人事評価シートの書き方を解説!自己評価や評価者コメントの例文も紹介 - ジンジャー(jinjer)|人事データを中心にすべてを1つに

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人事評価シートの書き方を解説!自己評価や評価者コメントの例文も紹介

同一人物

雇用主である会社は従業員のモチベーションを高め、生産性の向上につながる人事評価を作り上げていかなければなりません。

本記事では、人事評価の目的や評価基準について解説するとともに、具体的な書き方のポイントを紹介します。

関連記事:人事評価はなぜ必要?導入して考えられるメリットやデメリット

\ 人事評価制度を見直したい方へ /

人事評価制度は、従業員のモチベーションに直結するため、適切に設計・見直し・改善をおこなわなければ、最悪の場合、従業員の退職に繋がるリスクもあります。

しかし「人事評価制度に改善したいが、いまの組織に合わせてどう変えるべきか悩んでいる」「前任者が設計した評価制度が古く、見直したいけど何から始めたらいいのかわからない」という方もいらっしゃるでしょう。

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1. 人事評価の目的

目標

人事評価とは、従業員の能力や企業への貢献度を勤務成績として評価する仕組みのことです。
一般的には、6ヵ月単位もしくは1年単位でおこなわれます。

人事評価の主な目的は下記の3つです。

関連記事:人事評価は「目的の明確化」が重要!仕事の生産性やパフォーマンスがアップ

1-1. 昇給・昇進を適切におこなうため

人事評価は、従業員一人ひとりの昇進や昇給を適切に決めるためにおこなわれます。そのためには、上司との関係性や業務の違いによる不均衡をなくし、公平な評価基準を定めて実行しなければなりません。

1-2. 組織を円滑化するため

従業員に対して評価基準を明確化することにより、従業員は会社から求められている期待を実現させるために邁進し、ひいては会社全体が目指すべき組織像が見えてくるはずです。

1-3. 従業員の能力育成とモチベーション向上のため

適切な人事評価が実現されれば、その組織に属する従業員の能力は向上され、働くことへのモチベーションが高まります。高い能力をもった従業員がやりがいを持って働く組織であることは、仕事の生産性や会社の業績にもつながります。

このように、適切に人事評価をすることには意味があります。それでは、どのようにすれば適切に人事評価をすることができるのでしょうか。

次章では適切に人事評価するうえで重要な評価基準の設け方を解説します。

2. 人事評価をする際の評価基準

基準

人事評価を書く場合に考慮すべき評価基準は、主に「業績基準」「能力基準」「情意基準」の3つに分かれます。
本章では、それぞれがどのような評価なのかについて、詳しく解説します。

関連記事:人事評価で悩む5段階評価の割合の考え方の注意点
関連記事:人事評価を作成する際の評価基準についての考え方

2-1. 業績評価

業務での実績を評価するものです。「月の売上目標1千万円に対して2千万円を売り上げた」、「資格を取得した」、「プロジェクトを成功させた」「クレーム件数が前年の半分以下になった」など、目標に対する達成度合いで評価します。

なお、業績基準では、達成できた実績のみならず、目標を達成するためのプロセスも評価対象となります。

2-2. 能力評価

その人の持っている能力が、どれだけ業務で発揮できたかを評価するものです。従業員が属する組織の状況により、求められる能力は変わってきます。

評価基準となる能力は多く、例えば、企画力や実行力、問題解決力や改善力などが挙げられます。さらに細分化すれば、ITリテラシーや法律知識といった能力も対象です。

2-3. 情意評価

業務に取り組む姿勢を評価するものです。周囲と協力して業務遂行する「協調性」や、自ら進んで行動する「積極性」、与えられた仕事を最後までやり切る「責任感」、決められたルールをしっかり守る「規律性」などが評価対象となります。

なお、人事評価をする際は評価の基準が評価者によって異ならないよう、基準を定めておく必要があります。共通のスコアシートやフォーマットを作成することで、評価者による評価のブレのリスクを減らすことが出来ます。

