タイムカードの打刻ルールは必要?ミスを減らすための具体例を解説
更新日: 2024.11.20
公開日: 2020.1.28
OHSUGI
タイムカードを使って労働時間を管理するためには、打刻に関するルールが必要不可欠です。
ルールが明確になっていないと、従業員のタイムカード打刻に対する意識も低くなりますし、同僚に打刻してもらうなどの不正が起こるかもしれません。ミスや不正があると、労働時間を正確に管理できなくなるだけでなく、勤怠管理をおこなう担当者の業務負担も増えてしまうので、ルールを決めていない場合は早急に対策をおこないましょう。
ここでは、タイムカードの打刻ルールが必要な理由やルールを設けるうえでの具体例などについてご紹介します。
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タイムカードによる勤怠管理で頭を悩ませるのが、打刻漏れです。毎月締め日に漏れを確認し、従業員に問い合わせるだけでも多くの時間がかかってしまい、人事業務を圧迫していませんか?
勤怠管理システムでは打刻漏れがあった際にアラートが上がる仕組みになっており、すぐに打刻修正を行えるため、打刻漏れを減らし確認作業にかかる時間を減らすことができます。
実際、4時間かかっていた打刻漏れの確認作業がシステム導入によりゼロになった事例もあります。
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目次
1. 客観的な労働時間の把握のために、タイムカードの運用には明確なルールが必要
2019年4月1日からの法改正により、高度プロフェッショナル制の労働者を除くすべての従業員の労働時間を客観的に把握することが義務化されました。
これにより、始業・終業の確認及び記録の原則的な方法も定められました。
始業・終業の確認及び記録の原則的な方法の一つとして、「タイムカードでの客観的記録を基礎として確認し、記録すること」ということが設けられています。しかし、タイムカードの押し忘れが発生すると基礎となる客観的記録が正確に把握できなくなり、実際の労働時間と乖離が生まれます。
この問題を解決してくれるのが、タイムカードの打刻ルールです。打刻ルールを設けることにより、計測ミスをなくし、使用者は労働時間を客観的に把握することができます。
また、タイムカードを使って従業員の勤務時間を管理するためには、「打刻するタイミング」に対して明確なルールが必要です。例えば、使用者は着替えの時間や掃除などの雑務の時間も労働時間として把握しなければならたいため、「打刻するタイミング」は特にしっかりと明確化しましょう。
2. 正確にタイムカードを打刻するためのルールの具体例
使用者が従業員の労働時間を客観的に把握するためには、タイムカードを打刻するルールを設ける必要があります。
ここでは、タイムカードを打刻するルールの具体例についてご紹介します。
2-1. 出勤時と退勤時に必ず本人が打刻すること
打刻は出勤時と退勤時におこなうものであり、このことも就業規則に記載しましょう。
記載していない場合、打刻する時間帯が出勤時と勤務開始時間のどちらなのか分からなくなってしまいます。
また、打刻する時間帯と合わせて必ず本人がおこなうということも大切です。タイムカードは他の人でも扱えてしまうため、不正打刻がおこなわれる可能性があります。
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2-2. タイムカードに打刻するタイミングを明確化すること
2019年4月1日に施行された改正労働安全衛生法では、新たに従業員の労働時間の「客観的な把握」が使用者の義務化されているため、使用者は労働時間の範囲を理解しておく必要があります。
具体的には、以下のような時間も労働時間に換算するため、使用者は打刻するルールを明確化する必要があります。
- 使用者の指示により、就業を命じられた業務に必要な準備行為(着用を義務付けられた所定の服装への着替えなど)を事業場内においておこなった時間
- 業務に関連した後始末(清掃など)を業場内においておこなった時間
- 使用者の指示があった場合には即時に業務にあたることを求められており、労働から離れることが保障されていない状態で待機などをしている時間
- 参加することが業務上義務づけられている、研修・教育訓練を受講していた時間
- 使用者の指示により、業務に必要な学習などをおこなっていた時間
例えば、タイムカードは職場に着いたタイミングではなく、始業を開始するタイミングで打刻するといったようにルールを明確にしておきましょう。
2-3. 時間外労働が発生した際の対処法
時間外労働は極力避けるべきですが、急な仕事が入ってしまい、打刻後の時間外労働が発生してしまう場合もあります。そのようなことが起きても、しっかりと対応できるようにすることが重要です。
例えば、打刻後の時間外労働は原則禁止にして、状況に応じては上長に相談して対応するといったルールを策定しておきましょう。
打刻後であっても時間外労働が必要と判断された場合、退勤後に再度出勤したと処理するのが一般的です。なお、通常の勤務に打刻後の勤務を加えた労働時間が8時間を超える場合は、割増賃金の支払いが必要です。
2-4. 直行・直帰・在宅勤務等のルール
会社によっては、直帰や在宅勤務などをおこなう従業員がいることもあります。
就業規則にタイムカードに関するルールを記載する場合には、自社の労働形態を考えたうえでルールを作成しましょう。例えば、タイムカードの打刻の代わりに、メール報告や社内システムへのログイン時間を出退勤時間とするルールが挙げられます。
自社の環境に合わせたルールを作ることにより、働き方を変えなくても、従業員一人ひとりの労働時間の管理が可能になります。
2-5. 打刻ミスや不正打刻への対応を就業規則に明記する
打刻方法や打刻する時間帯だけではなく、打刻ミスや不正打刻に関する規定も就業規則に記載しましょう。
