年末調整の必要書類一覧|記載する内容や書類の入手方法を徹底解説 - ジンジャー(jinjer)|統合型人事システム

年末調整の必要書類一覧|記載する内容や書類の入手方法を徹底解説 - ジンジャー(jinjer)|統合型人事システム

年末調整の必要書類一覧|記載する内容や書類の入手方法を徹底解説 - ジンジャー(jinjer)|統合型人事システム

年末調整の必要書類一覧|記載する内容や書類の入手方法を徹底解説

書類

年末調整をスムーズに終えるためには、必要となる書類を事前に把握しておくことが重要です。万が一必要書類に抜けや漏れがあると、その年の年末調整が正しくおこなえず、別途従業員自身による確定申告が必要になる場合があります。

今回は、年末調整の必要書類の種類を一覧でわかりやすく解説します。また、入手方法や保管期間などについても紹介します。

\ 年末調整を担当する方へ / 令和8年分で変わる控除と実務がわかる

令和8年分の年末調整から、基礎控除と給与所得控除が同時に引き上げられ、所得税の壁は178万円になります。
申告書の該当欄と計算ロジックが変わり、多くの従業員で例年より還付額が増える見込みです。

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1. 年末調整の必要書類

書類

年末調整で必要となる書類は、従業員と会社で異なります。それぞれ次の書類が年末調整の際に必要です。

作成者

必要書類

従業員

  • 扶養控除等(異動)申告書
  • 基礎控除申告書 兼 配偶者控除等申告書 兼 特定親族特別控除申告書 兼 所得金額調整控除申告書
  • 保険料控除申告書(※対象者のみ)
  • 住宅借入金等特別控除申告書(※対象者のみ)
  • 前職の源泉徴収票(※年の中途に転職してきた人のみ)

会社

  • ⽀払調書
  • 源泉徴収票
  • 法定調書合計表
  • 給与支払報告書

このように、年末調整の必要書類は複数に及ぶため、それぞれ書類の概要や違いについても押さえておくことが重要です。

関連記事:年末調整の書き方を徹底解説!書類別の記入例でわかりやすく解説

1-1. 年末調整のスケジュール

年末調整は、次のようなスケジュールで進められることが一般的です。

年末調整スケジュール

手続き

10月

従業員への申告書類の配布

11月

従業員から申告書類の回収・チェック

12月

  • 年末調整の計算(給与の集計、所得控除の適用など)
  • 過不足税額の精算(通常12月の給与にあわせて実施される)

翌年1月

  • 源泉所得税の納付(期限:1月10日)
  • 法定調書や給与支払報告書などの提出(期限:1月31日)

なお、納期の特例を利用している場合、源泉所得税(7月から12月までに徴収した分)の納付期限は翌年1月20日です。

上記スケジュールを目安に、年末調整に必要な書類を事前に洗い出し、それぞれの作成・提出期限を明確に設定して業務を進めましょう。

参考:No.2505 源泉所得税及び復興特別所得税の納付期限と納期の特例|国税庁

関連記事:年末調整はいつが期限?具体的なスケジュールや提出書類を解説

1-2. 【令和8年度改正】2026年分の年末調整関係書類の様式が変わる!

令和8年度税制改正により、2026年分の年末調整では、次の3つの大きな見直しがおこなわれます。

  • 給与所得控除の最低保障額が65万円から74万円へ引き上げ(令和8年分・9年分。令和10年分以後は69万円)
  • 基礎控除額が最大95万円から最大104万円へ引き上げ
  • 扶養親族等の所得要件の見直し(例:同一生計配偶者の合計所得金額の要件が58万円以下から62万円以下へ変更)

