スキルマップの作り方とは?人事担当者が押さえるべき手順と項目例を解説
公開日: 2026.3.10 jinjer Blog 編集部

「従業員のスキルが可視化されておらず、適材適所の配置が難しい」「教育計画を立てたいが、何を基準に評価すればよいかわからない」といった悩みを抱える人事労務担当者の方は多いのではないでしょうか。スキルマップを導入すれば、組織全体の課題が明確になり、効率的な人材育成が可能になります。
この記事では、スキルマップ(力量管理表)の具体的な作り方をステップ別でわかりやすく解説します。この記事を読むことで、自社のスキルマップに必要な項目や、形骸化させない運用ルールを構築するコツがわかります。
関連記事:スキルマップとは?導入で得られるメリットや作り方を解説
人事評価制度は、健全な組織体制を作り上げるうえで必要不可欠なものです。
制度を適切に運用することで、従業員のモチベーションや生産性が向上するため、最終的には企業全体の成長にもつながります。
しかし、「しっかりとした人事評価制度を作りたいが、やり方が分からない…」という方もいらっしゃるでしょう。そのような企業のご担当者にご覧いただきたいのが、「人事評価の手引き」です。
本資料では、制度の種類や導入手順、注意点まで詳しくご紹介しています。
組織マネジメントに課題感をお持ちの方は、ぜひこちらから資料をダウンロードの上、お役立てください。
1. スキルマップとは?作成する目的とメリット

スキルマップとは、従業員が持つスキルや能力を一覧表にまとめたものです。製造業などでは「力量管理表」ともよばれます。個人のスキルレベルを数値や記号にして可視化することで、組織全体の現状をひと目で把握できるようになります。
スキルマップを作成する最大のメリットは、客観的なデータに基づいた人材配置ができる点です。誰がどの業務を得意としているかがわかれば、不足しているスキルを補うための教育計画も立てやすくなります。また、評価基準が明確になるため、従業員のモチベーション向上にもつながります。
従業員にとっても、「なりたい姿」と「現在地」とのギャップが視覚的に把握でき、自身のキャリアを具体的にどう形作っていくかを考える際に活用できるでしょう。
2. スキルマップの作り方:5ステップで解説

