36協定に押印・署名は不要?協定書・協定届の違いと実務対応を解説 - ジンジャー(jinjer)|統合型人事システム

36協定に押印・署名は不要?協定書・協定届の違いと実務対応を解説 - ジンジャー(jinjer)|統合型人事システム

36協定に押印・署名は不要?協定書・協定届の違いと実務対応を解説 - ジンジャー(jinjer)|統合型人事システム

36協定に押印・署名は不要?協定書・協定届の違いと実務対応を解説

チェックリストの写真

「36協定には押印・署名が不要になったと聞いたのに、今でも押印している」と疑問をもっている人事担当者は多いのではないでしょうか。労働基準法の改正にともない、36協定届の署名・押印は原則として不要になりましたが、注意点もいくつかあります。

本記事では、36協定届の押印・署名が不要の正確な意味や、押印廃止にともなう手続方法、必要な対応を解説します。改正内容を正しく押さえ、業務効率化につなげましょう。

36協定の全体像は関連記事をご覧ください。

関連記事:36協定とは?基礎知識から残業上限規制や締結・届出、違反リスクまで完全解説

最新の36協定の対応はこれ一冊で。 基本から法改正まで網羅した手順書

毎年対応が必要な36協定の届出。しかし、働き方改革関連法による上限規制の変更や複雑な特別条項など、正確な知識が求められる場面は増え続けています。
36協定届の対応に不安な点がある方は、今のうちに正しい手順と注意点を確認しませんか。

◆この資料でわかること

  • 働き方改革関連法による上限規制の変更点
  • 罰則を避けるための「特別条項」の正しい知識と運用
  • ミスなく進めるための締結・届出の具体的な手順
  • 【記入例付き】新しい届出様式の書き方

本資料では、届出作成~提出の流れまで36協定の届出について網羅的に解説しており、毎年発生する煩雑な業務の効率化に役立ちます。ぜひこちらから資料をダウンロードしてご活用ください。

1. 36協定に押印・署名は不要の意味

握手する男性

原則として36協定届には押印・署名は不要ですが、協定書を兼ねる場合は必要です。意味を正確に理解しないと手続きを誤る可能性があります。

はじめに、36協定の押印と署名の原則的なルールを確認しましょう。

1-1. 36協定届の押印・署名は原則として不要

2021年4月1日から、36協定届の押印や署名は原則不要となりました。

従来、36協定届には労使両方の記名・押印または署名が必要でした。記名・押印とは代表者の氏名(ゴム印などで可)の横に印を押すこと、署名とは氏名を自署することです。

改正前は、押印や署名がない36協定届は、労働基準監督署に提出しても受け付けてもらえませんでした。改正によって、押印や署名が省略された36協定届も有効とみなされます。

1-2. 押印・署名が必要なケース

2021年4月1日のルール変更後の例外として、36協定届が協定書を兼ねる場合は、押印または署名が必要です。

労使間で36協定を締結する際に使用する協定書は、必要事項を網羅していれば様式は任意で問題ありません。協定書と協定届はほぼ内容が共通しているため、多くの企業が協定届を協定書と併用しています。

押印や署名が不要になったのは36協定届のみで、36協定書は今までどおり従業員代表や使用者の押印または署名が必要です。協定書で協定届を兼ねている場合、押印または署名の省略はできません。

36協定届と別に協定書を作成する場合は、協定届への押印は不要ですが、必要な事項が不足なく定められているか確認が必要です。

協定届で協定書を併用するか、協定書を任意で作成するかは企業が自由に決められますが、押印の要否は間違えないようにしましょう。

sharoshi_default

協定書を任意で作成する場合、次の項目をもれなく定める必要があります。

  • 対象となる従業員の範囲
  • 対象期間(1年に限る)
  • 労働時間を延長し、または休日に労働させる事由
  • 時間外労働の時間数または休日労働の日数(1日、1ヵ月および1年ごと)
  • そのほか厚生労働省令で定める事項(有効期間や起算日など)

特別条項を適用する場合は、健康・福祉確保措置などの定めも必要です。締結事項に不足があると有効な36協定とみなされない可能性もあるため、特別な事情がない限りは36協定届の様式を併用した方が良いでしょう。

