時短勤務者の休憩時間は?その上限や短時間勤務制度の注意点を解説
更新日: 2026.1.29 公開日: 2021.11.12 jinjer Blog 編集部

あらゆる面で価値観の多様化が進む昨今では、育児や介護のほか従業員のさまざまな生活環境を考慮した、柔軟な働き方をサポートする姿勢が各企業に求められています。こうした動きの一つとして時短勤務があります。従業員の働きやすさを守るためにも、しっかりと制度として整えていくことが不可欠です。
実際の就業時間など考慮すべき点は多くある中で、時短勤務の休憩時間についても、従業員を管理する側にとっては気になるポイントでしょう。休憩時間は適切に取り入れていかないと、従業員の負担になるだけでなく、場合によっては違法となるケースもあります。
そこで今回は時短勤務における休憩時間の導入方法について、詳しく解説していきます。
▼時短勤務についてより詳しく知りたい方はこちら
時短勤務とは?導入するための手順と問題点を解説
目次
人事労務担当者の実務の中で、勤怠管理は残業や深夜労働・有休消化など給与計算に直結するため、正確な管理が求められる一方で、計算が複雑でミスや抜け漏れが発生しやすい業務です。
さらに、働き方が多様化したことで管理すべき情報も多く、管理方法と集計にお困りの方もいらっしゃるのではないでしょうか。そんな担当者の方には、集計を自動化できる勤怠システムの導入がおすすめです。
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1. 時短勤務(短時間勤務制度)とは


時短勤務とは正確には「短時間勤務制度」といって、主に育児や介護にあたる従業員が通常の勤務よりも労働時間を短縮して働ける仕組みを指します。時短勤務の制度を設けることは、育児・介護休業法で定められている法的義務で、従業員からの請求があった場合には原則として適用しなければなりません。ただし、雇用期間が1年未満の労働者など適用除外となる労働者は除外されます。そのため企業側には、あらかじめ時短勤務の制度を用意しておくことが求められます。育児や介護をする従業員にとって、柔軟に利用できる体制にしておくことが必要です。
1-1. 短時間勤務制度が導入された背景
短時間勤務制度は、少子高齢化や働き方改革の一環として導入されました。主に育児や介護をはじめとした家庭の事情と仕事を両立するための制度です。
従来、出産や育児、介護などで就業を諦めざるを得ない状況が多く見られました。しかし、時代の流れと共に家庭と仕事を両立できる環境を整えることが社会全体の緊急課題となり、政府は1991年に育児・介護休業法を制定しました。
育児・介護休業法は、働く人々が家庭と仕事の両立をよりスムーズにできるようにする目的で設けられています。当初は「子が1歳未満の労働者」に対する時短勤務、フレックス、始業終業時刻の変更などの選択肢を提供するものでした。
それが2002年には対象者を「3歳未満の子を養育する労働者」に拡大し、2012年には1日の所定労働時間を原則6時間とする短時間勤務制度がすべての事業主に義務付けられました。
2. 時短勤務における基本ルール


時短勤務は育児や介護をする従業員の希望に応じて利用できる制度ですが、すべての人が対象になるわけではありません。育児と介護に分けて、時短勤務の措置として認められている制度と、時短勤務を利用できる従業員の条件を確認しておきましょう。
2-1. 介護による時短勤務の場合
介護のための時短勤務とは、要介護状態にある家族を介護している労働者が、所定労働時間を短縮して就労を続ける制度です。育児・介護休業法における短時間勤務制度等の措置のひとつです。育児・介護休業法では、企業に対して時短勤務を含む以下のいずれかの措置を1つ以上講じることが義務付けられています。
- 所定労働時間の短縮(時短勤務)
- フレックス勤務の適用
- 始業や終業時刻の調整(時差出勤制度)
- 介護サービス費用助成
いずれかを利用開始の日から3年以上の期間で2回以上の利用を可能とする措置が必要です。
対象となるのは、要介護状態にある家族を介護している従業員です。基本的には介護をしている従業員すべてが対象ですが、日雇い労働者は除外されます。また、入社1年未満・週2日以下の従業員も労使協定によって対象外にできます。
2-2. 育児による時短勤務の場合
育児における短時間勤務制度の法的義務は、1日の所定労働時間を原則として6時間に短縮することです。そのためそもそも勤務時間が6時間に満たない従業員には、適用しなくても問題ありません。
さらに育児での時短勤務では3歳未満の子を持つ従業員が対象で、配偶者が専業主婦・主夫であっても適用するのがルールです。また業務の性質もしくは実施体制上、導入が困難な場合には、例外的に労使協定によって対象外にできるケースもあります。
時短勤務の導入事例(始業・終業時間の前後させる)
例えば単純に終業時刻を早める運用のほか、始業・終業をそれぞれ前後させる方法があります。もしくは日によってシフト制にすることも可能で、1週間の業務状況に応じて設定するのも一つの手でしょう。
関連記事:時短勤務はいつまで取れる?気になる基準と就業規則の決め方
3. 時短勤務者の休憩時間はどうする?


