支払明細書について解説。その意味や書き方など基礎知識を紹介
更新日: 2024.5.8
公開日: 2021.11.20
jinjer Blog 編集部
支払明細書=クレジットカードで支払いをしたときに発行されるものというイメージがありますが、実は商取引でも支払明細書が発行されるケースがあります。
名前から「支払いの時に発行される明細書」であることは何となくイメージできますが、何のために発行するのか、どんな内容が記載されているか、その詳細を細かく知っている人は意外と少ないのではないでしょうか。
そこで今回は、ビジネスシーンで発行される支払明細書の概要や、領収書などとの違い、支払明細書の書き方について解説していきます。
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1.支払明細書とは?
支払明細書とは、取引の金額と、その内容を記載した書類のことです。
支払明細書を確認すれば、いつ・どこで・何に対して・いくら支払ったのか、一目で把握することが可能です。
支払明細書の発行シーンはビジネス・プライベートを問いませんが、一定期間の取引金額をまとめて支払う場合に発行されるのが一般的です。
たとえば、クレジットカードで買い物をしたときや、その月の取引代金をまとめて支払ってもらう掛け払いなどを行う際は、支払明細書が発行されます。
関連記事:支払明細書とは?その意味や書き方など基礎知識をご紹介
1-1.支払明細書を発行する理由
支払明細書を発行する理由は、大きく分けて2つあります。
まず1つ目は、商取引でのトラブルを防止するためです。
その場で代金を支払わない「後払い」や「掛け払い」の場合、後日まとめて取引代金を請求することになりますが、その際、いつ・どこで・何に対して・いくら支払ったのかが把握できていないと、正しい金額を請求することができません。
取引先との間で請求金額の認識に相違があると、支払いをめぐるトラブルに発展してしまうおそれがあります。
支払明細書があれば、一定期間内に交わした取引の内容・金額を証明することができるため、請求金額の相違から来るトラブルを未然に防止できます。
2つ目は、支払った金額の説明を行うためです。
BtoBの商取引の場合、事前に見積書や注文書を作成してやり取りするため、何に対して、いくら支払うのかをお互いが事前に理解しています。
一方、会社が従業員に給与を支給する場合、総支給額から所得税や住民税、社会保険料などを差し引いた額を支払います。
しかし、ただ単に給与を入金しただけでは、従業員は「総支給額がいくらだったのか」「そこからどのくらいの税金や保険料が差し引かれたのか」などの情報を知り得ることができません。
そのため、会社は従業員に給与を支払う際、給与支払明細書を発行し、支給額の内訳を説明する必要があります。
2.支払明細書の種類
ビジネスで発行される支払明細書にはさまざまな種類があります。
ここでは、主な支払明細書の種類を4つご紹介します。
2-1. 給与(賞与)支払明細書
会社が従業員に給与や賞与を支払う際に発行される明細書です。
いわゆる給与明細書のことで、雇用契約に基づく給与・賞与の支給額のほか、控除される項目とその金額、差引支給額などが記載されています。
2-2. 退職金支払明細書
会社が従業員に退職金を支払う際に発行される明細書で「退職金明細書」「退職金支給通知書」などとも呼ばれています。
給与支払明細書と同じく、雇用契約に基づく退職金の支給額や控除額、差引支給額が記載されているほか、入・退社の年月日や勤続年数などが記されています。
2-3. 業務委託に関する支払明細書
外部の業者や個人に自社の業務を委託し、その報酬を支払う際に発行される明細書です。
どんな業務を委託し、どのくらいの報酬が発生したのかを記載するほか、源泉徴収を行う場合はその旨と金額も明記します。
2-4. 配当金支払明細書
企業が株主に配当金を支払う際に発行される明細書です。
所有している株式の数や、1株あたりの配当金、合計配当金額、税額を差し引いた差引金額などが記載されています。
租税特別措置法に基づいて発行される「配当金支払通知書」を兼ねて発行されることもあります。
3.支払明細書と領収書・請求書の違い
支払明細書と、領収書・請求書は記載されている内容が似ていますが、それぞれ発行されるタイミングや目的に違いがあります。
領収書は、お金を受け取った(領収した)ことを証明する書類ですので、支払いが完了したタイミングで発行されます。
対する支払明細書は、あくまで取引の内容や金額を明確にするための書類ですので、発行された時点では代金の支払いが終わっていない点に注意が必要です。
一方の請求書は、相手方に取引代金を請求する際に発行される書類です。
支払明細書は、取引の内容と代金を確認するため、取引のたびに発行されますが、そこに相手方への請求の意思はありません。
そのため、相手方に取引代金を請求するには、支払明細書とは別に、一定期間内に行われた取引について請求書を送付する必要があります。
商取引の流れに沿ってまとめると、取引を行う→支払明細書を発行する→請求書を発行する→相手からの入金を確認して領収書を発行する、という形になります。
関連記事:支払明細書と領収書の違いや書き方のポイントを詳しく解説
4.支払明細書の基本的な書き方
支払明細書は法的に発行を義務づけられた書類ではありませんので、様式やフォーマットに特別な決まりはありません。
ただ、支払明細書の本来の役割を果たすためには、取引の詳細がはっきりわかる書き方を心がける必要があります。
ここでは、支払明細書に記載すべき基本的な項目を6つに分けて説明します。
4-1. タイトル
一目で何の書類かわかるよう、大きめのサイズで「支払明細書」と記載します。
4-2. 明細書No
取引先が少ない場合は省略してもかまいませんが、複数の業者と取引を行っている場合は、支払明細書に通し番号を振っておくと、書類を管理しやすくなります。
4-3. 相手の名称
取引相手の名称や屋号を明記します。
相手が個人なら「様」、法人などの会社なら「御中」を最後に付けましょう。
4-4. 発行日
支払明細書を発行した日付を年月日で記載します。
支払明細書の発行日は、月締めの取引を整理する際の基準となりますので、忘れずに記載しましょう。
4-5. 発行者の情報
支払明細書を発行した会社(自社)の名称や屋号、所在地、連絡先(電話番号やメールアドレス)を記載します。
担当者がいる場合は、部署や担当者の名前も併記しておくと、相手が支払明細書について問い合わせたいときに、スムーズに連絡を取ることができます。
なお、支払明細書に押印する義務はありませんが、角印を押しておいた方が書類としての信頼性が高まります。
4-6. 取引内容
取引の詳細情報を表などにまとめて記載します。
具体的には、取引が行われた日付、取引した商品やサービスの名前、取引数量、商品・サービスごとの単価および金額、小計、消費税、税込合計金額を明記します。
合計金額は枠外上部にあらためて記載し、一目でその取引の代金がわかるようにします。
以上6つの項目を記載して支払明細書を作成したら、取引先へ郵送します。
なお、支払明細書はPDFファイルなどの電子データに変換して送付することも可能です。
その場合、発行者の情報では電子印鑑を押印しましょう。
また、電子データで送付する場合は、念のため取引先に連絡し、事前に了解を得ておいた方が安心です。
関連記事:支払明細書の書き方や保管方法・注意点を分かりやすく解説
5.支払明細書は取引内容を確認するために発行される書類
支払明細書は、取引を行った当事者同士が、その内容を確認するために発行される書類です。
取引内容をあらためて確認することで、代金をめぐる認識の相違などが起こるのを未然に防止できます。
支払明細書の発行は義務ではありませんが、取引を円滑に進めたいのなら、取引の詳細をきちんと記載した支払明細書を発行・送付することをおすすめします。
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