産後パパ育休の期間は?分割取得や期間変更はできる?平均期間や給付金も紹介 - ジンジャー(jinjer)|クラウド型人事労務システム

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産後パパ育休の期間は?分割取得や期間変更はできる?平均期間や給付金も紹介

親子

「産後パパ育休って、いつからいつまで取れるの?」

「育児休業との違いがよくわからない…」

など、産後パパ育休の期間や手続き方法に戸惑う方も多いでしょう。産後パパ育休は、子の出生後8週間以内に最大4週間取得できる育休制度です。分割しての取得もできるため、従業員の希望に応じた柔軟な働き方を実現できる制度として、注目が高まっています。

本記事では、産後パパ育休の概要や取得期間、給付金や社会保険料の免除制度まで、制度の内容を詳しく解説します。「従業員が安心して育児に参加できる環境を整えたい」とお考えの方は、ぜひ最後までご覧ください。

\ 2025年施行の育児・介護休業法改正 /
対策は万全ですか?

4月から施行された育児・介護休業法の改正では、子の看護休暇の拡大をはじめ、子の年齢に応じた柔軟な働き方への措置などが取り入れられました。

これによって、企業側にも柔軟な働き方の実現に向けた対応が強く求められます。そのため、人事労務担当者は特に改正ポイントを正しく理解しておくべきです。

しかし、「結局何をどう整備すればいいのか分からない」「うちの就業規則、今のままで大丈夫?」と悩む人事・労務担当者も多いのではないでしょうか。

そんな方に向けて、当サイトでは改正箇所をわかりやすく図解し、出産前から年齢別に利用できる制度をまとめた資料を無料配布しています。

制度を“知っている”だけで終わらせず、“対応できる”企業になるために。ぜひこちらから資料をダウンロードの上、法改正への備えにお役立てください。

1. 産後パパ育休(出生時育児休業)とは

親子

産後パパ育休とは、男性の育児休業の取得を推進するため2022年10月に創設された制度です。正式名称は「出生時育児休業」で、子の出生直後に父親が育児休業を取得しやすくなることを期待して設計されました。

産後パパ育休は、従来の「子が1歳になるまで取得できる育児休業」とは別に取得できる制度です。2回に分割して取得できるほか、企業と労働者が合意した範囲内で休業中の就業も認められており、より柔軟な育休取得が可能な点が大きな特徴です。

そのため、一度復職してから再度休業をとったり、休業中にリモートで会議に参加したりと、男性も仕事と育児のバランスをとりながら両立しやすくなっています。

関連記事:産後パパ育休とは?育児休暇との違いや手続きのポイントを解説

2. 産後パパ育休の仕組みと期間

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産後パパ育休は、取得期間や申出について、通常の育児休業とは異なる独自の仕組みがあります。ここでは、制度の基本的なルールや期間について解説します。産後パパ育休を正しく理解し、計画的な取得につなげましょう。

2-1. 産後パパ育休が取得できる期間は最大4週間(28日間)

産後パパ育休の取得可能日数は、最大で4週間(28日間)です。取得可能期間は、出産予定日と実際の出生日の関係によって、以下のように変動します。

  • 出産予定日通りに出生した場合:出生日(=出産予定日)から8週間以内
  • 出産予定日より後に出生した場合:出生日から8週間以内
  • 出産予定日より前に出生した場合:出産予定日から8週間以内

利用にあたっては、原則として「休業開始予定日の2週間前まで」の申請が必要です。ただし、雇用環境整備など法令を上回る取り組みに関する労使協定を締結している場合には、「1ヵ月前まで」の申出期限に変更されている企業もあります。従業員には、自社の規定を事前に正しく伝えましょう。

関連記事:「産後パパ育休」と「育休」は併用できる?知っておきたい制度のポイントと実務対応

2-2. 産後パパ育休は2回まで分割取得ができる

産後パパ育休は、取得可能期間内であれば、2回まで分割して取得することが可能です。例えば、以下のような取り方が考えられます。

  • 出生直後に2週間休業→3週間復職→再度2週間休業
  • 出生直後に3週間休業→1週間復職→再度1週間休業
  • 出生直後に1週間休業→4週間復職→再度3週間休業

分割取得の仕組みにより、「出産直後に立ち会いたい」「産後の生活が落ち着いたタイミングでもう一度休みたい」といった、それぞれの家庭の希望や状況に応じた柔軟な対応が実現できるようになりました。

もちろん、分割せず4週間まとめて取得したり、1週間のみ取得したりすることも可能です。また、職場と調整しながら取得できるため、制度利用への心理的ハードルも下がるでしょう。

分割取得を希望する場合は、最初の申請時にまとめて申し出る必要がある点に注意しましょう。まとめて申請をおこなわなかった場合、2回目の取得については、企業が拒否することも可能です。

