経費処理時の領収書を電子化しよう!法律・メリット・方法を解説

経費処理の作業量はときに膨大になることがあり、多くの人員が必要とされてきました。

しかし現在ではリモートワークが急速に浸透するにつれ、請求書や領収書もペーパーレス化・電子化が進んできています。

そのため経費処理も電子化すべきなのではないかと考えている企業も少なくありません。

そこで経費処理を電子化するメリットと、電子化に伴う課題について考えてみましょう。

これだけ抑えておけば大丈夫!「経費精算システム導入完全ガイド」

働き方改革が始まり、「経費精算システムの導入を考えているけど、何から着手したらいいかわからない・・。とりあえず、システム比較からかな?」とお悩みの経理担当者様も多いでしょう。

そのような方のために、今回「経費精算システム導入完全ガイド」をご用意いたしました。

ガイドブックには、以下のようなことがまとめられています。

・経費精算システムが普及している理由
・経費精算システムを導入するメリット
・経費精算システムの導入までに必要な7つのステップ

経費精算システムの導入を成功させるため、ぜひ「経費精算システム導入完全ガイド」をご参考にください。

 

1. 電子帳簿保存法について

経費処理の電子化について解説する前に、電子帳簿保存法について、簡単に理解を深めておきましょう。

1-1. 電子帳簿保存法とは

①1998年7月に施行

電子帳簿保存法とは、1998年7月に制定された法律です。

この法律は、作成した国税関係帳簿書類の電子化保存を認めるために制定されましたが、当時はシステム上で作成された帳簿書類のみを対象にしていたため、紙の帳簿書類の電子化は含まれていませんでした。

②2005年にはe-文書法の施行

この法律が施行されたことによって、これまで認められていなかった国税関係書類のスキャンでの電子化保存が可能になりました。

しかし、準拠するには要件が厳しく、書類の電子化を企業に採用することが難しい状況でした。

③2015年の電子帳簿保存法改正

要件の厳しさもあり電子化が進まない中で、2015年に保存要件が緩和され、対象外だった帳簿のスキャナによる電子化ができるようになりました。

④2016年の電子帳簿保存法改正

2015年の改正に続いて、2016年にスキャナによる保存要件がさらに緩和しました。

概要をまとめると、「スマートフォンでの電子化保存」と「領収書のサイズがA4以下の場合に、大きさに関する情報が不要」の2点があらたに加わりました。

1-2. 電子帳簿保存法で認められている帳簿書類

電子帳簿保存法でよって電子化保存が認められている書類は以下の通りです。

電子化をお考えの方は、どの書類が電子化できるのかしっかりと理解しておくとよいでしょう。

電子保存が認められている書類一覧

分類

総勘定元帳、仕訳帳、現金出納帳、売掛金・買掛金元帳固定資産台帳、売上・仕入帳など

国税関係帳簿

棚卸表、貸借対照表、損益計算書、その他決算に関して作成した書類

国税関係書類
(決算関係書類)

領収書、契約書、請求書、納品書など

国税関係書類
(その他の証憑類)

見積書、注文書など

一般書類

2. 経費処理時の書類を電子化するメリット・デメリット

経費処理の電子化を進めるかどうかを決定する前に、電子化のメリットやデメリットについて考えておく必要があります。

ここでは、経費処理の電子化のメリットとデメリットを解説します。

2-1. 経費処理時の書類電子化のメリット

①管理スペースの削減が可能

紙を使って経費処理をしていた場合、かなりの量の領収書などを保管しなければなりません。いくつも棚を置いて、その中に山のように書類を保管している企業は少なくありません。