効率的にスキルマップを作成するためには、正しい手順を踏むことが大切です。ここでは、初めて作成する担当者の方でもスムーズに進められるよう、5つのステップに分けて解説します。
2-1. ステップ1:作成の目的と対象範囲を明確にする
まずは、なぜスキルマップを作るのかという目的を決めます。目的が曖昧なまま作成を始めると、実際の施策で活用しにくい表になってしまうおそれがあるためです。
目的によって、スキルマップに必要な項目は異なります。例えば、目的が「次世代リーダーの育成」であれば、業務の遂行能力だけでなく「視座の高さ」や「対人影響力」を重視した構成になります。「業務の属人化解消」が目的なら、「特定の誰かにしかできない業務(ブラックボックス)」をあぶり出すため業務を極限まで細分化し、「誰がどの作業を代行できるか」を可視化することが重要になるでしょう。
目的が決まったら、全社でおこなうのか、特定の部署から導入するのかといった範囲を決定しましょう。
2-2. ステップ2:業務に必要なスキル項目を洗い出す
次に、対象となる業務を細分化し、必要なスキルをリストアップします。このとき、現場の意見を取り入れ、実務に即した項目を挙げることが重要です。項目が多すぎると運用の難易度が上がるため、まずは重要なものに絞って作成することをおすすめします。
2-3. ステップ3:スキルの評価基準(レベル)を定義する
各スキルの習熟度を、例えば以下の5段階などで定義します。基準があいまいだと評価がぶれるため、具体的に設定しましょう。
| レベル | 定義の例 |
|---|---|
| 1 | 知識はあるが、実務には指導が必要 |
| 2 | 指示があれば、一部の業務を遂行できる |
| 3 | ひとりで全ての業務を完結できる |
| 4 | 他者に指導・教育ができる |
| 5 | 改善提案ができ、高度な専門性を持つ |
2-4. ステップ4:フォーマットを作成し入力をおこなう
Excelやスプレッドシート、あるいは専用のシステムを用いてフォーマットを作成します。作成した表に従業員本人や上司が入力をおこない、現在のスキルレベルを確定させます。数値だけでなく、コメント欄を設けるとより詳細な状況がわかります。
2-5. ステップ5:定期的な更新と学習機会を提供する
スキルマップは一度作って終わりではありません。半年に1回、あるいは1年に1回など、定期的に情報を更新するルールを決めましょう。また、スキルマップに基づいた教育も欠かせません。各従業員の「目指すべき姿」と「現在地」のギャップを埋めるための学習の機会を適切に提供する必要があります。
スキルマップ更新のタイミングで面談をおこない、定期的に成長を確認することが形骸化を防ぐポイントです。
3. 厚生労働省のテンプレート「職業能力評価シート」を活用する
スキルマップをゼロから自作するのが難しいと感じる場合は、公的なテンプレートを活用するのもおすすめです。厚生労働省のサイトでは、厚生労働省が策定した「職業能力評価基準」をもとにした「職業能力評価シート」が提供されています。
職業ごとに必要なスキルが体系的に整理されており、一般的な企業で横断的に使える事務系9職種(経理・人事など)のほか、製造業、建設業、サービス業など、2026年1月現在で56業種が用意されています。自社の業種に近いものを参考にしましょう。
3-1. 職業能力評価シートを活用する流れ
職業能力評価シートは、下図のように「全体構成(様式1)」→「職種別能力ユニット一覧(様式2)」→「能力ユニット別職業能力評価基準(様式3)」と分かれています。まずは被評価者の職務内容やレベルに合わせたシートを選びましょう。
次に、以下の基準で従業員自身が自己評価を実施します。
| ○ | 一人でできている (下位者に教えることができるレベルを含む) |
| △ | ほぼ一人でできている (一部、上位者・周囲の助けが必要なレベル) |
| × | できていない |
なお、業務上、該当しない評価項目は「-(ハイフン)」と記入し、評価対象外とします。
最後に、評価者が評価をおこない、自己評価とのギャップとその理由を話し合うことで知識やスキルの向上につなげます。
4. スキルマップを運用する際のポイント

スキルマップは作成すること自体がゴールではなく、その後の運用が重要です。ここでは、作成したマップを現場で有効に活用し、形骸化させないためのポイントを2点紹介します。
4-1. 現場の負担にならない粒度で設計する
項目を細かくしすぎると、入力や更新に時間がかかりすぎてしまいます。「入力が大変で放置される」という事態を避けるため、運用しやすいシンプルな設計から始めましょう。
4-2. 評価の公平性を保つためのルール作り
「上司によって評価が甘い・厳しい」という差が出ないよう、評価基準は具体的に記載します。「〇〇の作業が10分以内に完了できる」など、数値で測れる指標を入れると公平性が高まります。
5. スキルマップで組織の力を最大化しよう

全社的なスキルマップを作成するには、まずは従業員がどんな領域で何かできる/できないのかを個人単位で網羅するところから始めなければならず、少なからず時間がかかるのは事実です。しかし、スキルマップがあると、組織の弱点や従業員の成長課題が明確になり、上司と部下の間で共通認識をもって育成を進められます。まずは目的を定め、スモールステップで現場が使いやすいものからぜひ作り始めてみてください。
また、せっかく作ったスキルマップも、更新されなければ意味がありません。定期的なメンテナンスとフィードバックをセットでおこない、常に最新の状態を保つことが、人材育成を成功させる鍵となります。自社に最適なスキルマップを作成し、適材適所の配置に役立てましょう。
人事評価制度は、健全な組織体制を作り上げるうえで必要不可欠なものです。
制度を適切に運用することで、従業員のモチベーションや生産性が向上するため、最終的には企業全体の成長にもつながります。
しかし、「しっかりとした人事評価制度を作りたいが、やり方が分からない…」という方もいらっしゃるでしょう。そのような企業のご担当者にご覧いただきたいのが、「人事評価の手引き」です。
本資料では、制度の種類や導入手順、注意点まで詳しくご紹介しています。
組織マネジメントに課題感をお持ちの方は、ぜひこちらから資料をダウンロードの上、お役立てください。
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