2-3. 産後パパ育休の期間変更は一定の制限がある

産後パパ育休は、一定の条件を満たす場合に限り、休業開始日または終了日の変更が認められています。いずれも1回の休業につき、1回までの変更が可能です。

【休業開始日の繰上げ】

下記に記載する特別な事情がある場合に限り、産後パパ育休の開始日を早められます。変更には、原則として休業開始日の1週間前までに申し出る必要があります。

<特別な事情の例>

  • 出生予定日より早く子どもが生まれた場合
  • 配偶者が死亡した場合
  • 配偶者が病気やケガで育児が困難になった場合
  • 配偶者が子どもと同居しなくなった場合
  • 子どもが病気や障害等により2週間以上の世話を必要とする状態になった場合
  • 保育所等に申込みをしたが、すぐに利用できない場合

【休業終了日の繰下げ】

理由の有無にかかわらず、終了日を遅らせられます。こちらは比較的柔軟で、休業終了日の2週間前までに申し出ることで変更が可能です。

法令で認められていない変更(特別な事情がない休業開始日の繰上げ、開始日の繰下げ、終了日の繰上げ、複数回の変更など)は、事業主が認める義務はありません。ただし、企業が独自のルールとして、法を上回る制度設計をすることは可能です。

3. 産後パパ育休の現状と平均期間

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厚生労働省の2023年度の調査によると、男性の育児休業取得率は30.1%と、前年の17.13%から大幅に増加しました。女性の取得率である84.1%と比べると、大きな差はあるものの、少しずつ制度改正や企業の取り組みが実を結びつつあることを示しています。

一方で、育休の取得期間には課題が残っています。女性の約9割が6ヵ月以上の育児休業を取得しているのに対し、男性では「1~3ヵ月未満」が最も多く28.0%、次いで「5日~2週間未満」が22.0%、「2週間~1ヵ月未満」が20.4%となっています。

近年は2週間以上の取得者が増えてきているものの、依然として約4割が2週間未満の短期間取得にとどまっているのが現状です。取得率の向上に加えて、育休の「質」や「長さ」にも目を向けた制度の活用促進が、今後の課題といえるでしょう。

参考:令和5年度育児休業取得率の調査結果公表、改正育児・介護休業法等の概要について|厚生労働省

4. 産後パパ育休期間中に利用できる給付金と社会保険料免除制度

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産後パパ育休期間中に利用できる給付金は、「出生時育児休業給付金」です。また、社会保険料の免除制度もあります。

4-1. 出生時育児休業給付金

産後パパ育休の取得期間中は、雇用保険から「出生時育児休業給付金」を受給できます。受給要件は以下の通りです。

  • 雇用保険に加入している
  • 休業開始日前2年間に賃金支払基礎日数が11日以上ある(ない場合は就業している時間数が80時間以上の)完全月が12ヵ月以上ある
  • 休業期間中の就業日数が最大10日(10日を超える場合は80時間以下)である
  • 休業中に賃金が支払われていない、もしくは80%未満である
  • 有期雇用の従業員の場合、「子の出生後8週間経過する翌日から6ヵ月以内」に雇用契約が終了することが明らかでない

【支給額】

休業開始時賃金日額(原則育児休業開始前6ヵ月間の賃金を180で除した額)×支給日数×67%

【手続き方法】

「出生時育児休業給付金支給申請書」をハローワークに提出

※申請には母子健康手帳のコピーなど、出産日を確認できる書類の添付が必要です。

参考:育児休業等給付の内容と支給申請手続|厚生労働省

4-2. 社会保険料の免除

産後パパ育休の取得期間中は、以下のいずれかの要件を満たすと、社会保険料も免除されます。

  • 社会保険料の対象月となる末日が産後パパ育休期間中であるとき
  • 同一月内に産後パパ育休を取得・復職する場合は、休業日数が14日以上のとき

また、賞与の社会保険料は、「賞与月の最終日を含んで連続1ヵ月を超える育休を取得するとき」に免除がされます。産後パパ育休は最大4週間の制度であるため、原則としては賞与の社会保険料は免除の対象外です。ただし、産後パパ育休から続けて育児休業を取得し、連続1ヵ月を超える場合には、賞与にかかる社会保険料の免除もできます。

関連記事:産後パパ育休の社会保険料は免除される?給与・賞与の条件と手続き方法を解説

5.産後パパ育休を促進するために企業がすべきこと

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従業員が産後パパ育休を最大の4週間しっかり取得するには、制度の存在を周知するだけでは不十分です。企業として積極的に取得を後押しする体制や文化を整えることが求められます。ここでは、産後パパ育休の取得を推進するために企業が取り組むべき7つのポイントを紹介します。

  1. 産後パパ育休制度の周知
  2. 産後パパ育休の活用事例の提供
  3. 経営者からの発信
  4. 従業員の育休への理解度を上げる研修の実施
  5. 相談窓口の設置
  6. 業務の効率化による従業員負担軽減
  7. 育休取得を後押しする人事制度の立案

2025年4月からは、従業員数300人以上の企業に「男性労働者の育休取得状況を年1回公表すること」が義務付けられました。男性従業員の育児取得者を増やすことは、企業価値の向上にもつながります。具体的な行動を通じて、従業員が安心して育児に参加できる職場づくりを目指しましょう。

