タイムカードの計算で15分や30分の切り捨ては違法!正しい勤怠管理を解説 - ジンジャー(jinjer)|人事データを中心にすべてを1つに

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タイムカードの計算で15分や30分の切り捨ては違法!正しい勤怠管理を解説

労使間のトラブルで多いのが残業代未払いの問題です。企業に問題があるケースと、従業員側の勘違いであるケースがありますが、労働時間の端数処理で当たり前のように切り捨てしているとしたら、それは企業側の違法になってしまう可能性があります。

本記事では、タイムカードで15分や30分の切り捨てが違法になってしまう理由や、1分単位で勤怠管理をする必要性とその方法をご紹介します。

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1. 企業には正しく勤怠管理をする義務がある

システム

企業が正しく勤怠管理をするのは、当たり前であり義務にもなっています。しかし、実際の人事や総務の担当者は、本当にこれでいいのかと不安に思ったりすることがあるかもしれません。勤怠管理をする目的やその意味について理解を深めていきましょう。

1-1. そもそも勤怠管理とは?

勤怠管理とは、いわゆる各従業員の出退勤状況、休憩時間の取得、有給休暇の取得状況、遅刻の有無など日々の労働がどのような状態でおこなわれているのかを管理し、その状態が法令や就業規則に沿っておこなわれているかを管理することを指します。

従業員の労働状況の現状を正確に把握できれば、過重労働の防止や健康管理に配慮することができ、企業の生産性に貢献できます。従業員のモチベーション維持にも役立つでしょう。

昨今の働き方改革により、年次有給休暇の取得やブラック企業対策も始まっており、ルールに則った正しい勤怠管理をおこなうことが必須となっています。

また、労働基準法をはじめとした働き方に関連する法律が改正されることも多いため、最新の情報を手に入れて常にアップデートしていく必要があります。

1-2. 勤怠管理はミスや勘違いが起きやすい

ここまでお話ししたような時代や意識の変化により一、層正確な勤怠管理が必要となってきていますが、勤怠を管理する側として問題点もいくつかあります。

企業によってはフレックスタイムや在宅ワークを導入しているケースも増え、勤務や雇用形態が実に多様化してきています。その結果、管理する側の業務が複雑化した上に業務量そのものも増え、負担が大きくなっています。

業務が集中する月末付近は、とくに担当者に余裕がなくなり、エクセルや手計算の集計作業になるとミスが起こりやすくなります。集計作業で労働時間や残業時間にミスがあると適性な賃金の支払いができなくなるため、故意でなかったとしてもトラブルに発展する可能性も否めません。

またタイムカードを打刻して管理している場合も、打刻ミスや打刻忘れがあることで、集計のミスにつながりやすくなるため、こうした観点からもミスが発生しやすい業務です。

【関連記事】タイムカードの打刻ミスが起きた場合の防止策についてご紹介!

1-3. 勤務管理をしない場合のリスク

勤怠管理を行うことは、法律で定められたルールであるため、それを行わないことは法律違反となります。労働基準法第108条では、使用者は労働時間や深夜労働・休日出勤の時間、労働日数など給与計算で必要な項目に分けて従業員の勤務状況を賃金台帳に記載しなくてはならないとしています。

また労働安全衛生法では、労働時間が一定の基準を超えた場合に医師との面談を設けるように取り決めていますが、その対象者を把握するためにも勤怠管理によって従業員の労働時間を正しく把握しなくてはならないとされています。

もし企業が勤怠管理を行わなかったとしたら、法律違反になるばかりか「ブラック企業」というレッテルを貼られたり、それによって企業の信頼を失ったりすることになります。

一度なくしてしまった信頼性はなかなかすぐには取り戻せません。そうなると、優良な人材も集まらないため、企業の生命線が危うくなります。

ルールにのっとり勤怠管理をすることで、そのようなリスクは回避できるため、しっかりと管理をするようにしましょう。

2. 15分や30分単位で勤務時間を計算することは違法?