しかし、評価基準となる数値をどのように設定すれば適切かわからないという方も多くいます。そのような方に向けて、当サイトでは「わかりやすい!人事評価制度の手引き」という無料のガイドブックをご用意しました。属人化しにくい評価基準の設定方法や、評価のブレを発生させないために必要な工程についても詳しく解説しています。
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3. 人事評価コメントの書き方のコツ(上司)

キーポイント

人事評価は、書き方ひとつで従業員の捉え方が大きく異なります。従業員のモチベーションアップにつながるよう、担当者は公正かつ適切な評価を心がけなければなりません。

ここでは、人事評価の書き方でとくに注意しておきたいポイントを紹介します。

3-1. 従業員の将来を見据えたプラスの表現を用いる

人事評価は、ときに従業員の一生を左右する重要な要素となることがあります。そのため、従業員一人ひとりの将来を見据え、適切な評価をしなければなりません。

個人の努力や成果についてしっかり認め、プラスの表現を用いて評価することが大切です。

3-2. 成果については極力数値化して、具体的に記載する

成果はできる限り「具体的」に「数値化」することが大切です。

例えば、「売上目標1千万円に対して2千万円であった」というように、数字に置き換えることで客観性が生まれます。「頑張った」「うまくいった」というあいまいな表現だと、説得力に欠けます。

営業や販売であれば、数値化するのは比較的簡単かもしれません。しかし、総務などの事務に携わる従業員の評価は難しいと言われることがあります。しかし、「残業時間を〇〇時間削減できた」「以前より業務効率が〇〇%向上した」など、数値化できる項目は少なくありません。企業・従業員ともに、評価項目のひとつであることを周知しておくべきです。

3-3. 抽象的な表現を避け、極力シンプルかつ短文に

抽象的な表現は、なかなか相手に伝わりにくいものです。また、あまりにも長文だと、評価が伝わりにくくなってしまいます。

したがって、人事評価では極力シンプルに、わかりやすい表現を心がけましょう。「〇〇である」「〇〇した」などの断定表現を使用すると、伝わりやすくなります。

3-4. 客観的に評価する

前述の通り、どんなに優秀な評価者でも「評価エラー」は起こり得ます。しかし、客観的事実に基づかない、単なる情実人事となってしまう評価は避けなければなりません。

従業員の納得感を得られるよう、あくまでも公正かつ客観的な評価を心がけましょう。

3-5. 改善点を指摘する

人事評価には、人材育成の側面もあります。

よい部分は褒めて評価しますが、改善を要する部分は指摘し、本人に考えさせることが重要です。部下に嫌われることを恐れ、悪い部分を指摘しないという姿勢はよくありません。従業員を育てるという意味では、時にはそういうことも必要なのです。

3-6. 次の課題を与える

人事評価をする場合、例えば「4月から翌3月まで」というように期間を定め、評価項目の達成度を測るケースがほとんどです。被評価者が達成できた項目については、1、2のようにしっかり評価し、さらなる目標を課題として提示しましょう。

評価を受けた従業員が「自分は会社から認められている」「自分の仕事は業務に影響を与えている」という意識が芽生えるような評価を出すことが大切です。

具体的な例としては、以下のような内容となります。

期間内の評価:納期遅れとなっている原因をいち早く見つけ出し、レイアウトの変更や部品調達のリードタイムを短縮することで、改善を図ることができた

次回の課題:能力を活かし、今後は他の従業員への指導にも取り組んでもらいたい

なお、数値化しにくい目標については、従業員の納得感を高めるため、達成条件を記載しておくのがおすすめです。

関連記事:評価者や上司が行う人事評価のコメントは公平性や具体性が重要 

4. 自己評価を書く際のコツ(部下)

自己評価と書かれた付箋

客観的な視点から評価すること、良い点ばかりではなく改善点にも言及する点は、被評価者にとっても評価者にとっても同様に重要です。ただし、被評価者が自己評価を記入する際のポイントはそれだけではありません。いくつかのコツを紹介します。