これらの改正に伴い、2026年分の「基礎控除申告書 兼 配偶者控除等申告書 兼 特定親族特別控除申告書 兼 所得金額調整控除申告書」の様式が変更されます。

具体的には改正内容を反映し、「基礎控除申告書」「特定親族特別控除申告書」の控除額計算欄や、「配偶者控除等申告書」の判定欄が見直されています。

また、令和7年度税制改正により、2026年分の年末調整からは、23歳未満の扶養親族がいる場合の一般生命保険料控除額の上限が4万円から6万円へ引き上げられます。これに伴い「保険料控除申告書」の様式も変更されます。

旧様式を使用すると、控除額の判定や年末調整の計算を誤るおそれがあります。従業員には必ず2026年分の最新様式を配布するとともに、税制改正の内容や記入時の注意点についても周知しましょう。

参考:源泉所得税の改正のあらまし 令和8年4月|国税庁

参考:変更を予定している年末調整関係書類(事前の情報提供)|国税庁

関連記事:2026年(令和8年)の年末調整の変更点!手続きのポイントもわかりやすく解説

1-3. 年末調整の必要書類の入手方法

年末調整で使用する各種申告書は、税務署から送付される場合があります。また、国税庁ホームページからダウンロードして利用することも可能です。

  • 扶養控除等(異動)申告書
  • 基礎控除申告書 兼 配偶者控除等申告書 兼 特定親族特別控除申告書 兼 所得金額調整控除申告書
  • 保険料控除申告書

ダウンロード先:各種申告書・記載例(扶養控除等申告書など)|国税庁

また、給与所得の源泉徴収票や各種支払調書などの法定調書、法定調書合計表についても、国税庁ホームページからダウンロードできます。

ダウンロード先:F 法定調書関係|国税庁

このように、年末調整では従業員への申告書の配布・回収や、各種書類の作成・提出など、多くの事務作業が発生します。従業員数が多い会社では、配布・回収だけでも担当者の大きな負担となることがあります。

当サイトでは、年末調整に必要な書類の準備から配布・回収、年税額の計算まで、一連の業務を効率的に進める方法をまとめた「年末調整ガイドブック」を無料で配布しています。年末調整業務をスムーズかつ漏れなく進めたい方は、ぜひこちらからご活用ください。

2. 従業員側で準備・作成する年末調整の必要書類

笑顔の男女

従業員側で作成する年末調整の必要書類は大きく分けて次の4種類あります。

  • 扶養控除等(異動)申告書
  • 基礎控除申告書 兼 配偶者控除等申告書 兼 特定親族特別控除申告書 兼 所得金額調整控除申告書
  • 保険料控除申告書
  • 住宅借入金等特別控除申告書

また、必要に応じて、それぞれの添付書類も合わせて提出しなくてはいけません。

ここでは、4つの書類の概要と必要な添付書類について詳しく解説します。

2-1. 扶養控除等(異動)申告書

「扶養控除等申告書」は、配偶者や扶養親族の有無にかかわらず、原則としてすべての従業員が提出する書類です。提出期限は、その年最初に給与の支払いを受ける日の前日までとなります。

また、結婚や出産などにより扶養親族や配偶者の状況に変更があった場合は、変更後最初に給与の支払いを受ける日の前日までに、内容を修正した扶養控除等申告書を再提出してもらう必要があります。

とくに令和8年度税制改正では、扶養親族等の所得要件が見直されるので、新たに扶養控除の対象となる親族が生じる可能性があります。年末調整の際には従業員に申告内容をあらためて確認してもらい、必要に応じて修正・再提出を依頼しましょう。

この申告書の内容は、2027年1月以降に支払う給与や賞与の源泉徴収税額の計算にも使用されます。税制改正を反映した「令和9年分の源泉徴収税額表」を用いて、正しく源泉所得税を計算することが重要です。

