経費処理の流れを効率化するポイントとよくある問題点を解説
更新日: 2024.10.10
公開日: 2020.10.23
jinjer Blog 編集部
仕事をおこなううえで、社員が経費を立て替えることは珍しくありません。社員が立て替えをした場合、その後必ず申請をしてもらい、経理が清算をする必要があります。
社員は払い戻しされるまでの間は自己負担をしている状態になるため、迅速な処理が求められます。しかし、経費の処理は多くの人が関わる業務であり、払い戻しまでに時間がかかることが多いです。
本記事では、経費精算の基本的な知識や経費処理の流れ、経費処理が滞ってしまう原因、経費処理を効率的におこなうためのポイントについて解説します。
目次
「経理担当者になってまだ日が浅いため、基本知識をしっかりつけたい!」
「法改正に関する情報収集が大変で、しっかりと対応できているか不安・・・」
「仕訳や勘定科目など、基本的なこともついうっかり間違えてしまうことがある」などなど日々の経理業務に関して不安になることはありませんか?
特に経費精算は毎月頻繁に発生する経理業務ですが、細かいルールや規定があり、注意が必要です。また直近の電子帳簿保存法やインボイス制度など毎年のように行われる法改正に対して、情報を収集し適切に理解する必要があります。
そこで今回は、仕訳や勘定科目などの基礎知識から、経理担当者なら知っておきたい法律知識などを網羅的にまとめた資料をご用意しました。
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1. そもそも経費精算(処理)とは
経費精算とは、従業員が会社のためにお金を立て替えて支払い、その立て替え分を会社が従業員に支払うことを指します。例えば、交通費や宿泊費など、現金やクレジットカードなどで支払った金額に対して、精算処理をおこないます。
経費として処理できるものとしては会社の事業に関係する支出に限られており、金額や利用した場所、日時などを証明できる領収書が存在することが前提です。
また、会社の業務に関係ない場合でも、利益に繋がる場合は経費として認められます。特に接待交際費としてどこまで認めるかは常識的な判断にゆだねられているのが現状です。
2. 一般的な精算方法と経費処理の流れ
経費処理には、実際に経費を利用する社員やその上司、経費の処理をおこなう経理部門の担当者などが関わります。
経費処理の流れは以下のようになっていることが多いです。
- 社員が経費を立て替える
- 経費精算書を上司に提出する
- 上司の承認を得た後に経費精算書を経理部門に提出する
- 決裁権限者や経理担当者が承認をする
- 経理担当者が仕訳をおこなう
- 社員に払い戻しをする
ここでは、それぞれのステップについて説明していきます。
2-1. 社員が経費を立て替える
クライアントや取引先に訪問するために交通機関を利用する、仕事に必要な消耗品を購入する、出張のために新幹線に乗る、など業務に必要な費用は本来会社が負担すべきものです。
それらの費用を一時的に支払っている社員は経費を立て替えていることになります。
社員が経費精算をおこなうためには、自分が確かに経費を立て替えたということを証明するために、領収書を受け取らなければなりません。
この際、領収書のあて名は社員の個人名ではなく、会社名になっている必要があります。
2-2. 経費精算書を上司に提出する
経費を精算するには、経費精算書を従業員に提出してもらう必要があります。
会社ごとにフォーマットは異なるものの、経費精算書には一般的に以下のような内容の記入が求められることが多いです。
- 申請日
- 申請者氏名
- 所属部署
- 経費を利用した日時・場所
- 経費を利用した理由・目的
- 金額
会社で定めている必要事項を記入して、上司に提出してもらいましょう。
なお、受け取った領収書は経費精算書に添付する形で提出することが多いです。
2-3. 上司の承認を得た後に経費精算書を経理部門に提出する
経費精算書を上司が承認したあとは、経理部門に経費精算書が回されてくるのが一般的です。
この時に上司の承認が得られていないまま止まっている経費清算書が増えると、経理部門にもまとまって提出がされてしまいます。
とくに月末近くは経費清算書が集中することが多く業務負担が増えるため、できるだけこまめに提出してもらうように工夫するとよいでしょう。
2-4. 決裁権限者や経理担当者が承認をする
決裁権限者や経理担当者は、経費清算書の内容を確認して承認をおこないます。
会社の規則に則った利用がされているか、計算ミスや記載漏れはないか、領収書と内容は一致しているかなど、確認事項は多くあります。
2-5. 経理担当者が仕訳をおこなう
経費清算書が承認されたら、経費として計上するために経理担当者は仕訳をおこないます。
仕訳は経費の種類によって異なり、交通費や接待交際費などわかりにくい科目もあります。間違いがないように適切に処理をしましょう。
2-6. 社員に払い戻しをする
経理部門の担当者が経費精算書を確認して、問題がなければ精算をします。
経費精算の方法は会社によって異なり、現金による直接の払い戻しや銀行口座への振り込みなどが代表的です。
また、精算のタイミングも給料振込と同時に行われることもあれば、経費のみ別で振り込まれることもあります。会社の基準に合わせて処理をしましょう。
3. 経費処理の流れで起こりがちな問題点
経費処理は業務が複雑で、多くの人が絡む点からさまざまな問題を抱えることが多いです。その中でも特に多い問題点を見ていきましょう。
3-1. 承認や確認業務で歩留まりが発生する
経理担当者は、各社員がどれほどの経費を立て替えている状況にあるのか、申請がなければ把握することができません。
