休日出勤と振替休日の運用ポイントを解説!割増賃金の発生条件や注意点とは
更新日: 2026.1.28 公開日: 2021.9.6 jinjer Blog 編集部

労働基準法では、「毎週1日」または「4週間で4日以上」の休日を確保することが規定されています。しかし、業務の都合や繁忙期など、やむを得ず休日に出勤しなければならないケースもあるでしょう。本来、休日とは労働から解放されるべき日であり、その日に働いた場合には、適切な割増賃金を支払う必要があります。
ただし、事前に振替休日を指定し、法定労働時間(1日8時間、週40時間)を超えないよう調整したうえで休日出勤をおこなった場合、割増賃金の支払いは不要です。本記事では、振替休日の基本ルールから、割増賃金の扱いや実務上の注意点、労務管理の方法などを詳しく見ていきます。
目次
休日出勤や振休代休の付与に潜むリスク
休日・休暇の管理を誤ると、意図せず労働基準法に抵触してしまう可能性があります。
特に、従業員に休日労働をさせた場合、代休や振休はどのように取得させれば良いのか、割増賃金の計算はどのようにおこなうのかなど、休日労働に関して発生する対応は案外複雑です。
そこで当サイトでは、労働基準法にて定められている内容をもとに、振休や代休など休日を取得させる際のルールを徹底解説した資料を無料で配布しております。
◆この資料でわかること
- 罰則にもつながる、休日労働に関する法律(労働基準法第35・36・37条)の要点
- 割増賃金の未払いを防ぐための、休日形態に応じた正しい計算方法
「休日出勤させた際の対応を知りたい」「代休・振休の付与ルールを確認したい」という人は、ぜひこちらから資料をダウンロードしてご活用ください。
1. 休日出勤を振替休日にまつわる基本用語・定義を確認しよう

振替休日とは、休日出勤を前提に、事前に休日とほかの労働日を交換する制度です。これにより、本来の休日が労働日となり、ほかの日が休日として扱われます。
振替休日を運用する際、事前に従業員に交換する休日と労働日を明確に指定する必要があります。休日出勤と振替休日の運用ルールを正しく理解するために、制度に関連する用語の定義をおさらいしましょう。
1-1. 休日出勤とは
休日出勤とは、本来休みと定められた日に従業員が勤務することです。ただし法律上すべての休日出勤が、休日労働に該当するわけではありません。
一方、休日労働とは、労働基準法に基づいて法律上確保すべき休日に労働させることを指します。
休日出勤が休日労働にあたるかどうかは、出勤した日が法定休日と所定休日のどちらに該当するかによって判断されます。続いて、法定休日と所定休日の違いを確認しましょう。
1-2. 法定休日と所定休日の定義
労働基準法第35条により、使用者は従業員に「毎週少なくとも1回(または4週間で4回以上)の休日」を与える義務があります。この法律で定められた休日が「法定休日」であり、それ以外に会社が定める休日が「所定休日(法定外休日)」です。
就業規則等で法定休日を具体的に特定していない場合、週休2日制の企業では、一般に先の休日が法定休日、後ろの休日が所定休日として扱われます(2025年12月現在、労働基準法制の見直しに関する議論が進められており、将来的には就業規則において法定休日を具体的に特定することが求められる方向で検討されています)。
従業員が法定休日に出勤した場合、それは法律上の「休日労働」にあたり厳密な規制があります。一方、所定休日の出勤は法律上休日労働とはみなされず、週40時間・1日8時間を超える法定時間外労働になるかどうかが問題となります。
関連記事:所定休日と法定休日の違いとは?休日出勤時の割増賃金の考え方も解説
なお、法定休日を明確に定めていない場合、休日出勤や振替休日の判断を誤るおそれもあるため、今後の法改正動向を踏まえつつ、就業規則上で法定休日を明示しておくことが望ましいでしょう。
関連記事:2026年、労働基準法が40年ぶりに大改正へ!重要ポイントと企業が備えるべき対応
1-3. 振替休日と代休の違い
振替休日と代休はいずれも、休日出勤の代わりに別の労働日を休みに充てる制度ですが、その運用タイミングと割増賃金に違いがあります。
振替休日とは、休日出勤をする前に、ほかの労働日を休日に振り替えることです。これにより、法定休日だった日は通常の労働日扱いとなるため、休日労働に対する割増賃金の支払い義務が発生しません。
これに対して代休は、休日出勤をおこなった後に代わりの休みを与えるものです。事前の振替手続きをおこなっていないため、休日出勤した事実自体は消えません。そのため代休を取得しても休日出勤には違いなく、割増賃金の支払いが必要になります。
