労働基準法の有給休暇の消化ルールとは?退職時の対応や取得を促進する方法を解説 - ジンジャー(jinjer)|統合型人事システム

労働基準法の有給休暇の消化ルールとは?退職時の対応や取得を促進する方法を解説 - ジンジャー(jinjer)|統合型人事システム

労働基準法の有給休暇の消化ルールとは?退職時の対応や取得を促進する方法を解説 - ジンジャー(jinjer)|統合型人事システム

労働基準法の有給休暇の消化ルールとは?退職時の対応や取得を促進する方法を解説

書類にサインする

労働基準法では年次有給休暇の付与や取得に関するルールが定められています。適切に運用しなければ、法令違反につながるだけでなく、従業員の健康や労働災害にも影響するおそれがあります。

本記事では、労働基準法における年次有給休暇の消化ルールをわかりやすく解説します。あわせて、企業に義務付けられている年5日の取得義務や、トラブルになりやすい退職時の有給休暇の取り扱いについても紹介します。

関連記事:有給休暇の計算方法とは?出勤率・付与日数・賃金の算出ポイントを実務に即して解説

「月末の勤怠締め、もっとラクにならないかな…」 とお考えの方へ

人事労務担当者の実務の中で、勤怠管理は残業や深夜労働・有休消化など給与計算に直結するため、正確な管理が求められる一方で、計算が複雑でミスや抜け漏れが発生しやすい業務です。
さらに、働き方が多様化したことで管理すべき情報も多く、管理方法と集計にお困りの方もいらっしゃるのではないでしょうか。そんな担当者の方には、集計を自動化できる勤怠システムの導入がおすすめです。

◆解決できること

  • 打刻漏れや勤務状況をリアルタイムで確認可能、複雑な労働時間の集計を自動化
  • 有給休暇の残日数を従業員自身でいつでも確認可能、台帳の管理が不要に
  • PCやスマホ・タブレットなど選べる打刻方法で、直行直帰やリモートワークにも対応

システムを利用したペーパーレス化に興味のある方は、ぜひこちらから資料をダウンロードの上、工数削減にお役立てください。

1. 労働基準法で定められた年次有給休暇の消化ルール

ルールのブロック

労働基準法第39条では年次有給休暇について定めています。有給休暇は、原則として、入社日から6ヵ月間継続して勤務し、その期間の全労働日の8割以上出勤した労働者に付与されます。

正社員だけでなく、契約社員やパート・アルバイトも要件を満たせば年次有給休暇が付与されます。従業員は有給を消化すれば、給与を受け取りながら休むことが可能です。

参考:労働基準法第39条|e-Gov法令検索

関連記事:年次有給休暇の基本をわかりやすく解説!付与日数や取得要件も紹介

1-1. 有給消化は従業員の権利(企業には時季変更権あり)

年次有給休暇は、従業員の心身の疲労を回復し、ゆとりある生活を保障することを目的とした制度です。そのため、原則として従業員が希望する時季に有給を消化できます。

ただし、従業員が希望した時季に休暇を取得すると「事業の正常な運営を妨げる場合」には、企業に時季変更権が認められています。

しかし、単に「忙しいから」という理由だけで時季変更権を行使できるわけではありません。事業への具体的な支障や代替要員の確保の難しさなどを踏まえて、客観的に判断する必要があります。

また、年次有給休暇を取得したことを理由として、賃金や人事評価などで従業員に不利益な取り扱いをすることも認められていません。

関連記事:時季変更権とは?行使するための条件や注意点を徹底解説

1-2. 未消化の有給は翌年度へ繰り越せる

年次有給休暇の請求権は、付与された日から2年間行使しなければ時効によって消滅します。そのため、当年度に使い切れなかった有給は、翌年度に繰り越して消化できます。

例えば、2026年4月1日に8日間の年次有給休暇が付与され、そのうち6日を消化した場合、未消化の2日については翌年度に繰り越して消化できます。

ただし、繰り越した2日については、付与日から2年が経過すると原則として時効により消滅します。そのため、従業員にも有給の繰越ルールをあらかじめ正しく伝えておくことが重要です。

関連記事:【図解】有給休暇の繰越とは?上限日数・ルール・計算方法をわかりやすく解説

1-3. 年5日の有給休暇の取得が義務化

2019年4月から、年10日以上の年次有給休暇が付与される従業員について、企業には「年5日の年次有給休暇を取得させる義務」が課されています。

従業員本人が自主的に年5日以上の有給を消化していれば、企業が別途取得日を指定する必要はありません。一方、消化日数が5日に満たない場合、従業員の意見を聴取したうえで、企業が時季を指定して年5日を取得させる必要があります。