なお、年末調整では扶養控除等申告書の提出により、次のような控除が受けられます。

扶養控除:納税者に所得税法上の控除対象扶養親族となる人がいる場合、一定の所得控除(控除額:38万円~63万円)が受けられます。

障害者控除:納税者自身、同一生計配偶者、扶養親族が所得税法上の障害者に当てはまる場合には、一定の所得控除(控除額:27万円~75万円)が受けられます

寡婦控除:納税者が寡婦であるときは、27万円の所得控除受けられます。

ひとり親控除:納税者がひとり親であるときは、35万円の所得控除が受けられます。なお、令和8年度税制改正により、ひとり親控除の控除額は2027年分の所得税から38万円へ引き上げられます。2026年分の年末調整における控除額は従来どおり35万円です。

勤労学生控除:納税者自身が勤労学生であるときは、27万円の所得控除が受けられます。

参考:A2-1 給与所得者の扶養控除等の(異動)申告|国税庁
参考:源泉所得税の改正のあらまし 令和8年4月|国税庁

関連記事:年末調整のひとり親控除とは?寡婦控除との違いや対象者を解説
関連記事:年末調整の障害者控除とは?対象範囲や控除額、書類の記載方法を解説

2-2. 扶養控除等(異動)申告書の添付書類

年末調整において扶養控除等申告書の添付書類は、次の2つのケースで必要な書類が異なります。

ケース

必要な書類

勤労学生控除を受ける場合

扶養控除等申告書の提出者が勤労学生に該当する旨を証明する書類(在学証明書ほか)

非居住者である親族に係る扶養控除や障害者控除の適用を受ける場合

・その親族に係る親族関係書類
・送金関係書類

所得税法上の非居住者とは、居住者(国内に住所を有する、または現在まで引き続いて1年以上居所を有する個人)以外の個人をいいます。

親族関係書類および送金関係書類は、非居住者である親族が扶養親族に該当することを確認するための重要な証明書類です。これらの書類がない場合、控除が適用できないことがあるので注意しましょう。

参考:No.2875 居住者と非居住者の区分|国税庁

2-2-1. 親族関係書類の種類

親族関係書類とは次の書類のうち、国外に居住している親族が納税義務者の親族であることを証明するものをいいます。

  • 戸籍の附票の写しなど日本の国・地方公共団体が発行した書類と非居住者である親族のパスポートの写し
  • 外国政府・外国の地方公共団体が発行した書類で親族の氏名・生年月日・住所(または居所)が記載されているもの(例:戸籍謄本、出生証明書、婚姻証明書など)

なお、書類を用意する際は次のような点に留意しましょう。

  • 親族関係書類は、パスポートの写しを除き、原本の提出または提示が必要
  • 一つの書類に国外に居住している親族の氏名、生年月日、住所または居所がすべて記載されていない場合は、複数の書類の組み合わせが必要
  • 一つの書類だけでは国外居住者との親族関係を証明できない場合、複数の書類の組み合わせが必要
2-2-2. 送金関係書類とは

送金関係書類とは、次の書類のうち納税義務者が国外に居住している親族の生活費または教育費に充てるための支払をおこなったことを証明するものをいいます。

  • 金融機関の書類またはその写しで、その金融機関がおこなう為替取引により納税義務者から国外に居住している親族に支払をしたことを明らかにする書類(外国送金依頼書の控えなど)
  • クレジットカード発行会社の書類またはその写しで、かつ、国外に居住している親族による商品等の購入等の代金に相当する額のクレジットカードでの受け取りを証明する書類(クレジットカードの利用明細書)

書類の準備にあたっては次のような点に留意しましょう。

  • 送金関係書類は写しでも可
  • 国外に居住している親族が複数いる場合、送金関係書類は各人ごとに必要
  • 原則として、送金関係書類は控除を適用する年に送金などをおこなった全ての書類を提出または提示する必要

ただし例外として、同一の国外居住親族への送金が年3回以上となる場合には、明細書の提出とその年の最初と最後の送金関係書類の添付または提示のみで認められます。

なお、30歳以上70歳未満の国外居住親族について扶養控除の適用を受ける場合、障害者や留学により国内に住所・居所を有しなくなった者などを除き、原則として、その年に生活費・教育費として38万円以上の送金をおこなったことを証明する「38万円送金書類」の提出または提示が必要です。

参考:非居住者である親族について扶養控除等の適用を受ける方へ|国税庁

関連記事:外国人の年末調整は必要?扶養や帰国者、退職者の取り扱いも解説!