関連記事:男性の育児休暇に関する義務化はいつから?法改正の内容や企業がおこなうべき準備とは

5-1. 産後パパ育休制度の周知

まずは、産後パパ育休制度の内容を全従業員に向けて周知しましょう。制度の存在を知らなければ取得の検討すらできません。また、育児休業とは別に取得できるという重要なポイントが誤解されていることも多いため、丁寧な情報提供が必要です。

従業員から妊娠・出産の申し出があった場合だけに限らず、事前に全従業員に向けて制度を紹介することで、理解と意識の底上げにつながるでしょう。

5-2. 産後パパ育休の活用事例の提供

制度があっても「取得後に職場に戻れるか不安」「育休中に何をしていいかわからない」といった心理的ハードルがあると、取得をためらう人も多くいます。そこで、社内外の産後パパ育休を活用した事例を提供することが効果的です。

先輩パパの体験談や、復職後のキャリアモデルなどを共有し、取得後のイメージをつかんでもらうと良いでしょう。座談会などのイベントを開催するのもおすすめです。

5-3. 経営者からの発信

経営トップが産後パパ育休の取得を後押しする姿勢を明確に打ち出すことは、社内に大きな影響を与えます。「育休は個人の問題ではなく、会社全体の取り組みである」というメッセージを発信することで、取得しやすい雰囲気が生まれるでしょう。

また、男性が育児に参加することは業務効率の見直しや組織力の向上にもつながります。会社の成長戦略として、育休取得をポジティブに位置づけましょう。

5-4. 従業員の育休への理解度を上げる研修の実施

育児と仕事の両立に関する正しい理解を進めるための、社内研修を実施しましょう。特に注意すべきは、産後パパ育休を取得する従業員に対するハラスメントの防止です。

例えば「そんなに長く仕事を休めるなんてうらやましい」「休んでいるだけでお金がもらえるなんてうらやましい」などといったネガティブな発言は、育休取得希望者の心理的負担になります。研修を通じて、男性の育児参加の意義や法制度の内容を伝え、正しい理解を促してください。

5-5. 相談窓口の設置

仕事と子育ての両立は簡単ではありません。産後パパ育休を取得する前後には、さまざまな悩みや不安が生まれます。業務の引き継ぎや育休中のこと、復職後の働き方など、従業員が1人で抱え込まないよう、相談窓口を設置して支援しましょう。

人事部や育休経験者を相談役とするなど、実効性のあるサポート体制を整えることが重要です。

5-6. 業務の効率化による従業員負担軽減

育休を取得する従業員だけでなく、チームのメンバーや周囲にも過度な負担がかからないよう、業務の見直しをしましょう。ITツール・クラウドサービスの活用や業務の標準化、外部委託の検討など、属人化を減らし、スムーズな引き継ぎを可能にする手法の検討が重要です。

「誰が休んでもまわる組織づくり」は、育休取得を促すための重要な土台となります。

5-7. 育休取得を後押しする人事制度の立案

制度を「取れる」だけでなく、「取りやすい」ものにするためには、人事制度の工夫が不可欠です。例えば、育休取得を影響させない評価制度を明文化したり、育休取得者の昇進・昇格要件の見直しをしたりなど、積極的な取得を後押しする評価の仕組みを検討しましょう。

また、育休取得者に対するフォローアップ面談の制度化、柔軟な働き方を実現するための措置の実施など、従業員が安心して育休を取得できるルールづくりを検討することが大切です。人事制度の中に育休取得を前提とした設計を組み込むことで、育児と仕事を両立しやすい職場文化が自然と形成されていくでしょう。

6. 男性従業員も十分な育休期間が取れるように制度や環境を整えよう

オフィス

産後パパ育休では、子どもの出生後8週間以内に最大4週間まで、2回に分けて取得できる柔軟な育休制度です。

産後パパ育休制度を十分に活用してもらうためには、企業側の理解と支援が不可欠です。制度の内容や取得の流れを丁寧に周知し、研修や相談体制を整えることで、男性従業員が安心して育休を取得できる環境が生まれます。

制度を「あるだけ」にせず、「使える制度」として根づかせるために、企業として積極的に働きかけていきましょう。

\ 2025年施行の育児・介護休業法改正 /
対策は万全ですか?

4月から施行された育児・介護休業法の改正では、子の看護休暇の拡大をはじめ、子の年齢に応じた柔軟な働き方への措置などが取り入れられました。

これによって、企業側にも柔軟な働き方の実現に向けた対応が強く求められます。そのため、人事労務担当者は特に改正ポイントを正しく理解しておくべきです。

しかし、「結局何をどう整備すればいいのか分からない」「うちの就業規則、今のままで大丈夫?」と悩む人事・労務担当者も多いのではないでしょうか。

そんな方に向けて、当サイトでは改正箇所をわかりやすく図解し、出産前から年齢別に利用できる制度をまとめた資料を無料配布しています。

制度を“知っている”だけで終わらせず、“対応できる”企業になるために。ぜひこちらから資料をダウンロードの上、法改正への備えにお役立てください。

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