また、企業には「年次有給休暇管理簿」の作成・保存も義務付けられています。労働者ごとに「基準日」「日数」「取得時季」を適切に管理できる体制を整備しましょう。

参考:年5日の年次有給休暇の確実な取得 わかりやすい解説|厚生労働省

関連記事:有給休暇5日の取得義務化とは?時間単位の扱いから対応方法や罰則まで解説

関連記事:年次有給休暇管理簿の作成が義務化!作成方法と保管期間を解説

1-4. 【ポイント】有給消化ルールは就業規則に定めておく

就業規則には「休暇」に関する事項を記載することが義務付けられています。これには年次有給休暇も含まれます。

年次有給休暇の取得手続きや申請方法など、細かく有給の消化ルールを就業規則に定めておくことで、企業と従業員との認識の違いを防ぎやすくなります。厚生労働省が公開している「モデル就業規則」を参考にするのもよいでしょう。

なお、就業規則には労働基準法などの法令に反する内容を定めることはできません。法令を下回る内容を定めた場合には、法令の基準が優先されるため注意が必要です。

当サイトでは、年5日の年次有給休暇取得義務への対応や、有給休暇の適切な管理方法を詳しく解説した資料を無料で配布しています。ぜひこちらからダウンロードしてご活用ください。

2. 従業員の退職時における有給消化の注意点

注意のイメージ

退職する従業員が残っている年次有給休暇の消化を希望する場合、企業側は原則として拒否できません。とくに退職日が決まっているケースでは、退職日までに消化できるよう、残日数や取得予定を早めに確認することが重要です。

2-1. 退職すると残った有給は消滅する

従業員が退職すると、未消化の年次有給休暇の権利は退職日をもって消滅します。逆にいえば、退職日までは、原則として従業員は年次有給休暇を取得する権利があります。

そのため、「退職を申し出たから」という理由だけで有給取得を拒否することはできません。一方、年次有給休暇の権利は退職日に消滅するので、退職後に未消化分の取得を申し出られても、これに応じる必要はありません。

2-2. 有給休暇の買い取りには注意が必要

年次有給休暇の買い取りは、原則として認められていません。有給の取得に代えて金銭を支払うことは、従業員の取得する権利を実質的に制限するおそれがあるためです。

しかし、退職時に消化しきれなかった有給について、企業が任意で金銭を支払うことまで一律に禁止されているわけではありません。ただし、これは有給休暇そのものを買い取るというより、未消化の休暇を企業が任意に金銭を給付するものと考えられます。

この場合も、まずは有給休暇の取得による消化を優先し、買い取りを前提とした運用は避けることが重要です。また、買い取りをおこなう場合は、就業規則などで取り扱いを明確にしておくとよいでしょう。

関連記事:有給休暇の買い取りは違法?認められる例外と実務対応、トラブル事例を解説

2-3. 有給休暇の取得希望は早めに申し出てもらう仕組みを整える

退職日が決まっている場合、たとえ企業が時季変更権を行使しても、退職日を超えて時季を変更することはできません。そのため、従業員が退職日までに有給消化を希望した場合は、原則として取得を認める必要があります。

また、業務の引き継ぎなどを理由に退職日の延期を打診することはできますが、退職日の変更に応じるかどうかは従業員の判断に委ねられます。そのため、退職の申し出を受けた段階で、有給の取得希望を早めに確認しておくことが重要です。

例えば、退職届の提出時に「最終出勤希望日」「有給の取得希望」などを確認する運用にすると、退職日までのスケジュールを調整しやすくなります。

参考:年次有給休暇|厚生労働省

3. 有給(年休)を消化させない場合のリスク

ブロックに握手をしている絵が描かれている

年次有給休暇の消化を促進することで、仕事への集中力や生産性の向上が期待できます。さらに、働きやすい職場づくりに取り組む企業として、採用市場における企業イメージの向上にもつながるでしょう。

一方、有給の消化を適切に促進しない場合、さまざまなリスクが生じるおそれがあります。ここでは、有給休暇を取得させない場合に考えられるリスクについて紹介します。

3-1. 従業員の不満や離職につながる

有給休暇を取得しにくい環境では、従業員が十分な休息を取れず、仕事への不満やストレスが蓄積するおそれがあります。

とくに「周囲が取得していないため申請しにくい」「業務が忙しく休めない」といった状況が続くと、制度が整備されていても、実質的に利用しにくい状態になりかねません。

その結果、従業員のエンゲージメントが低下し、離職率が高まる可能性も考えられます。人材が流出すれば、新たな人材の採用や教育にかかるコストの増加にもつながります。

3-2. 長時間労働による労災リスクが高まる

有給を十分に取得できずにいると、従業員の疲労が蓄積し、心身の健康に影響を及ぼすおそれがあります。とくに、長時間労働や休息不足が常態化している場合には、健康障害や労働災害につながるリスクも高まるでしょう。

