賞与の決め方とは?種類と支給基準・計算方法・留意すべきポイントを解説 - ジンジャー(jinjer)|人事データを中心にすべてを1つに

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賞与の決め方とは?種類と支給基準・計算方法・留意すべきポイントを解説

男性「賞与の決め方が知りたい」

「賞与の計算方法がわからない」

「賞与を決める際に注意すべき点は?」

賞与の決め方について、上記の疑問をもつ人事労務の担当者もいるのではないでしょうか。

賞与の決め方は企業ごとに異なるものの、代表的な賞与の種類や支給基準は共通しています。あらかじめ一般的な賞与の支給法を押さえてから自社の方針に合わせて落とし込むと効率的です。

本記事では、賞与の決め方を解説します。一般的な賞与の種類や決定時のポイント・注意点なども解説するので、ぜひご一読ください。

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1. 賞与の決め方は企業の就業規則や雇用契約によって異なる

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賞与は、企業ごとの方針や経営状況に応じて柔軟に決定可能です。なお、法的には必ずしも従業員に賞与を支給する義務はないため、制度として導入しなくても問題ありません。

ただし賞与の決め方については、企業の就業規則にあらかじめ明示しておく必要があります。この規定は労働基準法によって定められている事項です。就業規則に賞与に関するルールを明記してから支給しましょう。

就業規則に定められた内容と実際の賞与の支給内容が異なる場合には、トラブルのもととなります。

例えば、就業規則に「基本給の3ヵ月分の賞与を支給」と定められている場合、業績不振を理由に勝手に支給額を減らすことはできません。業績次第で支給額を増減する可能性がある場合、あらかじめ就業規則に記載しておくのが肝要です。

賞与に関する基本的な方針は就業規則で定めつつ、従業員ごとに雇用契約で支給条件や金額を補足することも可能です。

2. 賞与を決めるときに知っておきたい種類と支給基準

男女

賞与は企業ごとに自由に決定できますが、一般的には以下のいずれかの方法で決めることが多いです。

  • 基本給連動型賞与
  • 業績連動型賞与
  • 決算賞与

具体的な内容は次のとおりです。

2-1. 基本給連動型賞与

基本給連動型賞与は、従業員の基本給を支給基準にするオーソドックスな賞与です。

「基本給の〇ヵ月分」の形式で賞与額を計算するのが一般的です。

シンプルで導入しやすい方法ですが、基本給のみを基準とする場合、従業員ごとの業績が反映されにくく、不公平に感じられることがあります。

企業によっては、従業員の業績評価や勤怠実績を加味し、個別に支給額を調整する方法もあります。

2-2. 業績連動型賞与

業績連動型賞与(業績賞与)は、企業や部門、従業員個人の業績などを支給基準にする賞与です。

企業が得た利益や、従業員の貢献度に応じて賞与を支給するため、従業員のモチベーションにつながりやすいメリットがあります。

一方で、個人や部署の業績が好調でも、企業全体の業績が芳しくない場合は賞与が減額されることもあります。従業員の不満につながる可能性がある点に留意しましょう。

2-3. 決算賞与

決算賞与は、業績が好調だった企業が決算時に支給する賞与です。企業の利益を従業員に還元する制度のため、一定の利益が出ていなければ支給されません。

決算時に賞与を支給することで、一定の要件を満たせば金額を損金算入できます。企業側は法人税の節税につながる点がメリットです。

3. 賞与額の計算方法

計算

賞与額の計算方法について、以下の3つにわけて解説します。

  • 基本給連動型賞与の計算方法
  • 業績連動型賞与の計算方法
  • 決算賞与の計算方法

詳しく見ていきましょう。

3-1. 基本給連動型賞与の計算方法

基本給連動型賞与はシンプルで、以下のどちらかで計算されるのが一般的です。

  • 基本給×支給月数
  • 基本給×支給月数×支給率

基本給連動型賞与の場合、通常は「基本給×支給月数」で計算可能です。しかし従業員ごとの業績や勤怠状況を反映させるため、支給率を設定して調整することもあります。

支給率を設ける際には、事前に判断基準を設けて周知しておくのが大切です。

従業員の手取り支給額は、算出した賞与額から社会保険料や所得税を差し引いた金額です。具体的には、以下の項目が控除されます。

控除項目 計算方法
厚生年金保険料

(上限150万円/月)

標準賞与額×厚生年金保険料率÷2
健康保険料 標準賞与額(年間上限573万円)×健康保険料率÷2
介護保険料 標準賞与額×介護保険料率÷2
雇用保険料 賞与額×雇用保険料率
所得税 (賞与-社保合計額)×前月給与額と扶養人数で決定した所得税率

標準賞与額は、賞与額から1,000円に満たない分を切り捨てた金額を指します。また、厚生年金や社会保険料は、従業員と企業で折半するため、計算時には「÷2」で求めます。

なお、退職者や産休・育休取得者は、社会保険料が適用外となる場合があるため、社会保険料が賞与から控除されないケースもあります。賞与支給前に、保険資格喪失状況を確認しておきましょう。