冒頭でも紹介していますが、15分や30分という単位で報酬を計算することは労働基準法24条で原則認められていません。どのような勤怠管理の処理が適切なのか事例を交えながら解説していきます。

2-1. 勤怠管理で15分や30分単位の計算をするのは違法

タイムカードで、15分未満だったり、30分未満だったりすると残業代がでなかった経験や、そのように計算している実例を見たことがないでしょうか。

もし企業がパート・アルバイトの時給を15分で計算しているなど、1分単位で勤怠管理や給与計算をしていないとしたら、それは違法になる可能性があります。

勤怠管理やそれに紐づく給与計算を15分や30分単位で行うことは違法であり、1分単位で行われなければなりません。なぜなら、15分や30分で切り捨てを行うと全労働時間分の給与を払えず、労働基準法第24条で定められている「賃金全額払い」の原則に違反するためです。

15分、30分の単位で労働時間を管理するのではなく適切な労務管理を心がけましょう。

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2-2. 労働時間は1分単位で計算することが原則

15分や30分単位で労働時間を管理し、勤務時間を切り捨てることは違法になるとお話ししました。

法律を遵守するには、通常勤怠管理は1分単位でする必要があります。時給や日給、月給という名前の給与形態だとしても、計算は1分単位が原則です。

残業時間も1分ごとに管理されるべきで、15分単位や、30分単位で管理してはなりません。こちらも勤怠管理の原則として定められている部分であるため、細かいと感じても必ず分単位の管理をしましょう。

これは「労働時間は15分単位で計算する。14分以下は切り捨てにする」などというルールを定めている場合でも同じです。

会社のルールよりも労働基準法が優先されるため、どのようなルールが企業内になったとしても1分単位で労働時間を管理し、適切な給与を支払わなければなりません。

2-4. 許容範囲は1ヶ月単位で切り捨て切り上げが可能

勤怠管理は原則1分単位で行われるべきとされていますが、1ヶ月の残業時間の集計で、1時間に満たない場合は30分未満は切り捨て、30分以上は1時間に切り上げることで処理されることは許容されています。

端数については、このような処置が限度で1日単位では認めていません。ここは勘違いが発生しやすい部分であるため、正確に理解して覚えておきましょう。

上記のような例外を考えた上で、労働時間及び残業時間を正しく集計し、かつ残業代を正確に計算して労働者に支払わなければ違法になってしまう場合があります。当サイトでは、打刻まるめをしている場合の労働時間の集計方法や、正しい残業代の計算方法をまとめた「労働時間の集計マニュアル」を無料で配布しております。こちらからダウンロードしてぜひご活用ください。

2-5. 雇用形態によって勤怠管理の取り扱い方法に注意

労働条件通知書や雇用契約書に記載されている労働時間以上に従業員を働かせることはできません。

残業時間についても決まりがあるため、それぞれ何時間働けるのか、現在何時間労働しているのか、を正しく把握するようにしましょう。

2-5-1. 正社員や契約社員の場合

一般的には正社員や契約社員は週5日以上勤務している人を指しており、出退勤などの勤務状況を正確に把握しておかなければいけません。なぜならば労働基準法で従業員の労働時間を正確に把握する必要があるからです。

最近では時短勤務やフレックスタイム制など同じ立場であってもさまざまな勤怠形態が混在している場合も多く、それらを区別して管理することが必要です。

また、働き方改革法案により、有給休暇の消化が義務化され今まで以上に管理が重要になるでしょう。

2-5-2. アルバイトやパートの場合

アルバイトやパートの場合はシフト制となっており、かなりフレキシブルな対応が必要となります。人それぞれ勤務時間も勤務日も違うので、シフトを見ながら管理する必要があります。

シフトの勤怠管理は処理が複雑になるため、シフトの管理システムを導入することをおすすめします。

例えばシフトを入力し、シフト通りに勤務しているかの確認作業をしていくだけで、給与計算に結びつけることもでき、シフトの勤怠管理も効率化を図ることができます。

3. 15分単位で勤怠管理をしている場合に起こりうる問題

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先述のとおり、15分単位での勤怠管理は違法です。しかし、こうした規則を知らずに15分単位や30分単位で労働時間を管理していた場合、どのような問題が発生するのでしょうか。

ここでは、労働時間の端数を切り捨てていた場合に発生する問題について解説します。

3-1. 労働基準監督署の調査で指摘される

労働基準監督署は、従業員の労働環境が適切な状態にあるかどうかを確認するために、企業の実態を調査する権限を持っています。

この調査には、定期的に確認する「定期監督」の他に、労災発生後に調査される「災害時監督」や従業員などからの申告によって調査される「申告監督」、それらの調査で違反が見つかった場合に実施される「再監督」の4種類存在します。

