エンゲージメントサーベイの質問項目25選|人事担当者が押さえるべき設計のポイント
公開日: 2026.3.10 jinjer Blog 編集部

「従業員のモチベーションを可視化したい」「離職率を下げるために本音を聞き出したい」と考え、エンゲージメントサーベイの導入を検討されている人事労務担当者の方も多いのではないでしょうか。しかし、いざ質問を作ろうとすると、「何を聞けば組織の課題が見えてくるのか?」「質問数が多すぎて負担にならないか?」と悩んでしまいがちです。
本記事では、エンゲージメントサーベイの具体的な質問項目をカテゴリ別に網羅し、設計から運用までのステップを詳しく解説します。この記事を読むことで、自社の課題に合わせた最適なサーベイを構築でき、組織改善に向けた精度の高い分析が可能になるでしょう。
従業員の定着率の低さが課題の企業の場合、考えられる要因のひとつに従業員満足度の低さがあげられます。
従業員満足度を向上させることで、従業員の定着率向上や働くモチベーションを上げることにもつながります。
しかし、従業員満足度をどのように測定すれば良いのか、従業員満足度を知った後どのような活用をすべきなのかわからないという人事担当者様もいらっしゃるのではないでしょうか。
そのような方に向けて当サイトでは、「従業員満足度のハンドブック」を無料でお配りしています。
従業員満足度調査の方法や調査ツール、調査結果の活用方法まで解説しているので、従業員のモチベーション向上や社内制度の改善を図りたい方は、ぜひこちらから資料をダウンロードしてご活用ください。
1. エンゲージメントサーベイとは?質問項目を設計する重要性


エンゲージメントサーベイは、従業員から会社への愛着や絆(エンゲージメント)の状態を測定するための定量的調査です。似た言葉に「従業員満足度調査」もありますが、エンゲージメントサーベイでは単純な満足度ではなく、「自社の役に立ちたい」「数年後も同じ会社で働き続けたい」という従業員の自発的な意欲を測るのが特徴です。
関連記事:エンゲージメントサーベイとは?実施する意味・質問事項をわかりやすく解説!
1-1. 従業員満足度(ES)調査との違い
従業員満足度(ES)調査とエンゲージメントサーベイは、どちらも従業員の状態を把握するツールですが、測定対象と目的が異なります。
従業員満足度調査で測るのは、職場環境や給与、福利厚生、人間関係、ワークライフバランスなどの条件に対する「満足度」です。従業員の働きやすさや何に不満を感じているかを主眼に置きます。
それに対して、エンゲージメントサーベイは「組織への愛着」や「共通目標への貢献意欲」に焦点を当てます。目的はパフォーマンスの向上や離職防止です。
関連記事:従業員満足度(ES)とは?向上させるメリットと調査の流れを紹介
1-2. 質問設計がサーベイの成否を分ける理由
エンゲージメントサーベイの価値は、質問の質で決まります。質問項目が適切でないと、回答結果が漠然としたものになり、具体的なアクション(施策)に繋げることが難しくなります。
また、「仕事は楽しいですか?」といった抽象的すぎる質問や、似たような質問が延々と続くと、回答者は深く考えずに答えるようになるでしょう(回答バイアス)。そのような精度の低いデータでは正しい改善策が打てず、結局「調査しただけで終わった」と従業員に失望される悪循環に陥ります。
これらの理由から、人事担当者は、自社が抱える課題(離職、生産性、組織文化など)に基づいて質問を厳選する必要があるのです。
2.【カテゴリ別】エンゲージメントサーベイの具体的な質問項目例