また、従業員の健康に問題が生じた場合、企業の安全配慮義務違反が問われ、損害賠償につながる可能性もあります。

そのため、有給休暇の消化促進は単なる福利厚生ではなく、従業員の健康を守り、適切な労務管理をおこなうための重要な取り組みとして捉えることが大切です。

3-3. 労働基準法違反として罰則を受けるおそれがある

従業員が年次有給休暇を取得できるようにすることは、労働基準法に基づく企業の重要な義務です。

例えば、従業員が適法に有給消化を請求したにもかかわらず、正当な理由なく取得を拒否したり、取得を妨げたりすると、労働基準法に違反するおそれがあります。

労働基準法に違反した場合、直ちに罰則が科されるとは限りませんが、労働基準監督署から是正指導や勧告を受けることがあります。また、違反の内容や悪質性などによっては送検され、罰金や拘禁刑といった刑事罰が科される可能性もあります。

さらに、法令違反は企業の社会的信用の低下につながるおそれもあります。そのため、従業員が年次有給休暇を適切に取得できる環境を整備することが重要です。

4. 従業員に有給休暇の消化を促す方法

カレンダーに丸を付ける

企業には、従業員が年次有給休暇を取得しやすい環境を整備することが求められます。ここでは、労働基準法に基づき、有給休暇の取得を促進するための方法を紹介します。

4-1. 時間・半日単位での年休消化を認める

有給を1日単位でしか消化できない場合、「病院に行くだけなのに1日休むのはもったいない」「子どもの行事で数時間だけ休みたい」といった理由から、取得をためらう従業員もいるでしょう。

そのため、時間単位や半日単位で年次有給休暇を取得できる仕組みを整えることが有効です。短時間の用事でも有給を活用できれば、従業員にとって取得しやすくなり、有給消化率が向上するでしょう。

ただし、時間単位年休を導入する場合は、労使協定の締結が必要であり、取得できる日数は年5日分までです。一方、半日単位年休には、労使協定の締結は必須ではなく、時間単位年休のような法定の取得上限もありません。

参考:時間単位の年次有給休暇制度を導入しましょう!|厚生労働省

関連記事:時間単位の有給休暇とは?導入や計算方法、メリット・デメリットを解説

4-2. 時季指定を導入する

年次有給休暇が10日以上付与される従業員については、企業に対して、基準日から1年以内に5日の年次有給休暇を取得させることが義務付けられています。

そのため、有給の取得が進んでいない従業員については、面談や勤怠管理システムなどを活用して取得状況を把握し、計画的な有給消化を促すことが重要です。

労働基準法第39条第7項に基づき、事前に従業員の希望を確認したうえで時季指定をおこなえば、業務への影響を抑えながら、年5日の取得義務を適切に履行しやすくなるでしょう。

ただし、時季指定をおこなう場合、あらかじめ従業員の意見を聴き、その意見を尊重するよう努める必要があります。また、すでに5日以上の有給を取得している従業員については、企業による時季指定は不要です。

参考:年次有給休暇の付与日数は法律で決まっています|厚生労働省

4-3. 計画的付与制度(計画年休)を活用する

計画的付与制度(計画年休)とは、年次有給休暇のうち5日を超える部分について、企業があらかじめ取得日を計画的に定める制度です。また、制度を導入するには、労使協定を締結する必要があります。

例えば、ゴールデンウィークや年末年始に合わせて一斉に休暇日を設定したり、部署ごとに交代で取得日を決めたりできます。従業員は休暇の予定を立てやすくなり、企業も業務スケジュールを調整しやすくなるでしょう。

関連記事:有給休暇の計画的付与制度(計画年休)とは?導入方法や注意点を紹介

5. 有給休暇が取りやすい環境を作るポイント

笑顔で人差し指を立てる女性

従業員が気兼ねなく有給休暇を取得し、リフレッシュできる環境を整えることは、生産性向上や離職率低下にもつながります。具体的には次のようなポイントを押さえて、有給を消化しやすい環境を作りましょう。

  • 管理職のマネジメント教育
  • 取得率を人事評価に反映させる
  • 業務共有など属人化解消の仕組みを構築

5-1. 管理職のマネジメント教育

有給休暇の取得は、現場のマネジメント層の意識に大きく左右されます。管理職自身が率先して有給を取得する姿勢を示しましょう。また、次のように管理職の意識改革も有効です。

  • 有給取得は権利であり、義務であるという認識を管理職に意識づける
  • 部下が休む際に「誰が」「いつまでに」「何を」フォローするかを明確にするための計画的な業務配分や進捗管理のスキルを教育する
  • 取得の申請に対してネガティブな反応や圧力をかけないよう、管理職向けの研修でハラスメント防止と心理的安全性の重要性を教育する