4-1. 具体的な数字で記載する

具体的な数字を用いることは、自己評価や評価コメントの信頼性を高めるのに効果的です。主張を裏付ける具体的な根拠が無ければ、評価をする側は判断に迷ってしまいます。

例えば、営業職においては、売上目標達成率や昨年度比のパーセンテージなどを記載しましょう。直接数値化が難しい場合でも、業務改善によって削減した残業時間や効率化の成果を具体的に示すことが重要です。

また、フィードバックや評価はできるだけ簡潔に記載しましょう。要点を明確にするためには、箇条書きなどを活用し、相手に伝わりやすく整理することが必要です。詳細に関しては、面談時に補足説明ができるように準備しておくと良いでしょう。

4-2. 自分で思うより一段階高い評価にする

自己評価を行う際、自分自身の実力を過小評価してしまうことがよくありますが、より良い評価を得るためには少しだけ高めに設定することがおすすめです。たとえ自分では3の評価だと思っても、1段階上の4を付けることで、評価者から4~5の評価を受けられる可能性が高まります。

ただし、過剰な自己評価は逆効果につながることもあり得ます。自己評価が実際の業務能力とかけ離れている場合、「自己を客観視できていない」といった印象を与えかねません。したがって、自身の実力を理解しつつ、ほんの少し高めに設定することが推奨されます。さらに、評価内容は前向きな表現を用いると良い印象を与えるため、ネガティブな言葉は避けるべきです。

4-3. 数字にしにくい目標は達成条件を明確にする

数値化が難しい目標を持つ場合、達成の判断が一筋縄ではいかないことがあります。

こうした目標に対しては、事前に評価者と被評価者の間で「このステップが達成されたら目標達成」といった達成条件を明確に定義し、認識の齟齬をなくしておくことが不可欠です。

5. 業種・職種別の人事評価の書き方と例文(部下/上司)

スキルマップを作成する

人事評価の書き方は業種、職種で異なります。ここでは次のような業種、職種の人事評価について解説します。

  • 事務職
  • 営業職
  • 技術職
  • 企画・マーケティング職
  • サービス業
  • 管理職
  • 看護職
  • 公務員
  • 保育士
  • 介護職
  • 教員職

いずれの業種であっても、コメントはやったこと、その成果、今後の目標を書きましょう。

5-1. 事務職

事務職は業績を数値化しにくく、ルーティン化した業務が多いため、自己評価が難しい場合があります。しかし、改善点を明確にし、目標を具体的に定量化することで、自己評価をしやすくなります。

例文(部下)
日々の集荷作業について、依頼を3回から2回に減らす調整を行い、結果として費用を前期比で10%削減した。さらに、新しい採用予定者の引き継ぎ業務をマニュアル化し、従来の1週間から3日で完了するように業務効率化を実現した。

上司としては、事務職の業績を評価する際には、普段から部下の業務の進行状況を把握することが重要です。特に、作業効率や工数の削減など、細かい業務改善に対する評価が求められます。

例文(上司)
被評価者は、集荷作業に関するコスト削減の提案と調整役としての活躍によって、10%の削減を実現した。この業務改善への積極的な姿勢と成果を評価する。また、引継ぎマニュアルの作成により、引き継ぎ期間の短縮が可能となった点も評価できる。今後も業務の効率化を続けてほしい。

5-2. 営業職・販売職

営業職・販売職は、業績が具体的な数字で示されるため、自身の成果を客観的に評価しやすい点があります。自己評価では、目標達成率とその結果の分析を記載することが重要です。また、改善点や今後の取り組みについても触れると良いでしょう。

例文(部下)
今年度の売上は150万円で、目標の120万円に対し達成率は125%である。自己評価はAとするが、新規顧客の獲得数は目標の8件に対し5件で未達であった。改善策として、次年度は顧客フォローを丁寧に行いつつ、新規開拓に注力する予定である。