2. 休日出勤に振替休日を適用する方法

振替休日を正しく運用するには事前の手続きが不可欠です。ここでは、事前振替が認められる場合の労務管理上のポイントと、当日・直前に休日出勤を命じた場合の扱いを確認します。
2-1. 休日出勤を振替休日で運用する際の判断の流れ
休日出勤を振替休日で運用できるかどうかは、割増賃金の有無だけでなく、事前の手続きや労働時間の状況によって左右されます。実務では、まず次の流れで判断すると整理しやすくなります。
- 出勤させる日が法定休日か所定休日かを確認する
- 法定休日に出勤させる場合、36協定が締結されているかを確認する
- 出勤日と振替日を出勤前に特定しているかを確認する
- 週40時間および1日8時間を超えないかを確認する
- 振替日に実際に休めているかを確認する
これらの要件を満たしていれば振替休日として扱うことができますが、いずれかを満たさない場合は、休日労働または時間外労働として割増賃金の支払いが必要になります。
なお、振替休日と代休の違いや運用方法の詳細は、こちらの関連記事もご覧ください。
関連記事:振替休日とは?代休との違いや取得期限、労働基準法の観点から見る注意点を解説
2-2. 事前に休日を振り替えた際の休日出勤における割増賃金の扱い
振替休日が適用されるには休日出勤前に振替日を特定することが必要です。
例えば、日曜が週の起算日かつ法定休日の企業で、「日曜に出勤してもらい、その代わり水曜を休みにする」というように事前通知しておけば、日曜に働いても振替によって労働日となるため休日労働扱いにはなりません。
この場合、日曜の勤務について法定休日の割増賃金(35%)を支払う必要はなく、通常の労働日と同じ賃金計算で構いません。
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日 |
月 |
火 |
水 |
木 |
金 |
土 |
|
法定休日 ↓ 出勤 |
労働日 |
労働日 |
労働日 ↓ 振替休日 |
労働日 |
労働日 |
所定休日 |
振替休日の制度を活用すれば、業務都合で一時的に休日に出勤させる場合でも、適切な手続きを踏むことで割増賃金の発生を抑えられます。
ただし、行政通達で「振替休日を適用する際は振替日をできるだけ休日出勤日と近接させることが望ましい」とされており、給与計算期間をまたぐような振替は未払賃金の問題を生じかねないため注意が必要です。
振替休日はあくまで労働者の十分な休息を確保する趣旨です。制度上は振替日を何日先に設定しても違法ではありませんが、実務上は休日出勤日からできるだけ近い時期に振替休日を取得させるようにしましょう。
2-3. 当日・直前の休日出勤が代休扱いとなる場合
振替休日として扱うには前日までに振替日を指定する必要があります。仮に急な業務対応で当日または直前に休日出勤を依頼した場合、もはや事前の振替手続きは間に合いません。
その休日労働は振替休日ではなく代休扱いとなり、法律上の休日労働に該当します。したがって、その日に対しては割増賃金の支払い義務が発生します。
3. 休日出勤・振替休日で気を付けたい割増賃金の取り扱い

休日出勤と振替休日を運用する際、対象となる日が「法定休日」なのか、それとも「所定休日」なのか、振替休日を取得できなかった場合にどのように運用すべきかなど、判断に迷う場面は少なくありません。
3章では、休日出勤と振替休日を運用する際の割増賃金の扱いに関して、複数のパターンを解説します。4章では、振替休日を取得できなかったケースの対応方法も解説するので、実務で悩んだときの参考としてご覧ください。
3-1. 法定休日は35%の割増賃金が発生
法定休日に休日出勤させた場合、使用者はその労働に対して通常賃金の35%以上の割増賃金を支払う義務があります。深夜労働が重なればさらに25%が上乗せされ、合計60%以上の割増率が必要です。
法定休日労働は労働基準法上厳格に扱われるため、振替休日として事前に振り替えをおこなわない限り、35%以上の割増賃金が発生します。
関連記事:法定休日に対する振替休日が認められる場合について解説
3-2. 所定休日(法定外休日)は週40時間を超えるかどうかが鍵
会社が定める所定休日(法定外休日)に出勤した場合、その日の労働が直ちに割増の対象となるとは限りません。ポイントは、週40時間および1日8時間の法定労働時間を超えるかどうかです。
