離職率の計算方法とは?厚労省方式と実務での算出・活用ポイントを解説
更新日: 2026.3.31 公開日: 2025.10.10 jinjer Blog 編集部
離職率は、人材の定着状況や職場環境を把握するための代表的な指標です。社員の働きやすさや組織の健全性を映し出す鏡であり、会社の経営状況を読み解く重要な数値となります。そのため、人事担当者は離職率の計算方法を正しく理解することが大切です。本記事では、離職率の基本的な計算方法から活用方法まで、わかりやすく解説します。
従業員の定着率の低さが課題の企業の場合、考えられる要因のひとつに従業員満足度の低さがあげられます。
従業員満足度を向上させることで、従業員の定着率向上や働くモチベーションを上げることにもつながります。
しかし、従業員満足度をどのように測定すれば良いのか、従業員満足度を知った後どのような活用をすべきなのかわからないという人事担当者様もいらっしゃるのではないでしょうか。
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1. 離職率の計算方法とは


離職率の計算方法は、会社ごとに異なる場合があります。一般に離職率とは、一定期間に在籍していた社員のうち、雇用関係が終了した社員の割合を示す指標です。なお、離職率は「退職率」や「定着率」と混同されがちですが、それぞれ意味は異なります。
- 離職率:自己都合・会社都合を問わず、一定期間内に雇用関係が終了した社員の割合
- 退職率:自己都合退職や定年退職など、退職理由や年齢区分ごとに算出した離職の割合
- 定着率:一定期間後も引き続き在籍している社員の割合
このように、似た用語であっても測定対象や算出目的が異なるため、目的に応じて適切に使い分けることが重要です。ここからは、離職率の具体的な計算方法について、「厚生労働省の考え方にならう場合」と「自社独自で算出する場合」に分けて解説します。
1-1. 厚生労働省にならう場合の計算式|全国・業界別の平均離職率を紹介
離職率 = 離職者数 ÷ 1月1日現在の常用労働者数 × 100
- 分母(母数):調査対象年の1月1日時点の常用労働者数
- 分子(離職者数):その年の1月1日から12月31日までの1年間に退職・解雇・他社への出向などで会社(事業所)を離れた常用労働者数 ※ただし、同一会社内での異動は含まれません。
- ポイント
-
- 「常用労働者数」には、無期雇用の社員や1ヵ月以上の期間を定めて雇用されている社員が含まれます。
- 離職率は、一般労働者とパートタイム労働者に分けて算出されます。
- 離職者数には、自己都合退職者だけでなく解雇者や他社への出向者も含まれます。
なお、「令和6年雇用動向調査」によると、全国の離職率は次のとおりです。
- 全体の離職率:14.2%
- 一般労働者の離職率:11.5%
- パートタイム労働者の離職率:21.4%
自社でも厚生労働省と同じ方法で離職率を計算すれば、全国や業界の平均値と客観的に比較できます。
参考:雇用動向調査:調査の結果 用語の解説|厚生労働省
参考:令和6年 雇用動向調査結果の概要|厚生労働省
1-2. 自社独自で算出する場合の計算式
自社で算出する離職率は、一般的に次の計算式で求めます。
離職率 = 会社が定める一定期間内の離職者数 ÷ 起算日時点の在籍者数 × 100(%)
なお、この計算式でいう「起算日」「一定期間」「社員数の対象範囲」には統一された定義はなく、会社や調査機関によって異なる場合があります。そのため、自社で算出する際には、対象となる社員の範囲や期間を明確に定めておくことが重要です。
1-3. 【具体例】新卒3年以内の正社員の離職率
新卒3年以内の正社員の離職率は、次の計算式で算出できます。
新卒3年以内の正社員の離職率 = 対象年度に採用した新卒正社員のうち入社後3年以内に離職した者の数 ÷ 同年度(4月1日時点)の新卒正社員採用者総数 × 100(%)
これは、ある年度(4月1日時点)に採用した新卒社員のうち、3年以内に離職した割合を示す指標です。例えば、2023年度入社であれば、2026年3月末までに退職した人数を分子として計算します。
例えば、2023年4月1日に新卒の正社員を20人採用し、2026年3月末までに5人が退職した場合の計算は次のとおりです。
新卒3年以内の正社員の離職率 = 5 ÷ 20 × 100 = 25%
この場合、2023年4月1日新卒入社者(正社員)の3年以内離職率は25%となります。なお、本指標は正社員に限らず、契約社員やパート・アルバイトを含めて算定することも可能です。
また、新卒採用だけでなく中途採用者に置き換えて計算することもできます。ただし、その場合は対象となる雇用区分や算定基準を明確に定義することが重要です。
1-4. 【簡単】エクセルを用いた離職率の計算例
離職率を自社で計算する際に、エクセル(Microsoft Excel)を活用して計算することも可能です。手順について見ていきましょう。
まずは任意のセルに、対象期間内の全社員数と離職者数を入力します。