評価者は、数値以外の要素も考慮すべきです。業務の進め方や部下の姿勢を観察し、コミュニケーションを通じて総合的に評価を行うことが重要です。

例文(上司)
目標達成率は125%と素晴らしいが、新規顧客獲得が達成できなかった点は今後の課題である。普段からのチームビルディングや部下への指導も評価できる。

5-3. 技術職(製造業)

技術職(製造業)において、部下には企業の課題に対しどれだけ技術力を発揮できたかが求められます。質の向上や製造プロセスの効率化に関する具体的な成果を記載することが重要です。

例文(部下)
テスト工程で確認不足による品質問題が発生していたため、テスト手法の見直しをおこなった。その結果、中間テスト工程を追加し、バグ検出率が20%向上した。この改善により、後工程での手戻りを防ぎ、作業工数の削減も実現できた。

上司の場合、実際の業務に関わっていないと技術職の評価は判断が難しいため、現場レベルで具体的な評価基準を設けることが重要です。コストダウンや作業効率を数値化し、貢献度を明確に評価しましょう。

例文(上司)
品質低下の兆候を早期に察知し、工程改善のための検証を実施した行動は高く評価できる。被評価者は、テスト工程でのバグ検出率を20%向上させ、質の向上と社内の効率化に貢献した。

5-4. 企画・マーケティング職

評価を受ける立場の場合、プロジェクトの成果などを数値で示すと評価者が判断しやすくなるでしょう。業績が見えにくい場合には、担当した役割や具体的な業務内容を詳述すると良いです。

例文(部下)

前期未達成だったプロモーション企画について、再提案した内容が採用され、その結果製品のユーザー数が20%増加した。

企画・マーケティング職は役割によって業績が見えにくい場合があります。上司は、普段から細部に目を配り、サポート業務についても評価する必要があります。

例文(上司)
被評価者は、〇〇のプロジェクト企画でチームをまとめ直し、ユーザー数を20%増加させた点が評価できた。データ収集・分析能力を今後のプロジェクトでも発揮してほしい。

5-5. サービス業

サービス業においては、顧客満足が最重要視されます。部下が自己評価を行う際には、お客様との接点でどのように貢献したかを具体的に振り返ることが大切です。例えば、接客時の言葉遣いや店の雰囲気作り、チームワークの向上などが挙げられます。各自の取り組みが、顧客の来店や再訪にどのように結びついているかを明確にすることが評価につながります。

例文(部下)
お客様との接触時にまず明るい挨拶をすることを心がけている。また、接客中はお客様の表情を観察し、必要に応じて声をかけるようにしている。スタッフとのコミュニケーションも大切にし、一緒に効率よく業務を進めるよう努めている。

上司が評価をおこなうときは、スタッフのパフォーマンスを多面的に観察し、業務の進め方やお客様への配慮、そしてチーム内での協力の様子を考慮します。特に、顧客対応の質や勤務態度、さらに自身の課題認識とその改善策なども重要な評価ポイントです。

例文(上司)
被評価者は常に明るい笑顔でお客様を迎え、店内の雰囲気を良くしている。また、仲間に対しても丁寧に接するため、職場のチームワークを高める一因となっている。今後は、さらなる顧客ニーズの把握とアイデア提案を期待したい。

5-6. 管理職

管理職の自己評価では、特に業績の向上や部下の育成に寄与した具体的な成果を強調することが重要です。自身のリーダーシップやマネジメント能力を示すことで、評価者に対しても自らの役割をしっかりと認識していることを伝える必要があります。特に数値化できる成果を挙げることで、客観的な評価を受けやすくなります。目標達成に至るまでの具体的な取組みや部下の育成の結果も記載すると良いでしょう。

例文(部下)
業務のマニュアル化を徹底し、売上の前年対比を20%増加させることに成功した。部下の育成にも注力し、各メンバーが自らの業績目標を達成できるようサポートしている。

管理職はただ単に数字を求められるだけでなく、部下への指導や育成も評価の重要な要素となります。評価者は、部下が成果を上げるための環境を整える力や、目的に向けたマネジメント能力に着目し、公正に評価をおこないましょう。