解説:社会保険労務士

参考:e-Gov 法令検索 | 労働基準法

関連記事:36協定の協定書とは?協定届との違いや書くべき項目を解説

1-3. 協定書と協定届の違い

押印・署名が不要の意味を正しく理解するには、協定書と協定届の違いを押さえなければなりません。主な違いをまとめました。

比較項目

協定書

協定届

目的

事業所内での協定の締結

労働基準監督署への届出

提出先

なし

管轄の労働基準監督署

押印・署名の要否

必要

不要

協定書とは、労使間で36協定を締結するときに使用する企業内の文書、協定届は労働基準監督署に届け出するときの所定の様式です。

押印や署名が省略できるのは協定届のみで、協定書には労働組合の代表者や従業員代表、使用者の押印または署名が必要です。協定届で協定書を兼ねている場合は、押印または署名の省略ができないため注意しましょう。

2. 36協定の押印が不要になった背景

タブレットを触る女性

36協定届で押印が不要になった背景は、政府によるテレワーク・デジタル化の推進です。

政府は、すべての働く人が、個々の事情に合わせて柔軟な働き方を選択できるよう、2019年4月1日から「働き方改革関連法案」を順次施行しました。

働き方改革の一環として推進されているのが、テレワークです。テレワークはもともと、家事や育児、介護との両立や、通勤時間、オフィスコストの削減、人材確保などを目的に推進されていましたが、新型コロナウイルスの影響で、感染拡大防止の手段として日本でも急速に普及しました。

従来の行政関係の書類は押印や署名が必須のものが多く、テレワークや書類のデジタル化の妨げとなっていたため、法改正により行政手続きのほとんどで署名・押印が廃止されました。

署名・押印の廃止には36協定届も含まれており、2021年4月1日付で移行された新様式では、押印の欄が削除されています。

3. 36協定の押印が不要になったあとの届出方法

注意のイメージ

協定届には原則として押印が不要になりましたが、その代わりに、チェックボックスでの確認が必要になりました。押印が不要になったあとの届出方法を解説します。

36協定の届出は関連記事もご覧ください。

関連記事:36協定の届出とは?書き方や届出方法と期限、更新時の注意点を解説

3-1. チェックボックスへの記入が必要

36協定の新様式では、押印欄が削除された代わりに、協定の当事者を確認するチェックボックスが2つ新設されました。内容は次のとおりです。

  • 上記協定の当事者である労働組合が事業場の全ての労働者の過半数で組織する労働組合である、又は、上記協定の当事者である労働者の過半数を代表する者が事業場の全ての労働者の過半数を代表する者であること
  • 上記労働者の過半数を代表する者が、労働基準法第41条第2号に規定する監督又は管理の地位にある者ではなく、かつ、同法に規定する協定等をする者を選出することを明らかにして実施される投票、挙手等の方法による手続により選出された者であって使用者の意向に基づき選出されたものでないこと

36協定を締結する従業員代表は、2つの要件をいずれも満たさなければなりません。36協定届では押印や署名は不要ですが、記載された内容を満たしている点を確認し、チェックボックスにチェックを記入して届出する必要があります。

チェックボックスが未記入のまま届出した場合、形式上の要件を満たしていないため有効な届出として扱われません。万が一、その状態のまま時間外労働や休日労働をさせると、労働基準法違反となる可能性が高いでしょう。

36協定届の記載例

引用:36協定届が新しくなります|厚生労働省

36協定届を記入する際は、必要に応じて厚生労働省の記入例を参照しましょう。記入方法は次の関連記事で詳しく解説しています。

関連記事:36協定の新様式の変更点は?新様式の種類や記入例を解説

3-2. 従業員代表の選出や労使協定の締結には変更なし

変更されたのは、協定届に押印や署名が不要になった点のみです。従業員の過半数で組織される労働組合がない場合の過半数代表の選出や、労使協定の締結の手続きに変更はありません。

押印が廃止になったからといって、従業員代表の選出手続きを省略したり、労使協定を締結しなかったりすると、36協定届は無効になります。時間外労働の違法性が免除されないため、必要な手続きは欠かさず済ませましょう。

4. 36協定の押印廃止に伴い必要な対応

はてなと吹き出し

36協定の押印廃止は、単に今までの手続きから押印を省略するだけでは不十分です。必要な対応を2つ解説します。

4-1. 様式の変更

従来の様式を利用している場合は、36協定届の様式を変更しましょう。新しい様式では押印や署名欄が廃止された代わりに、チェックボックスが追加されています。

古い様式のまま押印や署名を省略してしまうと、従業員側代表の要件確認ができていないとみなされ、労働基準監督署で受理されない可能性があります。新しい様式は厚生労働省のサイトでダウンロードできるので、まだ更新していない場合は早めに切り替えましょう。

