電子マネーはどう経費処理する?仕訳や勘定科目、経費精算についても解説
更新日: 2024.10.7
公開日: 2020.10.7
jinjer Blog 編集部
電子マネーは非常に便利な決済手段であり、ビジネスシーンでも備品を購入したり公共交通機関を利用する際の支払いに用いられたりします。
ビジネスで利用するからにはもちろん経費処理しなければなりませんが、電子マネーは現金とは性質が異なるものなので、経費処理の方法やタイミングには注意しなければなりません。
本記事では、電子マネーの種別や使用時の経費処理のタイミング、経費処理の際の勘定科目、電子マネーの経費処理における注意点について、解説します。
「電子マネーを利用した際の仕訳など経費処理の仕方がわからない」「電子マネーといってもプリペイドカードなのか、それ以外のカードなのかによって対応がどう変わるか不安、、、」
「経理処理するタイミングがわからない」などなど電子マネーの経費処理の方法に不安がある方もいらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
当サイトで無料配布している資料「電子マネーの経費処理」では、本記事の内容をスライド形式でわかりやすく解説しております。
電子マネーの種類ごとの経費処理のタイミングやその方法、また仕訳の仕方まで網羅的に解説していますので、電子マネーに関してわからない時にいつでも対応できる資料となっておりますので、ぜひこちらから資料を無料でダウンロードしてご覧ください。
目次
1. 電子マネーの種類と経費処理のタイミング
そもそも電子マネーとは、その名のとおり現金が電子化されたもので、クレジットカードやスマートフォンで決済できるものなどさまざまな種類があります。(クレジットカードはその中でも決済方法が少し異なり、利用者が支払った金額に対して、別途クレジットカード会社がかわりに支払い、利用者が後日クレジットカード会社に金額を支払う形式になっています)
電子マネーには基本的にプリペイド方式のものとポストペイ方式のものがあり、方式によってお金が精算されるタイミングが異なります。
1-1. プリペイド方式の電子マネー
プリペイド方式のものは事前に電子マネーをチャージしておく必要がありますが、チャージした金額はその瞬間に利用されるわけではありません。
そのため、電子マネーにチャージしたタイミングとチャージした金額を実際に利用したタイミングの2つのタイミングで、経費処理をおこなう必要があります。
【プリペイド方式に該当する電子マネー】
- Edy
- nanaco
- WAON
- Suica(をはじめとした交通系ICカード)
など
1-2. ポストペイ方式の電子マネー
ポストペイ方式のものは、一定期間に支払いをおこなった金額が後日まとめて口座から引き落とされるので、支払いをしたタイミングと口座引き落としがおこなわれたタイミングで軽処理をおこなわなければなりません。
プリペイド方式とポストペイ方式、双方の電子マネーを利用している場合は、それぞれに適したタイミングで経費処理をおこなうように十分注意しましょう。
【ポストペイ方式の電子マネー】
- QUICPay
- Visa Touch
- iD
- ETC
- Smartplus
など
関連記事:経費処理の重要性や効率的におこなうための5つのポイント
2. 電子マネーの支払い方式別の勘定科目や経費処理方法
電子マネーはビジネスシーンにおいても広く利用されており、その経費処理は使用する電子マネーの支払い方式によって異なります。具体的には、プリペイド方式とポストペイ方式の2つが主なタイプです。
プリペイド方式の場合、チャージした金額を経費処理するタイミングはチャージ時と実際の利用時の2回に分かれます。一方、ポストペイ方式では、決済したタイミングと引き落としが行われるタイミングでそれぞれ処理を行う必要があります。これにより、企業は透明性のある経費管理を実現できます。
2-1. ポストペイ方式の場合の仕訳
ポストペイ方式のものは利用時に「未払金」で処理し、決済時に未払金を消去します。
クレジットカードと同様に、支払いを後から計上する形になると考えればわかりやすいでしょう。
例:QUICPayで消耗品を5,500円分購入。その後、預金口座から利用金額(5,500円)が引き落とされた場合
借方 | 貸方 | ||
消耗品費 | 5,500 | 未払金 | 5,500 |
未払金 | 5,500 | 普通預金 | 5,500 |
2-2. プリペイド方式の場合の仕訳
プリペイド方式の勘定科目は、仮払金・前払費用・預け金などさまざまなパターンがありますが、いずれを利用してもOKです。
ただし一度決めた勘定科目は、その後変えることはできないということには注意しておきましょう。
今後、使用する際に不便に感じないように、あらかじめ、どの勘定科目を使用するかは決めておくとよいでしょう。
例:Suicaに現金を5,000円チャージした。その後、チャージ金額2,000円を利用して電車で移動した場合
借方 | 貸方 | ||
仮払金 | 5,000 | 現金 | 5,000 |
旅費交通費 | 2,000 | 仮払金 | 2,000 |
とはいえ、電子マネーの経費処理の仕方がわかない時に毎回その対処方法を調べたり、人に聞いたりするのはとても工数がかかります。
当サイトで無料配布しております「電子マネーの経費処理」では本記事の内容をわかりやすくスライド形式でまとめており、電子マネーの経費処理に関しての疑問はこれひとつで気になったタイミングにすぐ確認して解決できるので、経理業務をより正しく効率的にすすめることができます。資料は無料となっておりますので、ぜひこちらからダウンロードしてご覧ください。
