年末調整はいつが期限?具体的なスケジュールや提出書類を解説 - ジンジャー(jinjer)|クラウド型人事労務システム

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年末調整はいつが期限?具体的なスケジュールや提出書類を解説

ペン立て

年末調整は所得税を正しく納めるために非常に重要な手続きのひとつです。期日を過ぎたり、ミスがあったりすると従業員にも負担がかかり、会社の信用問題になることもあります。

企業としての責任を全うするために、年末調整はいつおこなうべきか、期日や対象となる人など、守るべきことを確認していきましょう。

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令和7年度の税制改正によって、令和7年12月の年末調整から変更が生じます。

  • 「令和7年分の年末調整で提出する書類は?」
  • 「アルバイトやパート、退職者に年末調整は必要?」
  • 「年収の壁の引き上げで年末調整はどう変わった?」

このような疑問をお持ちの方に向けて、令和7年分の年末調整に必要な書類から対象者、計算の流れまで、年末調整に関する基本的な業務を図解でわかりやすくまとめた資料を無料で配布しております。

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1. 年末調整はいつ実施する?

カレンダー

年末調整は、その年の10月頃~翌年1月末日にかけて実施されるのが一般的です。ここでは、年末調整の対象者やスケジュールなど、基礎知識について詳しく解説します。

1-1. そもそも年末調整とは?

年末調整は、所得税法に基づき雇用主がおこなう義務です。年末調整とは、従業員の給与などから源泉徴収した税額の合計額と、その年の納付すべき所得税額(年税額)を比較し、過不足額を精算する手続きのことです。

毎月の給与などから天引きする源泉所得税は、源泉徴収税額表を基に概算で計算されているため、必ずしも年税額と一致するとは限りません。また、年税額はその年の収入金額や控除額が確定して初めて計算ができます。そのため、年末に手続きをおこなうのです。

関連記事:年末調整とは?その必要性や基本的な書き方についてわかりやすく解説

1-2. 年末調整の対象者

年末調整の対象者は、その年の最後の給与などを支払うときに会社に在籍していて、「扶養控除等申告書」を提出している従業員すべてです。ただし、以下の人は、年末調整の対象外となるので注意が必要です。

  • その年中に支払われる給与などの総額が2,000万円を超える人
  • 災害減免法に基づきその年の給与等に係る所得税について徴収猶予や還付を受けた人

なお、年の途中で退職した人など、次のようなケースに該当する場合も年末調整の対象者に含まれます。

  • 海外支店等に転勤して非居住者となった人
  • 死亡によって退職した人
  • 著しい心身の障害のために退職した人(退職した後に再就職をし給与を受け取る見込みのある人は除く)
  • 12月に支給されるべき給与等の支払を受けた後に退職した人
  • その年の給与の総額が103万円以下の人(※令和7年度税制改正により変更の可能性あり)

参考:No.2665 年末調整の対象となる人|国税庁

関連記事:年末調整の対象者とは?必要な書類や確定申告との関係も解説

1-3. 年末調整のスケジュール

主な年末調整のスケジュールは、以下の表の通りです。

年末調整スケジュール

主な手続き

10月

  • 年末調整に必要な書類(扶養控除申告書など)を従業員に配布する

11月

  • 従業員から年末調整に必要な書類を回収する

12月

  • ・年末調整の計算をおこなう(年税額の計算など)
  • ・最後の給与の支払いの際に過不足額を精算する(還付もしくは追徴)

翌年1月

  • ・12月分の源泉所得税を納める
  • ・従業員、税務署、市区町村それぞれに対して必要書類(源泉徴収票など)を交付・提出する

「年末調整をいつから始めなければならない」といったスケジュール上の決まりはありません。ただし、従業員による必要書類の提出や記入内容の確認、会社側での控除適用や所得税額の計算など、年末調整には多くの工程があります。記入ミスや計算間違いによる差し戻しが発生する場合もあるため、余裕をもって準備を始め、スケジュールを組むことが重要です。

参考:No.2505 源泉所得税及び復興特別所得税の納付期限と納期の特例|国税庁

1-4. 年末調整の提出期限

年末調整により会社が従業員・税務署・市区町村に交付・提出すべき以下の書類は、法令に基づき提出期限が定められています。

交付・提出書類

交付先・提出先

提出期限

源泉徴収票

従業員および提出義務がある場合は税務署

翌年1月31日

支払調書

税務署

法定調書合計表

税務署

給与支払報告書

各従業員の住所地の市区町村

このように、法定調書などの提出期限が翌年1月31日に設定されていることから、その日までには年末調整を完了させなければなりません。

関連記事:年末調整とは?確定申告との違いや必要書類、計算の流れをわかりやすく解説

2. 年末調整の必要書類

書類

年末調整は翌年の1月31日が提出期限とされており、これを守って提出しなければなりません。守れなかった場合は従業員を巻き込んだ問題になったり、法令に基づき罰則が与えられたりする可能性もあります。各申告書の提出期限や従業員からの提出物の期限を確認しておきましょう。

