電子署名法をわかりやすく解説!おさえておくべき条文のポイントは? - ジンジャー(jinjer)|人事データを中心にすべてを1つに

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電子署名法をわかりやすく解説!おさえておくべき条文のポイントは?

電子契約を締結する際は、電子署名を付与して書類が正式なものであることや改ざんされていないことを証明する必要があります。

電子署名については「電子署名法」に詳しく規定されています。しかし、条文が複雑でなかなか内容を理解できないと感じている方も多いかもしれません。

この記事では、電子署名法についてわかりやすく説明します。条文のポイントや要件をおさえ、適切にペーパーレス化を進めていきましょう。

電子契約には様々な法律が関連します。

電子契約 法律

電子契約は電子署名法以外にも様々な法律で運用ルールや法的根拠が定められており、電子署名を理解するにはそうした関連する法律についても把握しておく必要があります。

当サイトでは、電子契約に関連する法律6つをまとめて解説した資料を無料で配布しておりますので、「電子契約の法的根拠をまとめて確認したい」という方は、こちらから資料をダウンロードしてご覧ください。

1.電子署名法とは

電子署名法の正式名称は「電子署名及び認証業務に関する法律」で、2001年(平成13年)4月1日に施行されました。

この法令にのっとって手続きをすすめることで、電子データであっても効力をもつ有効な契約にすることが可能です。

まずは、ペーパーレス化を目指す企業が必ずおさえておきたい法令の概要について詳しくみていきましょう。

1-1.電子署名法の概要

電子署名法は電子契約に法的効力を持たせるために必要な「電子署名」について定めた法律です。

書面は改ざんが難しいことや、押印があることで本人が承認したことであると容易に推定できることにより、今までは書面契約が主流でした。

しかし、インターネット技術や通信環境の発達によりペーパーレス化の需要が高まってきたことを受け、電子データで契約する際も書面契約と同等の法的効力を与える必要性が高まってきています。

そこで、電子契約の法的扱いを明らかにするために、「書面契約と同様に署名や押印に相当する電子署名を付与した電子データについて、契約の有効性や証拠力について定める」電子署名法が制定されました。

これにより、「本人が署名していて内容が改ざんされていないこと」が証明できる電子署名が付与された電子データは、書面と同様に正当性が証明できる文書だと認められるようになったのです。

1-2.重要な条文の解説

電子署名法の条文は長くてわかりにくいですが、基本的に3条および2条を把握していれば実務上で困ることはありません。ここでは、とくに重要な条文について詳しく説明します。

●第3条

第3条の条文は以下のとおりです。

電磁的記録であって情報を表すために作成されたもの(公務員が職務上作成したものを除く)は、当該電磁的記録に記録された情報について本人による電子署名(これをおこなうために必要な符号及び物件を適正に管理することにより、本人だけがおこなうことができることとなるものに限る)がおこなわれているときは、真正に成立したものと推定する。

引用:電子署名及び認証業務に関する法律|e-Gov

この条文をわかりやすく言い換えると、電子文書の署名が本人によって付与されたものであれば、契約は成立したものとみなされるということになります。

なお、文中の「必要な符号」は電子証明書、「適正に管理」は電子証明書の適正な管理を意味しています。

電子データの場合、「署名が本人によって付与されたことかどうか」について本人以外が判断することは難しいです。

まぎれもない本物であると証明するためには、電子証明書を発行する必要があると明示しています。

●第2条

第2条の条文は以下のとおりです。

1 この法律において「電子署名」とは、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)に記録することができる情報について行われる措置であって、次の要件のいずれにも該当するものをいう。

一 当該情報が当該措置を行った者の作成に係るものであることを示すためのものであること。

二 当該情報について改変が行われていないかどうかを確認することができるものであること。

2 この法律において「認証業務」とは、自らがおこなう電子署名についてその業務を利用する者(以下「利用者」という。)その他の者の求めに応じ、当該利用者が電子署名を行ったものであることを確認するために用いられる事項が当該利用者に係るものであることを証明する業務をいう。

3 この法律において「特定認証業務」とは、電子署名のうち、その方式に応じて本人だけがおこなうことができるものとして主務省令で定める基準に適合するものについて行われる認証業務をいう。

引用:電子署名及び認証業務に関する法律|e-Gov

この条文では、電子署名の要件について定めています。わかりやすく言い換えると、「署名をした者が書類の作成に関わっていること(本人性)」「書類が改ざんされていないこと(非改ざん性)」を証明できるものであれば、電子署名として認められるということになります。

