法定休日と祝日の違いとは?重なる場合の対応方法や注意点を解説
更新日: 2026.3.30 公開日: 2021.9.3 jinjer Blog 編集部

「祝日に働いたのに残業代が少ないのはなぜか」と従業員から聞かれた際、十分に説明できず困った経験はありませんか?
「法定休日」「法定外休日(所定休日)」「祝日」の違いや残業代の扱い方を正しく理解し管理することは、労働時間や給与計算のトラブル防止に欠かせません。
本記事では、法定休日・法定外休日と祝日の定義や違いから、労働基準法改正による規制強化の動き、割増賃金の計算、休日管理上の注意点について解説します。
目次
人事担当者の皆さまは、労働基準法における休日・休暇のルールを詳細に理解していますか?
従業員に休日労働をさせた場合、代休や振休はどのように取得させれば良いのか、割増賃金の計算はどのようにおこなうのかなど、休日労働に関して発生する対応は案外複雑です。
そこで当サイトでは、労働基準法にて定められている内容をもとに、振休や代休など休日を取得させる際のルールを徹底解説した資料を無料で配布しております。
「休日出勤させた際の対応を知りたい」「代休・振休の付与ルールを確認したい」という人事担当者の方は、ぜひこちらから資料をダウンロードしてご活用ください。
1. 法定休日・法定外休日と祝日の違い

法定休日や法定外休日、祝日など、休日にはさまざまな種類があります。それぞれの定義や違いを理解し、正しく取り扱いができるようにしておきましょう。
1-1. 法定休日の定義
法定休日とは、労働基準法第35条で定められている最低限与えるべきとされる休日のことです。原則として、従業員に毎週少なくとも1回の休日を与える必要があります。例外として、4週間を通じ4日以上の休日を与えることも可能です。
法定休日に従業員を勤務させる場合は、あらかじめ「時間外労働・休日労働に関する協定(36協定)」を締結し労働基準監督署に届け出が必要です。この協定がない場合、法定休日の勤務は法令違反となります。
さらに、従業員を法定休日に勤務させた場合は、35%以上の割増賃金を支払う必要があります。
参考:労働基準法第三十五条|e-Gov 法令検索
参考:労働基準法第三十七条第一項の時間外及び休日の割増賃金に係る率の最低限度を定める政令|e-Gov 法令検索
関連記事:所定休日と法定休日の違いとは?休日出勤時の割増賃金の考え方も解説
1-2. 法定外休日(所定休日)の定義
法定外休日(所定休日)とは、法定休日以外に企業が独自に定める休日のことです。労働基準法上は義務ではありませんが、実務上は所定労働時間を週40時間におさめるため、週に2日の休日を設ける企業が多いのが実情です。この場合、週2日の休日のうち1日が法定休日、もう1日が法定外休日となります。
例えば、土日休みの週休2日制の企業では、法定休日を日曜日と定めた場合、土曜日が法定外休日です。
関連記事:法定休日と所定休日の違いや運用方法をわかりやすく解説
1-3. 祝日の定義
祝日(国民の祝日)とは、「国民の祝日に関する法律(祝日法)」で定められた国民的な記念日・祝日です。祝日法では「『国民の祝日』は、休日とする」と規定されており、これにより官公庁や学校などは祝日に休業します。
1-4. 祝日は休日にする義務がある?
祝日は労働基準法上の休日ではなく、企業に対して従業員を休ませる義務を直接課すものではない点に注意が必要です。つまり、祝日を休日にするかどうかは任意に決めることができ、多くの企業は一般慣行に従って祝日を休日としている一方で、祝日を営業・勤務日とする業種もあります。
2. 労働基準法大改正で法定休日の規制が強化される?


