年末調整のめんどくさいを解消!解決策とやらない場合のリスクを解説
更新日: 2025.12.24 公開日: 2021.9.24 jinjer Blog 編集部

12月が近づくと、人事や労務の仕事は増え繁忙期に入ります。年末調整も重要な業務の1つで、期限もあります。また、年末調整は煩雑な業務や計算も必要なことから、めんどくさいと感じやすい業務であるため、スケジュールを調整して早めに手を付ける必要があります。
本記事では、年末調整がめんどくさいと思われる理由について解説し、関連業務を楽にするポイントを紹介します。
「書類収集から計算、提出まで工数がかかりすぎる」「電子化の義務化に対応したい」などの理由から、年末調整の電子化をお考えではありませんか?
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目次
1. 年末調整がめんどくさいと思われている理由


年末調整は年に一度しかない手続きのため、書類作成に慣れていない従業員も多く、「書類がなかなか揃わない」「記入ミスが多い」など、スムーズに作業が進められない要素が色々とあります。
総務や経理の業務負担を減らし年末調整を効率化させるためにも、まずは年末調整が面倒に感じる4つの理由を知っておきましょう。
1-1. 申告書類が期日までに揃わない
年末調整は作業に時間がかかることから、従業員が提出するべき書類に期限を設けていることが多いです。
全従業員の申告書を期日までに回収できれば、年末調整の作業もスムーズに進むでしょう。しかし、なかなか担当者の思い通りにならないケースも多いです。例えば、「年度末で多忙」「書き方がよくわからなくて後回しにする」などの理由により、従業員が期日を守れないことが考えられます。
期日を過ぎている従業員がいる場合、個別に提出を促す対応をしなければならず、作業工程が余計に増えてしまいます。また、期日までに提出されても、年末調整の申告書類が足りなかったり、控除証明書が添付されていないなどの場合も、同様の対応が必要です。こうした従業員に対する個別のフォローが必要な点は、年末調整がめんどくさいと思われる大きな理由です。
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年末調整の必要書類の集め方|スムーズに手続きするためには?
1-2. 内容の確認や修正依頼が必要になる
年末調整の申告書には、普段聞きなれない税務上の用語が多く登場します。また、年に一度しか書類を作成しないため、従業員が記入方法を覚えていないことも多いでしょう。
これらの理由によって、記載を間違ったまま従業員から申告書が提出されることがあります。この場合にも、個別に従業員へ書き方の指導をおこなうなど、別途作業が発生します。
このように、紙で年末調整をおこない、従業員が手書きで記入する場合、数字が読みにくかったり、記載ミスが発生したりすることで、業務がスムーズに進まないという悩みを抱える企業は多いです。当サイトでは年末調整を電子化することで、年末調整のどの業務を楽にできるのかをまとめた資料を無料で配布しています。年末調整の電子化にご興味のある方は、
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年末調整の書類で間違いに気づいたときの正しい訂正方法
1-3. 個別のチェックや計算が煩雑になる
年末調整で扱う所得控除の数は、全部で11種類あります。申告される所得控除の内容は、従業員それぞれで異なるため、個別に計算が必要となってきます。
もちろん、従業員数が多い企業では計算にかかる手間や時間も膨大です。また、制度の変更があり年末調整のルールや計算方法が変わると、新制度にあわせて計算しなくてはならないため、慣れないうちは時間がかかってしまうかもしれません。
そのため、年末調整の作業前に改正された事項がないかどうか確認しておく必要もあります。
1-4. 報告書類を作成しなければならない
各従業員の計算が終わったら、計算結果に応じて所得税の過不足分を従業員へ還付、または徴収します。
また、税務署や従業員が居住する各自治体へ提出する報告書類の作成も必要です。報告書類には、支払調書や法定調書合計表、源泉徴収票、給与支払報告書などがあります。
このように、煩雑な計算が終わっても、やらなくてはいけない作業が多くあり、業務の多さや複雑さも年末調整の業務負担増につながっています。
2. 年末調整のここが特にめんどくさい