2-3. 基礎控除申告書 兼 配偶者控除等申告書 兼 特定親族特別控除申告書 兼 所得金額調整控除申告書

「基礎控除申告書 兼 配偶者控除等申告書 兼 特定親族特別控除申告書 兼 所得金額調整控除申告書」の提出期限は、その年最後に給与の支払を受ける日の前日です。実務上は正確かつ円滑に年末調整をおこなうため、社内期限は前倒しで設定されるのが一般的です。

この申告書には、従業員本人のほか、配偶者や特定親族についての合計所得金額の見積額を記載します。見積額に基づき各種控除の適用可否や控除額が判定されるので、従業員には申告時点でできる限り正確に見積もって記載してもらうことが重要です。

なお、この申告書の提出により、次のような控除が受けられます。

基礎控除:
納税者の所得が2,500万円以下であれば、最大104万円(令和8年分)の所得控除が受けられます。

配偶者控除:
納税者に所得税法上の控除対象配偶者がいる場合には、最大38万円(配偶者が70歳以上の場合は最大48万円)の所得控除が受けられます

配偶者特別控除:
配偶者に62万円(令和8年分)を超える所得があるため配偶者控除の適用が受けられないときでも、配偶者の所得金額に応じて最大38万円の所得控除が受けられる場合があります。

特定親族特別控除:
納税者に特定親族となる人がいる場合、最大63万円の所得控除が受けられます。

所得金額調整控除(子や特別障害者などを有する者):
給与収入金額(1,000万円を超える場合は1,000万円)から850万円を差し引いた金額の10%相当額が、給与所得の金額から控除されます。
※給与所得と年金所得の両方を有する場合に適用される所得金額調整控除は、年末調整では適用できません。この場合は従業員本人による確定申告が必要です。

なお、令和8年度税制改正により、2026年分の「基礎控除申告書 兼 配偶者控除等申告書 兼 特定親族特別控除申告書 兼 所得金額調整控除申告書」のフォーマットは変更されているので注意してください。

参考:A2-4 給与所得者の基礎控除、配偶者(特別)控除、特定親族特別控除及び所得金額調整控除の申告|国税庁
参考:源泉所得税の改正のあらまし 令和8年4月|国税庁

関連記事:年末調整は結婚したら何が変わる?結婚後の書き方や結婚予定がある場合の対応を解説

2-4. 基礎控除申告書 兼 配偶者控除等申告書 兼 特定親族特別控除申告書 兼 所得金額調整控除申告書の添付書類

年末調整で、非居住者である親族について配偶者控除・配偶者特別控除・特定親族特別控除を適用する場合は、その親族に関する親族関係書類および送金関係書類の提出が必要です。

ただし、「扶養控除等申告書」の提出時に、すでに親族関係書類を提出または提示している場合、改めて提出または提示する必要はありません。

2-5. 保険料控除申告書

「保険料控除申告書」の提出期限は、その年最後に給与の支払を受ける日の前日です。保険料控除申告書により、次のような控除が受けられます。

  • 生命保険料控除
  • 地震保険料控除
  • 社会保険料控除
  • 小規模企業共済掛金等控除

これらの控除の適用を受けない従業員は、原則として保険料控除申告書の提出は不要です。

なお、給与から天引きされている健康保険料や厚生年金保険料などの社会保険料は、申告書の提出の有無にかかわらず、年末調整では社会保険料控除を適用する必要があります。そのため、給与天引き分の社会保険料は、保険料控除申告書に記載する必要がないことを従業員へ案内しておきましょう。