例文(上司)
管理職として従事して以来、当人の成績は落ちた一方で部下の業績が全体で前年比20%増加し、明確な指導が行き届いていることがわかる。部下の達成感を高めるための施策が有効に機能しており、評価すべきポイントと感じている。

5-7. 看護職

看護職においては、患者やその家族との良好なコミュニケーションが不可欠です。自己評価の際には、個々のスキル向上や職場の目標に合致する内容が望ましいでしょう。

例文(部下)
誰にでも、いつでも、元気に挨拶をし、看護を行うことを心がけている。困っている患者さんひとりひとりの話をよく聞きとることで、問題の解消を手助けし、介助のスキル向上に努めている。

看護職は数値での評価が難しいため、被評価者自身の成長や、目標に対してどのような具体的な行動を取ってきたかが人事評価でのポイントとなります。

例文(上司)
毎日の忙しい業務の中で、元気に挨拶をし、積極的にコミュニケーションを取っている姿が大変好感が持てる。今後は短いスパンで目標設定をおこない、研修や勉強会への参加を通して、さらなる成長を期待している。

5-8. 公務員

公務員の人事評価は、職務内容に応じた記載が求められます。特に、業務の成果が数字で示せる場合は、その具体的な数値を記入することが効果的です。事務職や技術職に従事し、数値を示しづらい場合でも、習得した業務内容や作業効率の改善について強調することが大切です。

例文(部下)
前期に異動してきて、書類処理を一人でおこなえるようになった。昨年9月にはエクセルのテンプレートを改善提案し、作業シート数を2枚から1枚に削減した。

国家公務員・地方公務員共に、年に2回の業績評価と1回の能力評価がおこなわれます。能力評価では、実際に業務に活かされた能力を評価し、業績評価は期首に設定した目標達成度に基づいて判断されます。

例文(上司)

(能力評価)

エクセルのマクロ機能を用いて業務効率を向上させ、書類処理での誤記載もなく迅速に仕事をしている。

(業績評価)

期首の目標である業務習得を達成し、フォローなしで一人前に業務をこなせているため、目標はしっかり達成されたと評価する。

5-9. 保育士

保育士の評価は、数値では表しにくい特性があるため、具体的な取り組みを明示することが重要です。自己評価では、子どもたちへの個別の観察や安全対策の工夫を具体的に記載します。また、保護者とのコミュニケーションを大切にし、その取り組みも評価のポイントとなります。

例文(部下)
子どもたち一人ひとりの様子を毎日チェックしてメモに記入し、ちょっとした変化にも気づけるよう工夫した。お散歩時には子どもたち同士で手をつなぎ、迷子や急な飛び出しを防ぐ指導をおこなった。保護者にはお迎え時にその日の様子を伝え、連絡帳を用いてコミュニケーションを徹底した。

上司の場合は、保育士の現場で直面する課題への対応を評価します。定量的な評価が難しいため、子どもたちへの気配りや、保護者との情報共有の積極性、業務に対する前向きな姿勢などを重視すると良いでしょう。

例文(上司)
子どもたち一人ひとりに目を配り、様子が違う子には積極的に声掛けをおこなっている。保護者との情報共有を積極的に行い、交流が図れている。業務に手一杯にならず、行事イベントの見通しを立てて前倒しで取り組む姿勢が他の保育士の模範となっている。

5-10. 介護職

介護職では、環境整備やスキル向上への取り組みが自己評価のポイントとなります。例えば、資格取得や社内研修の成果など、具体的な取り組みを挙げることが効果的です。

例文(部下)
介護のリスクマネジメントに関する社内テストを初回の研修期間内に合格することができた。施錠を徹底することや、転倒リスクを考慮した行動に取り組むことができた。

評価者は、介護スキルや業務の進行状況をもとに評価をおこないます。介助内容に対する普段からの観察が必要で、業務スピードだけでなく質にも注目することが大切です。

例文(上司)
配属直後にも関わらず、業務に意欲的に取り組み、事故を未然に防ぐために行動できている点は評価に値する。今後は新人や後輩の育成にもさらに積極的に関わってほしい。