次に、離職率を計算するために式を入力します。
離職率の計算式は、「会社が定める一定期間内の離職者数 ÷ 起算日時点の在籍者数 × 100(%)」で計算します。
つまりこの例では、「=B3(離職者数のセル)10/B2(離職者数のセル)300*100(%)」となります。


計算式を入力したあと、エンターキーを押せば計算完了です。
この例の場合、2024年1月~12月1年間の離職率は3.3%となります。


このように、特別なシステムを使用しなくてもエクセルを用いて簡単に計算できます。
2. 離職率の計算ポイント


離職率を正しく算出するには、単に離職者数と在籍人数を割るだけでなく、どの社員を分母・分子に含めるかや、入社時期や退職理由などによる扱いの違いを理解しておくことが重要です。この章では、離職率を計算する際の基本的な考え方と、よくある注意点について整理します。
2-1. 分母・分子に含める社員
厚生労働省の「雇用動向調査」では、離職者に解雇者や他会社への出向者を含めて、常用労働者にはパートタイム労働者も含めて計測しています。そのため、パート比率の高い業種では離職率が高めに出る傾向があります。
一方、自社で離職率を算出する場合は、求めたい内容にあわせて次のようなルールをあらかじめ決めておく必要があります。
- 分母(在籍人数):全社員を対象にするか、正社員のみとするか、部署ごとに区切るか、所定労働時間や勤務日数によって区分するか
- 分子(離職者数):退職理由別(自己都合、会社都合、定年、契約満了)を含めるかどうか、出向や復職の扱いをどうするか
ポイントは、社内ルールを統一し、毎回同じ前提条件で測定することです。基準が変わると数値の意味合いがぶれてしまい、比較や改善につなげにくくなります。
2-2. 中途入社や定年退職者の扱い
離職率を算出する際には、中途入社者や定年退職者をどのように扱うかを明確にしておく必要があります。定年退職者については、定年はあらかじめ予定されている離職であるため、「離職率の数値に反映させない」目的で分子に含めないケースが多く見られます。一方、厚生労働省の雇用動向調査では定年退職も含めて計算されているため、比較の際には注意が欠かせません。
中途入社者については、入社後まもなく離職した社員を含めるかどうか、会社ごとに対応が分かれます。
例として、ある会社では「入社3ヵ月以内の離職は試用期間でのミスマッチ」と捉え、全体の離職率には算入せず、「試用期間離職率」として離職率とは別に管理しています。一方、サービス業など早期離職が多い業界では「入社1年未満の離職を含めて離職率を算出し、定着率改善の指標として活用する」ケースもあります。
このように、定年退職者の扱いや中途入社者の短期離職の扱いは、業界特性や会社の目的によって基準が変動します。自社で明確なルールを定め、毎回同じ条件で算出することが大切です。
3. 期間ごとの離職率の考え方と計算方法


