年末調整の電子化は義務?令和3年の改正内容と電子申請のやり方を解説 - ジンジャー(jinjer)| クラウド型人事労務システム

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年末調整の電子化は義務?令和3年の改正内容と電子申請のやり方を解説

これまで年末調整の電子化は任意でしたが、令和3年1月提出分の年末調整から電子申告の義務化が適用されています。すべての企業に義務があるわけではありませんが、電子化に移行することで得られるメリットは多くあります。

本記事では、年末調整の電子化が義務化された対象についてや、年末調整の電子化で享受できるメリット、年末調整が電子化に変わる背景、年末調整の電子化に対する国税庁の対応、年末調整の電子申請手順など詳しく解説します。

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「書類収集から計算、提出まで工数がかかりすぎる」「電子化の義務化に対応したい」などの理由から、年末調整の電子化をお考えではありませんか?

しかし、電子化といっても、これまでのやり方と異なるため具体的なイメージがつかないご担当者様も多いのではないでしょうか。

そのような方に向け、当サイトではシステムを導入して電子化することによって、年末調整の業務がどのように変わり、工数削減ができるのかまとめた資料を無料で配布しております。

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1. 令和3年1月より年末調整の電子申請が義務化される場合がある

年末調整を行う従業員

令和3年1月の申告分から、法定調書(年末調整)の電子化が義務づけられました。対象となる企業は、前々年度(2年前)に発行した法定調書が種類ごとにみて100枚以上である企業です。電子化の対象となった場合、e-Taxまたは光ディスク等で申告しなければなりません。

例えば、令和元年に発行した給与所得の源泉徴収票が120枚であった場合、令和3年度の申告から給与所得の源泉徴収票は電子化の対象となります。ただし、電子化の対象となるのは法定調書の種類ごとになるため、年末調整にかかわる法定調書を100枚以上発行していなければ、電子化の対象とはなりません。

もし電子化に対応せず書面での申告を行った場合、その申告は無効となり無申告加算税の対象となってしまうため、自社が電子化の対象になっているかしっかりと確認しておきましょう。

1-1. 年末調整の電子化とは

年末調整の電子化は、従業員の保険料控除や住宅ローン控除に必要となる書面を、データとして受け取ることが可能となり、書面での保管などが不要です。

また、従業員は申告書への記入や、控除額の計算といった手間のかかる作業も不要となります。電子化された申告書データは、オンライン上で保管しておくことができるため、従来の書面での申請にかかる膨大な作業も入力ミスも大幅に削減することができます。

▼電子化について詳しく知りたい方はこちら
年末調整の電子化はここまで進んでいる!気になる手続きの方法

1-2. 電子化できる書類

年末調整に必要な申告書類や添付書類のうち、電子化できる書類は以下のとおりです。

  • 給与所得者の扶養控除等申告書
  • 従たる給与についての扶養控除等申告書
  • 給与所得者の配偶者控除等申告書
  • 給与所得者の基礎控除申告書
  • 給与所得者の保険料控除申告書
  • 給与所得者の住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除申告書
  • 所得金額調整控除申告書
  • 退職所得の受給に関する申告書
  • 公的年金等の受給者の扶養親族等申告書

なお、保険会社などの発行事業者から電子データで発行してもらうことで、控除証明書も電子データで提出することが可能です。

ただし、従業員自身が発行事業者に電子発行を依頼する必要があります。期限に余裕を持つだけでなく、周知徹底が必要となるため、注意しましょう。

また、自社が電子申告に対応できない状態で、電子データの控除証明書を受け取ってしまった場合は、「QRコード付証明書等作成システム」を利用して書面にすることも可能です。

参考:令和3年分 年末調整のしかた|国税庁

参考:控除証明書等の電子的交付について|国税庁

1-3. 年末調整を電子化することで業務はどう変わるのか

これまで、控除証明書を税務署より書面で受け取り、保管をし、それらのデータをもとに従業員が自ら支払う各種保険料などの必要項目を申告書へと記入する必要がありました。

年末調整の担当者は、申告書を配ったり、回収したりだけでなく内容確認を行い、源泉徴収税の納付そして税務署などへの書類提出といった作業をおこなっていました。

これら従来の作業をすべて電子化することによって、担当者側も従業員側も、年末という多忙を極める時期に起こっていた多くの事務作業を、簡素化することが可能となります。

それだけでなく、書面でのやり取りが一切発生しないことより、パソコンを利用したリモートワークであっても、申告書の提出が容易なものに変わるのです。

1-4. 年末調整を電子化するメリットとデメリット

年末調整は、必要書類を揃えたり、忙しい年末に重なる作業ということもあり、従業員にとっても担当者にとっても、大変骨の折れる業務とされていました。

とくに年末調整の担当者は、早期の段階で提出を呼びかけても、従業員が思うように提出してくれなかったりと、すべての従業員をまとめるということは、とても大変なことでもありました。それは、年末調整にかかるすべての作業が書面によるものであったということが、最も大きな原因です。

