給与計算ミスに気づいた時のお詫びの方法や注意点を文例とともに解説
更新日: 2024.11.15
公開日: 2020.12.10
OHSUGI
給与計算は、従業員に支払う賃金や、雇用保険・社会保険などに関わる大切な業務ですので、ささいなミスも許されません。しかし、人がおこなう作業に「絶対」はなく、時には計算間違いや計算漏れが発生することもあります。
もし給与計算にミスが発覚したら、従業員に対してお詫びすると共に、適切な対応をおこないましょう。
今回は、給与計算に間違いがあったときのお詫びの仕方や、注意すべきポイント、ミス後の対応などについて説明します。
【給与計算業務のまとめはコチラ▶給与計算とは?計算方法や業務上のリスク、効率化について徹底解説】
給与計算のミスは、残業の割増率などの単純な計算間違いだけでなく、そもそも労働時間の集計が誤っていた、昇給や介護保険の新規加入などを反映し忘れ社会保険料の徴収金額を間違えていたなど、様々な要因で発生します。
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1. 給与計算の間違いをお詫びする際の注意点
給与計算の間違いに気付いたら、ミスが見つかった従業員本人にその旨を通知し、誠心誠意お詫びをしましょう。ミスに気付いたのに知らん顔をしたり、嘘をついてごまかしたりすると、従業員に不信感を持たれる原因になります。
場合によっては訴訟に発展する可能性もありますので、ミスが発覚したら丁重にお詫びするのが最低限のマナーです。
1-1. お詫びのタイミングは、ミスに気付いたあとすぐに!
給与計算でミスが見つかったら、正確な給与明細を作り直したり、過不足分を調整したりする必要があります。
正しい給与明細を渡すときに謝罪すればよいのでは?と思うかもしれませんが、事後報告されたことに怒りや不快感を覚える方も少なくありません。
誠意を見せるためにも、ミスに気付いたらすぐに謝罪することを心がけましょう。
1-2. お詫びするときは、ミスの内容や今後の対応も伝える
給与計算のミスをお詫びするときは、ただ「申し訳ありません」と謝罪するだけでなく、どんなミスがあり、今後どのように対応するかも伝えることが大切です。
長々と説明すると言い訳と取られる可能性もありますので、「手違いで雇用保険料を通常より多く徴収してしまいました。◯日までに正しい給与明細を発行し、未払い分を支給します」など、重要な情報だけを簡潔に伝えましょう。
今後二度と同じようなミスを犯さないよう、しっかり対策を講じることも伝えておく必要があります。
1-3. 給与明細のミスが大人数に及んだ場合のお詫びの仕方
給与計算のミスは1~2人程度の少人数であれば、本人のもとへ直接伺い、謝罪するのがベストです。
ただ、給与計算ソフトの更新忘れや、システム上の不具合などによって給与計算のミスが大人数に及んでしまった場合、ひとりひとりと対面してお詫びするのは困難でしょう。
そんなときはお詫び状を作成し、書面やメールでミスがあったことを通達しましょう。文面では、口頭で謝罪する場合と同様、どんなミスがあったか、今後どのように対処するのかをわかりやすく説明します。
書面だとなかなか誠意が伝わりにくいので、事務的な文書になりすぎないように意識しつつ、謝罪と反省の言葉をしっかり記載することが大切です。
2. 給与計算間違いのお詫びメールの文例
前項でご紹介した注意点を踏まえた、給与計算の間違いが発覚した際のお詫びメールの例文を用意しました。
次のようなお詫び文を参考に、給与のミスが発生した従業員に対してメールをしてみましょう。
件名:給与計算ミスに関するお詫びと対応策について |
○○さん
お疲れ様です。○○部の○○です。 この度、給与計算の手続きにおいて以下の誤りがありました。 ご迷惑とご心配をおかけし、大変申し訳ございません。 (誤りの内容の例) 〇月〇日の休日労働手当の計算に誤りがあり、支払われるべき手当が不足しておりました 〇月〇日に年次有給休暇を取得に対し、誤って欠勤として処理してしまい、給与が不足しておりました 〇日の残業時間に適用する割増率を誤ってしまい、過剰な給与が支払われていることが判明しました お詫び申し上げますと共に、以下の対応策を講じてまいります。 (未払いがあった場合) ◯日までに正しい給与明細を発行し、誤った徴収額の未払い分を速やかにお支払いいたします。 (過払いがあった場合) 〇日までに過払い金額を正確に算出し、ご返金いただきたい金額を明示いたします。 また、今後の再発防止に向けて以下の対策に取り組んでまいります。 ・給与計算プロセスを再評価し、同様のミスが再発しないように対策を講じます。 ・社内の関係者に対して、厳密な審査手続きの徹底と人的ミスの防止策の強化を行います。 ご迷惑をおかけしましたことを重ねて深くお詫び申し上げます。今後とも、より一層の円滑な業務運営に努めて参りますので、何卒ご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。 |