もし所定休日に出勤したことで週の総労働時間が40時間を超えた場合、その超えた時間分については法定時間外労働の割増賃金(25%以上)を支払う必要があります。反対に所定休日に出勤しても週40時間・1日8時間を超えない範囲であれば、割増賃金は発生しません。
3-3. 事前振替に失敗すると代休扱いとなるため注意
振替休日を予定していた場合でも、所定の手順で事前振替がおこなわれなければ振替自体が成立しません。例えば振替日を就業規則どおり事前に指定していなかったような場合、その休日労働は振替予定の労働日ではなく単なる休日出勤となります。
このように振替に失敗した場合、休日割増賃金を支払う義務が生じます。振替休日を運用する際は、振替日の指定漏れや手続きの遅れがないよう十分注意しましょう。
「振替日を必ず休日出勤前日までに本人へ通知する」「証拠として書面やメールで記録に残す」などのルールを定め、振替手続きの不備による割増賃金発生を防止することが重要です。
3-4. 振替休日を設ければ無条件で割増不要とはならない
振替休日を設定すれば原則として休日出勤の割増賃金は不要になりますが、場合によっては法定時間外の割増賃金が発生するケースもあります。典型例が、振替日を別の週にまたがって設定した場合です。
振替休日は法律上いつ指定しても構いませんが、週をまたぐと休日労働の割増賃金は発生しない一方、週あたりの法定労働時間を超過してしまう可能性があります。
例えば1日8時間労働・日曜が法定休日の従業員について、日曜を出勤とし翌週月曜を振替休日としたとしましょう。
この場合、振替をおこなわなければ各週40時間内に収まっていた労働時間が、振替により最初の週が48時間労働となり40時間を超過してしまいます。
結果として、その超過8時間分には時間外割増25%以上を支払う義務が生じます。
|
日 |
月 |
火 |
水 |
木 |
金 |
土 |
計 |
|
法定休日 ↓ 8時間労働 |
8時間労働 |
8時間労働 |
8時間労働 |
8時間労働 |
8時間労働 |
所定休日 |
48時間 (法定時間外労働8時間) |
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日 |
月 |
火 |
水 |
木 |
金 |
土 |
計 |
|
法定休日 |
8時間労働 ↓ 振替休日 |
8時間 |
8時間 |
8時間 |
8時間 |
所定休日 |
32時間 |
3-5. 振替休日を与えなくても36協定の範囲内なら休日出勤は可能
休日出勤には必ず振替休日を与えなければいけないのでしょうか。結論として法律上、振替休日の付与は義務ではありません。
したがって、36協定(時間外労働・休日労働に関する協定届)で定められた休日労働の範囲内であれば、振替休日を与えずに休日割増賃金を支払う形で休日出勤させることも法的に可能です。実際、36協定には休日労働をさせる日数の上限を定める項目があり、この範囲であれば企業は必要に応じて従業員に休日出勤を命じることができます。
しかし、どんなに36協定上許されているといっても、法定休日に連続して労働させることは従業員の健康上好ましくありません。36協定で許容される範囲=適切な範囲とは限らない点に留意しつつ、無理のない勤務計画を心がけましょう。
4. 振替休日を取得できなかった場合の対応方法
計画していた振替休日が何らかの理由で取得できなかった場合、その休日出勤の扱いはどうなるのでしょうか。振替休日制度は「代わりの休日を与えること」を前提に特例として休日労働を通常労働とみなすもので、振替休日が消化されなければその特例の扱いもなくなります。
ここでは、振替休日が取得できなかったケースにおける賃金支払いと労務管理上の注意点を解説します。
4-1. 振替休日に休めなければ割増賃金の支払いが必要
振替休日を付与したものの、業務都合や本人の事情でその振替日に実際に休めなかった場合はどうなるでしょうか。結論から言えば、振替休日が取得されなかった場合は当該休日労働に対する割増賃金の支払い義務が発生します。振替休日が「消滅」してしまった以上、もはやその休日出勤は通常の休日労働と変わらないからです。
例えば、「日曜日(法定休日)を水曜日(通常の労働日)に振替える」として日曜日に出勤させたものの、実際は水曜日に従業員に休みを取らせられなかった場合、日曜日の休日労働について休日割増賃金を支払う必要があります。
4-2. 振替日より前に退職した場合は休日労働扱い
従業員が振替休日を取得する前に退職してしまった場合も、「4-1. 振替休日に休めなければ割増賃金の支払いが必要」と同様に振替が実行されなかったものとして扱われます。