年末調整がめんどくさいと思われやすい理由をお話してきましたが、実際に業務をおこなう部署では細かい業務が積み重なって負担になっています。人事や労務の現場でのより具体的な業務負担をみていきましょう。
2-1. 紙の書類が多い
年末調整に関連する書類は、従業員から提出してもらう申告書や、税務署や市区町村に提出する書類など、さまざまなものがあります。
いずれの書類も紙の場合は、紛失や破損、記載ミスなどが発生しやすく、管理に手間がかかります。
パソコンと紙の書類を交互に見ながら業務をおこなう点も、些細な手間ではありますが積み重なると時間のロスにつながります。
年末調整は、紙とデジタルが入り交ざる業務になりやすい点も現場の負担を増やす要因です。
2-2. 忙しい時期に業務が重なる
12月が近づくと、仕事の締め切りやボーナスの支給、年賀状やお歳暮の準備など、普段とは違う業務が次々に発生します。
季節の行事や忘年会などをおこなう慣習のある会社では、そうしたイベントの準備にも時間をとられることになるはずです。
そうした忙しさの中に、年末調整も入ってきます。年末調整に関連する法定調書は、翌年の1月31日までに税務署に提出するという期限もあるため、年内に可能な限り進める必要があります。忙しい中で期限を守らなければならないという状況は、担当者のストレスになりやすいです。
2-3. 全従業員の対応をしなければならない
年末調整は、一部の例外(ダブルワークでほかの勤務先で年末調整をする人や、給与収入が2,000万円以上の人など)を除いて全従業員に必要な業務です。年末調整が必要ない従業員でも、年末調整が不要であることを改めて確認する業務が発生します。
さらに、新入社員などで年末調整に不慣れな場合や、家族や控除内容に変更が合った場合などは、質問が来ることもあります。経理や労務をおこなう人員が少ない場合は、こうした個別の対応に時間をとられ、業務が進まなくなることがあります。
2-4. 確認作業にも時間がかかる
年末調整は源泉徴収税と実際の所得税の過不足を調整し、正しい所得税を納付するための重要な業務です。そのため、計算ミスや記載漏れなどは許されません。
ミスを見落とさないように、ダブルチェックや、繰り返しの確認が必要な点も年末調整の業務を増やすポイントです。
2-5. 制度が変わるたびに対応が必要
年末調整は、税制や控除要件などの制度が変わるたびに対応が必要です。
変更が発生した場合、アナログな方法で業務をしている場合は、計算式の修正や調整なども必要になるでしょう。
こうした細かいながらも積み重なりやすい業務が、年末調整のめんどくさいポイントになっています。現場がどのような業務に時間をとられているのか、しっかりと把握した対応が求められます。
3. 年末調整をおこなわないことによるリスク


年末調整は、非常に骨の折れる業務ですが、年末調整を実施しなかったり、提出期限を守れなかったりすると、企業や従業員に大きなリスクが生じます。
どのようなリスクが発生するのか、具体的にみていきましょう。
3-1. 罰則が科される可能性がある
企業が年末調整を実施することは、所得税法上で義務付けられています。
年末調整を実施しないと、10年以下の拘禁刑もしくは200万円以下の罰金が科される可能性があります。また、徴収した所得税を期日までに納付しない場合、期日の翌日から遅れた日数に対して延滞税を原則支払わなくてはいけません。
罰則が科せられるだけでなく、もしメディアなどで取り上げられてしまうことがあると、社会的な信用を失うことになるでしょう。年末調整を実施しないことは、企業にとって非常に大きなリスクになることを理解することが大切です。
なお、源泉所得税の納付期限は翌年の1月10日、書類の提出期限は翌年の1月31日です。期限に遅れてしまった場合、すぐに罰則を科せられることはありません。遅れそうな場合は、予め税務署に連絡をいれることで数日の猶予をもらえるのが一般的です。
参照:所得税法|eーGOV法令検索
参照:No.9205 延滞税について|国税庁
関連記事:年末調整しないことによる罰則内容を詳しく紹介
3-2. 従業員の税額や作業の負担が増える
年末調整をしないことは、企業が罰せられるだけではなく、従業員にも大きな負担を与えてしまいます。とくに大きな問題は、年末調整によって戻るはずだった所得税の還付金が返金されず、所得税を多く支払うことになる点です。
さらに、年末調整が実施されないと、従業員が個々に確定申告をする必要がでてきます。
従業員にとっては金銭面でも手間の面でも負担となる可能性があるため、注意しましょう。
関連記事:年末調整をしないとどうなる?考えられる5つのリスクを解説
4. めんどくさい年末調整を楽にするポイント