関連記事:電子署名法第2条・第3条の解釈は何が正解?わかりやすく解説!|jinjerBlog

1-3.電子署名法のポイント

電子署名法で重要な条文は上記のとおりですが、内容が抽象的でわかりにくいと感じている方もいるかもしれません。

そこで、ここからは上記の内容を踏まえ、電子署名法のポイントを条文ごとにおさらいしていきましょう。

●電子契約の法的効力|3条

第3条では、電子契約の法的効力について定めています。電子署名法では、「本人による電子署名がおこなわれている」ことを契約に効力を持たせる要件として規定しています。

本人による署名があるときは、電子文書が真正に成立したものと推定されると定められ、電子に法的効力が生じるということです。

民法の規定では、契約は申込と承諾があれば成立するとされているため、じつは書面での契約締結は必須事項ではありません。

しかし、契約が原因でトラブルが生じたとき、証拠がないと問題を解決することが困難となってしまいます。

したがって、契約書を締結してその文書が本人の意志によって作成されたものであることを証明する必要があるのです。

書面では印章や署名が「本人の意志にもとづいて締結していること」を証明しますが、電子データでは本人性を判断することが難しいでしょう。

そのため、電子署名を用いることで契約の有効性を確立すると定めているのです。

●認証業務|2条2項、3項

電子署名法の第2条では、電子署名が本人のものであると証明するためには、第三者による「認証業務」もしくは「特定認証業務」が必要であると定義しています。

それぞれの意味の違いは、以下のとおりです。

認証業務
ある電子署名について、本人が署名したことを証明するサービス

特定認証業務
認証業務のうち、「同じ電子署名を作成できない」「解読が困難など」といった技術的安全性を備えたデジタル署名を利用したサービス

認証業務のなかでも、確実性が高い電子署名を用いるものが特定認証業務に分類されると考えておけば問題ありません。

この特定認証業務で必要なのが、電子証明書とタイムスタンプです。

電子証明書とタイムスタンプは「公開鍵暗号」と呼ばれる認証技術で、「署名が本人によっておこなわれたこと」「文書が改ざんされていないこと」を証明してくれます。

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2.電子署名とは

電子署名法をしっかりと把握するためには「電子署名が何なのか」について深く理解する必要があります。

電子署名とは書面の印鑑やサインに該当するもので、以下の要件を満たすものであると定められています。

1. 本人性:電子署名が本人によって作成されたことを示すもの
2. 非改ざん性:電子署名について改変がおこなわれていないかどうか確認できるもの

契約書はもちろん、請求書、社内の稟議書や承認作業などさまざまなシーンで電子署名は使われています。

先述してきたとおり、電子契約に効力を持たせるためにはこの電子署名が必要になるのです。

電子署名を作成するときは、認証局に印鑑証明のような役割をもつ「電子証明書」の発行を依頼することになります。

発行には数千円程度の手数料がかかるため、利用時は注意しましょう。

ただし、電子文書の成立には、必ずしも電子証明書が必要というわけではありません。

電子証明書がなく、本人確認をしたうえでジンジャーサイン(旧Signing)などの第三者サービス提供者が付与するタイプの電子署名でも、本人の意志にもとづいたものであれば契約は成立したことになります。

これは、経済産業省の「電子署名法3条に関するQ&A」で明言されています。[注1]

電子署名法の第3条は、あくまで法的根拠を強めるためには電子証明書が必要だと言及している条文です。

間違われやすいポイントなので、勘違いしないよう気をつけてください。

詳しくは「電子署名とは?仕組みや法律、クラウドサービスまで徹底解説!」の記事で説明しているので、あわせて確認しておきましょう。

[注1]利用者の指示に基づきサービス提供事業者自身の署名鍵により暗号化等を行う電子契約サービスに関するQ&A(電子署名法3条に関するQ&A)|経済産業省

3.電子署名関連で他におさえておくべきこと

重要な役割を果たす電子署名について、法律や要件についてみてきました。

電子署名を正しく運用するためには、前項までの内容だけではなく、電子署名が適用される書類と関連法律についての知識も深めておくことが大切です。

ここからは、スムーズにペーパーレス化を進めるうえでおさえておきたい関連情報について2つ説明します。

3-1.電子署名が適用されない書類も存在する

書類のペーパーレス化はさまざまな企業で進められています。

しかし、なかにはペーパーレス化や電子署名が適用されない書類も存在しています。

一例としては、以下のような書類が電子署名の適用外となります。

電子署名の適用外となる文書
定期借地契約
定期建物賃貸借契約書面(一部のみ)
不動産の媒介契約書
など

原則書面、相手の承諾があれば電子署名が適用される文書
投資信託契約の約款
旅行契約における説明書面
マンション管理業務委託契約書面
金融商品取引契約等における説明文書
など

上記の書類は、書面での締結もしくは承諾を得てからでないと電子署名で法的効力をもたせることができません。十分に注意しましょう。

3-2.電子署名法以外の法律

書類を電子化するときは、他の関連法律もおさえておかなくてはいけません。

以下に関連法律をまとめておいたので、概要を把握しておきましょう。

電子帳簿保存法
国税関係の帳簿を電子データとして保存する手段や要件を定めた法律。

IT書面一括法
顧客が承諾したことを条件に、書面の代わりに電子メールなどの情報通信技術方法を用いた交付を認めた法律。

e-文書法
商法や税法で保存が義務付けられている文書を電子データで保存することを認めている法律。国税関係の書類について定めた電子帳簿保存法とは違い、さまざまな法令に対応している。

印紙税法
一定金額以上の取引に関わる契約書や領収書に対し「印紙税」を課すことを定めた法律。電子データは印税法に定める課税文書に対応しないため、印紙税は不要となる。

詳細は、当サイトにて無料で配布している「3分でわかる!電子契約に関する法律」にて解説しておりますので、電子契約に関する法律をまとめて把握しておきたいご担当者様は、こちらから資料をダウンロードしてご確認ください。

4.電子署名法のポイントをおさえて電子契約を導入しましょう

電子署名法とは、電子化した書類に法的効力をもたせるために必要な「電子署名」について定めた法律です。

電子署名が本物であれば書面を交わさなくても契約が成立することを示し、さらにその役割について規定しています。

「電子署名法」という法律の条文ときくと難しく感じるかもしれません。

しかし、今回紹介した内容をおさえておけば電子署名についての知識は十分です。

この記事の内容をふまえ、他の関連法令もおさえながらスムーズなペーパーレス化を目指していきましょう。

電子契約には様々な法律が関連します。

電子契約 法律

電子契約は電子署名法以外にも様々な法律で運用ルールや法的根拠が定められており、電子署名を理解するにはそうした関連する法律についても把握しておく必要があります。

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