振替休日は有給休暇のように「使わなければ消滅」するものではなく、退職日までに消化できなかった振替休日については休日労働分の割増賃金を支払うことで精算します。
4-3. 休日出勤手当として支給する方法
振替休日が取得できなかった場合は、休日割増賃金を支給する対応を取ります。
計算例を挙げると、休日労働の割増率を35%に設定している企業の場合、法定休日に勤務させた時間について基礎賃金の1.35倍(35%増)を支給する必要があります。
もし給与計算期間を跨って振替休日を取得させるつもりであったものの取得されなかった場合、出勤した日について①既に支払っている賃金と②休日労働として割増賃金を計算した金額の差額(②-①)を支払う必要があります。
4-4. 36協定の休日労働日数が超えていないか要確認
振替休日が取得できずに休日出勤が累積する状況では、36協定で定めた休日労働の上限日数にも注意が必要です。
36協定を締結する際には、時間外労働の上限だけでなく休日労働をさせる日数の上限も必ず規定しなければならず、その範囲内でしか法定休日労働を命じることができません。万が一、振替休日を与えられずに休日出勤が重なり36協定の上限日数を超えてしまった場合、たとえ割増賃金を払っていても労働基準法違反となります。
特に繁忙期などは「振替休日を取らせるつもりが取れなかった」という事態も起こり得ます。休日出勤日数が協定範囲内に収まるよう、従業員と現場の管理職によく理解してもらいましょう。もし違反が発覚すれば労働基準監督署から是正勧告を受ける可能性もあるため注意が必要です。
5. 実務のトラブル例と注意点
休日出勤と振替休日の制度運用において、3章の割増賃金の取り扱いや4章で解説した振替休日を取得できなかった場合のほかにも、実務ではさまざまなトラブルや疑問が生じがちです。この章では、よくある実務上のトラブル例を取り上げ、適切な対処法や注意すべきポイントを解説します。
5-1. 急な呼び出しは振替休日にできない
急な休日の呼び出し(緊急出勤)は、振替休日として扱えません。振替休日は前もって法定休日と勤務日を入れ替える制度のため、当日になってから休日を振り替えることができないためです。もし後日代休を取得させても、この出勤は休日労働となり、割増賃金の対象になります。事前に振替休日を取得させることのできない緊急の休日出勤は、原則すべて休日労働と認識するようにしましょう。
なお、従業員の予定や私生活への配慮という観点からも、急な休日呼出は最終手段とし、計画的な振替運用を心がけることが望ましいです。
5-2. あとから振替休日とみなすことはできない
休日出勤をさせた後に「やはり振替休日ということにしよう」と後追いで振替扱いに変更することは認められません。振替休日は事前手続きが要件であり、休日労働の事実が発生した時点で代休として処理するのが適切だからです。
この点を踏まえ、振替休日の運用は計画的におこなう必要があります。後から出勤簿上で振り替えたことにするなど不適切な処理をすると、労働時間管理上の不正とみなされるリスクがあります。
5-3. 長時間労働や連続勤務にならないよう注意
休日出勤を運用する際は、労働時間が過度に長時間化したり連続勤務が長期化したりしないよう十分配慮が必要です。例えば完全週休2日制の会社であっても、36協定で休日出勤ができるよう定めていれば、結果的に連続勤務が常態化するおそれもあります。
このような極端な連続勤務は労働者の健康や安全を害するリスクが高く、労災につながりかねません。法定遵守は当然として、実態として無理のない勤務シフトになるよう調整することが不可欠です。
具体的な対策として、振替休日や代休を計画的に織り交ぜることで一定の休養日を確保する、連続勤務日数に上限を設けた運用をする、繁忙期には応援人員を確保し特定の従業員に負荷が集中しないようにすることなどが考えられます。
現場の勤務実態をモニタリングし、長時間・連続労働の兆候があれば早めに是正措置を講じましょう。
5-4. 急な休日勤務に代休を使うときのポイント
業務の都合で急な休日出勤が発生し振替休日が使えない場合、代休制度で対応することになります。
代休を付与する際のポイントとして、できるだけ早く代休を消化させることが挙げられます。代休として与える場合も長期間先送りせず、可能であれば同一週や近接した週に取得させるようにしましょう。代休取得が遅れれば遅れるほど本人の疲労回復機会が失われます。