2-1. 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書

「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」は、その年の最初に給与などの支払を受ける日の前日(年の途中から勤める場合には、最初の給与の支払を受ける日の前日)までに提出してもらう必要があります。。

つまり、その日が「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の提出期限です。実際の対応は会社によって異なることもあります。

なお、当初提出した申告書の記載内容から変更があった場合には、その変更の日の後で最初に給与の支払を受ける日の前日までに、変更の内容などを記載した申告書を提出してもらう必要があります。

また、非居住者である親族についての扶養控除又は障害者控除の適用を受ける場合には、その年最後の給与支払日の前日までに、その親族と同一生計で暮らしている旨を記載したうえで、提出してもらうようにしましょう。

参考:A2-1 給与所得者の扶養控除等の(異動)申告|国税庁

2-2. 給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 給与所得者の特定親族特別控除申告書 兼 所得金額調整控除申告書

「給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 給与所得者の特定親族特別控除申告書 兼 所得金額調整控除申告書」は、その年最後に給与などの支払を受ける日の前日までに提出してもらう必要があります。ただし、年末調整は時間や手間がかかるため、会社として期限を早めに設定するとよいでしょう。

参考:A2-4 給与所得者の基礎控除、配偶者(特別)控除、特定親族特別控除及び所得金額調整控除の申告|国税庁

2-3. 給与所得者の保険料控除申告書

「給与所得者の保険料控除申告書」の提出期限は、「基礎控除申告書等」と同様で、その年最後に給与などの支払を受ける日の前日です。保険料控除申告書は、各保険会社から送られてくる保険料控除証明書を確認しながら書くことになります。

ほとんどの場合10月頃に加入者に送られてくるため、会社としての提出期限も10月以降を設定するようにしましょう。また、控除証明書の添付が求められる場合もあり、差し戻しが生じないよう事前に添付書類についても周知しておくことが大切です。

このように、年末調整にかかわる書類には提出期限があります。それぞれの書類をいつまでに提出しなければならないのかをよく確認して抜け漏れがないように注意しましょう。当サイトでは、年末調整業務に必要な対応をまとめて記載した資料を無料でお配りしています。それぞれの資料の提出期限も記載しているので、年末調整業務を抜け漏れなくおこないたい方は、こちらから「年末調整ガイドブック」をダウンロードして業務にご活用ください。

参考:A2-3 給与所得者の保険料控除の申告|国税庁

3. 年末調整の提出書類

書類

年末調整では、従業員が会社に提出する書類だけでなく、会社が税務署や市区町村などに提出する書類もあります。先述したように、いずれも提出期限は「1月31日」です。

ただし、対象者や提出先などに注意点があります。ここでは、年末調整において会社が提出すべき書類のポイントについて紹介します。

3-1. 支払調書

支払調書とは、給与に該当しない報酬・料金などを一定額以上支払った場合に、その支払内容を記載し、翌年1月31日までに税務署へ提出する書類です。提出義務があるのは、次のような代表的なケースです。

  • 広告宣伝のための賞金(1年間で同じ人に50万円を超えて支払った場合)
  • プロ野球選手などへの報酬・契約金(1年間で同じ人に5万円超えて支払った場合)
  • 弁護士・税理士などの士業や原稿料・講演料などの著作活動などへの報酬(1年間で同じ人に5万円超えて支払った場合)

など

これらの報酬・料金などの多くは、支払い時に源泉徴収をおこなう必要があり、支払調書は税務署が適正に納税されているかを確認するための資料として活用されます。なお、すべての報酬・料金に提出義務があるわけではなく、一定の対象業種かつ金額基準を超えた場合のみ提出が必要です。また、支払先(受け取った人)への交付義務はありませんが、実務上の便宜として渡す場合もあります。

参考:No.7431 「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」の提出範囲と提出枚数等|国税庁

参考:No.2792 源泉徴収が必要な報酬・料金等とは|国税庁

3-2. 源泉徴収票

源泉徴収票とは、従業員に給与や賞与を支払った場合、その支払額・源泉徴収税額・各種控除額などを記載し、翌年1月31日までに受給者へ交付する書類です。年末調整をしていない場合であっても、給与を支払ったすべての人が交付対象となります。また、年の途中で退職した人に対しても交付義務があり、この場合は退職日から1ヵ月以内に渡さなければなりません。