年度末になれば、非常に多くの書類を整理して、ファイリングする必要があります。

しかし経費処理を電子化すれば膨大な量の書類を電子データとして整理できるため、スペースが節約できます。

②データ検索が可能になり探す手間が省ける

紙で書類を管理していると、特定の領収書を見つけたいときに手間がかかります。該当するファイルを探し、そのファイルの中から必要な書類を見つけなければなりません。

自分のデスクから書類が保管してある場所まで行ったり来たりするのもなかなか手間がかかります。

経費処理が電子化されていれば、必要とする領収書などの書類をパソコンで瞬時に検索できます。

内部監査で特定の書類や請求書・領収書が必要になっても、電子データをメールなどで送信するだけで済むでしょう。

③業務の効率化が図れる

経費処理は社員にとっても経理担当者にとっても負担の多い作業です。

社員は領収書と経費の申請書類を合わせて上司に提出し、上司から承認印をもらって経理部に提出しなければなりません。

その後経理担当者が領収書と申請書類を精査し、清算を行った後書類をファイリングして最低でも7年間保管しなければなりません。

もし領収書が適切なものでなかったり、申請書類に誤りがあったりした場合には、経費処理を申請した社員に差し戻して修正してもらう必要があります。

しかし、経費処理を電子化していれば、領収書をスマートフォンやタブレットで撮影してアップロードするだけなので、経費が発生したその日に経費処理を申請できます。

さらに、アプリの経費の精算フォームを使えば、入力の誤りをその時点で知らせてくれるので、経理担当者が社員に申請書類を差し戻すケースが大幅に減るでしょう。

加えて、営業職の社員は上司の承認を得るために、わざわざ会社に戻る必要がなくなるかもしれません。

経費処理を電子化すれば、申請書類と領収書をアップロードして、上司が時間のあるときにそれをチェックすることができるからです。

④コスト削減

経費処理を電子化することにより、紙を使う機会が減ります。

申請書類を印刷する必要はありませんし、ファイルも必要なくなるでしょう。

経理に携わる人員を削減し、ほかの部署に回すことも可能です。

経理全般に必要となるコストを削減できるのは、電子化の大きな利点といえるでしょう。

⑤保管が容易

企業などの法人において、領収書は法人税法に基づき7年間の保存期間が設けられています。

しかし、7年という期間はかなり長いので、保存環境が悪いと領収書が劣化して読み取れなくなってしまったり、書類を紛失してしまったりする恐れがあります。

領収書の劣化や紛失は、税務上のトラブルになることもあるのでできる限り避けたいところです。

経費処理を電子化しておけば、領収書を電子データとして保管できるので劣化・紛失の恐れがありません。

バックアップを取るのも容易なので、万が一ハードディスクが壊れたりした場合でも安心です。

関連記事:経費処理のペーパーレスはここまで進んでいる!最前線を紹介

2-2. 経費処理を電子化する3つのデメリット

経費処理を電子化することにはたくさんのメリットがありますが、一方で、デメリットもあります。

デメリットについてもよく考慮したうえで経費処理の電子化導入を検討しましょう。

ここでは、3つのデメリットを解説いたします。

①費用がかかる

最初に挙げられるデメリットは、電子化するための費用です。

経費処理を電子化するためには、ソフトやアプリケーション、パソコン、複合機などが必要になるかもしれません。

初期費用とランニングコストを考慮すると、数百万円程度の支出となるでしょう。

また経費処理の電子化が軌道に乗るまでは、電子化に詳しい派遣社員を雇う必要が生じる場合もあります。

電子化導入からしばらくは、予想外の支出が発生する可能性があるのです。

②データの分類を詳細にする必要がある

経費処理の電子化に伴う2つ目のデメリットは、きめ細やかなデータの分類が必要という点です。

もし領収書を紙で保存していれば、大まかな分類でも目的の領収書を見つけることができますが、領収書を電子データとして保存し、効率よく検索するためにはデータを適切に分類しなければなりません。