また、2026年分の年末調整からは、23歳未満の扶養親族を有する場合の一般生命保険料控除の控除限度額が4万円から6万円へ引き上げられます。ただし、生命保険料控除全体の控除限度額は12万円のままで変更ありません。

さらに、新契約と旧契約の一般生命保険料の両方について控除を受ける場合は、控除額の計算方法が従来より複雑になります。従業員には最新の申告書様式を使用して正しく計算・記載してもらうとともに、年末調整を担当する人も控除額に誤りがないか十分に確認しましょう。

参考:A2-3 給与所得者の保険料控除の申告|国税庁
参考:源泉所得税の改正のあらまし 令和8年4月|国税庁

関連記事:保険料控除申告書の書き方は?提出が必要な人や注意点をわかりやすく紹介

2-6. 保険料控除申告書の添付書類

「保険料控除申告書」に添付すべき書類は次のとおりです。

保険の種類

書類

生命保険料、地震保険料、小規模企業共済等掛金

支払金額を証明する書類
※旧生命保険料は支払金額から剰余金や割戻金の額を差し引いた残額が9,000円以下の場合、添付不要

社会保険料

国民年金保険料等は支払金額を証明する書類

国民年金保険料等以外の社会保険料については、添付の必要はありません。国民年金保険料等とは、国民年金法の規定により被保険者として負担する国民年金の保険料と国民年金基金の加入者として負担する掛金をいいます。

関連記事:年末調整の社会保険料控除とは?書き方や申告漏れ・提出忘れへの対応を解説

2-7. 住宅借入金等特別控除申告書

住宅借入金等特別控除申告書は、住宅ローン控除を受ける際に提出が必要な書類です。住宅ローンを組んだ初年度は確定申告が必要ですが、2年目以降は年末調整で住宅ローン控除を受けられます。

住宅借入金等特別控除申告書は、対象者本人に税務署から複数年分まとめて交付されます。

また、金融機関等から交付される「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」やマイナポータル連携等により取得可能な「住宅借入金等残高情報」を参考にしながら、従業員に必要事項を記載してもらう必要があります。

なお、令和8年度税制改正により、住宅ローン控除について、省エネ住宅や子育て世帯への優遇措置の拡充、床面積要件の緩和などの見直しがおこなわれたうえで、適用期限が令和12年12月31日まで5年間延長されています。あわせて確認しておきましょう。

参考:住宅取得資金に係る借入金等の年末残高等情報のマイナポータル連携に関するFAQ(令和8年6月19日更新)|国税庁

参考:源泉所得税の改正のあらまし 令和8年4月|国税庁

2-8. 住宅借入金等特別控除申告書の添付書類

住宅借入金等特別控除申告書を提出する際は、金融機関等が発行する「年末残高等証明書」の添付が必要となる場合があります。

複数の金融機関から住宅ローンを借り入れている場合、それぞれの金融機関等が発行する年末残高等証明書を用意しなければなりません。証明書は、一般的に11月頃から順次金融機関より送付されます。

なお、住宅ローン控除の手続きは、従来の「証明書方式」から「調書方式」への移行が進められています。

  • 証明書方式:金融機関等が発行する「年末残高等証明書」を、年末調整または確定申告の際に提出する方法
  • 調書方式:金融機関が税務署へ提出した「年末残高調書」の情報を国税庁が利用することで、原則として「年末残高等証明書」の提出を省略できる方法

調書方式は、令和6年分以降に新たに住宅ローン控除の適用を受ける人を対象に導入されています。一方、令和5年分以前から住宅ローン控除の適用を受けている人については、従来の証明書方式が適用されます。

ただし、金融機関の対応状況などにより、当面は証明書方式と調書方式が併存しています。そのため、年末調整担当者は従業員がどちらの方式の対象となるかを確認し、適切な必要書類を提出してもらうことが大切です。