離職率は、どの期間を対象に計算するかによって数値の意味合いが大きく変わります。ここでは、期間ごとの離職率の考え方と計算方法について整理していきましょう。
3-1. 1年単位で離職率を算定するケース
離職率の計算方法として最も一般的なのが、1年間を対象期間として、全社員を対象に算出する方法です。厚生労働省の「雇用動向調査」でも採用されており、同省は離職率を「1月1日現在の常用労働者数に対して、1年間で離職した人の割合」と定義しています。
この方法は、その年にどれだけの社員が辞めたのかを示す基本的な指標として、広く用いられています。特に採用活動の成果を確認するためには、半年~1年単位で離職率を測定する会社が多いです。
また、暦年ではなく事業年度(例:4月1日~3月31日)を区切りとして離職率を算出するケースもあります。これは、決算資料や人件費管理など社内の管理指標と整合性を取るためです。日本の会社では年度単位で経営管理をおこなうことが一般的であるので、事業年度ベースで離職率を把握する方法も実務上広く用いられています。
3-2. 入社後3年以内の離職率を算定するケース
新卒3年以内離職率とは、新卒入社した社員が入社後3年以内にどれだけ離職したかを示す指標です。厚生労働省や就職白書でも毎年公表されており、新卒採用の定着度を測る代表的なデータとして、大学や学生向けの採用広報にも活用されています。
3年を基準にする理由について、労働政策研究・研修機構の調査では次のような傾向が示されています。入社1年未満で離職する社員の主な理由は「人間関係」であるのに対し、3年以上在籍してから退職する社員は、女性では結婚や出産などライフステージの変化、男性では労働条件を理由にするケースが多いことがわかっています。
人間関係やライフステージの変化は会社が直接コントロールしにくいため、会社の経営や組織改善に活用するには「入社後3年間」という区切りが適切と考えられています。
新卒3年以内の早期離職率は、大学卒・高校卒ともに長年ほぼ3割前後で推移しており、大きな変化は見られません。経済情勢によって一時的に変動することはありましたが、近年はその傾向が薄れています。
例えば令和3年3月卒生では、高卒が38.4%、大卒が34.9%であり、やはりおおむね3割程度で安定しています。
この指標は、新卒採用の定着状況を把握するために用いられ、採用活動や研修施策、組織改善の効果を評価する際に幅広く活用されています。


参考:新規学卒就職者の離職状況(令和3年3月卒業者)|厚生労働省
3-3. 長期(10年)スパンで離職率を算定するケース
離職率を10年といった長期スパンで計算することで、短期間では見えにくい組織の課題や人事戦略の成果を把握できます。
例えば、平均勤続年数や定着率とあわせて確認することで、長期的なキャリア形成や組織への定着状況を評価することが可能です。会社にとって重要なのは「いかに優秀な人材を採用するか」だけでなく、「いかに既存の優秀な人材を定着させるか」であり、この視点が事業の継続と成長に直結します。
10年単位のデータを見ると、管理職や役職への登用といったキャリアアップの影響も含めた離職率の変動を把握できます。人材育成や配置管理など、育成から登用までを含む総合的な人事戦略の評価に役立つでしょう。
さらに、長期的に人材がどの程度組織に根付いているか、管理職候補が十分に育っているか、あるいは組織文化がどれだけ浸透しているかといった、組織の安定性や持続性を確認する手がかりにもなります。
ただし、10年という長期スパンでは、景気の変動や制度改正などの外部要因の影響も受けるため、あくまでも自社の人材戦略を評価する「参考値」として活用するのが望ましいでしょう。
4. 離職率を計算するときの注意点