3. 給与計算でミスをしたあとの3つの対応方法
従業員への謝罪が済んだら、ミスを訂正するための業務に取りかかります。早く訂正しなければと焦るところですが、ミスを繰り返すことは許されないので、入念にチェックしながら作業をおこないましょう。
3-1. 正しい給与明細の作成・送付
ミスがあった箇所を訂正し、正しい給与明細を作り直します。直接新しい給与明細を手渡すときは、訂正した箇所と正しい金額を伝えるとともに、差額分の徴収、もしくは、支払いの方法を説明します。
ミスが大人数に及んだ場合は、新しい給与明細と共に、説明のための用紙を添えて送付します。
3-2. 過不足の調整をおこなう
給与計算ミスによって賃金の過不足が発生した場合の対処方法は、過払い時と不足時で異なります。それぞれ手順を確認しましょう。
3-2-1. 過払いの場合
過払いが発生した場合は、原則として当月内に現金で払い戻してもらい、過払い金額を明記した領収書を渡します。勝手に翌月の給与から差し引くことは認められていませんので、注意が必要です。
ただし、労使協定で「給与計算にミスがあった場合は翌月調整する」と規定されている場合や、従業員が同意した場合は、翌月の給与から差し引き調整することが可能です。
3-2-2. 一部不足など未払いの場合
不足が発生した場合は、速やかに不足分を支給します。即時支給が原則ですので、人数が少ない場合は、従業員に直接手渡して領収書に捺印してもらう方法が手っ取り早いでしょう。
大人数にミスがあった場合は振込を利用した方が便利ですが、振込日が翌営業日に持ち越されないよう配慮する必要があります。
3-3. ミスの原因を究明し、対策を講じる
給与計算のミスは、従業員の信頼を失いかねない大きな失態です。
二度と同じ過ちを犯さないよう、ミスの原因を究明し、然るべき対策を講じることが大切です。
例えば、法令改正の情報を逐一チェックする、ダブルチェック体制を導入するといった有効な手段を取り入れれば、給与計算ミスの発生リスクを軽減することができます。
手書きやエクセルで給与計算をしている場合は、専用の給与計算ソフトを導入すると、人的ミスの予防に役立つでしょう。
給与計算ソフト(給与計算システム)は、給与計算や年末調整、社会保険などの処理を自動化するソフトのことを指し、導入することで税率が変わるたびの調整や従業員が結婚した際の控除額の調整など、今まで手間に感じていたであろう業務を簡素化することができます。
「給与計算ソフト(システム)で業務がどれだけ楽になり、ミスが減らせるのか知りたい」という方にむけ、給与計算システムジンジャー給与を例に、給与計算システムのサービス内容が分かる資料を無料で配布しておりますので、ミスを減らしたいとお考えの方はこちらから資料をダウンロードしてご確認ください。
【給与計算のミスを防止する方法はコチラ▶給与計算のミスを防止する5つの施策を原因別に解説】
4. 給与計算ミスが発覚したら速やかにお詫びしよう
給与計算に間違いがあることがわかったら、従業員に対してミスがあったことを伝え、心から謝罪しましょう。
なるべく対面でお詫びするのがベストですが、人数が多い場合は丁寧なお詫び状を作成し、メールや書面で送付するのがマナーです。
賃金の過不足は当月内に調整するのが原則ですので、謝罪後は速やかに調整業務に取りかかりましょう。
そのうえで、今後二度と同じ間違いを繰り返さないよう、ミス再発防止のための対策を徹底することが大切です。
【給与計算でミスした際の対応を知りたい方はコチラ
▶給与計算でミスしたときの対処法は?要因とその防止策もご紹介】
給与計算・年末調整で人気の記事はこちら
▶給与計算で社会保険料を算出する方法を分かりやすく解説
給与計算のミスは、残業の割増率などの単純な計算間違いだけでなく、そもそも労働時間の集計が誤っていた、昇給や介護保険の新規加入などを反映し忘れ社会保険料の徴収金額を間違えていたなど、様々な要因で発生します。
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