人材発掘とは?効果的な方法と注目ポイントを紹介
更新日: 2026.4.24 公開日: 2024.2.29 jinjer Blog 編集部

人材発掘とは、従業員一人ひとりの能力や適性、潜在的な可能性を見極め、適切な配置や育成につなげる取り組みです。しかし、評価が上司の主観に偏っている、育成施策と連動していないなどの理由から、本来活躍できる人材を十分に活かせていない企業も少なくありません。
この記事では、人材発掘の基礎知識やメリット、注意点などを紹介しています。人材開発の方法も解説しているので、人手不足に悩んでいる経営者や人事担当の方はぜひ参考にしてください。
目次
人材不足が課題の昨今、職場定着率の低さ・若年層の早期退職は深刻な問題です。
このようなケースに該当する企業において、考えられる要因のひとつに従業員満足度の低さがあげられます。
この解決方法として、職場改善を目的とした従業員のモチベーション管理の仕組みを積極的に取り入れる企業が増えており、従業員満足度の調査ツールが注目を集めています。
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1. 人材発掘とは


人材発掘とは、既存社員のなかから戦力となる人材を見つけ、能力を十分に発揮できるポジションに配置することです。
かつて企業は人材を確保したいと考えた場合、外部に求人を出し求職者のなかから適材を選考するのが一般的でした。しかし現在は求人をしても求職者が集まりにくく、優れた人材を獲得するのは困難です。
能力を十分に発揮できずにいる社員を見つけ出し有効活用すれば、新たな採用をしなくても人材を確保できるでしょう。
2. 人材発掘の目的


人材発掘の主な目的は以下の2つです。
- 優秀な人材の確保
- 企業の生産性アップ
それぞれについて、詳しく解説していきます。
2-1. 優秀な人材の確保
人材発掘の目的のひとつは、優秀な人材を確保することです。かつて日本企業では、採用された従業員をさまざまな部署に配属するジョブローテーションを採用していました。
ジョブローテーションでは本人の資質に関わらず配属されるので、向いていない部署へ配属された場合には従業員の能力が十分に発揮されません。必然的に評価が低くなり、本人のストレスも大きくなります。
しかし、得意分野の部署に配属されれば、従業員は持っている能力を活用しやすくなり、優秀な社員として活躍できるでしょう。
同じ従業員でも、優秀なのかそうでないかは働く環境で変わります。適切な人材発掘は、普通の従業員を優秀な人材に変えることも可能になるのです。
関連記事:ジョブローテーションとは?目的やメリット・デメリット、実施する際のポイントを解説
2-2. 企業の生産性アップ
人材発掘のもうひとつの目的は、企業の生産性アップです。各従業員の持つ能力を引き出し、より見合ったところへ配置できれば、チーム全体でも高い結果を出せるようになるでしょう。
また人材発掘では評価が高ければ、年齢に関係なく実力に見合ったポジションに付けます。高い成果を出すほど評価される環境なら、社員同士の競争意識も高くなるでしょう。
結果として、向上心を持たない従業員を減らせる可能性も高くなります。企業全体の生産性のアップも期待できるでしょう。
3. 人材発掘の必要性


労働者人口が減っている現在では、人材発掘の必要性はますます高くなっています。さらなる少子高齢化により、人材確保はより難しくなるでしょう。とくに有能な人材の獲得をめぐる企業間の競争は激しく、思うような人材を確保するのは困難になります。
また、「採用したけれど求めていた人材ではなかった」ケースも考えられるでしょう。しかし、一度採用すると「求めていた能力がない」というだけで解雇することは容易ではありません。
そのため、企業は人材育成などのコストをかけて育てる必要があり、業務効率を下げるリスクが生まれます。
その点、既存社員ならば経歴や実績がはっきりしているので、配属のミスマッチも起こりにくいです。既存社員が持つ能力の有効活用は、これからの企業にとって非常に重要といえます。
4. 人材発掘のメリット