離職率は、採用や人材定着の状況を把握するうえで重要な指標ですが、計算方法や定義を誤ると、実態とかけ離れた数値になってしまいます。ここでは、離職率を計算する際に押さえておきたいポイントを、より具体的に解説します。
4-1.入社直後に辞めた社員は離職率の計算に含める?
離職率を計算する際に、入社後まもなく退職した社員を分母に含めるかどうかは、会社ごとに運用が分かれます。特に新卒や中途採用の人数が少ない会社では、短期離職者が1名出ただけでも離職率が大きく変動するので、入社1年未満の離職者を分母から除外して算出するケースも見られます。
しかし、このように一定の条件で除外して算出した数値は、一般的な離職率とは定義が異なる独自指標となります。そのため、実態把握や他社との比較をおこなう際には、計算基準の違いを踏まえて慎重に解釈することが大切です。
また、社内外へ離職率を報告する場合は、分母の対象範囲や除外基準を明確に示すことも重要です。計算方法をあらかじめ共有しておくことで、数値の透明性と信頼性を高められます。
4-2. 離職者の定義やルール次第で数値は変わる
離職率の計算は、対象とする社員や期間の設定によって数値が大きく変動します。そのため、離職率をどのような目的で用いるのかを明らかにし、自社であらかじめ対象者と期間のルールを明確に定めておくことが重要です。
例えば、2020年1月1日時点で社員が100人いて、同年12月31日までの1年間に10人が退職した場合、離職率は「10%」となります。
一方、2020年1月1日から2022年12月31日までの3年間を調査期間とすると、その間に25人が退職すれば離職率は「25%」です。このように、調査期間の設定によって数値は大きく変わり、場合によっては「低く見せる」といった公表の仕方も可能になってしまう点に留意しましょう。
さらに、社員の中でパートタイム労働者の割合が大きい場合には、フルタイムの社員と区別して算出するなど、会社の実態に合ったルールを設けることが望まれます。初めて算出する際は、複数のパターンで試算してみると、自社にとって適切な基準を見極めやすくなります。
4-3. 離職率を良く見せても課題解決にはつながらない
離職率は、人材流出の健全性や定着率などを測り組織改善につなげるための重要な指標です。しかし実際には、離職率が高いと会社イメージの悪化につながることを懸念し、あえて離職者が少ない期間を対象に算出したり、自社に都合のよい数値だけを公表したりするケースも見られます。
意図的に離職率を低く見せても、職場環境や定着といった組織の根本的な課題解決にはつながりません。むしろ実態と乖離した情報を発信することは、信頼を失い、採用活動や社内のモチベーション低下を招きかねません。
結果を正しく受け止め、働きやすい環境づくりや人材の定着につなげることこそが重要です。
5. 【何に役立つ?】離職率の活用方法


