中小企業向け経費精算システムとは?選び方や課題別おすすめ機能を紹介
更新日: 2024.10.10
公開日: 2022.1.18
jinjer Blog 編集部
働き方改革や新型感染症の流行などを受けて、昨今はテレワークへの対応が益々進められています。特に、中小企業の場合は多くの書類を扱うことになりがちな、経費精算に関する業務のテレワーク化が課題になるかもしれません。
経費精算はテレワークへの対応だけでなく、そもそも複雑で属人化しやすい業務です。そのため、企業の規模に関係なく、経費精算システムの導入を検討している会社も多いのではないでしょうか。
本記事では、導入を検討している中小企業向けて、経費精算システムのメリットや選び方、機能などについて詳しく解説します。
目次
「科目を間違えた申請が多い」「経費にならないものを申請してくる」
「申請額を不正する人がいる」など、従業員からの経費申請ミスに頭を悩ませていませんか?
経費申請は従業員が行うため、従業員がわかりやすい運用にすることが必要不可欠です。そこで頼りになるのが、経費精算システムです。
経費精算システムを利用すれば、交通費の自動計算やICカードの読み取り、またシステム上で申請ルールを設定することで間違った申請が上がりにくくすることができ、従業員の申請ミスを軽減することが可能です。
当サイトでは、経費精算システムでできることや、よくある経費精算の課題をシステムでどのように解決できるかをまとめた資料を無料で配布しておりますので、経費精算の申請ミスを減らしたい方は、ぜひこちらから資料をダウンロードしてご覧ください。
1. 経費精算システムとは
経費精算システムとは、備品購入や営業交通費などの「従業員が立て替えた費用」を精算するためのシステムです。
通常、経費精算をおこなうためには、購入日や購入商品、利用目的などをまとめた申請書を作成して、会社から承認をもらう必要があります。承認後、経理担当者が費用立て替えをおこなった従業員に立替金額を支払い、書類を保管して完了です。
これらの業務は、従業員の申請忘れや記入ミス、承認者の確認漏れなどにより会社が指定した期日までに終わらないことも多々あります。そのため、申請・承認状況の確認や記入漏れの防止ができる経費精算システムを導入する企業が増えているのです。
まずは、経費精算システムの導入によって効率化されることを整理し、自社に必要なシステムや機能について考えてみましょう。
関連記事:経費精算とは?今さら聞けない経費精算のやり方と注意点を大公開!
関連記事:今から始める、経費精算のペーパーレス化!やり方と導入方法を徹底解説
関連記事:経費精算のDX化とは?電子化のメリットや導入方法もくわしく解説
2. 中小企業が経費精算システムを導入するメリット
経費精算システムを導入することで、申請状況の確認や記入漏れの防止ができます。また、領収書の電子保存が可能となることで場所や時間を選ばずに申請できるようになるなど、経費精算システムにはさまざまなメリットがありますが、コストがかかるのでためらってしまう経営者も多いかもしれません。
そこでここでは、経費精算システムを導入するメリットについて詳しく解説します。
2-1. 人的ミスを防げる
経費精算システムも、紙媒体の申請書と同様に領収書を添付しなければなりません。
しかし、ほとんどの経費精算システムには、撮影した領収書を原本の代わりとして認証・保管する機能が搭載されているので、領収書を撮影するだけで入力と添付をおこなえるというメリットがあります。
撮影した画像を原本の代わりとすることで、領収書の回収や保管の工数が不要となるため業務負担の軽減にもつながります。また、日付や使用金額といった部分はシステムが自動で認識して入力してくれるので、申請にかかる時間や入力ミスも減らせるというのもメリットです。
2-2. 書類管理の手間を省ける
導入する経費精算システムによって違いはあるものの、ほとんどの場合、交通系ICカードなどの電子マネーと連携できる機能が搭載されています。
電子マネーと連携して経費精算がおこなえれば、使用した段階で自動的に経費の申請をすることが可能です。電子マネーを使用する場合、領収書を忘れてしまうことも少なくありません。しかし、システムと連携できていれば、購入履歴を証憑として申請できるため、受け取り忘れても安心ですし書類管理の手間を省けるというメリットも得られます。