現在、労働基準法の大幅な改正が約40年ぶりに検討されており、法定休日に関する規制強化もその柱の一つとなっています。具体的には「14日以上の連続勤務禁止」や「法定休日の事前特定義務化」といった項目です。
労働政策審議会の議論によれば、14日以上の連続勤務を禁止し、あわせて法定休日の事前特定義務も盛り込まれる見通しです。つまり、就業規則やシフト表で「連続勤務が13日を超えない範囲で、どの日を法定休日とするか」をあらかじめ明示しなければならなくなる可能性があります。
ただし、これらは現時点では検討段階の論点であり、そのまま法制化されるとは限りません。政策判断や労使を取り巻く環境によっては、方向性や具体的な制度設計が変更される可能性もあります。政府の公表資料を継続的に確認し、必要に応じ就業規則や勤怠運用の見直しに備えるとよいでしょう。
関連記事:2026年の労働基準法の改正は見送り?施行時期や議論中のテーマを解説
関連記事:連続勤務日数が13日を超えると違法になる?労働基準法の改正案と実務対応を解説
3. 法定休日を与えないと違法になる


法定休日は労働基準法35条で定められた義務です。違反した場合、6ヵ月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金が科されることがあります。
そのため、法定休日に休日出勤をさせるには労使協定(36協定)の締結・届出が必要です。一方、法定外休日(所定休日)の労働については、法定労働時間内(1日8時間・週40時間以内)であれば36協定の締結・届出義務はありません。
さらに、法定休日に労働した場合、その労働時間はすべて休日労働手当の対象として扱われ、通常賃金の35%以上の割増賃金を支払うことが必要です。
関連記事:36協定の届出とは?作成の方法や変更点など基本ポイントを解説
関連記事:割増賃金とは?深夜や休日の割増賃金率や計算、副業の取扱などをわかりやすく解説
参考:労働基準法第三十五条、第百十九条|e-Gov 法令検索
4. 法定休日・祝日における割増賃金の計算方法


休日出勤の割増率は「その休日が法定休日か法定外休日か」で異なり、計算方法も変わります。また、法定休日と祝日が重なった場合の扱いや、深夜労働が絡む場合の割増率にも注意が必要です。ここではケース別に割増賃金の考え方を解説します。
関連記事:休日出勤手当はもらえない場合も?条件や割増率の計算をわかりやすく解説
4-1. 法定休日の割増賃金の計算法
法定休日に労働した場合は、労働基準法37条により35%以上の割増賃金(休日労働手当)を支払う必要があります。法定休日に働いた場合の割増賃金の計算式は次のとおりです。
法定休日の割増賃金=1時間あたりの基礎賃金×労働時間×割増率(1.35)
なお、午後10時から午前5時までの深夜帯に働く場合はさらに25%が加算されて60%となります。
当サイトでは、休日と休暇の定義の違いや、休日出勤を従業員がした場合の正しい方法について解説した資料を無料で配布しております。休日の定義を正しく理解しているか不安な方や、休日出勤時の対応が正しいか知りたい担当の方は、こちらから「休日・休暇ルールBOOK」をダウンロードしてご覧ください。
参考:労働基準法施行規則第十九条|e-Gov 法令検索
参考:労働基準法第三十七条|e-Gov 法令検索
関連記事:割増賃金の基礎となる賃金とは?計算方法など基本を解説
関連記事:月の所定労働時間|平均の出し方や残業時間の上限について詳しく解説
4-2. 祝日の割増賃金の計算法
祝日に出勤した場合の割増賃金計算は、「その祝日が法定休日か否か」で扱いが分かれます。祝日が法定休日に定められていない場合、1日8時間・週40時間の制限を超えている場合のみ、時間外手当を割増賃金として支払わなくてはなりません。
1日8時間・週40時間を超えた場合の割増賃金=1時間あたりの基礎賃金×労働時間×割増率(1.25)
割増率は25%であるため、1.25となります。なお、深夜帯に働く場合は25%が加算されて50%です。つまり、祝日だからといって特別な割増はなく、通常の平日勤務と同じ扱いとなります。
4-3. 法定休日と祝日が重なった場合
法定休日と法定外休日が重なった場合は、法定休日として扱います。祝日を法定外休日としていた場合でも、祝日に該当する日が法定休日の日であれば法定休日に該当します。
法定休日に休日出勤した場合は、35%以上の割増賃金を支払わなければなりません。そのため、法定休日と祝日が重なった日に出勤をした場合は、「法定休日の割増賃金の計算法」に則って計算をおこないましょう。
なお、法定休日は週に1回必ず与えなければいけませんが、現行法では曜日を指定する必要はありません。そのようなケースでは祝日がある週の考え方が混乱しやすいです。
就業規則にて土曜日・日曜日・祝日を従業員の休日としていると仮定し、以下のようなケースを想定してみましょう。
|
日曜日 |
月曜日(祝日) |
火曜日 |
水曜日 |
木曜日 |
金曜日 |
土曜日 |
|
休み |
休み |
8時間勤務 |
8時間勤務 |
8時間勤務 |
8時間勤務 |
休み (法定休日) |
※週の起算日は日曜
法定休日を定めていないケースでは、後ろに来る休日が法定休日になります。このような場合は、土曜日が法定休日に該当し、土曜日に労働した場合はその分の割増賃金を支払う必要があります。
祝日である月曜日に休みを取っていますが、このケースでは法定休日を月曜日にしていない限りは土曜日が法定休日になり、法定休日と祝日が重なるわけではないという点に注意が必要です。
5. 法定休日を管理する上での注意点