人材発掘をおこなうメリットは、下記の2点が挙げられます。
- 社員のモチベーションがアップする
- 採用コストが抑えられる
ここでは、それぞれのメリットについて詳しく解説します。
4-1. 社員のモチベーションがアップする
人材発掘は、社員一人ひとりの能力や適性に目を向け、それを活かせる配置をおこなう取り組みです。従業員は、自分の強みや経験が正当に評価され、新たな役割を任されることで、組織から期待されているという実感が生まれモチベーションがアップします。能力を発揮でき結果が出せれば、さらなるやる気と好成績が期待できるでしょう。
従業員のモチベーションが高いと、職場の雰囲気も良好になります。個々のやる気がチーム全体のやる気につながる好循環が生まれるでしょう。
4-2. 採用コストが抑えられる
人材発掘で必要なポジションの穴埋めができれば、採用コストが抑えられます。採用コストとは、新しい社員を採用するまでにかかる費用です。具体的には、採用担当者の人件費や求人広告の掲載費、人材紹介会社に支払う報酬などが挙げられます。
また採用コストだけでなく、育成にかかるコストを抑えられるのもポイントです。従業員一人ひとりに幅広い業務経験をさせるためには、コストと時間がかかります。
しかし各従業員の能力に合う業務に集中して育成すれば、短期間・低コストでスペシャリストを育成できるでしょう。
5. 人材発掘をする際の注意点


人材発掘をおこなう際の注意点は以下の2つです。
- 各部署の人手不足
- 人事異動に社員が納得しているか
ここでは、これらの注意点をそれぞれ詳しく説明します。
5-1. 各部署の人手不足
人材発掘では、各部署の人手不足に注意する必要があります。優秀な人材は各部署でも大きな戦力となっている場合が多く、配置転換により現場が人手不足になるおそれがあります。
各部署に推薦を頼んだ場合には、人手不足を避けるために適当でない人材を推薦する可能性もある点にも注意が必要です。
人材の配置転換をおこなう際には、人手不足にならないよう配慮してください。トップだけで判断するのではなく、現場の意見をよく聞き、トラブルにならないよう気を配りましょう。
5-2. 人事異動に社員が納得しているか
人材発掘をする際には、社員が納得できる人事異動が必要となります。「評価はどのようにしておこなわれているのか」「どういった理由で配属したのか」などを開示し、だれもが納得できるようにしましょう。
人事異動は公平性を重んじるべきで、経営者や人事担当の思いつきでおこなうべきではありません。とくに若手が重要なポストに抜擢される場合、ほかの従業員が不満を感じやすく、社内の雰囲気が悪くなる可能性があります。
従業員のやる気が低下し生産性が下がってしまうと、人材発掘をする意味がなくなるので注意してください。
6. 効果的な人材発掘の方法


人材発掘をおこなう際には、まず情報収集が重要です。一人ひとりの日々の業務内容を評価し、データ化していきましょう。
規模の小さな企業なら、従業員の能力把握にそれほど労力はかかりません。しかし、接する機会が多い分、先入観によって適切な判断が妨げられる可能性がある点には注意が必要です。
一方、大企業の場合は各従業員の能力を把握するのが難しい傾向があります。テレワークを導入している場合には、直属の上司でも業務の評価が難しい場合があるでしょう。
従業員に関する情報収集は、以下のような方法でおこなうのがおすすめです。
- 社内面談で能力を見つける
- 各部署から推薦してもらう
- 専門講師による研修を実施する
日々の業務の評価も加え、総合的に判断することも必要です。人材データの管理や適切な部署への配置をスムーズにおこなうためには、タレントマネジメントシステムを活用すると良いでしょう。
関連記事:研修とは?実施する意味や種類・手順や成功させる秘訣を解説
6-1. 人材発掘時の評価ポイント
人材発掘時に注目すべき評価のポイントは、以下の3点が挙げられます。
- 配置したい業務やポジションに必要とされるスキルがあるか
- 経験や実績が十分か
- 目的を達成するために必要な人間性を持ち合わせているか
スキル・経験・実績は、データで可視化できるので評価のポイントになります。
本来であれば、冷静さや慎重さ、柔軟性、積極性、あるいは仕事への熱意やストレス耐性など人間性も重要なポイントです。しかし、人間性をデータ化するのは難しいでしょう。
そのため、ポジティブな人間性をすべて兼ね揃えている人材を見つけるのではなく、各業務に適した人間性を持っている人材を選びましょう。
7. 人材発掘と「単なる配置転換」を分ける判断軸