年末調整は作業量が多いことから、少しでも手間を省き、余裕をもって作業を終わらせたいものです。ここでは、年末調整の業務効率につながるポイントについて解説します。
4-1. 年末調整の作業スケジュールを作成する
年末調整の作業スケジュールを組んでおくことで、いつ何をやるかが明確となり、スムーズに作業を進めることができます。
参考までに、年末調整の作業スケジュールの一般的な流れについて紹介します。
(10月下旬~11月)
- 年末調整の申告書の配布・注意事項の周知
- 年末調整の申告書への記入・回収
- 申告書のチェック・不備箇所の修正依頼
(12月)
- 年末調整の計算
- 源泉徴収簿の作成
(1月)
- 源泉所得税の納付
- 法定調書の作成・提出
年末調整の記入ミスが多いと修正依頼の手間が増えるため、年末調整の作業スケジュールにも影響が出る可能性があります。とくに経験の浅い若手社員などは、よく分からないままに記入してしまい、ミスにつながっているケースもあるでしょう。
こういったミスを減らすためには、年末調整の記入マニュアルを作成しておくのがおすすめです。とくに記入ミスの多い内容については、あらかじめ注意事項として従業員に周知しておくとよいでしょう。
▼年末調整のやり方について知りたい方はこちら
年末調整のやり方・手引きをイチから分かりやすく解説
4-2. 年末調整の申告を電子化する
紙でおこなっていた年末調整の申告を、電子化することで色々な手間を省くことができます。電子化されることで、以下のようなメリットがあります。
- 用紙での回収作業が不要となり、コスト削減もできる
- 従業員側での控除額の計算や記入が簡略化できるため、ミスが減る
- 給与システムと連携させることで、年税額の計算が容易になる
- 用紙での保管が不要となる
- 控除証明書の電子データでのやり取りが可能となる
- 制度の変更にも対応しやすい
年末調整の申告を電子化するには、専用のソフトウェアの導入が必要となります。
国税局が無償で提供している「年調ソフト」を利用するほか、民間企業が取り扱っている多機能なクラウド型システムを導入する方法もあります。
関連記事:年末調整の電子化はここまで進んでいる!気になる手続きの方法
関連記事:年末調整手続きの電子化は義務?令和2年からの改正内容
4-3. 会計ソフトを導入する
給与計算や年末調整を手計算している場合は、会計ソフトを導入することで、計算にかかる手間や時間を大幅に削減することができるでしょう。
機能が充実している会計ソフトは多く、なかには給与計算のみならず年末調整の計算もおこなえるものもあります。
なお、こうした会計ソフトは年末調整の時だけでなく、普段の給与計算にも活用できるため、導入を検討するのもひとつの手です。
4-4. 代行・アウトソーシングを利用する
従業員数が少ない企業で経理担当者が雑務も担当している場合や、経理・労務の担当者が足りていない場合などは、業務過多になることがあります。
確認不足や計算ミスなどが発生するリスクが高まるため、状況に応じて専門家などに代行・アウトソーシングを検討しましょう。
年末調整に関わる一部の業務を依頼するほか、年末調整は自社でおこないその他の業務を依頼するということも考えられます。
コストはかかりますが、年末調整の遅れやミスは大きな問題になることもあるため、余裕をもっておこなえるように環境を整えましょう。
5. 年末調整のめんどくさいを解消して確実に処理しよう


年末調整がめんどくさいといわれる理由には、期日までに書類が揃わない、書類の不備、計算やチェックの煩雑さ、報告書類の作成などがありました。
これらは、記入マニュアルの準備、年末調整の申告の電子化、給与システムの導入、アウトソーシングの活用などによって解決できます。
年末調整が面倒だからといって実施しないのは、企業や従業員にとって大きなリスクとなります。
今回紹介した内容を参考に、手間を減らして効率よく作業を進めましょう。
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