参考:時間外・休日労働に関する協定届(36協定届)|厚生労働省

関連記事:36協定の新様式の変更点は?新様式の種類や記入例を解説

4-2. 各事業所への周知

押印廃止による手続きや様式の変更点は、各事業所へ周知しましょう。36協定は事業所ごとに提出する必要があるため、周知が不十分だと、変更に対応しきれない事業所があるかもしれません。

単に押印が不要になった点だけを周知すると、協定届が協定書を兼ねている場合でも、押印や署名を省略してしまうおそれがあります。

押印不要の意味を正しく説明し、チェックボックスへの記入など、必要な手続きを過不足なく周知しましょう。

5. 36協定の押印廃止のメリット

メリットのメモ

36協定の押印が廃止された結果、業務効率化を進めやすくなりました。具体的なメリットを3点説明します。

5-1. 電子申請を導入できる

36協定の押印が不要になり、インターネット上で労働基準監督署への届出である電子申請が導入しやすくなりました。

紙書類で申請する場合は、押印のために複数部署へ書類を回したり、窓口へ提出するか郵送をしたりなどの作業が必要でした。電子申請では、協定届の作成から届出までがオンラインで完結し、承認プロセスを含めた全体の手続きを効率化できます。

5-2. 手続きが簡略化できる

36協定の押印・署名の廃止は、手続きの簡略化にもつながります。電子申請の導入に合わせて承認フローを見直せば、社内手続きを大幅に簡略化できるでしょう。

電子申請を利用すれば、人事担当者や決裁権者が場所を問わず処理・承認できるため、業務の停滞も防げます。

書類の発送や窓口提出の手間が省け、人事担当者は空いた時間をほかの業務に使えるでしょう。

5-3. 押印漏れを理由に差し戻しされない

36協定を労働基準監督署に届出する際、押印がなくても差し戻しされることがなくなり、人事担当者の二度手間が減ったといえます。

協定書を協定届とは別に作成している場合、協定書には押印しても、協定届への押印を忘れるケースが多々ありました。たとえ手続きが適切で、記入内容に誤りがない状態でも、改正前は押印や署名が漏れていれば労働基準監督署に受理されませんでした。

なお、改正後は押印漏れを理由とした差し戻しはなくなりましたが、代わりにチェックボックスへの記入漏れで差し戻される可能性もあるため、提出前のダブルチェックは引き続き必要でしょう。

6. 36協定の押印ルールを正しく理解し適切に届出しよう

計算する女性

36協定届の押印は原則として不要になりましたが、協定書を兼ねる場合は、押印か署名が必要です。

単に「36協定には押印・署名がいらない」とだけ覚えていると、協定書への押印や署名を漏らし、手続きミスにつながります。押印のルールを正しく押さえ、労働基準監督署へ適切に届出しましょう。

最新の36協定の対応はこれ一冊で。 基本から法改正まで網羅した手順書

毎年対応が必要な36協定の届出。しかし、働き方改革関連法による上限規制の変更や複雑な特別条項など、正確な知識が求められる場面は増え続けています。
36協定届の対応に不安な点がある方は、今のうちに正しい手順と注意点を確認しませんか。

◆この資料でわかること

  • 働き方改革関連法による上限規制の変更点
  • 罰則を避けるための「特別条項」の正しい知識と運用
  • ミスなく進めるための締結・届出の具体的な手順
  • 【記入例付き】新しい届出様式の書き方

本資料では、届出作成~提出の流れまで36協定の届出について網羅的に解説しており、毎年発生する煩雑な業務の効率化に役立ちます。ぜひこちらから資料をダウンロードしてご活用ください。

jinjer Blog 編集部

jinjer Blog 編集部

jinjer Blogはバックオフィス担当者様を支援するため、勤怠管理・給与計算・人事労務管理・経費管理・契約業務・帳票管理などの基本的な業務の進め方から、最新のトレンド情報まで、バックオフィス業務に役立つ情報をお届けします。

勤怠・給与計算のピックアップ

新着記事