法定休日を巡るトラブルを防ぐためには、ルールの整備と正しい運用が不可欠です。ここでは、法定休日を就業規則で明確に定める必要性と、代休・振替休日の取り扱いについて注意点を説明します。
なお、祝日を管理する上での注意点は6章で解説します。
5-1. 就業規則で法定休日を決めておく
労働基準法において、法定休日の曜日などを定めることは規定されていません。そのため、法定休日を決めなくとも法的な問題はありませんが、可能であれば定めておいたほうがよいでしょう。
例えば、週休2日制で土日が休日の場合、土曜日と日曜日のどちらが法定休日なのか決めておかないと、休日手当を支払うべき曜日が定まらないことになります。
休日や給与の計算に曖昧な部分があると、従業員との間でトラブルに発展する可能性があります。厚生労働省の見解では、週の起算が日曜、土日休みの週休2日で法定休日を定めていない場合、土曜日が法定休日になるとされているため、日曜日を法定休日にする場合は必ず指定しましょう。
5-2. 代休と振替休日の扱いを正しく理解する
「代休」と「振替休日」は似たように使われる言葉ですが、法律上は明確に異なる制度です。それぞれの違いと適切な運用方法を理解しておく必要があります。
【1】代休と振替休日の違い
まずは代休と振替休日の違いを知っておきましょう。代休は、法定休日に働いた後でいずれかの労働日に休みを取るものです。この場合、企業は従業員に対して、法定休日に働いた割増賃金を支払わなければなりません。
一方で、振替休日は事前に法定休日と労働日を交換するものです。この場合は法定休日の割増賃金を支払う必要はありません。ただし、以下の3つを守る必要があります。
- 就業規則に振替休日の制度があることを規定する
- 振替の前日までに従業員へ法定休日の振替を通知する
- 振替休日の日付は明確に決めておく
本章で解説したように休日管理を怠ると、複数の法律違反になる可能性があります。そのため、用語の定義や休日・休暇の種類から正しく理解しなければなりません。
当サイトでは、労働基準法に沿って休日と休暇について解説した資料を無料で配布しております。休日・休暇について不安な点がある担当者の方は、こちらから資料をダウンロードしてご確認ください。
【2】他の労働日との交換は問題ない
前述したように、代休と振替休日には取得の方法や割増賃金の有無といった点で大きな違いがあります。
特に割増賃金は法律にも触れる部分であるため、必ず守るようにしましょう。「休日に働いたら必ず割増賃金が発生する」と勘違いしている従業員もいるため、ルールを明示してトラブルを防ぐことも大切です。
そうした点を守っていれば、法定休日として取るべき休みをほかの労働日と交換すること自体には問題ありません。
参考: 厚生労働省 青森労働局|賃金の支払いは足りていますか? 賃金台帳は整備されていますか?
関連記事:振替休日と代休の違いは?設定方法や法律違反になる場合を解説
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「2. 労働基準法大改正で法定休日の規制が強化される?」でも触れたとおり、今後の法改正では、法定休日の特定が義務化される可能性があります。現時点では就業規則で法定休日を特定せず、人事部門の内規などで曖昧に運用しているケースも散見されます。
改正を待たずとも、振替休日や代休の運用方法に不備がないか点検しておくとよいでしょう。
また、法定休日を正しく理解することは、正しい給与計算において不可欠です。休日の種類と割増率の関係性を整理し、勤怠管理システムや給与計算システムの設定も間違っていないか入念に確認することが大切です。
6. 祝日を管理する上での注意点