参考:住宅ローン控除の適用に係る手続(年末残高調書を用いた方式)について|国税庁

参考:「調書方式」による住宅借入金等特別控除の適用について|国税庁

関連記事:年末調整に必要な書類は?種類や入手方法を解説

2-9. 前職分の源泉徴収票(転職などで年途中に入社した場合)

転職などにより年の途中で入社した従業員については、前職分の給与を含めて年末調整をおこなうため、前職の勤務先が発行した源泉徴収票の提出が必要です。

源泉徴収票を紛失している場合は、従業員本人から前職の勤務先へ再発行を依頼するよう案内しましょう。なお、年末調整の期限までに前職の源泉徴収票が提出されない場合、前職分を含めた年末調整をおこなうことはできません。

その場合は、自社で支払った給与のみを対象に処理をおこないます。前職分を含めた所得税の精算が必要な場合、基本的には従業員本人が自社および前職の源泉徴収票を用いて確定申告をおこなうことになります。

関連記事:年末調整で源泉徴収票を提出しない従業員の対応方法とは?書類が必要な理由を解説

2-10. 従業員が年末調整関係書類を紛失したらどうする?

従業員が年末調整関係書類を紛失した場合は、書類の種類に応じて対応が異なります。まず、扶養控除等申告書や保険料控除申告書など、会社が用意する書類については再配布し、改めて記入・提出してもらいます。

一方、生命保険料控除証明書や住宅ローンの年末残高証明書など、外部機関が発行する書類については、従業員本人が保険会社や金融機関などに連絡し、再発行の手続きをおこなう必要があります。

紛失が判明した場合は速やかに従業員に再取得手続きをしてもらい、年末調整に間に合うよう対応することが重要です。間に合わない場合は、年末調整で控除を受けられず、従業員自身が確定申告をおこなう必要が生じることがあるので注意しましょう。

関連記事:年末調整を忘れた場合に発生する問題と対処法をわかりやすく解説

3. 労務担当側で準備・作成する年末調整の必要書類

書類を見ている

年末調整にあたっては労務担当者は次のような書類を用意します。

  • ⽀払調書
  • 源泉徴収票
  • 法定調書合計表
  • 給与支払報告書

なお、令和9年1月以後は「源泉徴収票のみなし提出の特例」が開始されます。市区町村へ「給与支払報告書」を提出した場合は、税務署へ「給与所得の源泉徴収票」を提出したものとみなされるため、税務署提出用の源泉徴収票を別途作成・提出する必要はなくなります。

参考:源泉徴収票のみなし提出の特例|国税庁

3-1. ⽀払調書

会社には源泉徴収の義務があり、誰にどれだけの支払いをおこなったかを証明する支払調書を発行しなければなりません。支払調書は弁護士や税理士といった専門家への報酬や業務を委託したフリーランスへの報酬が発生した際などに発行します。

提出義務のある支払調書は、翌年の1月31日までに管轄する税務署に提出する必要があります。税務署だけでなく、業務を依頼した相手にも交付するのが一般的です。

参考:No.7431 「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」の提出範囲と提出枚数等|国税庁

3-2. 源泉徴収票

業務を委託した相手に支払調書を発行するのに対して、源泉徴収票は雇用契約を結んでいる従業員に発行します。源泉徴収票は年末調整後に発行し、交付期限は翌年1月31日です。年末調整が12月中に完了した場合は、12月分給与支払い時に交付することもあります。

また、年の途中で退職した従業員には、退職日以後1ヵ月以内に交付しなければなりません。源泉徴収票は、税務署への提出(期限は翌年1月31日)が必要になることもあるので注意しましょう。