なお、代休を与えても割増賃金の支払い義務は残る点を再確認します。従業員が代休を取得すればその代休の日は給与支払いは不要ですが、休日出勤時の割増賃金は必ず支払う必要があります。
6. 休日出勤の振替休日を適切に運用するために

ここまで説明したように、休日出勤と振替休日の制度を適切に活用するには明確なルール作りと管理が欠かせません。最後に、現場で制度を円滑に運用するためのポイントを整理します。
6-1. 就業規則に定めて振替の通知が残るようにする
まず大前提として、振替休日制度や代休制度を運用する場合は就業規則にその旨を明記する必要があります。労働基準法第89条により常時10人以上の労働者を使用する企業は就業規則を作成して所轄労基署に届け出る義務がありますが、その中で休日及び休暇に関する事項を定めなければなりません。
振替休日の制度を設けるなら、「会社は業務上必要な場合、休日を他の労働日に振り替えることがある」などの規定を置き、手続き方法や賃金計算の扱いも含めてルール化しておきましょう。
また、振替の通知方法についても確実に記録が残る形にすることがおすすめです。振替休日を命じる際は、従業員に対しメールなどで「〇月〇日(休日)を出勤日とし、〇月〇日を振替休日とする」といった通知をおこないましょう。後日のトラブルを防ぐため、誰がいつ振替指示を出したかを証拠として残す運用が望ましいです。
就業規則にも「振替休日を命じる場合は前日までに本人へ通知する」などの手続きを定めておけば、現場でも統一的な対応が可能になります。
6-2. 振替休日は半日・時間単位で付与できるか
振替休日を半日単位・時間単位で与えられるかという疑問もよくあります。結論から言えば、法定休日の振替としては半日や時間単位の取得は認められません。労働基準法上の「休日」とは午前0時から24時までの連続24時間の休息を意味し、法定休日の要件を満たすには1日(暦日)単位で休みを与える必要があるためです。
振替休日はあくまで法定休日の振替制度なので、振り替えられた休日も当然法定休日の要件を満たす必要があります。したがって半日や時間単位では法定休日として認められず、振替休日は基本的に1日単位で付与しなければなりません。
一方、代休については法律上の定めがないため、企業の裁量で半日代休や時間代休を認めることが可能です。
6-3. 勤怠システムの管理方法
振替休日や代休の運用を適切におこなうには、勤怠管理システム上での管理方法にも工夫が必要です。
現在多くの企業が導入している勤怠管理システムには、振替休日に対応した機能が備わっている場合があります。例えばクラウド勤怠システムでは、休日出勤日と振替休日を対応付けて入力できる機能が搭載しているケースもあるでしょう。
勤怠システムと給与システムを連携させておけば、振替日にシステムが休暇として処理され賃金控除されないようになり、逆に元の法定休日は通常勤務扱いとなって割増賃金計算などが正しくおこなわれます。
以上のように、システム上で振替休日を管理することで、人為的ミスを防ぎ適正な賃金支払いを担保できます。特に複数の従業員がさまざまなタイミングで休日出勤するような職場では、手作業の管理には限界があるため、勤怠管理ツールを積極的に活用すると良いでしょう。
7. 休日出勤と振替休日のルールを正しく理解しよう

振替休日は事前に休日を振り替えることで休日労働を通常労働日に置き換える制度です。
振替休日を適用すれば原則割増賃金は不要になる一方で、就業規則への明文化や事前通知の徹底、そして取得漏れ時のフォロー(未取得なら速やかに割増賃金支払い)が重要です。また、法定休日出勤の上限を超えないよう、適切な範囲で運用する必要があります。労働者の健康管理を最優先に考えましょう。
振替休日・代休制度は勤怠管理システムなどを活用することで一層円滑に運用できます。正確な記録と管理によって、従業員が安心して制度を利用できる環境を整備しましょう。
休日出勤の適正な運用は、従業員のワークライフバランスと法令遵守に直結します。本記事を参考に、自社の制度を今一度見直し、現場で迷いのない運用を実現しましょう。
休日出勤や振休代休の付与に潜むリスク
休日・休暇の管理を誤ると、意図せず労働基準法に抵触してしまう可能性があります。
特に、従業員に休日労働をさせた場合、代休や振休はどのように取得させれば良いのか、割増賃金の計算はどのようにおこなうのかなど、休日労働に関して発生する対応は案外複雑です。
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