祝日は日給月給制の給与計算や週の所定労働時間に関して勘違いしやすいポイントがあります。ここでは、祝日がある場合の欠勤控除計算の注意や、週40時間制との関係について確認します。
6-1. 日給月給制では欠勤した場合の控除額が変わることがある
従業員の給与体系が日給月給制の場合、祝日が絡む月は欠勤控除額に注意が必要です。
日給月給制とは、あらかじめ月給額が定められているものの、欠勤した日があるとその日数分の給与を差し引く給与制度を指します。欠勤控除を「月給 ÷ 月の所定勤務日数 × 欠勤日数」という計算式で控除している場合、祝日が多く含まれる月は1日の欠勤が月給に与える影響が大きくなります。
ここで注意が必要なのが、通達では「欠勤控除は割増賃金(残業代など)を計算するための基礎賃金によって計算した金額を超えてはいけない」と整理されている点です。祝日が多い月の「控除し過ぎ」を防止したい場合は、次の計算式で欠勤控除の計算をおこなうと、月ごとに変わらず安全です。
月給 ÷ 1年のうち一番所定労働日が多い月の所定労働日数 × 欠勤日数」
6-2. 祝日が含まれる週の所定労働時間は40時間?
祝日がある週は労働日が祝日の分だけ減ってしまいます。ゴールデンウィークやシルバーウィークなど、祝日が多いときは数日分減ることもあります。
しかし、そのような場合でも法定労働時間は変動せず40時間のままです。所定労働日が4日や3日になったとしても、週の法定労働時間が変更されるわけではありません。
週の労働時間が40時間を超えない限りは割増賃金も発生しません。しかし、1日の労働時間が8時間を超えた場合は割増賃金が発生するため、週の労働時間だけでなく1日の労働時間も意識して管理しましょう。
7. 法定休日や祝日を正しく管理して適正な給与計算につなげよう


法定休日と祝日は、その法的性質も割増賃金の扱いも全く異なるものです。法定休日は必ず与えなければならない休日であり、違反すれば罰則の対象となります。一方、祝日を休日とするかは企業が任意に定めることができ、法定休日と重ならない限りは法定外休日です。
休日出勤時の割増賃金計算においても、法定休日か所定休日かで適用すべき割増率が異なります。特にこれから法改正で連続勤務の上限規制や法定休日の特定義務が導入されれば、一層休日管理の厳格化が求められるでしょう。
休日管理のルールを周知徹底し、必要に応じ勤怠システムなども活用しながら、安心して働ける職場環境づくりに役立てていただければ幸いです。
関連記事:休日と休暇の違いとは?休みの種類や勤怠管理のポイント



人事担当者の皆さまは、労働基準法における休日・休暇のルールを詳細に理解していますか?
従業員に休日労働をさせた場合、代休や振休はどのように取得させれば良いのか、割増賃金の計算はどのようにおこなうのかなど、休日労働に関して発生する対応は案外複雑です。
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