勤務態度の評価項目は何が必要?従業員のモチベーションを下げないコツを解説
更新日: 2025.5.1
公開日: 2025.4.20
jinjer Blog 編集部
「勤務態度の評価項目をどのように決めるべきかわからない」
「勤務の評価を実施後に、従業員のモチベーションを維持する方法を知りたい」
勤務態度の評価項目や査定方法で悩んでいる人事労務担当者も多いのではないでしょうか。
本記事では、勤務態度について着目し、6つの評価項目や査定結果で従業員のモチベーションを下げないためのコツを解説します。
評価基準や方法も紹介するので、自社に合った評価制度の導入に役立ててください。
目次
人事評価制度は、健全な組織体制を作り上げるうえで必要不可欠なものです。
制度を適切に運用することで、従業員のモチベーションや生産性が向上するため、最終的には企業全体の成長にもつながります。
しかし、「しっかりとした人事評価制度を作りたいが、やり方が分からない…」という方もいらっしゃるでしょう。そのような企業のご担当者にご覧いただきたいのが、「人事評価の手引き」です。
本資料では、制度の種類や導入手順、注意点まで詳しくご紹介しています。
組織マネジメントに課題感をお持ちの方は、ぜひこちらから資料をダウンロードしてご確認ください。
1. 勤務態度の6つの評価項目
従業員の勤務態度を適切に査定するための主な評価項目は、以下の6つです。
- 経営意識
- 安全意識
- 積極性
- 責任性
- 協調性
- 規律性
勤務態度の評価において、「必ずこの項目を含めなければいけない」などのルールはありません。必要な項目を盛り込んで、自社に最適な評価制度を制定できます。
1-1. 経営意識
経営意識は、自社の経営方針や理念、目標を正しく理解して業務を遂行しているかどうかを評価します。具体的な評価ポイントは、以下のとおりです。
- コスト意識を持って業務に取り組んでいる
- 自社の方針や理念を踏まえて行動できている
売上が高くてもコストがかかりすぎると、利益が残りません。また、目標を達成していても、経営方針に反して行動する従業員がいれば、企業の評判は下がります。
目標の達成度や売上額などの数値で判断せず、高い経営意識を持って業務に取り組んでいるかどうかを査定しましょう。
1-2. 安全意識
安全意識とは、業務を進めるうえでの安全確保や事故防止に対する意識を評価する項目です。主に、以下の事項を評価します。
- 安全のためのルールを遵守している
- 危険を予測して回避する行動が取れている
- 適切な身だしなみ・服装で業務に臨んでいる
大型の重機や機械などを操作する建設業や製造業において、安全意識の浸透はとくに重要です。安全意識を持ち、組織の安全文化の醸成に対する貢献度を評価しましょう。
1-3. 積極性
積極性とは、自発的な行動力の有無や業務に対する姿勢を評価する項目を指します。従業員の積極性を評価するポイントは、以下のとおりです。
- 迅速かつ意欲的に業務に取り組んでいる
- 困難な状況に対して自ら解決策を考えて行動している
- 必要に応じて業務改善の提案ができている
- スキルアップに取り組んでいる
状況を良くするため積極的に発言したり行動したりする姿勢は、組織の成長につながります。積極性を査定する際は、自発的な行動で業務に取り組めているかどうかを見極めましょう。
1-4. 責任性
責任性とは、自分自身で責任を持って業務に取り組んでいるかどうかを評価する項目を指します。従業員の責任性を評価するポイントは、以下のとおりです。
- 業務を最後まで確実に遂行できている
- 期限を守っている
- 問題発生時に自分自身で適切に対処できている
- ミスを隠さずに報告し改善しようとしている
責任感の強い従業員は、信頼性の高さでチーム全体の業務品質向上に貢献します。自分自身の業務に責任を持ち、チームに貢献しているかどうかを査定しましょう。
1-5. 協調性
協調性とは、ほかの従業員との連携の円滑さや問題なく関係を構築できているかどうかを評価する項目です。具体的には、以下のようなポイントで従業員の協調性を査定します。
- チームワークを重視して行動している
- 他部署との連携に積極的に取り組んでいる
- 自分自身と異なる意見や立場を尊重して業務に取り組んでいる
- チームの良好な雰囲気づくりに貢献している
協調性の高い従業員は、組織のコミュニケーションを活性化し、職場の人間関係を良好に保つことで、離職率の低減などに寄与するでしょう。
1-6. 規律性
規律性は、職場においての基本的なマナーや礼儀を守る姿勢や、自社の規則を遵守しているかどうかを評価します。