一般的なエンゲージメントサーベイで頻用される質問項目を、5つの主要カテゴリに分類しました。
| カテゴリ | 質問項目の具体例 |
| 会社・ビジョン | 会社の経営理念に共感しているか、社会への貢献を実感できるか |
| 仕事内容・やりがい | 仕事に達成感を感じているか、自分の強みを活かせているか |
| 人間関係・上司 | 上司は自分の意見を尊重しているか、職場の人間関係は良好か |
| 職場環境・評価 | 適切な評価・フィードバックがあるか、必要なリソースが揃っているか |
| 個人の成長・キャリア | 5年後もこの会社で働きたいか、スキルアップの機会があるか |
効果的なサーベイをおこなうために、これらの5つの主要カテゴリからバランスよく選定しましょう。それぞれのカテゴリに分けて、具体的な質問項目の例を紹介します。
2-1. 会社・ビジョンへの共感に関する質問
従業員が組織の目標やビジョンに共感しているか、会社と同じ方向を向いているかを測ります。
- 会社の経営方針を理解していますか?
-
自分の仕事は組織のビジョンや経営理念に基づいていると感じられますか?
-
自社の製品やサービスは社会に貢献していると自信を持って言えますか?
-
経営陣からのメッセージは、納得感があり信頼できますか?
- 事業の方向性や目標設計について、経営陣は適切な意思決定をしていると感じますか?
2-2. 仕事内容・やりがいに関する質問
自身の仕事が組織にどう貢献しているか、裁量を持って働けているかを測ります。
-
今の仕事に誇りを持っていますか?
-
仕事を通じて自分の強みやスキルを十分に活かせていると感じますか?
-
仕事内容に、適度に挑戦する機会や成長できている実感がありますか?
-
仕事の負担は適切ですか?
- 自分の仕事が、チームや会社の目標達成にどう繋がっているか実感できますか?
2-3. 人間関係・上司からのフィードバックに関する質問
離職理由の多くを占める「人間関係」を可視化します。
-
上司は、仕事の結果だけでなくプロセスについても適切に認めてくれていると感じますか?
-
困ったときに上司に相談しやすい環境ですか?
- 職場では、反対意見や新しいアイデアを自由に発言できる雰囲気がありますか?
-
定期的な1on1や面談を通じて、適切なタイミングでフィードバックがおこなわれていますか?
- 部署や部門を超えた情報共有や連携の機会がありますか?
2-4. 職場環境・評価に関する質問
物理的な環境や、成果に対する正当な評価がなされているかを測ります。
- 今の職場には、効率的に業務を遂行するために必要な設備や情報が揃っていますか?
-
仕事とプライベートのバランスは保たれていますか?
- 現在の休暇制度や取得状況に満足していますか?
-
自社の評価制度は公平であり、成果や貢献が正当に反映されていると感じますか?
- 会社からの評価は適切だと感じますか?
2-5. 個人の成長・キャリア(自己成長の実感)に関する質問
従業員が自らの将来をこの会社で描けているかを測ります。このスコアが低い場合、キャリア自律への支援不足や、将来への不安による離職リスクが高まっているサインです。
-
現在の仕事を通じて、新しいスキルや知識を習得できていますか?
- 会社は、従業員の能力開発や学習の機会を十分に提供していますか?
-
友人や知人に「この会社で働くこと」を自信を持って勧められますか?
-
自分の数年後の目指すべき姿をこの会社の中でイメージできますか?
- 5年後もこの会社で働き続け、活躍したいと思いますか?
3. 効果を最大化する!質問項目設計の3つのポイント


サーベイを実施する際、ただ項目を並べるだけでは不十分で、設計段階で戦略的な絞り込みが必要になります。ここでは、実務者が必ず押さえておくべき3つの設計指針を解説します。
3-1. 設問数は「回答負荷」を考慮して絞り込む
会社としては、改善点を洗い出すために多くの情報を得たいところですが、設問が多すぎると逆に回答の精度が落ちてしまいます。適切な質問数は、サーベイの規模と実施頻度によって異なります。
-
パルスサーベイ(月1回): 5〜10問程度
-
センサス(年1〜2回): 50〜100問程度
定期的に決められた質問を繰り返し、組織のコンディションの変化をリアルタイムで追跡するパルスサーベイでは、1回あたり5〜10問程度がめやすです。一方で、まとまった期間に組織の全体像を深く分析するセンサスサーベイでは、50〜100問程度のの多角的な質問をするのが効果的でしょう。
3-2. 測定したい指標(KPI)を明確にする
エンゲージメントサーベイは、目的を明確にしたうえで実施しないと「手段の目的化」が容易に起こり得ます。「とりあえずやってみる」のではなく、例えば自社が今、離職防止に注力したいのか、従業員の生産性向上を目指したいのかを明らかにし、それによって質問項目を調整する必要があります。
3-3. eNPS(推奨度)などの標準指標の活用
eNPSは、「Employee Net Promoter Score」の略で、従業員の職場や企業に対する推奨度を数値化した指標です。「自分の職場を親しい友人に勧めたいと思いますか?」という質問に、0~10の11段階で回答してもらうことで、組織の全体的な健全性や従業員のエンゲージメントを数値化しやすくなります。
回答者を9〜10点の「推奨者」、7〜8点の「中立者」、0〜6点の「批判者」に分け、「推奨者の割合(%) – 批判者の割合(%)」でeNPSスコアを算出します。
3-4. 回答の匿名性と安全性を担保する
従業員の中には、回答が自身の評価に響くのではないかと不安を感じ、本音で回答できない人もいるかもしれません。正しい調査結果を得るには、「本音を言っても不利益が生じない」という安心感が不可欠です。第三者機関が提供する外部ツールを導入し、「会社側で個人の回答を直接見られない」仕組みを従業員に明示しましょう。
また、人数が少ない部署だと、誰がどのような回答をしたか推測できてしまう場合もあります。このようなケースでは、「回答者が5名未満の部署は結果を開示しない」等のルールを設けることで、個人の特定を防ぎます。
4. エンゲージメントサーベイの質問項目でよくあるFAQ