また、紙媒体で経費精算をおこなう従来の方法だと、領収書やレシートを紛失してしまい、経費として申請することができない場合がありました。ペーパーレス化がベースとなる経費精算システムなら、そういった事態も防げます。
関連記事:経費精算で領収書を電子化する方法は?法律や疑問点をくわしく解説
2-3. 業務を効率化できる
経費精算システムは、時間や場所に関係なく、離れたところからでも誰もが申請などをおこなえるというメリットがあります。
本来であれば、経費として申請したければ領収書やレシートなどをまとめて、経理担当に直接申請しなければなりません。しかし、システム化すれば、わざわざ紙媒体で書類をまとめる必要がなく、自分の端末から手軽に申請がおこなえます。
そのため、これまで申請にかけていた手間や時間を大きく削減できるのはもちろん、わざわざ出社をしなくても申請できるので業務を効率化できるというメリットもあります。
3. 経費精算システムの主な機能
経費精算システムの機能は製品ごとに違いがあるため、自社に必要な機能が搭載されているものを導入する必要があります。しかし、「申請ミスをなくす」という目的で導入する企業も多いのではないでしょうか。そのため、ほとんどの経費精算システムで申請ミスを軽減できるように、下記のような機能が搭載されています。
- 経費の申請と承認
- 承認・回覧者の設定
- 交通系ICカードや法人クレジットカードの連携
- OCRによる領収書の読み取り
- 会計ソフト連携
経費精算システムには、この他にも多くの機能があるので、導入したい目的や現状の課題を元に、必要な機能を考えていきましょう。
4. 目的別のおすすめ機能
ここでは、経費精算システムの導入目的別におすすめの機能を紹介します。
4-1. データ入力作業などの効率化を優先させたい
とくに、経費精算業務においてデータ入力作業がネックとなっているのであれば、入力の自動化に強いものを選ぶとよいでしょう。ポイントとなるのは、領収書やレシートのスキャン機能、ICカードとの連携機能などです。
申請する側や受け取る側の双方で業務の効率化が図れるでしょう。
4-2. ほかの経理・総務作業と合わせて効率化させたい
仕訳対応や給与計算など、経費精算以外の経理や総務作業と合わせて効率化したいケースもあるでしょう。これらはすでに利用している、あるいはこれから導入する会計ソフトとの連携を踏まえて経費精算システムを選ぶことが大切です。
メーカーによっては連携に強くなるように、会計ソフトだけでなく、別に経費精算システムの展開をおこなっている場合もあります。
4-3. 経費精算で重要な部分が限定される場合
社内で出張や交際費の経費計上をおこないたい社員が限定される場合、社内全体で利用できるような経費精算システムを選ぶと、オーバースペックになってしまう恐れがあります。
経費の申請が限定されるのであれば、その種類に合わせて特化した経費精算システムを選びましょう。たとえば出張が多いのであれば、経路計算や定期券の対応など、交通費に強い経費精算システムを選ぶことをおすすめします。
4-4. システムの使い方に合わせて効率化を狙いたい
昨今ではテレワークが益々進められていますが、社外から社員が経費精算を頻繁におこないたい場合もあるでしょう。パソコンよりも、スマートフォンやタブレットなどから申請がおこなえるような手軽な経費精算システムの導入がおすすめです。
外出先からでも手軽におこなえるので、申請が溜まってしまうことがなく、担当の作業も少なくできるでしょう。
5. 中小企業向け経費精算システムの選び方
経費精算システムには便利な機能がたくさん搭載されていますが、導入するには当然ですがコストがかかります。いくらメリットがあるとしても、ランニングコストが発生するので、費用対効果を得るためにはシステムの選び方が重要となります。
自社に必要な機能が搭載されているシステムを導入すれば良いといっても、たくさんの機能を見ていると、どうやって選べばいいかわからなくなってしまうかもしれません。
ここでは、中小企業向けのよりシンプルな経費精算システムの選び方を紹介するので、迷っている方は参考にしてみてください。
5-1. コストが自社の規模に合っている
中小企業の場合、いくら便利なシステムであっても、コストはスモールスタートで導入したいという会社が多いのではないでしょうか。これは当然のことで、不要な機能や使いこなせない機能が搭載されていて、無駄にコストがかかるシステムは必要ありません。