従業員の規律性を評価するための項目は、以下のとおりです。
- 職場内での言葉遣いや態度が適切か
- 自社の規程やルールに違反して行動していないか
規律性の高い従業員は、職場の秩序維持や組織文化の形成に貢献するため、企業イメージの向上にも寄与します。規律性は基本的かつ重要な評価項目といえるでしょう。
2. 勤務態度の評価基準
勤務態度の評価は、3段階や5段階など数値を基準にする制度が一般的です。評価が偏らないよう、各段階の定義を明確にする必要があります。
5段階評価を採用する場合の定義の事例は、以下のとおりです。
段階 | 評価の定義 |
5(☆) | 模範的 |
4(◎) | 期待以上 |
3(○) | 平均的 |
2(△) | やや不十分 |
1(×) | 不十分 |
数値評価する際、なぜその段階の査定結果になったのか、具体的な理由を記載します。
客観的な視点による理由が詳しく記載されていることで、従業員が査定の妥当性を認識できるでしょう。
3. 勤務態度を評価する方法
勤務態度を適切に評価するための方法は、評価シートの活用です。評価シートを活用する際は、欠勤や遅刻の回数など、数値で定量的に評価できる項目の目標値と結果を記入します。
定量的な評価項目があることで、客観的な視点で判断でき、公平な査定が可能です。
評価は半年や1年など定期的に実施し、査定結果は必ず本人にフィードバックしましょう。また、改善点だけでなく良い点も伝え、具体的な行動目標を一緒に設定すると従業員の成長につながります。
4. 勤態の評価で従業員のモチベーションを下げないためのコツ3選
勤務態度の評価で従業員にモチベーションを下げさせないようにするコツは、以下の3つです。
- 対象期間の行動のみを評価する
- 複数人で評価する
- 評価に感情を含めない
4-1. 対象期間の行動のみを評価する
従業員のモチベーションを下げないため、対象期間内の行動のみ評価することが重要です。
何年も前の行動や印象のまま査定すると、現在の改善しようとする姿勢や努力が正当に評価されません。このため、「数年前はよく期限を守れていなかった」など、過去の記憶で現在の評価を下げるのは避けるべきです。
対象期間内で観察できた客観的事実に基づいて査定することで公平性が保たれ、従業員のモチベーションを維持できるでしょう。
4-2. 複数人で評価する
一人の上司だけでなく、同僚や部下なども含めた複数人による評価システムも、モチベーション維持に効果的です。
直属の上司のほか、部門長や同僚などの評価も取り入れた360度評価を実施することで、多角的な視点から査定できます。
360度評価の導入で特定の評価者の偏った査定が緩和できる点も、自社の状況に合うように評価できるメリットです。複数人で評価することで査定の公平性を保てるため、従業員のモチベーションも下がりにくくなります。
4-3. 評価に感情を含めない
評価する際に最も避けるべきなのは、評価者の感情が査定に影響することです。個人的な好き嫌いや気分によって評価が左右されると、公平性が損なわれ従業員の信頼を失います。
評価は、常に客観的な事実と明確な基準に基づいておこないましょう。チェックリストを活用して各項目を冷静に評価することで、感情に左右されない公平な査定を実現できます。
5. 適切な評価項目で従業員の勤務態度を公平に評価しよう
勤務態度の評価項目は、「経営意識」「安全意識」「積極性」「責任性」「協調性」「規律性」から、自社に必要な項目を自由に設定できます。5段階評価など明確な基準を決めて、評価シートを作成し、客観的な視点で公平に勤務態度を評価することが重要です。
評価の基準が曖昧な場合、従業員が査定結果に不満を感じて業務へのモチベーションが下がりかねません。従業員のモチベーションを維持できるよう、勤務態度を適切に評価できる制度の導入が必要です。
自社にはどのような評価項目が必要か検討し、最適な評価制度を導入しましょう。
人事評価制度は、健全な組織体制を作り上げるうえで必要不可欠なものです。
制度を適切に運用することで、従業員のモチベーションや生産性が向上するため、最終的には企業全体の成長にもつながります。
しかし、「しっかりとした人事評価制度を作りたいが、やり方が分からない…」という方もいらっしゃるでしょう。そのような企業のご担当者にご覧いただきたいのが、「人事評価の手引き」です。
本資料では、制度の種類や導入手順、注意点まで詳しくご紹介しています。
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