離職率は単なる数値ではなく、会社の人材戦略や組織運営の健全性を測る重要な指標です。正しく計算し、継続的に分析することで、採用・定着・組織改善に幅広く活用できます。ここでは、具体的な活用方法を紹介します。
5-1. 外部の離職率や業界平均などと比較する
自社の離職率を計算したあと、日本全体や業界ごとの平均値と比較してみましょう。
2024年(令和6年)の日本国内全体の離職率は14.2%とされていますが、業種別に見ると7.8%(複合サービス事業)~25.1%(宿泊業・飲食サービス業)と大きな差があります。単純に全体の数値と比べるのではなく、業界の平均離職率と照らし合わせることで、より正確に現状を把握できます。
自社の離職率が業界平均より高ければ、組織課題に気づくきっかけになります。逆に低ければ、働きやすさを示すアピールポイントとして採用広報で活用できます。
ただし、業界ごとに正社員とパートの比率など雇用形態の違いもあるため、条件をそろえて分析することが重要です。
さらに、厚生労働省の「雇用動向調査」では産業別・雇用形態別のデータや、新規学卒就職者の3年以内離職率なども公表されています。離職率が特に高い業界では、いきなり全体平均を目標にするのではなく、まず業界平均を意識した改善を進めるのが現実的です。
また、離職率だけで判断するのではなく、定着率、社員満足度、エンゲージメントスコアなど他の指標もあわせて確認すると、組織の課題を多角的に捉えることができます。
■ 新規学卒就職者の産業別就職後3年以内離職率のうち、離職率の高い上位5産業
( )内は前年差増減 ※「その他」を除く
5-2. 離職率を経営層へ報告し採用広報に活用する
離職率は人事戦略において欠かせない指標であり、人的資本開示でも重要な項目のひとつです。自社で計算した離職率は必ず経営層へ報告し、経営判断や組織改善の材料とすることが求められます。もし離職率が高いと判断される場合には、福利厚生の充実や職場環境・マネジメント改善といった施策につなげることが重要です。
また、ISO(国際標準化機構)が策定した「ISO 30414(人的資本の情報開示ガイドライン)」では、採用・異動・離職を測る指標として「離職率」、組織文化を測る指標として「定着率」が分類されています。こうした国際的な枠組みに沿った情報開示は、会社価値の向上や投資家へのアピールにもつながります。
さらに、離職率は採用広報においても有効に活用できます。「業界平均より低い離職率」「新卒3年以内離職率が低い」といった数値は、働きやすい会社というポジティブなイメージを伝えるために有効です。
一方で、平均より高い場合でも、改善のための具体的な施策を公表することで「課題に真剣に取り組んでいる会社」という前向きな印象を与えられます。
ただし、都合の良い数値だけを切り取って公表すると、現実との乖離によって信用を失うリスクがあります。採用広報においては、実態に基づいたデータを正しく伝え、改善への取り組みもあわせて発信することが信頼につながります。
5-3. 離職率のデータから改善ポイントを導き出す
離職率のデータは、単に全社平均を出すだけでは十分ではありません。部署別・雇用区分別・年次別といった切り口で分解することで、どの層に離職が集中しているのかを把握しやすくなります。
例えば、新卒社員については次のような見方ができます。
1年以内の離職率が高い場合は、採用時の説明不足による入社後ギャップや、研修・教育体制の不十分さが要因となりやすいため、研修の充実やオンボーディング改善が効果的です。
3年以内の離職率が高い場合は、キャリアパスの不明確さや成長機会不足が背景にあることが多く、キャリア設計や評価制度の見直しが必要となります。
このように、「1年以内」「3年以内」の2パターンで新卒離職率を比較することで、改善すべき領域を特定しやすくなります。
中途採用の社員については、特に入社1年以内の離職率を追うことが重要です。短期離職が多い場合は、新規採用者の受け入れ体制やフォロー体制が不十分である可能性が高く、オンボーディングやメンター制度の強化が改善策となります。
このように、離職率を多角的に分析し、その背景要因を探ることで、課題特定、 改善策を実行、定着率やエンゲージメントを向上させるという流れで組織改善を実行できます。
6. 離職率を下げるための施策の具体例