5-2. 取得率を人事評価に反映させる

従業員に有給休暇の取得を奨励するだけでなく、その取得を支えた組織や管理職を評価する仕組みを導入することは、企業文化を定着させるうえで有効です。

例えば管理職を評価する場合、部下の有給休暇取得率を、管理職の評価項目(KPI)の一つに組み込みます。取得率が低い場合は、チームのマネジメントに問題があるとみなし、改善を促します。

5-3. 業務共有など属人化解消の仕組みを構築

「自分がいなければ仕事が回らない」という業務の属人化は、有給消化を妨げる要因です。誰が休んでも業務が停滞しない体制を構築することが根本的な解決策となります。

例えば、マニュアルや手順書の整備、情報共有ツールの活用などで属人化の解消につなげましょう。

6. 労働基準法に基づく有給消化に関連するよくある質問

男性二人のイラスト

ここでは、労働基準法に基づく年次有給休暇の消化に関するよくある質問を紹介します

6-1. パート・アルバイトにも有給の消化義務はある?

パート・アルバイトであっても、年次有給休暇は従業員の権利として認められています。また、年10日以上の有給が付与されるパート・アルバイトについては、企業に対して年5日の有給を確実に消化させることが義務付けられています。

なお、週所定労働時間が30時間未満で、かつ週所定労働日数が4日以下のパート・アルバイトについては、週の所定労働日数(または年間所定労働日数)および勤続年数に応じて、年次有給休暇が比例付与されます。

そのため、すべてのパート・アルバイトが年10日以上の年次有給休暇を付与されるわけではありません。年5日の取得義務の対象となるかどうかは、有給の法定付与日数を個別に確認する必要があります。

参考:年次有給休暇の付与日数は法律で決まっています|厚生労働省

関連記事:パート・アルバイトも有給休暇は付与される?労働基準法の条件や日数を解説

6-2. 企業は業務が忙しいとき有給消化を拒否できる?

企業は単に「業務が忙しい」という理由だけで、従業員から請求された有給の消化を拒否することは原則としてできません。

ただし、希望した時季に取得させることが「事業の正常な運営を妨げる場合」には、企業に時季変更権が認められています。

しかしその場合も、企業は代替要員の確保や業務分担の調整など、可能な限り休暇を取得できるよう配慮したうえで、時季変更権を慎重に行使する必要があります。

6-3. 有給消化の理由を企業へ申告してもらう必要はある?

年次有給休暇を消化する際、従業員が企業に取得理由を申告する義務は原則としてありません。有給は基本的に従業員が自由な目的で利用できます。

そのため、企業が「私用」「旅行」「通院」などの具体的な理由を申告させ、その内容を理由として有給の消化を認めないといった運用は適切ではありません。

申請書などに取得理由の記載欄を設けること自体が直ちに問題となるわけではありませんが、原則として記載を必須とせず、理由によって取得の可否を判断しない運用が望ましいでしょう。

7. 有休消化は労働基準法の取得義務を守り計画的に進めよう

話し合う女性

年次有給休暇は、従業員が自由に消化する時季を決めることが原則です。一方、企業には年5日の取得を確実にする義務があるので、有給休暇を取得しやすい環境を整えることが重要です。

退職時の未消化防止や管理職の意識改革など、社内体制を整えることで、従業員のエンゲージメント向上や離職防止にもつながります。法制度を正しく理解し、計画的な有給取得を促進しましょう。

「月末の勤怠締め、もっとラクにならないかな…」 とお考えの方へ

人事労務担当者の実務の中で、勤怠管理は残業や深夜労働・有休消化など給与計算に直結するため、正確な管理が求められる一方で、計算が複雑でミスや抜け漏れが発生しやすい業務です。
さらに、働き方が多様化したことで管理すべき情報も多く、管理方法と集計にお困りの方もいらっしゃるのではないでしょうか。そんな担当者の方には、集計を自動化できる勤怠システムの導入がおすすめです。

◆解決できること

  • 打刻漏れや勤務状況をリアルタイムで確認可能、複雑な労働時間の集計を自動化
  • 有給休暇の残日数を従業員自身でいつでも確認可能、台帳の管理が不要に
  • PCやスマホ・タブレットなど選べる打刻方法で、直行直帰やリモートワークにも対応

システムを利用したペーパーレス化に興味のある方は、ぜひこちらから資料をダウンロードの上、工数削減にお役立てください。

jinjer Blog 編集部

jinjer Blog 編集部

jinjer Blogはバックオフィス担当者様を支援するため、勤怠管理・給与計算・人事労務管理・経費管理・契約業務・帳票管理などの基本的な業務の進め方から、最新のトレンド情報まで、バックオフィス業務に役立つ情報をお届けします。

勤怠・給与計算のピックアップ

新着記事