参考:No.7411 「給与所得の源泉徴収票」の提出範囲と提出枚数等|国税庁

関連記事:源泉徴収票とは?発行すべき対象者とタイミング・利用場面をわかりやすく解説

3-3. 法定調書合計表

法定調書合計表は、提出する源泉徴収票や支払調書などの枚数・金額を集計して記入する書類で、法定調書と一緒に税務署へ提出します(提出期限は翌年1月31日)。

主な記入欄には、給与所得の源泉徴収票、退職所得の源泉徴収票、報酬・料金・契約金・賞金の支払調書のほか、不動産に関係した支払調書などがあります。提出する法定調書の種類に応じて、正しく記入することが重要です。

参考:F1-1 給与所得の源泉徴収票(同合計表)|国税庁

関連記事:法定調書合計表とは?書き方や提出方法、注意点を徹底解説

3-4. 給与支払報告書

給与支払報告書は、前年1月1日~12月31日の間に従業員へ支払った給与額を市区町村に申告する書類で、住民税を算出するために必要です。翌年1月31日までに、従業員が居住している市区町村ごとに提出します。

構成は「個人別明細書」と「総括表」の2種類で、個人別明細書は従業員ごとに作成し、総括表は市区町村ごとに1枚作成します。提出方法は、紙のほか、eLTAX(エルタックス)による電子提出も利用可能です。

参考:特別徴収にかかる手続きについて|東京都

関連記事:給与支払報告書とは?書き方や提出先、期限、提出不要となる条件を解説

4. 年末調整の必要書類に関する注意点

書類

年末調整の必要書類には、従業員に作成してもらわなければならない書類もあるため、場合によっては予定通りに揃わない可能性も想定されます。

ここでは、年末調整の必要書類に関連した注意点やポイントについて詳しく紹介します。

4-1. 年末調整の対象外となる人に気を付ける

年末調整の対象者は、基本的に年末まで在籍しているすべての従業員です。しかし、次のような人は年末調整の対象外です。

  • その年の給与の収入金額が2,000万円を超える人
  • 災害減免法に基づきその年分の給与に対する源泉所得税の徴収猶予もしくは還付を受けた人
  • 年の中途で退職した人(著しい障害による退職や死亡退職などの場合は年調対象者に含める)
  • 海外転勤などにより非居住者となった人
  • 継続して雇用されていない人(日額表の丙欄が適用される日雇い労働者など)

また「扶養控除等申告書」を提出していない人も、年末調整の対象外となります。そのため、対象となる従業員には「扶養控除等申告書」を含む必要書類を正しく配布し、社内期限までに提出してもらうよう徹底しましょう。

参考:No.2665 年末調整の対象となる人|国税庁

関連記事:年末調整の対象者とは?必要書類や確定申告との関係も解説

4-2. 必要書類が未提出の場合は確定申告が必要

年末調整に関する会社から税務署などへの書類の提出期限は、翌年1月31日です。それまでに必要書類を整えて提出しなければなりません。そのため、会社ではこの期限から逆算して、従業員に対して独自の社内提出期限を設定し、早めに書類提出を促すのが一般的です。

ただし、期日までに書類を提出しない従業員がいる場合、会社はその人の年末調整を実施できません。この場合、正しい所得税額を確定させるため、従業員自ら確定申告をおこなわなければなりません。

確定申告の受付期間は原則として翌年2月16日から3月15日まで(期限日が土日・祝日の場合は翌平日)です。年末調整に比べると、確定申告は手間や負担が大きいため、提出が間に合わない場合の対応や確定申告の必要性については、あらかじめ従業員へ周知しておくことが望ましいでしょう。

関連記事:年末調整での還付金(返金)処理はいつ・いくら発生する?仕組みや方法を解説

4-3. 年末調整に関連する書類は7年間の保管が必要

従業員から提出された年末調整の書類は、正しい期間会社に保存しなければなりません。例えば、従業員から提出を受けた「扶養控除等申告書」の保管期間は、その提出期限の属する年の翌年1月10日の翌日から7年間です。