2-3. 電子マネーで支払った際の領収書について
電子マネーで支払った時の領収書の発行についてですが、上記で解説したプリペイド方式とポストペイ方式によって異なってきます。プリペイド方式では基本的にその場で決済がおこなわれるため、領収書が発行可能ですが、その一方ポストペイ方式では発行されないことがあります。ただ使用している電子マネーの種類によっても異なってくるため事前に確認しておくことが重要です。
3. 電子マネーで経費精算をおこなうメリット
電子マネーを活用した経費精算には、多くのメリットがあります。
まず、銀行振込に比べてコスト削減が可能であり、業務効率を向上させる要因となります。特に、企業から従業員への経費送金において振込手数料を抑えられるため、従業員にとっても経済的なメリットがあります。
また、従業員は電子マネーを利用することで、立て替えた経費を迅速に精算できるため、経費管理がスムーズに進むのも大きな魅力です。Bチャージを利用することで、さらに簡単に法人から個人への送金が可能になります。今後の経費精算の効率化にぜひ役立ててください。
4. ポイントを利用した際の処理方法
プリペイド方式の電子マネーに多く見られるのが、利用金額に応じてポイントが付与される形式のものです。
たまったポイントは電子マネーの残高に交換することができます。この「ポイント」の処理に悩んだことのある経理担当者も多いのではないでしょうか。
ポイントに関しては大きく下記の3つの経費処理の考え方があります。
- 仕入値引としての処理:ポイントを値引きとして計上すること。
- 実際に現金で支払った額での処理:ポイントを利用し、ポイントで減額して実際に支払った金額で処理をすること。
- 収入としての処理:ポイントを収入として捉えて計上すること。
企業や担当者によって処理の仕方も異なってくるので注意が必要です。
関連記事:ポイント利用分は経費として精算できる?精算方法を徹底解説
5. 電子マネー使用時の経費処理の3つの注意点
経費処理のタイミングや勘定科目の違い以外にも、電子マネーの経費処理をおこなう際には以下のような点に注意しておく必要があります。
- 都度計上かまとめて計上かは統一する
- 確実な処理をおこなうためには利用履歴の印字が重要
- ビジネス使用のものと個人使用のものは分けたほうがよい
ここでは、それぞれについて説明いたします。
5-1. 都度計上かまとめて計上かは統一する
電子マネーを使う機会があまりないのであれば、電子マネーを利用する際に都度経費処理をおこなえばよいです。
ただ、電子マネーを使う機会が頻繁にあるようだと経費処理に手間と時間がかかりすぎてしまうので、決算時にまとめて計上するというのもひとつの方法です。
この方法であれば、電子マネーに現金をチャージしたときと決算時にだけ経費計上をおこなえばよいので、経費処理の手間が大幅に省けます。
なおまとめて計上をおこなえるのはプリペイド方式の電子マネーだけであり、ポストペイ方式の電子マネーでは口座からお金が引き落とされるタイミングで、都度経費処理しなければなりません。
5-2. 確実な処理をおこなうためには利用履歴の印字が重要
電子マネーの確実な経費処理をおこなうには、利用履歴の印字が欠かせません。
SuicaやPASMOなどであれば駅の券売機などで利用履歴を印字できますし、電子マネーの種類によっては、リーダーを用いることでパソコン上で履歴を確認して印字することも可能です。
利用履歴の印字は、経費処理をおこなう際だけでなく税務調査時の資料としても役立つので、チャージした際には必ず利用履歴を印字するということを、社内ルールとして決めておいてもよいでしょう。
5-3. ビジネス使用のものと個人使用のものは分けたほうがよい
電子マネーは備品の購入やクライアントのオフィスを訪問する際の交通費などのビジネス使用以外に、プライベートで利用することもあると思います。
ただ、どちらも同じ電子マネーを利用してしまうと経費処理が大変になりますし、経費とプライベートなお金の境界線が曖昧になってしまいます。
ビジネスで利用する電子マネーとプライベートで利用する個人マネーをそれぞれ別で持って、用途に応じて使い分けることを心がけましょう。
そのため、法人用と個人使用が混同しやすい個人事業主の人は注意が必要です。
6. 電子マネーの経費処理には経費精算システムがおすすめ
電子マネーにはプリペイド方式のものとポストペイ方式のものがあり、それぞれ経費処理するタイミングや経費処理の際の勘定科目が異なります。
ミスなく経費処理をおこなうために、利用履歴を印字することやビジネス使用の電子マネーと個人使用の電子マネーを分けるようにすることなどを、心がけましょう。
電子マネーを使用する際にもっとも頻度高く使用されるのはICカードではないでしょうか。しかし毎回ICカードをもちいて経費精算をおこなうのは時間がかかります。
そのため交通費にICカードをもちいる方が多い職場では経費精算システムを導入することをおすすめします。
システムを導入すれば、ICカードの自動読みとりや、交通費の自動計算で経費申請のミスや不正もなくなります。当サイトでは実際のシステム導入イメージを資料でまとめておりますので、興味のある方はこちらから無料でダウンロードしてご覧ください。
関連記事:キャッシュレス決済の導入で押さえるべき経費処理のコツ
「電子マネーを利用した際の仕訳など経費処理の仕方がわからない」「電子マネーといってもプリペイドカードなのか、それ以外のカードなのかによって対応がどう変わるか不安、、、」
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