時短勤務では、勤務時間が6時間未満になるケースがあり、フルタイムで働く正社員とは異なる対応が必要です。時短勤務者の休憩時間の取り扱いを確認しておきましょう。
3-1. 6時間未満の時短勤務なら休憩時間がなくても問題ない
仮に時短勤務が6時間を超えない場合には、休憩時間がなくても違法ではありません。
労働基準法では、1日6時間を超過する場合には最低45分・8時間を超過する場合には最低1時間の休憩時間を義務としています。例えば時短勤務にて9時~15時の6時間勤務してもらい、休憩なしで退勤としても問題はありません。
6時間ぴったりの場合は休憩は不要ですが、1分でも超過した場合は45分の休憩が必要になります。残業で6時間を少しでも超えたら、すでに休憩を取得している場合を除いて追加で45分の休憩が必要になるため、十分に注意しましょう。
4. 時短勤務における休憩時間で気を付けたいポイント


6時間以下の時短勤務であれば、休憩時間の設置は法的な義務ではありません。しかしより良い労働環境のためには、ある程度まとまった勤務時間数になる際には、本来なら休憩時間を設けるのが理想です。そこで次からは、適切な休憩方法にしていくためのコツをご紹介していきます。
4-1. 6時間を超過した勤務での休憩なしは違法
もし6時間勤務にしていたとしても、場合によっては数分超過してしまう日があるかもしれません。前項でも少し触れましたが、労働基準法では、6時間から1分でも超えて労働するのであれば、最低45分の休憩が必要になります。休憩を取らせずに6時間を超えて勤務させてしまうのは違法になるため、定時上がりを保証できないのであれば、45分以上の休憩時間を設けておくのが適切です。
45分の休憩をすでに取得している場合は、残業を含めて8時間未満の勤務であれば追加の休憩時間は必要ありません。業種や残業の頻度によって、しっかりと時短勤務者の休憩を考えておきましょう。
関連記事:労働時間に対する休憩時間数とその計算方法をわかりやすく解説
4-2. 育児時間との違いに注意
1歳未満の子を持つ女性労働者には、休憩時間とは別に、1日2回各30分以上は業務から離れられる「育児時間を求める権利」が認められています。もし対象者からの請求があれば、必ず応じなければなりません。
この育児時間は休憩時間とはみなされないため、休憩時間と区別して運用していくことが必要です。
なお休憩時間は途中付与が原則で、当然ながら労働時間の前後に持ってくることはできません。一方で育児時間は、決められた範囲内であればどのタイミングで取っても基本的には問題ないため、遅出・早上がりにも使えます。それぞれには大きな差があるため、併用する際には注意しましょう。
関連記事:労働基準法に定められた育児時間の考え方と請求方法を解説
4-3. 休憩時間を設ける際には「自由の原則」を忘れずに
労働基準法による休憩とは、使用者の指揮命令から完全に離れて、自由に過ごせる時間を指します。時短勤務に限りませんが、例えば電話番をしていたり指示待ちをしていたりするケースは、休憩には該当しません。また、休憩の5分前に戻ることをルールとすることや、来客があった場合は対応を必須とすることなども休憩時間とみなされなくなります。
従業員が自分のデスクや作業場にいると扱いが曖昧になりやすい部分ですが、しっかりと休息が取れなければ意味がありません。きちんと休憩時間の過ごし方にも配慮し、リフレッシュしてもらえるようにしましょう。
4-4. 拘束時間とのバランスにも配慮する
労働基準法での45分や1時間といった休憩時間は、あくまで最低ラインです。多くなる分には特に問題はないため、業種や職種によっては少し長めの休憩時間にしているケースも見られます。
時短勤務も同様に、長い休憩を取らせることは違法ではありませんが、拘束時間が長くなってしまうのは問題です。育児や介護をするために時短勤務で早く帰ろうとしているのに、長い休憩時間で勤務時間が長くなっては本末転倒です。
休憩時間は重要ですが、業務の負担と時短勤務者の希望のバランスをしっかりと考え、より適した休憩時間と休憩の取り方を決めましょう。
5. 時短勤務者の休憩時間は法律を守ってしっかりと確保しよう


時短勤務とは、従業員が私生活と無理なく両立していくための制度です。短い労働時間の中でも本来のパフォーマンスをしっかりと発揮してもらうためには、企業側にもさまざまな配慮が求められるでしょう。時短勤務における休憩時間も同様に、各従業員がきちんと日々の業務に集中しやすいよう、工夫しながら運用していくことが必要です。
ぜひ本記事を参考に、なるべく各自の負担を軽減できるような体制づくりを進めていきましょう。



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