軽減税率の導入で領収書に記載なしの項目・記載ありの項目
更新日: 2024.10.10
公開日: 2020.12.11
jinjer Blog 編集部
2019年10月1日から軽減税率制度がスタートし、軽減税率の対象品目を取り扱う事業者は、軽減税率8%と標準税率10%の複数税率での税務処理が必要になりました。
軽減税率導入によって領収書の書き方も大きく変わり、仕訳が複雑化しかねません。手間が領収書の様式によっては、記載する必要がある項目や、「記載なし」でも問題ない項目があります。
ここでは、軽減税率導入後の領収書の書き方のポイントを網羅的に解説しますので、企業の経理担当者や営業担当者の方はぜひ参考にしてください。
2019年10月に軽減税率制度が実施されました。軽減税率の導入によって、経理業務に変化を強いられた企業も多いのではないでしょうか。
その中で、「軽減税率が導入されたけど、結局経理業務の何が変わって何が今までと変わってないんだ・・・?」と疑問を抱いている方も少なくないでしょう。
そのような方のために、今回軽減税率で「変わること・変わらないこと」まとめBOOKをご用意いたしました。資料には、以下のようなことがまとめられています。
・軽減税率制度の概要について
・軽減税率導入によって変化する経理業務
・引き続き管理しなければならない経理業務
軽減税率導入後の変化を簡単に理解して対応ができるように、ぜひこちらから資料をダウンロードして軽減税率で「変わること・変わらないこと」まとめBOOKをご活用ください。
1. 軽減税率導入後の領収書で「記載なし」でも問題ない項目
軽減税率制度の導入によって、領収書に記載すべき項目が増えました。しかし、2019年10月1日から対応が必要な「区分記載請求書等保存方式」では、領収書に「記載なし」でも問題ない項目もあります。それは次の4つの項目です。
- 消費税率
- 消費税額
- 税込の金額
- 税抜の金額
新たにスタートした軽減税率制度では、飲食料品(酒類・外食をのぞく)や新聞が対象品目の軽減税率8%と、それ以外が対象の標準税率10%の2つの税率が混在しています。
しかし、区分記載請求書等保存方式では、個々の品目の消費税率や消費税額などを併記する義務はありません。ただし、取引内容によっては、税抜金額や税込金額、消費税額などを併記する方がわかりやすいケースもあります。
なお、区分記載請求書等保存方式は、あくまでの2019年10月1日から2023年9月30日までの経過措置である点に注意が必要です。
2023年10月1日以降は、区分記載請求書等保存方式ではなく、「適格請求書等保存方式(インボイス制度)」での領収書の作成が必要になります。
適格請求書等保存方式では、領収書に消費税率と消費税額の2点を記載する必要があるため、移行の際は注意が必要です。
関連記事:軽減税率を間違えた(間違えられた)場合どうすればいいの?対処方法を解説
関連記事:【図解付き】2023年のインボイス制度とは?をわかりやすく解説!
2. 軽減税率導入後の領収書で新たに記載が必要になった項目
それでは、次に軽減税率導入後の領収書で新たに記載が必要になった項目について見てみましょう。
2019年10月1日から2023年9月30日までの「区分記載請求書等保存方式」、2023年10月1日以降の「適格請求書等保存方式(インボイス制度)」のポイントをそれぞれ解説します。
2-1. 「区分記載請求書等保存方式」では新たに2つの記載項目が必要
従来の領収書では、以下の4点が記載されていれば問題ありませんでした。
- 売り手の氏名または会社名
- 納品日
- 品目
- 買い手の氏名または会社名
しかし、「区分記載請求書等保存方式」では、新たに2つの要件が加わります。
- 軽減税率の対象品目がどれかわかるようにする
- 軽減税率・標準税率それぞれの小計を記載する
「軽減税率の対象品目がどれかわかるようにする」というのは、飲食料品(酒類・外食をのぞく)や新聞など、軽減税率の対象品目にマークを付け、明示することを意味します。慣例上、「※マーク」を領収書に付して、「※印は軽減税率対象品目」と但し書きをするのが一般的です。
また、領収書の合計金額を書く欄では、軽減税率8%、標準税率10%の区分ごとに小計を記載する必要があります。
2-2. 「適格請求書等保存方式」の導入後は記載項目がさらに増える
2023年10月1日以降の「適格請求書等保存方式(インボイス制度)」では、さらに2つの記載項目が増えます。
- 適格請求書発行事業者の登録番号を取得する
- 適用税率と消費税額を記載する
まず、「適格請求書発行事業者」の登録を申請したうえで、登録番号を領収書内に記載しなければなりません。また、適格請求書等保存方式では、適用税率と消費税額の2点の記載が義務付けられます。
つまり、区分記載請求書等保存方式に従い、税率ごとに区分した小計の横に消費税率を併記したうえで(=適用税率)、さらに税率ごとに区分した消費税の金額の合計(=消費税額)の記載が必要です。
「区分記載請求書等保存方式」と「適格請求書等保存方式」の違いを表にまとめました。
区分記載請求書等保存方式 | 適格請求書等保存方式 | |
軽減税率の対象品目を明記する | ○ | ○ |
税率ごとに小計を記載する | ○ | ○ |
適格請求書発行事業者の登録番号を取得する | × | ○ |
適用税率と消費税額を記載する | × | ○ |
軽減税率の対象品目を取り扱う事業者は、2019年10月1日から2023年9月30日までは「区分記載請求書等保存方式」、2023年10月1日以降は「適格請求書等保存方式(インボイス制度)」への対応を目指しましょう。
もちろん、区分記載請求書等保存方式は経過措置であり、最初から適格請求書等保存方式への対応を進めても問題はありません。
具体的な対応策として、区分記載請求書等保存方式、適格請求書等保存方式に対応した会計ソフトの導入などを検討しましょう。
関連記事:【2021年最新版】軽減税率はいつまで?6月情報に注意!今後の流れを解説
3. 軽減税率の導入で領収書が変わる!記載なし・記載ありの項目を確認しよう
2019年10月1日に軽減税率制度がスタートし、領収書の記載方法が大きく変わりました。2019年10月1日から2023年9月30日までは、「区分記載請求書等保存方式」に基づく領収書の書き方が求められます。
区分記載請求書等保存方式の場合、消費税率と消費税額、税込および税抜の金額は記載する必要がありません。しかし、2023年10月1日以降は「適格請求書等保存方式(インボイス制度)」への対応が必要になり、適用税率と消費税額、さらに適格請求書発行事業者の登録番号の記載が必要です。
区分記載請求書等保存方式や適格請求書等保存方式に対応した会計ソフトの導入など、軽減税率対応を計画的に進めましょう。
2019年に制定された軽減税率制度によって、税率が混在した経費処理が必要になりました。軽減税率でこれまでよりも仕訳が複雑になることに加えて、引き続き手間に感じている業務も続けなくてはなりません。
「軽減税率をしっかりと理解した上で、今後どのような管理が必要なんだろう・・・」とお悩みの方は軽減税率で「変わること・変わらないこと」まとめBOOKををぜひご覧ください。
・軽減税率制度の概要について
・軽減税率導入で変わること、変わらないこと
・今後、手間をかけずに経理業務の効率化を進めるための方法など、軽減税率をはじめとした経理業務の効率化に関する内容を総まとめで解説しています。
「軽減税率の導入で経理業務の何が変化し、どのような管理が今後も必要になるのか知りたい」という経理担当者様は、ぜひこちらから資料をダウンロードしてご活用ください。
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