加えて、源泉徴収票は従業員への交付だけでなく、一定の条件に該当する場合は税務署へも提出が必要です。詳細は法令や国税庁の公表資料で確認しましょう。なお、源泉徴収票には「給与所得の源泉徴収票」「退職所得の源泉徴収票」「公的年金等の源泉徴収票」の3種類あることもあわせて押さえてくとよいでしょう。

参考:No.7411 「給与所得の源泉徴収票」の提出範囲と提出枚数等|国税庁

関連記事:源泉徴収票の発行の仕方とは?いつどこで発行するかを解説

3-3. 法定調書合計表

法定調書合計表とは、支払調書や源泉徴収票など、提出が義務付けられている各種法定調書の提出件数や支払金額の合計をまとめた書類です。つまり、法定調書を提出する義務のある事業者は、翌年1月31日までに税務署へ提出する必要があります。

この合計表は、税務署が個別の法定調書と照合して記載漏れや金額の不整合を確認するために利用されます。そのため、支払調書や源泉徴収票など他の書類と内容を一致させて作成することが重要です。

参考:F1-1 給与所得の源泉徴収票(同合計表)

3-4. 給与支払報告書

給与支払報告書とは、会社などが前年中に従業員へ支払った給与や賞与などの金額を、市区町村へ報告するための書類です。年末調整をしていない従業員分も含め、すべての従業員について作成・提出が必要です。市区町村は、この報告書を基に住民税額を計算し、決定します。

提出期限は翌年1月31日で、提出先はその翌年1月1日時点で従業員が住民登録している市区町村です。ただし、年の途中で退職した人は、退職時の住所地の市区町村で判断するので注意しましょう。

参考:特別徴収にかかる手続きについて|東京都

関連記事:給与支払報告書とは?書き方や提出方法・期限をわかりやすく解説

4. 年末調整の期限を過ぎて従業員から提出があった場合の対処方法

男性

年末調整では提出期限を意識して業務をおこなうことが大切です。しかし、従業員が年末調整を忘れていて期限に間に合わないケースも少なくないでしょう。

ここでは、年末調整の期限を過ぎてしまった場合の対処方法について詳しく紹介します。

4-1. 会社が定める期限を過ぎた場合

会社によっては、法定提出期限(翌年1月31日)に間に合うよう、余裕をもって年末調整の社内提出期限を設定しています。社内期限を過ぎても、源泉徴収票や給与支払報告書などを外部提出する前であれば、再調整によって修正対応できる場合があります。

ただし、既に提出済みの場合は、訂正分を再提出する必要があり、事務負担が増加します。また、例外対応を繰り返すと社内のガバナンスや業務効率が損なわれる恐れがあるため、翌年以降は必ず社内期限を守るよう従業員へ周知徹底することが望まれます。

4-2. 年末調整の期限(翌年1月31日)を過ぎた場合

法定調書などの提出期限(翌年1月31日)を数日程度過ぎる場合でも、事前に税務署へ連絡し事情を説明すれば、受理されることがあります。ただし、これは税務署の裁量によるもので、必ず認められるわけではありません。

大幅に遅れて提出できなかった場合、従業員自ら確定申告をおこなう必要があります。確定申告期間は原則として翌年2月16日から3月15日までです。なお、税金の還付を受けられる場合には、確定申告期間に限らず翌年1月1日から5年間、還付申告をすることが可能です。この点も従業員へ周知しておくとよいでしょう。

参考:確定申告・還付申告|国税庁

5. 会社が年末調整を忘れた場合の罰則・ペナルティ

ペナルティ

年末調整は、所得税法第190条で定められた給与支払者(雇用主)の義務です。義務のある会社が年末調整をおこなわなかった場合、結果として従業員の所得税が正しく精算されず、本来確定申告が不要な従業員であっても確定申告をしなければならなくなります。そのため、従業員や会社双方の事務負担が増え、場合によっては会社への不満や信頼低下につながり、経営にも悪影響を及ぼす恐れがあるので注意が必要です。

なお、所得税法第240条や第242条には刑事罰(拘禁刑や罰金)が規定されていますが、これらは通常の事務ミスではなく、故意や悪質な虚偽申告・脱税行為など重大な違反の場合に適用されます。多くの場合は、まず行政指導や過少申告加算税・延滞税などの行政処分によって是正が求められるでしょう。

参考:所得税法第190条、第240条、第242条|e-Gov法令検索

関連記事:年末調整しないことによる罰則内容を詳しく紹介

6. 年末調整は期日を守って正確に手続きを完了させよう

女性

年末調整には期限があり、その前段階から従業員への告知や書類回収が必要です。従業員からの書類提出が遅れると業務が滞り、翌年1月31日までに必要書類を提出できない恐れがあります。

余裕をもって処理を進められるよう、告知や書類配布は早めにおこないましょう。迅速かつ正確な年末調整で、適正な所得税の納付を確保することが大切です。

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