一方、法人が備え付ける帳簿(仕訳帳や総勘定元帳など)やそれに関連する書類(貸借対照表や損益計算書など)の保管期間は、原則として、その事業年度の確定申告書の提出期限の翌日から7年間です。

同じ7年間でも起算日が変わってくるので注意が必要です。また、税務調査などで税務署から提出を求められた場合に備え、適切に管理しておきましょう。

参考:No.2503 給与所得者の扶養控除等申告書等の保存期間|国税庁

参考:No.5930 帳簿書類等の保存期間|国税庁

関連記事:源泉徴収票の保管期間は?会社側の管理方法と保管義務のある書類を解説

5. 年末調整の書類のやり取りを効率化するには?

はてなとふきだし

年末調整では従業員数が増えるほど、書類の配布や回収、記入漏れの確認、差し戻しなどに多くの時間と手間がかかります。

こうした負担を軽減するには、年末調整システムや電子申告・電子提出を活用し、書類の作成から提出までをデジタル化することが有効です。

5-1. 年末調整システムを導入する

年末調整システムを導入すると、申告書の配布・回収・確認をオンラインでおこなえるので、紙の書類をやり取りする手間を大幅に削減できます。従業員はパソコンなどから必要事項を入力できます。

また、入力漏れや記載誤りを自動でチェックする機能が備わっているものもあり、差し戻しや確認作業の負担軽減につながります。さらに、担当者は提出状況をリアルタイムで確認できるため、未提出者への督促もしやすくなります。

関連記事:年末調整の電子化とは?やり方、企業におけるメリット・デメリットを解説

5-2. 電子申告・電子提出を活用する

年末調整で作成した法定調書や給与支払報告書は、電子申告・電子提出システムを利用してオンラインで提出できます。法定調書はe-Tax、給与支払報告書はeLTAXを利用して提出でき、書類の作成・提出業務の効率化につながります。

なお、前々年に提出すべきであった法定調書の枚数が30枚以上となる場合は、その法定調書についてe-Taxなどによる電子提出が義務付けられます。

令和9年1月以後に提出する法定調書からは、電子提出義務の基準が従来の100枚以上から30枚以上へ引き下げられたため、対象となる事業者が拡大しています。

参考:e-Tax等による法定調書の提出が義務化されています!|国税庁

また、従業員へ交付する源泉徴収票についても、次のすべての条件を満たせば電子交付が可能です。

  • あらかじめ電子交付の方法・内容を示して受給者から承諾を得ること
  • 映像表示や書面出力が可能で電子交付の実施を受給者に通知できること
  • 受給者から請求があった場合には書面でも交付すること

参考:1. 基本的な事項|国税庁

源泉徴収票を電子交付すれば、紙の源泉徴収票の紛失や再発行対応の負担を軽減できます。一方で、個人情報を取り扱うので、アクセス権限の適切な管理やデータの暗号化など、十分なセキュリティ対策を講じることが重要です。

関連記事:源泉徴収票は電子化しよう!義務基準やメリットをわかりやすく解説

関連記事:給与支払報告書と源泉徴収票の違いとは?提出先や電子化・一元化のポイントも紹介

6. 年末調整の必要書類を適時に集めて、正しい年末調整を

笑顔の女性

年末調整を適正におこなうためには、必要書類を事前に把握し、漏れなく回収することが重要です。なお、令和8年度税制改正により様式が変更されるものもあるので、最新の様式を使用する必要があります。

書類に不備や漏れがある場合、年末調整が正しくおこなえず、従業員が確定申告をする必要が生じることがあります。また、提出義務違反や虚偽記載があった場合には、法令に基づく罰則の対象となる可能性があるので注意が必要です。

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令和8年分の年末調整から、基礎控除と給与所得控除が同時に引き上げられ、所得税の壁は178万円になります。
申告書の該当欄と計算ロジックが変わり、多くの従業員で例年より還付額が増える見込みです。

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jinjer Blog 編集部

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