その反面、「年調ソフト」などの専用システムの導入や収集や申請のやり方を変える必要があるなどのデメリットも存在します。

それぞれ確認して、「そもそも電子化するのか」「電子化する場合は、どこまで電子化するのか」を検討しましょう。

▼ペーパーレス化についてはこちらをチェック
年末調整のペーパーレス化とは?その背景や課題を詳しく解説

2. 年末調整が電子化に変わる背景

年末調整が電子化に変わる背景

働き方改革の取り組みは、高齢者や女性、家族の介護をおこなう方、病のために療養中の方など、多岐にわたる働き方に対応し、労働生産性を高め、一億総活躍社会を実現を目指す政府の取り組みです。

この働き方改革の実現を目指す目標の1つとして、2018年に税制の見直しがおこなわれています。その見直しのなかの1つに、「税務手続の電子化等の推進」という項目があり、2020年以降に実施すべきことに「所得税の確定申告・年末調整手続の電子化」が挙げられています。

2018年の税制改正は、さまざまな働き方や給料の底上げ・生産性向上などに対応するために、法人課税や個人所得課税、資産課税や消費課税、国際課税というような税制を見直して、そのうえで納税環境を整えるために納税手続きの電子化などを推進するという目的です。

この納税手続の電子化には、2つの具体策があり、その1つが年末調整手続きの電子化なのです。

3. 年末調整の電子化に対する国税庁の対応

国税庁の社員

毎年の年末調整業務における多くの手間を削減するため、国税庁は、年末調整の電子申請化を進めています。想定される電子申請の手続きは、国税庁の公式ホームページより確認することができます。

【参照】国税庁:年末調整手続の電子化について

【参照】国税庁:年末調整手続の電子化に向けた取組について(令和2年分以降)

3-1. 年末調整の電子申請手順

  1. 従業員が基本情報を控除申告作成用ソフトウェア(国税庁が開発中)に基本情報(氏名、住所など)を入力
  2. 銀行や保険会社、税務署から送付される控除証明書データを取り込む
  3. 控除申告作成用ソフトウェアで各種控除申告書を作成し企業へ提出
  4. 企業は、内容をチェックして適宜修正・変更を加え、国税庁にオンライン上で年末調整のデータを提出

このように、国税庁は、銀行や保険会社の発行する控除証明書を含めて、会社での控除申告書の作成をすべて電子化するシステムを整えていく予定です。デジタル庁の設立など、現在、政府を主導にDX化が推進されています。

実際に法定調書が100枚以上ある企業は、令和3年度より年末調整の電子化が義務付けられました。今後、適用範囲がすべての企業に拡大する可能性は否定できません。

電子化が実際に義務化されてからシステムの情報収集を始めると、対応を急ぐばかりに納得のいくシステムを導入できないリスクが発生します。そうならないために、早くから情報収集しておくことをおすすめします。

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3-2. 年末調整の電子化にあたりソフトウェアの導入を検討する必要がある

年末調整の電子化にあたり、各種申告書を作成するためのソフトウェアの導入を検討する必要があります。国税庁が開発を進める「年末調整控除申告書作成用ソフトウェア」を活用することのほか、民間会社よりリリースされている、クラウド型システムを取り入れるといった方法もあります。

このクラウド型システムを活用することによって、下記のメリットを享受できます。

  • スマートフォンやタブレットなど各種端末からの活用
  • 給与システムへの連携
  • クラウド上での控除証明書の保管

また、国税庁が無償で提供するアプリケーションとして、「年調ソフト」の存在があります。

このソフトは、国税庁の公式ホームページなどより、企業の従業員や担当者がパソコンやスマートフォンにダウンロードすることで使用可能なアプリとなっています。

各金融機関や保険会社のサイトから、事前にダウンロードしておいた控除証明書の電子データを、入力案内に従ってインポートを行うことによって、控除証明書などの詳しい内容が自動的に入力されます。

このアプリケーションは、正確な控除額が素早く計算されるなど、画期的で非常に便利なシステムです。

会社での業務量は、年を追うごとに増加していくなかで、このシステムを利用すれば、業務の効率化を図ることができるだけでなく、業務における心的負担も軽減することが可能です。

関連記事:年末調整をネットで手続きするために必要な準備・方法

4. 年末調整の電子化をして業務効率を上げよう

年末調整を電子化して業務効率を上げる

国は、マイナンバーカードを活用した個人の電子申請の加速を一層進めるべく、健康保険証としての活用を可能としたり、自治体による消費活性化の具体策の計画をしたりと積極的に進めています。

マイナンバーカードの普及が今以上に広がることで、公的機関への申請なども電子化の流れへと移行することとなり、年末調整の電子化だけに限らず、将来的に幅広い申請にかかる作業の電子化が加速していくものと予測されています。

社会が変化していくにつれ、情報技術の進化も問われています。どんなに書類の多い企業であっても、いつかは電子化へと移行していかなければ、後の重要な取引などで、想定外のミスをしてしまう可能性もあります。

そうした事態に陥らないためにも、今回解説をした年末調整の電子化のように、書面から電子化へと少しずつでも移行していくことが、必要であるといえるでしょう。

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しかし、電子化といっても、これまでのやり方と異なるため具体的なイメージがつかないご担当者様も多いのではないでしょうか。

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MEGURO

MEGURO

HR NOTEのライター、総合求人サイトとシニア向け情報メディアの立ち上げを経て、現在はjinjer blogの運営に携わっています。 事業視点から、バックオフィスの重要性を啓蒙するコンテンツを作っています。 保有資格:ファイナンシャル・プランニング技能士(3級)

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