そのため、経費精算書の作成や提出、確認業務など忘れられていたり、遅れていたりする場合は、経理側では何もできない状態になってしまいます。
月末付近になって慌ててまとめて提出されることも多く、業務量が偏ってしまうことも少なくありません。
3-2. 申請内容の間違いや差し戻し
領収書と経費申請書の内容が異なっていたり、会社の規則を違反している内容で申請がされたりしていると、確認作業が必要になります。
従業員本人へのヒアリングから始まり、適正な経路が選択されていることや金額の妥当性などの面からも申請内容をチェックしなければいけません。
こうした業務が増えると1件の処理に時間がとられてしまい、経理担当者の負担増で業務が遅延する恐れがあります。
3-3. 保存が必要な書類が多い
経費申請では領収書をはじめ、法律で定められた保存期間が存在する書類があります。
紙の領収書や経費精算書を使っている場合は、それらの保存に必要なスペースの準備や、管理にコストがかかってしまいます。
また、保存するために必要な備品の購入や保存に関連する業務も増えてしまうでしょう。
4. 経費処理を効率化する4つのポイント
経費処理の効率があがることは、経理担当者はもちろん経費を立て替えている社員にとってもメリットがあります。
経費処理を効率化するポイントは以下の4つが挙げられます。
- キャッシュレス決済を活用する
- 社内チャットツールなどを活用する
- デュアルディスプレイを導入する
- 経費精算システムを導入する
これらを意識して迅速かつ確実な経費処理ができるようにしましょう。
4-1. キャッシュレス決済を活用する
現金を利用して支払いを行うと、10円や50円といった金額の誤差が出てしまうことはどうしても避けられません。小さな誤差でも、数字が合うまで確認しなければならないため、経理業務の負担になります。
キャッシュレス決済を利用すれば、お金のやり取りはデータでおこなわれるようになり、金額に誤差が発生する可能性は限りなく低くなります。
また、キャッシュレス決済では支払いの履歴を確認できるため、いつどこで経費を利用したのかの追跡が容易になります。この点からも経費処理の効率化が可能です。
支払いやチャージで貯まるポイントを備品の購入などに充てられるということも、副次的なメリットとして考えられます。
関連記事:キャッシュレス決済の導入で押さえるべき経費処理のコツ
4-2. 社内チャットツールなどを活用する
数日前に出張に行っていたはずの社員からいつまで経っても経費精算書が提出されないなど、申請が遅れている場合は社員に個別に連絡をしなければいけません。その際に社員がいる部署や席まで行っていては、時間をとられてしまいます。
社内のチャットツールがあれば、手軽に連絡ができるようになり時間のロスを減らすことが可能です。
チャットツールにはtodoリストを作成できるものもあるため、そのような機能も活用することで経費精算書の提出に関する意識付けも自然とできるでしょう。
4-3. デュアルディスプレイを導入する
経費処理の作業では、複数のファイルを同時に開きながら作業することが多いです。
その際にひとつのファイルを確認して、そのウィンドウを一度小さくして、別のファイルを開くという流れを繰り返すと時間がかかってしまいます。
デュアルディスプレイを導入して、複数の画面で複数のファイルを同時に確認しながら作業を行える環境にすれば、業務効率の改善ができます。確認もしやすくなるため、ミスを減らすことにもつながるでしょう。
4-4. 経費精算システムを導入する
経費精算システムの導入も、経費処理の効率化に大きく寄与すると考えられます。
経費精算システムにはインストール型のものとクラウド型のものがあり、クラウド型のものであればインターネットに接続できる環境さえ整えておけば、会社のどのパソコンでも経費処理をおこなうことができます。
導入には費用がかかり、導入直後は操作や新しいシステムに戸惑うこともありますが、自社に適したシステムを導入できればそうしたリスクよりも恩恵の方が大きくなりやすいです。
経費の支払いにキャッシュレス決済を導入している場合は、経費精算システムと会計システムを連携させることで支払いデータを自動的に取り込んでくれるのも重要なポイントです。
経理担当者だけでなく、実際に経費を利用する社員の手間も大幅に減らしてくれるでしょう。
関連記事:経費処理の重要性や効率的におこなうための5つのポイント
5. 自社に適したツールやシステムで経費処理の流れを効率化しよう
経費処理には多くの人が関わるため、うっかりや些細なミスが発生すると経費処理の流れは簡単に滞ってしまいます。
経費処理を効率化するには個々の意識も重要ですが、それだけでは限界があります。精算システムの導入やハードの見直しなども含めた、環境面からも改善を目指しましょう。
経費処理の効率化は経費削減をはじめ、会社の利益率を向上させることにもつながります。ぜひ検討して必要なシステムを導入しましょう。
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「法改正に関する情報収集が大変で、しっかりと対応できているか不安・・・」
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特に経費精算は毎月頻繁に発生する経理業務ですが、細かいルールや規定があり、注意が必要です。また直近の電子帳簿保存法やインボイス制度など毎年のように行われる法改正に対して、情報を収集し適切に理解する必要があります。
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