たとえば部署ごとに、あるいは月ごとにフォルダを作って領収書を管理したり、領収書に付けるファイル名を同じスタイルにしたりするといった工夫が必要となるでしょう。

電子化のメリットを最大限に引き出すためには、ただシステムを導入するだけでなく細かなデータ管理までおこなえる人材がいなければなりません。

③すべてを電子化できるとは限らない

経費処理を電子化する3つ目のデメリットは、すべてのデータが電子化できるわけではないということです。

電子データとして保存するためにはいくつもの要件を満たさねばならず、結局紙ベースで残しておかなければならないことも少なくありません。

そのためせっかくシステムを導入しても紙のデータと電子データが混在してしまう恐れがあります。

完全に電子化できないのであれば、電子化するメリットがないと判断して経費処理の電子化自体を断念する企業も多くあります。

3. 経費処理時の領収書を電子化するための手続き

経費処理の電子化のメリットとデメリットをしっかり考慮したうえで、電子化を進めると決めたなら、次に考えるべきなのは電子化の方法です。

経費処理の電子化には3つのステップがあります。

3-1. 会社内でのルール作り

経費処理を電子化する前に、会社内でのルールを作ります。

どのような経費を精算できるのか、どのような写真でなければならないか、経費処理を申請する流れなどを含めたフローを策定します。

このフローも簡単に決められるものではなく、国税庁が定める要件に基づいて社内で十分検討することが必要です。

ルール作りがしっかりおこなわれていないと、莫大な費用をかけて経費処理を電子化しても効果が出ない可能性があります。

3-2. 自社にあったソフトの導入

社内のルール策定が終わったら、ソフトを導入します。

このとき、自社のニーズに合った製品を探して導入しなければなりません。

価格も重要ですが、どのような書類を扱えるのか、どのくらい使いやすいのか、サポートは充実しているか、クラウド型かオンプレミス型か、セキュリティ対策は万全かなど、考慮すべき点はたくさんあります。

自社のニーズに合ったものを採用できれば、経費処理の手間も時間も大幅に削減できるはずです。

3-3. 管轄税務署への申請

最後のステップは税務署への申請です。

社内で策定した規定や導入する製品の資料や契約書など必要書類と、申請書を税務署に提出して経費処理の電子化を申請します。

電子化を希望する日の90日前までには申請を終えるようにしましょう。

管轄税務署から許可が下りれば、経費処理の電子化が可能となります。

4. 経費処理を電子化するための方法

経費処理を電子化するためには手続きが必要ですが、ツールも非常に重要です。自社に合ったツールを採用すれば、電子化をスムーズにおこなうことができるでしょう。

経費処理を電子化するためによく用いられるのが、「経費精算システム」です。

エクセルを用いて経費処理をおこなっている企業も多くありますが、手入力による誤入力、入金や支払いの際のミスなどは避けられません。

経費精算システムを利用すれば、領収書が電子化されるため金額などの入力の必要がありません。さらに入金額の確認も簡単におこなえるため、ミスを極力減らすことができます。

経費処理を電子化する目的、自社にあった形態を十分に考慮して経費精算システムを選べば、最大限の効果を得られます。

とくにクラウド環境ですべての処理がおこなえるクラウド型にするか、よりセキュリティの高いオンプレミス型にするのかは重要なポイントです。

加えて最近ではスマートフォンやタブレットを通して経費処理が行えるスマートフォンアプリ型のシステムも販売されているので、システム選びの参考にしましょう。

関連記事:経費精算システムのメリット・デメリット・選び方をまとめて解説!

5. まとめ

経費処理の電子化は費用がかかると考えて敬遠する企業もあれば、費用をかけて導入したのにあまり使わなくなってしまう企業もあります。

そうならないためにも、経費処理の電子化のメリットやデメリット、導入費用とその効果などを十分に考慮する必要があります。

自社に合ったシステムを採用しメリットを十分に享受しましょう。

経費精算システムの導入で工数削減を実現

近年、人手不足などの背景から、バックオフィス業務の効率化が多くの企業から注目されています。

経費精算業務は、申請書類や金額の確認作業にとにかく手間がかかりますし、仕訳やFBデータの作成はミスが許されないので、時間がかかりストレスを感じるでしょう。

どうにか「面倒な手作業」を削減したいけど、どうしたらいいかわからないとお悩みの方は、経費精算システムの導入を検討してみましょう。

経費精算システムとは、経費精算の申請から承認、経理担当者の処理作業までを、一気通貫でオンライン化できるシステムのことです。経費精算システムの導入を検討することで、

・ミスのない申請書類によって差し戻しや確認作業を削減できる
・申請、承認、処理をオンライン化し、スムーズな経費精算を実現できる
・交通費の自動計算や、仕訳、FBデータ作成の自動化によって、手作業を大幅に削減できる

など、経理担当者様の工数削減につながります。

「導入を検討するといっても、何から始めたらいいかわからない」という経理担当者様のために、経費精算システムを導入するために必要なことを21ページでまとめたガイドブックを用意しました。

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