離職率の上昇は、採用コストの増大や組織力の低下につながる重要な課題です。離職の背景には、「人間関係」「評価への不満」「業務負荷」「将来不安」など、複数の要因が複雑に絡み合っています。
そのため、場当たり的な対策ではなく、原因を正しく把握したうえで、継続的かつ多面的な施策を講じることが重要です。ここでは、実務で取り組みやすく、効果が期待できる代表的な施策を紹介します。
6-1. 組織サーベイを実施して職場課題を可視化する
離職防止の第一歩は、社員がどのような不満や課題を抱えているのかを客観的に把握することです。組織サーベイを活用すれば、職場環境や人間関係、評価制度への納得感など、表面化しにくい要因を数値や傾向として可視化できます。
ただし、サーベイは実施するだけで効果が生まれるわけではありません。結果を分析し、課題を明確化したうえで具体的な改善策につなげることが重要です。
さらに、匿名性を確保し、定期的に実施しながら改善状況を共有することで、社員は「自分たちの声が組織運営に反映されている」と実感しやすくなります。
関連記事:組織サーベイとは?目的・種類や手順、効果的に実施するポイントを徹底解説
6-2. オンボーディングを実施して定着率を高める
入社直後は、業務への不安や人間関係の構築不足から孤立感を抱きやすく、これらは早期離職の大きな要因となります。こうしたリスクを軽減するために重要なのが「オンボーディング」です。
オンボーディングとは、新入社員が組織や業務に円滑に適応し、早期に力を発揮できるよう支援する仕組みを指します。単なる業務説明にとどまらず、組織の価値観や求められる役割、期待水準を丁寧に共有することが欠かせません。
さらに、定期的な面談やメンター制度などを通じて継続的にフォローすれば、不安やつまずきを早期に解消できます。入社初期の適切な支援体制を整えることが、結果として定着率の向上につながります。
関連記事:オンボーディングとは?意味や目的・メリットから導入方法や事例などポイントを解説
6-3. 評価基準を明確化する
評価に対する不満や不信感は、離職理由として多く挙げられる要因のひとつです。特に、「どのような行動や成果が評価につながるのか」が不明確な場合、社員は努力と評価の結びつきを実感しにくくなり、モチベーションの低下を招きやすくなります。
そのため、評価基準や評価プロセスを明確にし、判断の根拠を具体的にフィードバックすることが重要です。評価の透明性を高めることで、結果に対する納得感や組織への信頼感が向上します。
また、評価制度を単なる処遇決定の仕組みとして捉えるのではなく、社員の成長を支援するための仕組みとして運用することも大切です。定期的な対話や具体的な改善提案を通じて成長実感を醸成できれば、エンゲージメントの向上につながり、結果として離職防止にも効果が期待できます。
6-4. 労働時間を適切に把握・是正する
長時間労働や業務量の偏在は、社員の心身に慢性的な負担を与え、ストレスや疲労の蓄積を招く要因となります。こうした状態が継続すると、仕事への意欲や組織への信頼感が低下し、結果として離職意向が高まりやすくなります。
そのため、まずは勤怠管理を徹底し、実労働時間や部署・個人ごとの業務負荷の状況を正確に把握することが重要です。例えば、勤怠管理システムを活用して労働時間を可視化すれば、特定の部署や個人に業務が過度に集中していないかを客観的に確認できます。
そのうえで、業務配分の見直しや人員配置の最適化をおこない、負荷の平準化を図ることが求められます。なお、労働時間だけでなく、業務の質や責任の重さ、心理的負担といった要素も踏まえ、総合的に状況を判断することが望ましいでしょう。
6-5. 相談窓口の設置や福利厚生を充実させる
悩みや不安を抱えたまま相談できない状況が続くと、問題が表面化しないままストレスが蓄積し、結果として離職意向が高まる可能性があります。社内外に相談窓口を設置し、安心して声を上げられる体制を整えることは、早期の課題把握と対応につながり、離職の未然防止に寄与すると考えられます。
また、福利厚生の充実は、社員の生活を経済的に支えるだけでなく、会社からの支援や配慮を実感できる機会にもなるでしょう。こうした支援が組織への信頼感や帰属意識の向上につながることで、働きやすさと安心感の両面から、長期的な定着を促す効果が期待できます。
7. 自社の離職率を正しく算出して改善につなげよう


離職率は「数字を良く見せるためのもの」ではなく、「組織を成長させるためのヒント」として活用すべき指標です。実態に即した数値を算出することで、人材流出の傾向や要因が見えやすくなり改善が可能です。
さらに、オンボーディング体制、マネジメント、待遇改善といった課題を明確にすれば、離職率の低下にとどまらず、社員の定着率向上やエンゲージメントの強化へとつなげられます。
コロナ禍を経て社員の仕事観が変化し、働き方を理由にした退職も増えてきました。柔軟な働き方への対応が不十分な会社は、早急な対策が求められます。離職率の分析と活用は、こうした変化に対応し持続的に成長するための基盤となるのです。



従業員の定着率の低さが課題の企業の場合、考えられる要因のひとつに従業員満足度の低さがあげられます。
従業員満足度を向上させることで、従業員の定着率向上や働くモチベーションを上げることにもつながります。
しかし、従業員満足度をどのように測定すれば良いのか、従業員満足度を知った後どのような活用をすべきなのかわからないという人事担当者様もいらっしゃるのではないでしょうか。
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