タイムカードの打刻時間と労働時間のずれに関する対処法を解説
従業員の勤怠管理をタイムカードで運用している場合、タイムカードの打刻時間と実際の労働時間でずれが生じる場合があります。企業の労務管理者は、このずれに関する問題についてどのように対処したらいいのか悩むこともあるでしょう。
今回は、タイムカードの打刻時間と労働時間のずれを適切に対処する方法を紹介していきます。
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1. タイムカードの打刻時間と労働時間がずれる問題
タイムカードの時間のずれに関する問題は2種類あります。こちらでは、タイムカードの打刻時間と労働時間がずれる原因について解説していきます。
1-1.タイムカードの不具合によるずれ
まず1つ目としては、タイムカード押し込みすぎで日付に対して打刻時間の印字がずれる、タイムレコーダーの設定ミスで事業所内の時計と時刻がずれているなど、正確に時刻が打刻されないことが挙げられます。
その場合、打刻のずれに気付かず集計される可能性もあります。また、集計時に打刻のずれに気付いた際は、正確な労働時間の把握に工数がかってしまうことも問題になります。
1-1-1. 二重打刻してしまうミスも…
労働時間と打刻時間のズレではありませんが、タイムカードによる勤怠管理で頭を悩ませるのが、二重打刻です。
多くのタイムレコーダーでは、出勤と退勤のボタンを押すことで打刻する欄を分けていますが、退勤時に誤って出勤ボタンを押してしまうと、出勤時間の上に退勤時間の印字がされ、打刻時間が分からなくなってしまうというミスがしばしば起こります。
1-2. 打刻時間と労働時間のずれ
2つ目は、タイムカードの打刻時間と労働時間のずれの問題です。企業によっては、タイムカードの打刻時間が出退勤の時間の場合も多く、実際の労働時間はその時間もよりも少なくなります。
その場合、給与計算の際にどちらの時間で計算するか、という問題が生じるのです。
談笑をしたり、喫煙などの時間は労働をしていませんので残業時間ではありません。
しかし、タイムカードだけで勤怠管理をしている場合は、打刻時間が労働時間とみなされてしまいますので注意しておきましょう。
2. 打刻のずれによる企業のリスクと正しい対処法
これまで解説してきた通り、従業員の勤怠管理をタイムカードで管理している場合は、打刻時間と労働時間がずれる問題が生じます。
そのような事態になった際に、企業に起こり得るリスクとその「ずれ」を正しい対処法で処理することが重要です。
2-1.印字ミスを修正する
タイムカードの不具合で、正しく印字されていなかったり、二重に印字されたりした場合は、正確な時間の把握が難しくなります。
印字がずれる原因はであるため、まずはタイムレコーダーを調べ、次に打刻時にタイムカードを押し込みすぎないようにしましょう。
また、印字がずれてしまったとしても、その場で気付けばすぐに訂正をすることも可能です。
しかし、そのような事態に気付くことなく集計時に判明する場合もあります。さらに、印字のミスに集計時も気付かず給与計算をしてしまう可能性もあります。
その結果、給与の未払いや過剰支払いにつながるリスクとなりかねません。ずれた部分を修正しながら計算をするのは、工数もかかります。
大企業の場合はもともとの人数も多いので、さらに時間もかかり企業の生産性が低下するという結果に陥る場合もあるでしょう。
2-2. タイムレコーダーの時間のずれを直す
事業所内にある時計とタイムレコーダーの時刻にずれがあるため、本当は終業時刻を過ぎてから打刻しているのに、勤務時間内に打刻していることになるなど、タイムレコーダーの時間が正確でないと、給与計算に影響がでます。
購入して最初に設定する際、事業所内の時計と時刻を合わせておくことの他に、定期的に時刻のズレが生じていないか確認するとよいでしょう。
2-3.早出や残業の申請ルールを導入する
早出出勤や残業を行う場合は事前に上司に申請書を提出するというルールを作ることも有効的だと考えられます。
もし、会社として早出出勤や残業が必要な場合には「時間外勤務指示書」により命令を下し、従業員は「時間外勤務申請書」を提出し申請が承諾された場合にのみ、時間外勤務が認められるというルールを社内で徹底しておけば、時間のずれを解消できるでしょう。
2-4.15分以上になるずれは理由を記載する
打刻時間と労働時間のずれが15分以上もの隔たりがある場合は、その理由を上司に報告する義務をルールとして定めておくと良いでしょう。
タイムカードの機械がどこに設置してあるかは、企業によってさまざまです。
仕事する場所とタイムカードが離れた場所であろうと、何かしら特別な理由がない場合は15分以内に打刻ができます。
時間のずれを解消するためには、出来るだけ仕事をする場所に近い所にタイムカードの機械を設置することで、ずれの範囲も最小に抑えることが可能になります。
2-5.タイムカードの打刻時間を労働時間とする
タイムカードの打刻時間を労働時間にしてしまうことで、時間のずれは解消され、残業代の漏れや未払い問題のトラブルは回避できます。
しかし、ここで問題になるのは、そのずれた時間をどのように過ごしていたのかということです。
雑談したり、喫煙をしている時間も残業代に加算されてしまうでしょう。そのような場合には、「固定残業代」として処理する方法があります。
このような細かい時間のずれをすべてそれで吸収してしまえば、企業としても残業代の払い漏れなどのリスクに備えることができるます。
3.ずれを解消して企業の効率化を目指そう
このようにタイムカードの打刻時間と労働時間の「ずれ」は、さまざまな弊害を起こし、企業の生産性の低下につながりかねません。
勤怠管理を効率的に、かつ、正確に把握していくためにも労務管理システムを導入することで、このような問題は解決されるでしょう。
3-1. 勤怠管理システムを導入して「ずれ」をなくす
近年、このような「ずれ」における企業のリスクを軽減するために、勤怠管理システムを導入する企業も増加傾向にあります。
勤怠管理システムを使えばパソコン、スマートフォン、タブレットだけではなく、チャットツールなどでも打刻ができるようになりますので、従業員のより正確な労働時間の把握に役立ちます。
さらに、タイムカードの打刻忘れを防ぐためのアラート機能も搭載していますので、さまざまな労務管理の負担を軽減してくれるのです。
4. まとめ
今回は、タイムカードの打刻時間と労働時間のずれの問題に関して、どのような対処をしていけばいいのかを解説しました。
残業代の未払い問題などのトラブルに巻き込まれないためにも、労務管理システムを導入することで、ずれの問題も解消し、労務管理業務の効率化にも役立つでしょう。
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タイムカードや出勤簿などで勤怠管理をしてる場合、以下のような課題はないでしょうか。
・打刻漏れの確認や労働時間の集計だけで数日かかってしまう
・有給休暇の残日数確認の問い合わせ対応が業務を圧迫している
・シフトの収集や作成に時間がかかって他の業務ができない
そのようなお悩みをお持ちの方におすすめなのが、勤怠管理システムの導入です。システムであれば打刻漏れを減らせるほか、労働時間は自動集計されるため、ミスと工数を減らすことが可能です。
このほかにも便利な機能で勤怠管理の工数削減ができるため、勤怠管理システムで何ができるか気になる方は、以下のボタンからクラウド型勤怠管理システム「ジンジャー勤怠」の紹介ページをご覧ください。
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