3-2. 業績連動型賞与の計算方法

業績連動型賞与は、以下の計算式で決定します。

  • 基準額×評価係数

基準額は、業績目標や利益目標に応じて、年度初めに賞与原資の総額から設定します。評価係数には、企業全体の業績指数と従業員個人の評価を反映させ、掛け合わせて賞与額を決定するのが一般的です。

賞与額が決定したら、基本給連動型賞与の場合と同様に、社会保険料や所得税を控除して支給します。

3-3. 決算賞与の計算方法

決算賞与は、以下のような方法で決定するのが一般的です。

決算賞与の決め方 概要
一律型 従業員の業績や勤務年数に関係なく、余剰利益を均等に分配する方式
給与連動型 給与の額を基準とし、給与×支給率で計算する方式
給与非連動型 従業員の業績・等級・勤続年数や部署の業績などを加味して算出する方式

決算賞与も、基本給連動型賞与や業績連動型賞与と同様に、支給時には社会保険料や所得税が控除されます。

4. 賞与を決定する際に留意すべき3つのポイント

はてな

賞与を決定する際に留意すべきポイントは以下の3つです。

  • 評価基準を明確化しておく
  • 賞与の計算システムを精査する
  • 就業規則や雇用契約に定められた賞与の支給方法・支給額は守る

具体的に解説していきます。

4-1. 評価基準を明確化しておく

賞与を支給する際は、あらかじめ評価基準を明確に定めておくことが重要です。

評価システムの透明性が確保されていないと、従業員の不満につながります

従業員の評価に納得感がないと、モチベーションの低下を招き、結果的に会社の業績悪化の原因になります。事前に評価基準を周知のうえ、公平に評価するのが大切です。

4-2. 賞与の計算システムを精査する

賞与の計算システムは、定期的に精査して見直しておくことが重要です。

システムが複雑すぎると従業員に理解されにくく、企業側の運用負担も大きくなるため、シンプルな基準を設けるのがおすすめです。

個人や部署ごとの業績評価を反映するシステムの場合は、過剰な差がつかないよう配慮してください。些細なミスを原因に賞与を大幅に減額すると、不当に賞与を削減したと判断される可能性があるため注意が必要です。

4-3. 就業規則や雇用契約に定められた賞与の支給方法・支給額は守る

就業規則や雇用契約で定められた賞与の支給方法や支給額は必ず守りましょう。

守らなかった場合、労働基準法に違反します。企業の業績が悪化し経営状況が苦しかったとしても、事前に設定した内容に従って賞与の支給が必要です。

業績に応じて賞与を減額したり、支給を取りやめたかったりする場合には、あらかじめ就業規則や雇用契約に明記しておきましょう。

ただしシステムを変更する際には、従業員に対して説明の場を設けたうえで一定の移行期間を設けて段階的に導入することが重要です。

5. 賞与の決め方に関するよくある質問

計算

賞与の決め方に関するよくある質問について、以下の2つを紹介します。

  • 中小企業は賞与をどうやって決めている?
  • 賞与の平均額はどれくらい?

回答は次のとおりです。

5-1. 中小企業は賞与をどうやって決めている?

中小企業の中でも、従業員が数十人規模の企業では業績連動型賞与を取り入れるケースが増えています。

中小企業は景気変動の影響を受けやすく、業績が安定しにくい傾向があります。そのため、企業の業績に応じて柔軟に支給額を調整できる業績連動型の賞与を選ぶのが合理的といえるでしょう。

5-2. 賞与の平均額はどれくらい?

厚生労働省の発表によると、令和6年末の賞与の平均額と支給率は以下のとおりです。

平均賞与額 賞与支給率
調査産業計 413,277円 77.8%
事業所規模30人以上 478,373円 92.6%

産業ごとに見た場合、平均賞与額のトップ3は以下のようになります。

産業 平均賞与額
電気・ガス業 943,474円
情報通信業 707,303円
金融業、保険業 641,032円

自社の賞与支給時の参考にしてください。

参考:毎月勤労統計調査 令和7年2月分結果速報等 ≪特別集計≫令和6年年末賞与(一人平均)|厚生労働省

6. 賞与の決め方を把握しスムーズに支給しよう

ブロック

賞与の決め方は企業の裁量に委ねられていますが、無秩序な運用では従業員の不信感やトラブルにつながる恐れがあります。

支給方法や金額の決め方を就業規則や雇用契約にしっかり定め、評価基準や計算システムも含めて周知しておくことが重要です。

本記事で紹介した各ポイントを参考に、自社の制度を見直しながら、納得感のある賞与制度を運用していきましょう。

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人事評価制度は、従業員のモチベーションに直結するため、適切に設計・見直し・改善をおこなわなければ、最悪の場合、従業員の退職に繋がるリスクもあります。

しかし「人事評価制度に改善したいが、いまの組織に合わせてどう変えるべきか悩んでいる」「前任者が設計した評価制度が古く、見直したいけど何から始めたらいいのかわからない」という方もいらっしゃるでしょう。

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