選ぶときには、つい機能の多さや種類を重視しがちですが、まずは自社のスケールに見合ったコストかどうかを見極めて、必要に応じて機能やサービスを増やせるかどうかをチェックしましょう。
そのうえで、導入する目的を果たせる機能が搭載されているかをチェックすると、無駄な費用がかからないシステムを選択しやすくなります。
5-2. 既存のシステムと連携できる
経費精算システムを選ぶ際に、目的に合った機能が搭載されていることも重要ですが、既存のシステムと連携できるかどうかも重要なチェックポイントです。
例えば、自社で使っている会計システムと連携できる機能が搭載されていれば、経理の業務負担を減らせるのはもちろん、無駄なオプション費用をかけずに導入できます。ほとんどの経費精算システムは、CSVでファイルをインポートすることができますが、API連携機能を備えるものを選ぶことで、導入フロー自体を自動化することも可能です。
他にも、勤怠管理システムや労務管理システムと連動できる機能が搭載されていれば、バックオフィスの業務を効率化させることができるので、より高い費用対効果が得られます。
5-3. 業務に合わせてカスタマイズできる
コストを重視すると、導入当初は必要な機能やサービスだけで経費精算システムを選んでしまいます。これは間違いではないのですが、利用を継続するうで他の業務でシステムが必要になってくるかもしれません。
そんなケースに対応できるよう、業務に合わせてカスタマイズができるか、ということも重要な選択ポイントです。特定の業務効率化のために、新たにシステムを導入しなければならないようでは、余分なコストがかかってしまいます。これでは、業務が効率化できても、コストの面で非効率になってしまうので、柔軟に対応してくれる経費精算システムを選びましょう。
5-4. 申請ルールのチェック機能がある
経費精算には、企業ごとに独自の申請ルールを設けているのが一般的です。そのため、経費精算はより複雑になってしまうのですが、経費精算システムに搭載されている機能によっては、「タクシーを利用した理由」や「飲食費の内訳」など、社内規定における申請ルールを自動でチェックしてくれるものがあります。
申請ルールを設定できるシステムであれば、規定の違反チェックをしてくれるので、本来なら経理日がおこなう質問や回答のフローを削減できます。
こういった機能が搭載されていれば、違反を見つけた際にアラートで知らせてくれたり、規定に沿っていなければ提出できないようにしたりすることが可能です。
5-5. 電子帳簿保存法・インボイス制度に対応
新たに導入された、電子帳簿保存法やインボイス制度に対応しているか、というのも大事な選択ポイントです。
法改正に対応していないシステムだと、間違った保存や申請をしてしまうこともあるので、ペナルティが課せられるリスクがあります。法改正当初であれば修正で済むかもしれませんが、時間が経っていると修正では済まないかもしれません。
忙しい経理業務の中でシステムの設定を変更する作業が必要となると、業務の効率化に役立っているとはいえないので、法改正にしっかり対応しているシステムを選ぶことも、費用対効果を得るポイントといえるでしょう。
5-6. 導入後の利用イメージを具体的にする
システム導入で失敗する理由のひとつに「こんなはずじゃなかった…」などの利用イメージ不足が挙げられます。
例えば、「システムを導入すれば、業務を効率化できる。じゃあ一番安いやつを入れようか」と考えて導入した場合、既存のシステムと連携ができず導入前より時間がかかっている、などです。
先述のとおり、経費精算システムには多くの機能があります。「なぜシステムを導入したいのか」「今の業務フローはどうなのか」をよく考えたうえで、必要な機能やシステムを選ぶようにしましょう。
導入イメージがわかない時はベンダーに相談するのも一つの手
「人手が足りず業務が回らないので、なんでもいいから効率化したい」「経費精算システムを導入すると業務が効率化できるらしいが、具体的にどう変わるのか分からない」など、導入イメージはわかないが、取り急ぎ業務を効率化させたいという人もいるでしょう。このとき、自分だけや自チームだけで考えていても、なかなか考えがまとまらないこともあります。
そんな時は同業他社や同規模企業の導入事例を参考にしてみましょう。業務や導入の課題が似ている可能性が高く、自社の課題を見つけるうえで参考にできます。
また、ベンダーに相談すればWeb上には載っていない事例や導入経験に基づいたアドバイスをもらえるかもしれません。
