間外労働(法定外残業)の扱いとなり、割増賃金の支給も必要です。なお、1ヵ月を超えて清算期間を設定する場合、1ヵ月ごとの週平均労働時間が50時間を超える場合、その時間も時間外労働(法定外残業)とみなされます。

つまり、フレックスタイム制を採用している場合、所定休日に出勤があっても、あらかじめ設定した総労働時間を超えなければ、残業が発生したことになりません。ただし、法定休日に労働があった場合、フレックスタイム制を採用していても、休日労働の割増賃金を支払う必要があります。

関連記事:フレックスタイム制で残業代は減る?残業の考え方や計算方法も紹介

4. 休日出勤を残業(時間外労働)として判断する際に注意すべきケース

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休日出勤で残業代が発生するケースを把握しても、実際に休日出勤が発生した場合、その時間を残業(時間外労働)として扱うべきかどうかを判断するのは難しいかもしれません。特に、就業規則の定義が曖昧な場合や、業務指示の有無が明確でない場合などは、運用を誤ると未払い残業代や労使トラブルにつながるおそれがあります。

この章では、休日出勤を残業扱いと判断する際に注意すべき代表的なケースを整理し、実務で判断を誤りやすいポイントを解説します。

4-1. 所定休日と法定休日の区分が不明確なまま運用している場合

所定休日と法定休日の区分を、就業規則上であいまいなまま運用していると、休日出勤が残業に該当するかどうかの判断を誤りやすくなります。

法定休日とは、労働基準法で定められた「週1日または4週4日」の休日を指し、これに該当する日に労働させた場合は、労働時間にかかわらず休日労働として割増賃金の支払いが必要です。

一方、所定休日は企業が任意に定める休日であり、出勤した場合は時間外労働として扱われるかどうかを、法定労働時間との関係で判断します。両者の区分が不明確なままでは、割増率の誤りや残業時間の算定ミスが生じやすく、是正指導の対象となるリスクも高まります。そのため、就業規則上で法定休日を特定し、実務上も明確に区別して管理することが重要です。

4-2. 休日出勤が「業務命令」に該当するかの判断が難しい場合

休日出勤が残業扱いとなるかどうかを判断する際には、その出勤が会社の業務命令によるものかどうかが重要な判断要素となります。明示的な指示がなくても、業務の性質上、出勤せざるを得ない状況であった場合や、上司の黙認のもとで業務がおこなわれていた場合には、業務命令性が認められる可能性があります。

一方、従業員の自主的な判断による出勤や私的な理由による作業については、原則として労働時間に該当しません。この判断を曖昧にしたまま運用すると、後から業務命令性が認定され、残業代の支払いを求められるケースもあります。

休日出勤を認める条件や申請・承認ルールは明確に定め、業務命令性の有無を客観的に判断できる体制を整えましょう。

4-3. 半日出勤・短時間出勤時の残業(時間外労働)の考え方

休日に半日だけ、あるいは短時間のみ出勤した場合、残業扱いになるかどうかは出勤時間の長さではなく、法定労働時間との関係で判断しましょう。

所定休日に短時間出勤した場合でも、その週の総労働時間が法定労働時間を超えれば、超過分は時間外労働として扱う必要があります。また、法定休日に出勤した場合は、労働時間の多少にかかわらず休日労働となり、割増賃金の支払い対象となります。

「短時間だから残業にはならない」といった誤った認識で処理すると、未払い残業代が発生するおそれがあります。出勤時間の長短ではなく、休日の区分と労働時間の累計で判断するという原則を正しく理解しておくことが重要です。

5. 休日出勤と残業に関するポイント

ポイント

従業員に休日出勤や残業をさせる場合、気を付けるべきポイントがあります。

  • 時間外労働や休日労働には36協定の締結・届出が必要
  • 法定休日と所定休日は就業規則で特定しておく
  • 強制参加の研修・社内行事も休日出勤に該当する

ここでは、休日出勤と残業に関するこれらの注意点について詳しく紹介します。

5-1. 時間外労働や休日労働には36協定の締結・届出が必要

従業員に法定時間外や法定休日に労働させる場合、割増賃金の支給に加え、事前に36協定の締結・届出が必要です。36協定を締結せずに時間外労働や休日労働を命じた場合、労働基準法違反となり、罰則が適用される恐れもあります。

ただし、法定労働時間を超えない範囲の残業や所定休日の出勤については、36協定がなくとも問題ありません。しかし、36協定を締結せず、一度でも法定労働時間を超える残業や法定休日の出勤があったら違法になるので気を付けましょう。

関連記事:36協定における残業時間の上限を基本からわかりやすく解説!