5-11. 教員職

自己評価を書く際には、評価期間中に実施した業務を細かく思い出し、自ら設定した目標に対する達成度を客観的に評価することが重要です。また、自己評価には自身の改善点や課題、さらにそれに対する対策を盛り込むことが望まれます。

例文(部下)
わかりやすい授業を目指し、プリントやデジタル教材を効果的に使用した結果、生徒からのフィードバックも良好で、成績向上に繋がっている。クラブ活動では効率的な練習を取り入れ、県大会出場という目標を達成した。今後は登校に課題を抱える生徒に対して、家庭と連携を取りながら支援を続ける方針である。

明確な数値目標がない教員の仕事では、個々の業務の熟練度や成果をしっかりと評価する必要があります。また、自己評価を参考にして具体的な行動を評価し、事実に即したポジティブなフィードバックを行うことが大切です。

例文(上司)
授業が楽しくわかりやすいと多くの生徒から支持されており、成績向上も見られることから高く評価できる。クラブ活動では目標を達成した実績を称賛したい。登校が難しい生徒へのフォローについては、他教員とも連携し解決策を模索してほしい。

6. 人事評価でよくあるエラー

エラー

人事評価をする際にはエラーが発生する可能性があります。
以下、代表的な傾向について取り上げます。

6-1. ハロー効果

被評価者が持つ「目立った特徴」に引きずられ、他の評価が歪められること。

例えば、5段階評価で営業成績が5だった社員に対し、他の評価項目も高い評価を付けてしまうケースです。営業成績がよいという評価に、他の評価が歪められた典型例です。

6-2. 中心化傾向

評価が中間値に集中する傾向のこと。

例えば5段階評価で、実績に関わらず評価が3に集中するケースが挙げられます。評価業務への自信のなさや、人間関係へ過度に配慮し過ぎることによって起こり得ます。

6-3. 寛大化傾向

全体的に評価が甘くなる傾向のこと。

部下からの反発を恐れ、良く思われたいという意識が作用する場合に発生しやすいといわれています。部下の顔色ばかりを窺い、能力や実績を客観視せずに評価するのは問題です。実態に見合わない評価は、部下の能力開発の妨げにもなりかねません。

6-4. 論理誤差

事実確認をしないまま、評価者の推論に基づいて評価すること。

例えば、被評価者が高学歴者の場合「レベルの高い大学を卒業しているなら、仕事の能力も高いであろう」と判断し、安易に評価に反映させるパターンです。

6-5. 対比誤差

評価者自身の能力を基準にし、被評価者の能力を比較して評価すること。

例えば評価者が営業畑である場合、営業スタッフには厳しく評価するが、専門外・苦手分野に関しては甘く評価するケースです。

以上、代表的な人事評価エラーを挙げましたが、エラーを完全に排除することは不可能です。そもそも、人が人を評価することは非常に難しく、どんなに研鑽や経験を積んだ人でも完璧に評価できる人はいません。

人事評価担当者は、自分がどの傾向に当てはまるのかを知ったうえで、可能な限り誤差を減らしていく努力が求められます。

7. 公正で納得感のある人事評価を心がけよう

納得

人事評価は、従業員のモチベーションや定着率だけでなく、会社全体の業績にも大きく影響します。良い組織は、適切な人事評価によって作られるといっても過言ではありません。

担当者は従業員一人ひとりの現状を知り、現場において実践することが求められます。同じ人物でも、人事評価の書き方ひとつでガラリと評価が変わります。

会社の発展のためにも、人事評価についてしっかり考えていきましょう。

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クラウド型勤怠管理システムジンジャーの営業、人事向けに採用ノウハウを発信するWebメディアの運営を経て、jinjerBlog編集部に参加。営業時代にお客様から伺った勤怠管理のお悩みや身につけた労務知識をもとに、勤怠・人事管理や給与計算業務に役立つ情報を発信しています。

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