もし15分単位や30分単位で労働時間を管理している場合、定期監督や申告監督によって違反を指摘されるでしょう。

定期監督や申告監督で違反を指摘された場合は、できる限り迅速に改善を目指さなくてはなりません。指摘されて即罰則が発生するケースは多くありません。

しかし、不真面目な対応をしたり、改善がなかなかみられなかったりした場合は処罰される可能性があります。

関連記事:労働基準監督署の調査の流れや企業が準備しておくべきこととは

3-2. 従業員から残業代の支払請求される

社内の勤怠管理や給与計算では切り捨てていたとしても、従業員が労働していた事実は残ります。そのため、従業員には未払いの賃金や残業代に対する請求権があるのです。

請求権の時効は3年であり、時効を過ぎれば指摘されても支払う義務はありません。しかし、従業員とのわだかまりが残ることや他従業員の不信感につながる可能性があります。

「働いた分の給与がもらえない」「本来受け取れるはずの給与が足りていなかった」「真摯な対応をしてもらえなかった」などの感情は、一度持たれるとなかなか消えるものではありません。さらに、それは従業員全体にも浸透しやすい感情です。

従業員との信頼関係がなくなれば、エンゲージメントが下がり企業全体の生産性の低下につながることが考えられます。

過去の未払い分について、どのように対応すべきかは慎重に決める必要があるでしょう。

3-3. 会社の信用問題に関わる

15分単位の切り捨てによる賃金未払いは、従業員からだけでなく、社外からの信用も失う恐れがあります。

近年はSNSを中心に情報の伝達が非常に早く、一度発信された情報は真偽を問わず瞬く間に広まってしまうことが多々あります。炎上ともなれば影響は計り知れません。

そのような事態になれば、取引先や顧客、投資家からは、なぜ問題が発生したのかや今後の対応について、厳しく言及されるでしょう。また、投資家や株主からは、企業イメージそのものに対する問題も指摘されるはずです。

さらには人事採用をする際も、企業イメージが悪いとよい人材は集まりにくいです。

賃金の問題は労使間のトラブルというだけでなく、場合によっては企業イメージ全体の問題になることを覚えておきましょう。

4. タイムカードを使った効率的な勤怠管理の方法

これまででいかに勤怠管理が重要かを解説してきました。従業員の勤務状態を正確に把握することが大変重要です。それらを把握するためにどのような方法が最も適しているのでしょうか。

4-1. エクセルのテンプレートを使用して集計する

タイムカードを集計する場合は、エクセルを使用して集計することが可能です。テンプレートを利用すると、関数やマクロが入力されており、従業員に入力作業さえしてもらえば集計もできます。

テンプレートは無料で配布されていることも多いため、コストをかけずに運用を始められるというのが大きなメリットです。

ただし、利用する際に関数の数式部分を誤って操作すると、マクロ集計がおかしくなり正しく集計できなくなる場合もあります。それに気づかないと大きなミスが発生してしまいます。

システムやアプリの場合はエラーとして表示されますが、Excelにはそれがありません。

そのため、Excel単独で運用するのではなく、複数のアプリと併せて最終的に集計結果のミスがないかどうかのチェックをするなどの運用が適しているでしょう。

4-2. クラウド型勤怠管理システムの活用で正しく計算

企業の規模が大きくなればなるほど、タイムカードの集計も大変になります。そこでタイムカード代わりになるシステムの導入を検討されてみてはいかがでしょうか。

打刻、集計から給与計算の連携まで可能になりますので、勤怠を管理する側の効率化を図ることができ、コスト削減にもつながっていきます。また、タイムカードの不正打刻や打刻忘れも防ぐことができるので効果的です。

さらに、勤怠の内容はクラウド上で確認できますので、タイムリーに従業員の勤怠状況を把握でき、ブラウザー上で一括して管理も可能になります。もちろん、1分単位の勤怠管理が可能ですので、15分単位での切り捨て問題とは無縁になるでしょう。

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【関連記事】勤怠管理システムを導入する目的とは?メリット・デメリットも確認

5. 分単位で労働時間を管理し、クリアで正確な勤怠管理を続けよう

企業がタイムカードで勤怠管理をする場合のポイントを解説してきました。勤怠は1分単位で管理することが正しく、法令や規則に則った管理をすることが非常に重要になります。

従業員の労働時間を的確に把握し、給与計算をミスなく計算するためには、企業の義務でもあります。そこで管理する人の業務の効率化を図ることができる勤怠管理システムを導入されることをおすすめします。

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OHSUGI

OHSUGI

クラウド型勤怠管理システムジンジャーの営業、人事向けに採用ノウハウを発信するWebメディアの運営を経て、jinjerBlog編集部に参加。営業時代にお客様から伺った勤怠管理のお悩みや身につけた労務知識をもとに、勤怠・人事管理や給与計算業務に役立つ情報を発信しています。

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