人材発掘と配置転換は、いずれも人員配置を見直す施策ですが、目的や設計思想が異なります。この違いを整理せずに運用すると、結果として欠員対応に終始し、人材育成や組織力強化につながらないケースが少なくありません。
人材発掘を実効性のある取り組みとするためには、「なぜ異動させるのか」「配置後に何を期待するのか」「将来どのように活用するのか」といった判断軸を明確にすることが重要です。ここでは、これらの判断軸について解説します。
7-1. 異動の起点が「ポスト都合」か「人材」なのか
人材発掘か単なる配置転換かを見極める最初の判断軸は、異動の起点にあります。欠員が発生した、業務量が急増したなど「ポスト」や「業務」の都合を起点とする異動は、組織運営上必要な対応ではあるものの、人材発掘とは目的が異なります。
一方、人材発掘は個人が持つスキルや経験、適性、将来性などに着目し、その能力をより活かせる配置を検討する点に特徴があります。異動理由がポストの穴埋めにとどまっていないか、人材そのものを起点に検討されているかを整理することで、施策の性質を明確にできます。
この視点が曖昧なまま進めると、「人材発掘」の実態は場当たり的な配置転換に終わるおそれがあります。
7-2. 配置後の役割が整理されているか
次に重要となるのが、配置後の役割や期待値が事前に整理されているかという点です。
単なる配置転換では、業務を割り当てること自体が目的となりやすく、役割や責任範囲が曖昧なまま運用されるケースも見られます。これに対し人材発掘では、本人にどのような強みを発揮してほしいのか、どの領域で価値を生み出すことを期待するのかを明確にしたうえで配置をおこないます。
役割設計が不十分な場合、本人の能力が活かされず、評価や育成にもつながりません。配置後の役割や期待成果が整理されているかどうかは、人材発掘として機能しているかを判断する重要な基準となります。
7-3. 「今回限り」か「将来を見据えた配置」かで判断する
3つ目の判断軸は、配置が今回限りの対応なのか、将来を見据えたものなのかという時間軸の視点です。
一時的な業務対応や短期的な成果を目的とした「今回限り」のような異動は、必要性が高い場合もありますが、人材発掘とは異なる性質を持ちます。
人材発掘では、当面の業務を遂行するだけでなく、今後どのような経験を従業員に積ませ、どのような役割を担ってもらうかといった中長期の活用を前提に配置を設計しなければなりません。将来のキャリアや育成計画と結びついているかを確認することで、その異動が人材発掘に該当するかを判断できます。
そのため、継続的な活用を見据えた配置であるかどうかは、重要な分岐点となります。
8. 人材発掘で適材適所を目指そう


人材発掘とは、既存の社員から優れた能力をもつ社員を見つけ出し、適切なポジションに配置することです。成功すれば、従業員のモチベーションが上がり、採用コストや人材の育成にかかるコストもカットできるでしょう。
一方で、人材配置をおこなう際には、各部署の人手不足に気を配るだけでなく、社員が納得できる人員配置をおこなう必要があります。
労働人口の減少が課題となっている近年では、すでに持っているヒューマンリソースを有効に活用することが必要です。人材の適材適所を実現して、企業全体の生産性をアップさせましょう。



人材不足が課題の昨今、職場定着率の低さ・若年層の早期退職は深刻な問題です。
このようなケースに該当する企業において、考えられる要因のひとつに従業員満足度の低さがあげられます。
この解決方法として、職場改善を目的とした従業員のモチベーション管理の仕組みを積極的に取り入れる企業が増えており、従業員満足度の調査ツールが注目を集めています。
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