初めてサーベイを導入したり、設問を見直したりする際、人事担当者が直面しやすい疑問をまとめました。エンゲージメントサーベイを最大限に活用するためのヒントにしてみてください。
4-1. 質問項目は毎回変えるべき?
基本的にエンゲージメントサーベイでは定点観測が重要なため、あまり高い頻度で質問を変えることはおすすめできません。特に、会社のビジョンへの共感や上司との関係など、推移を見るべきものに関しては質問を変えずに長期的にデータを取り続けましょう。
例外的に、新制度の導入後やテレワーク開始時など、特定の施策に対する反応を見たいものは一時的に項目を追加することも考えられます。
4-2. 回答率を上げるための社内アナウンスのコツは?
従業員は通常業務の合間を縫って回答するため、「忙しいのに面倒だ」と思われない工夫が必要です。自分ごととして捉えてもらうために明確な実施目的を伝え、サーベイに回答して得られるメリットを強調するとよいでしょう。
また、「前回の調査結果を受けて、〇〇手当を新設しました」といった過去の改善事例を共有すると、回答への意欲を高められます。
サーベイ回答依頼のメールテンプレート
件名:【重要】[プロジェクト名/第〇回] 組織の現状に関するアンケート(エンゲージメントサーベイ)実施のお知らせ
従業員の皆様
お疲れ様です。人事部の[担当者名]です。
この度、当社では「より働きがいのある職場環境づくり」を目的として、全社的なエンゲージメントサーベイを実施することとなりました。
「今の仕事にやりがいを感じられているか」「上司とのコミュニケーションは円滑か」など、皆様の率直な本音を伺い、組織としての課題を正しく把握したいと考えています。
【本アンケートの目的】
皆様の声を数値化し、[離職防止/残業削減/社内コミュニケーションの活性化]といった、具体的な職場改善アクションへ繋げるためです。
【回答にあたっての重要事項】
- 回答内容は統計的に処理され、個人が特定されることはありません。また、本回答によって人事評価に影響が出ることは一切ございませんので、ご安心ください。
- 調査結果については後日フィードバックを行い、抽出された課題に対して経営層・人事部が責任を持って改善に取り組んでまいります。
【実施概要】
回答期限: [202X年○月○日(曜日) 18:00まで]
所要時間: 約[5〜10]分
回答方法: 以下のURL(またはQRコード)よりアクセスしてください。
[アンケートフォームのURL]
皆様のご回答が、これからの[会社名]をより良くする原動力になります。
お忙しいところ恐縮ですが、ご協力をよろしくお願い申し上げます。
[会社名] 人事労務部署
担当:[名前]
お問い合わせ先:[メールアドレス/内線番号]
5. 適切な質問項目で組織の現状を正しく把握しよう


エンゲージメントサーベイは、実施すること自体が目的ではありません。適切な質問項目で組織の現状を可視化し、具体的なアクションに繋げるための手段です。
まずは自社の状況に合った項目を選び、従業員との信頼関係を築く対話のツールとして活用していきましょう。もし項目の選定に迷ったら、まずは「仕事・人間関係・組織・環境」の4軸から数問ずつピックアップすることから始めてみてください。



従業員の定着率の低さが課題の企業の場合、考えられる要因のひとつに従業員満足度の低さがあげられます。
従業員満足度を向上させることで、従業員の定着率向上や働くモチベーションを上げることにもつながります。
しかし、従業員満足度をどのように測定すれば良いのか、従業員満足度を知った後どのような活用をすべきなのかわからないという人事担当者様もいらっしゃるのではないでしょうか。
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