打刻ミスや不正打刻といったトラブルに関する規定を設けることで、従業員に対して訂正な対処ができます。例えば、ペナルティを与える場合は必ず就業規則に記載しておかなければなりません。
ただし、就業規則に記載するだけではなく従業員にペナルティがあることや、打刻ミスをしてしまった際の対応方法をしっかりと周知して理解してもらうことも大切です。
【関連記事】タイムカードの正しい打刻方法とミスを起こさないための予防策
3. タイムカードで運用する問題点
タイムカードで運用する際はルールを策定していても、次のような問題点が発生する可能性があります。
- 集計に時間がかかる
- 従業員の勤務状況をリアルタイムで把握できない
- ヒューマンエラーが発生しかねない
ここでは、これらの問題点について解説します。
3-1. 集計に時間がかかる
タイムカードの運用は労働時間の集計作業に時間がかかってしまいます。
従業員の労働時間は一人ひとり異なるうえに、従業員の打刻ミスや不正があった場合は、修正や確認作業にも時間を摂られることになります。
アナログなタイムカードの集計作業というのは、労務担当者の負担増加につながるのです。
3-2. 従業員の勤務状況をリアルタイムで把握できない
タイムカードで運用している場合、従業員の勤務状況をリアルタイムで把握できません。
一般的にタイムカードの集計作業は月末~月初に実施されます。そのため、従業員がどれくらいの労働時間だったのかは、集計時にしか把握できません。
基本的に、会社は従業員の勤務状況を正しく把握して、時間外労働が増加していないかなどをコントロールする必要があります。しかし、労働時間を集計するときにしか勤務状況を把握できないタイムカードでは、従業員の労働時間のコントロールが難しくなってしまいます。
3-3. ヒューマンエラーが発生しかねない
タイムカードで従業員の労働時間を管理していると、ヒューマンエラー発生の可能性が考えられます。
具体的には、タイムカードの集計時間をまとめる集計表への記入ミスや計算ミスなどです。ヒューマンエラーに気付かずにそのまま処理してしまうと、給与額や有給休暇残数などに誤差が発生しかねません。
給与額が少なかったり有給休暇の残数を間違えたりすると、従業員とのトラブルになってしまうこともあります。状況によっては、従業員からの信頼を失ってしまうリスクがあるというのは、大きな問題点ともいえるでしょう。
4. スマホやパソコンから打刻ができるの?
勤務時間を管理するうえで大切なタイムカードですが、スマートフォンやパソコンから打刻する方法もあります。
ここでは、タイムカード以外で従業員に打刻もらう方法やそのメリットについて説明します。
4-1. 勤怠管理システムであれば打刻可能
勤怠管理システムを自社に導入することにより、タイムカードを使わずに打刻してもらえます。
打刻できるものとしては、スマホやパソコン以外にもタブレットや顔、指紋認証システムなどがあります。勤怠管理システムによって打刻できるものが異なるため、導入する際に必ずチェックしてみましょう。
当サイトでは、勤怠管理業務で起きうるミスをどのように低減させられるかを解説した資料を、無料で配布しております。勤怠管理システム「ジンジャー勤怠」の管理画面を掲載しているため、自社の活用シーンもイメージしながらご確認いただけるでしょう。システムの導入により勤怠管理業務が効率化されそうだと感じた方は、こちらから資料をダウンロードしてご確認ください。
5. 勤怠管理システムのメリット
勤怠管理システムの一番のメリットは、不正打刻を防ぎ、打刻に関する問題が起きた時でもすぐに対応できるということが挙げられます。
また、勤怠管理システムによっては問題が発生した時に知らせてくれるアラート機能が搭載されているものがあるため、ミスを見逃さずに済む、給与計算を自動的におこなう機能があるというのもメリットです。
しかし、これだけではなく、タイムカードの問題点を改善してくれるメリットもあるのでチェックしておきましょう。
【関連記事】勤怠管理システムを導入する目的とは?メリット・デメリットも確認
5-1.リアルタイムで勤務状況を把握可能
勤怠管理システムであればタイムカードと異なり、リアルタイムで従業員の勤務状況を把握可能です。そのため、時間外労働時間が上限に達しそうな従業員がいれば、事前に時間外労働時間をコントロール可能です。
また、有給休暇取得状況を把握できる勤怠管理システムもあります。このようなシステムであれば、有給休暇の取得も促せます。
5-2. 集計業務の負担が軽減
勤怠管理システムを活用すれば、従業員の労働時間を集計する必要がありません。
基本的に、システムで自動的に集計してくれるので、労務担当者に発生していた「従業員の労働時間の集計業務」の負担を軽減することが可能です。
5-3. ヒューマンエラーを減少できる
タイムカードの場合、集計時のミスや従業員の打刻ミスなどのヒューマンエラーが発生するかもしれません。しかし、勤怠管理システムであればシステムで機械的に管理するため、ヒューマンエラーの発生が減少します。
また、何か不備があった際にアラートを発する機能が搭載されている勤怠管理システムもあります。勤怠管理システムはコストがかかりますが、うっかりミスを防ぐことができれば業務効率が上がるので、費用対効果をしっかり得ることが可能です。
6. 勤怠管理システムを活用して適切に労働時間を管理しよう
タイムカードの打刻ルールは、適正な労働時間を把握するうえで欠かせないものです。打刻ルールがあいまいだと、ミスや不正のリスクも高くなり、担当者の方の業務負担も大きくなります。
ただし、打刻ルールをしっかり決めたとしても、人の手でおこなっている限りはどうしてもミスがおこります。勤怠管理システムを導入すれば人的なミスがなくなるので、正確な労働時間を把握できるのはもちろん、集計業務などの負担を減らすことも可能です。
コストはかかりますが、その分の費用対効果は十分に得られるので、勤怠管理の業務負担が大きい場合はぜひ導入を検討してみましょう。
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