5-2. 法定休日と所定休日は就業規則で特定しておく

法定休日を付与することは、労働基準法で定められた義務ですが、法定休日を特定することまでは求められていません。しかし、法定休日を特定していない場合、週休2日制であれば暦週(日曜日~土曜日)において後に取得した休みが法定休日となります。例えば、土日休みの勤務体系であれば、日曜日が所定休日、土曜日が法定休日です。

このように法定休日を特定しない運用では、どの日が法定休日なのか曖昧になり、割増賃金の算定や給与計算にミスが発生しやすくなります。

行政通達(昭和23年5月5日基発682号、昭和63年3月14日基発150号)でも、具体的に休日を定めることを推奨しています。そのため、法定休日と所定休日は明確に区分して設定し、就業規則にも明記することが重要です。

休日の特定について(昭和23年5月5日基発682号、昭和63年3月14日基発150号(抄))

1 法第三十五条は必ずしも休日を特定すべきことを要求していないが、特定することがまた法の趣旨に沿うものであるから就業規則の中で単に一週間につき一日といつただけではなく具体的に一定の日を休日と定める方法を規定するよう指導されたい。

2 常時十人未満の労働者を使用する事業においても具体的に休日を定めるよう指導されたい。

引用:労働時間、休憩、休日及び年次有給休暇|厚生労働省

5-3. 強制参加の研修・社内行事も休日出勤に該当する

休日に、研修や社内行事を実施することもあるかもしれません。このようなイベントが任意参加ではなく強制参加である場合、従業員は使用者の指揮命令下に置かれていると判断されるので、「休日出勤」として給与計算をしなければならない可能性があります。

研修や社内行事が労働時間に該当するかどうかは、名称や形式ではなく、参加の強制性や業務との関連性によって判断されます。労働時間の定義を正しく理解したうえで、残業や休日出勤に該当するかを慎重に判断し、勤怠管理や給与計算に反映させましょう。

関連記事:労働時間と労働基準法の基礎知識をわかりやすく解説!休憩や残業の計算方法とは

6. 休日出勤と残業に関連するよくある質問

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勤怠や給与計算を管理する担当者が労働時間に関する定義を理解していても、従業員は理解していない人が多いので質問されることもあるかもしれません。

そこでここでは、休日出勤と残業に関連したよくある質問への回答を紹介します。

6-1. 休日出勤で残業代が出ないことはある?

休日出勤をしたとしても残業代が出ないことはあります。例えば、みなし残業代制やフレックスタイム制を採用している場合が挙げられます。管理監督者が休日出勤した場合も、残業代は発生しません。

また、所定休日と法定休日のどちらに出勤するかで、残業が発生するかどうかが変わってきます。所定休日の出勤は、通常の労働日と同じ扱いです。そのため、法定労働時間(1日8時間、週40時間)を超えて労働すると、時間外労働の割増賃金が生じます。

一方、法定休日の出勤は、休日労働としての扱いです。どれだけ働いたとしても、時間外労働ではなく休日労働の時間数にカウントされ、休日労働の割増賃金を支払わなければなりません。

6-2. 休日出勤をすると残業は何割増しになる?

所定休日に法定労働時間を超える残業をした場合、賃金は25%増しになります。ただし、法定労働時間を超える残業が月60時間を超えると、賃金は50%増しです。また、深夜労働と重なればさらに25%増しされることになります。

一方、法定休日の労働は、深夜労働に該当しない限り35%増しです。ただし、法定休日の労働が深夜帯に及ぶ場合、60%増しになるので計算を間違えないよう注意しましょう。

7. 休日出勤と残業管理は企業がしっかり管理することで生産性向上につながる

男女

休日出勤と残業の取り扱いは、法定休日と所定休日の区分や法定労働時間の超過有無、深夜労働や月60時間超の時間外労働など複数の要素が重なって判断されます。いずれか一つでも整理を誤ると、割増賃金の計算ミスや36協定違反につながり、是正指導や労使トラブルの原因となりかねません。
そのため、企業側は就業規則で休日区分を明確にしたうえで、実際の労働時間を正確に把握し、要素ごとに割増率を正確に算出することが求められます。また、計算例やルールを簡略化しすぎると、特定の前提条件下でのみ成立する処理を一般ルールとして誤解されるおそれがあります。
休日出勤や残業の管理は、単なる給与計算の問題ではなく、法令遵守と労務リスク管理の基盤となる重要な業務なので正確に管理しましょう。

関連記事:休日出勤させて代休なしは違法?割増賃金・手当を代休で相殺できる?振替休日との違いも解説

雑な割増賃金、正しく計算できていますか?

「休日出勤時の割増賃金の計算が複雑で理解できず、困っている」
「土曜日に出勤した場合は、残業扱いになる?」

など休日出勤時の割増賃金計算がわかりづらいと感じている担当者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そのような方に向けて、「賃金計算の実例付き!休日出勤と残業の取り扱い説明書」を配布しています。

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