そもそもの「経費精算業務の流れ」をまとめたものがなく、比較検討ができない方は下記の記事も合わせてご確認ください。
関連記事:経費精算ワークフローとは?導入するメリット・デメリットを解説
6. 経費精算システム導入後のおこなうべきこと
経費精算システムは、導入したからといってそれで終わりではありません。正しく活用していけるように、おこなうべきことが存在します。それぞれ見ていきましょう。
6-1. 従業員への周知を徹底する
せっかく導入した経費精算システムも、その機能のメリットを存分に活かせなければ意味がありません。メリットを活かすには、従業員がわかりやすい導入方法で、周知を徹底することが重要です。
導入方法はいろいろありますが、主流となっているのはハードランディングとソフトランディングです。
ハードランディングは、経費精算システムの導入を強制的に進め、これまでは紙媒体で扱っていた業務を一斉にすべて変えてしまいます。この方法であれば、確実に経費精算システムの導入を進められますが、1人につき1台ずつの端末や社員のリテラシーが必須となります。
ソフトランディングとは、最初のうちは紙媒体と経費精算システムを併用する方法です。システムに慣れるまでは、紙媒体での扱いを少し残しながら移行していけるので、IT系に弱い従業員も余裕を持って覚えられます。
どちらの方法にするかは企業の合わせて決めればいいのですが、いずれにしても従業員がわかっていないと活用できないので、周知を徹底しましょう。
6-2. スムーズに運用できているか確認する
経費精算システムの導入が完了し社内全体で定着したら、それで終わりではなく、スムーズに運用できているか確認しましょう。
スムーズに運用できていない場合は、さらなる改善を試みる必要があります。改善を試みる際には、導入後、どのような課題があるのか社内でアンケートなどをとってみるとよいでしょう。スパンとしては導入してから1ヵ月、3ヵ月といった具合がおすすめです。
よくありがちな定着後の問題が、承認フローの停滞とまだ残ってしまっている手作業です。
せっかく経費精算システムを導入したものの、いまいち業務効率の改善が見られない場合は、承認フローが停滞していることが考えられます。もし、承認する上司が速やかに業務へ当たれないのであれば、代理の管理職を決めるなどして改善を試みてみましょう。
経費精算システムを導入すれば、基本的にほとんどの業務が自動化されるため、手作業でおこなうよりもミスは少なくなります。それでも間違いが見られるのであれば、部分的にまだ手作業が残ってしまっているのが原因かもしれません。
手作業によるミスとしてよく見られるのが、担当者のデータ入力が重複してしまっているケースです。個人の管理で解決が難しいのであれば、連携可能な他システムの導入を検討してみてもよいでしょう。
7. 中小企業の複雑化する経費精算はシステム化がおすすめ
経費精算は、従業員の数や職種によって異なるものの、膨大な領収書の金額や内容をチェックしたり仕訳をおこなったり、精算をしたりするなど、経理担当者の業務負担はかなり大きいのが実情です。さらに、領収書の紛失や経費精算書の間違いなどがあると、従業員に確認する作業も発生するので、経費精算業務にかなりの時間を割かれることもあるでしょう。
しかし、一方で似たような作業が多いため、自動化もしやすいという特徴があります。この特徴を活かし、大変な経費精算は、システム化して効率の改善を図りましょう。
経費精算のために割いていたリソースの節約にもつながるため、ほかのコア業務により力を入れることも視野に入れられます。
「科目を間違えた申請が多い」「経費にならないものを申請してくる」
「申請額を不正する人がいる」など、従業員からの経費申請ミスに頭を悩ませていませんか?
経費申請は従業員が行うため、従業員がわかりやすい運用にすることが必要不可欠です。そこで頼りになるのが、経費精算システムです。
経費精算システムを利用すれば、交通費の自動計算やICカードの読み取り、またシステム上で申請ルールを設定することで間違った申請が上がりにくくすることができ、従業員の申請ミスを軽減することが可能です。
当サイトでは、経費精算システムでできることや、よくある経費精算の課題をシステムでどのように解決できるかをまとめた資料を無料で配布しておりますので、経費精算の申請ミスを減らしたい方は、ぜひこちらから資料をダウンロードしてご覧ください。
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