アルバイトがタイムカードを押し忘れたとき、給与の支払いはどうする? - ジンジャー(jinjer)|人事データを中心にすべてを1つに

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アルバイトがタイムカードを押し忘れたとき、給与の支払いはどうする?

アルバイトの出退勤の管理は、出社時刻と退社時刻を手で記入したり、タイムカードで打刻したりするなどさまざまな手法があります。

アルバイト代は、出退勤の結果をもとに毎月の勤務時間を集計して支払うのが一般的です。そのため、アルバイトがタイムカードを押し忘れた場合などの対応に悩んでいる担当者の方も多いのではないでしょうか?

本記事では、アルバイトがタイムカードを押し忘れた際の対処法や押し忘れ防止策をご紹介します。

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タイムカードの打刻漏れの正しい対応方法とは?

タイムカードの押し忘れがあった際、給料を支払わない・罰金を科すなどの対応は違法になる可能性が高いです。

当サイトではタイムカードの打刻漏れがあった際の適切な対応方法について、本記事の内容をわかりやすくまとめた資料を無料で配布しております。

「タイムカードの押し忘れがあった際の対応が適切か確認したい」「できれば打刻漏れを減らしたい」という方は、こちらから資料をダウンロードしてご覧ください。

1. 打刻を忘れたからといって給料・バイト代を支払わないのは違法

注意マークをもった人の写真

タイムカードを押し忘れたときの給料やバイト代は、従業員へ事実確認をしてきちんと支払う必要があります。

仮に、タイムカードを押し忘れたという理由で欠勤扱いにして、給料やバイト代を支払わないことは違法になります。

労働契約法
(中略)
第六条 労働契約は、労働者が使用者に使用されて労働し、使用者がこれに対して賃金を支払うことについて、労働者及び使用者が合意することによって成立する。

引用:労働契約法|e-Gov

労働基準法
(中略)
第二十四条 賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。

引用:労働基準法|e-Gov

また、タイムカードを押し忘れたことによる罰金も違法です。タイムカードを押し忘れたとしても、働いていることは事実です。つまり、バイト先に対して労働力を提供していることになるため、企業はアルバイトに対してバイト代を支払わなければなりません。

労働基準法
(中略)
第十六条 使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。

引用:労働基準法|e-Gov

1-1. 押し忘れが何度も続く場合は減給できる可能性はある

タイムカードの押し忘れに罰金がなくても、タイムカードの押し忘れが続くような場合は、減給できる可能性があります。

減給するには、あらかじめ就業規則などにタイムカードを押し忘れが続いた際の減給について盛り込んでおけば、スムーズに対処ができます。

しかし、減給についても労基法第91条で「1回の減額が平均賃金の1日分の半額を超え、総額が1賃金支払期における賃金の総額の10分の1を超えてはならない」と上限が定められていますので、これを超える減給については違法となります。

タイムカードの押し忘れに対して、何かしらのペナルティを設けたいとお考えの方も多いかもしれませんが、ここまでで解説してきた通り、違法にならないように注意が必要です。
当サイトでは、打刻漏れがあった際の適切な対応と打刻漏れを減らす方法をまとめた資料を無料で配布しておりますので、気になった方はこちらから資料をダウンロードしてご覧ください。

【関連記事】タイムカードの押し忘れによる給料カットや欠勤扱いの処分は妥当?労働基準法の規定に注意!

2. タイムカードの押し忘れを放置する企業側のリスク

なぜ問題が発生するのか考える

タイムカードの押し忘れを放置することは、経営に支障をきたすようなリスクを招くため注意が必要です。

では、どのようなリスクが想定されるのか、詳しくみていきましょう。

2-1. 給与や残業代の未払いリスク

タイムカードの押し忘れを放置することで自ずと生じるのが、給与や残業代の未払いリスクです。

従業員から未払賃金の請求を受けた際には支払う必要がありますが、時間が経つにつれて真偽を確かめるのは困難となるでしょう。スムーズに支払いに応じられなければ、労使間のトラブルに発展する恐れもあります。

また、2020年の民法改正に伴う労働基準法の改正によって、賃金請求権の消滅時効が5年(当面は3年)に延長されました。従業員は過去3年間に遡って未払い賃金を請求できるため、思わぬところで大きな出費を強いられる可能性もあります。

2-2. 労働時間の上限規制に抵触する可能性がある

タイムカードの押し忘れによって労働時間が適切に把握されないままでいると、時間外労働の上限規制に抵触する恐れもあります。

働き方改革関連法案成立に伴う2019年の労働基準法改正により、月45時間・年360時間の上限規制が導入されました。特別な事情がない限り、原則としてこの上限規制を超えることができません。

万が一、タイムカードの押し忘れを放置したことにより、上限規制の超過が後になって発覚した際は「6ヵ月以下の懲役または30万円以下の罰金」が科せられる恐れがあります。

上限規制に抵触しないためにも、日頃から徹底したタイムカードの管理が重要だといえるでしょう。

3. タイムカードの押し忘れが発生した場合の対処法

アルバイトが打刻を忘れたからといって、賃金を支払わないことや罰金を科すことは違法です。

では、アルバイトがタイムカードを押し忘れた際に企業はどのような対応をすべきなのかについて確認しましょう。

3-1. 退勤打刻がなければ、実際の労働時間を確認する

タイムカードに打刻漏れがある状態で届いたら、必ず当該従業員に事実確認をしましょう。その日に勤務したのか、出退勤の時間は何時であったかを確認して、労働時間の集計にうつります。

事実確認の方法は、従業員本人に聞くというだけでなく、パソコンを利用しているのであればPCのログを確認したり、防犯カメラの映像などを確認したりすると的確に把握できるでしょう。

3-2. 押し忘れに気が付いたら、手書きで書いてもらう

アルバイトが自身で打刻忘れについて気が付いたのであれば、店長などその上司に許可をとった上で、手書きで出退勤の時間を記入してもらっても問題ありません。

ただし、必ず上司に許可をとることと、他人ではなく自分で労働時間を記入してもらうようにしましょう。手書きは不正や改ざんに繋がりやすため、運用する際のルールをあらかじめ決めておくことがおすすめです。

【関連記事】タイムカードを押し忘れたら手書きはあり?手書き対応で注意したい3つのこと

4. 会社側には労働時間を管理・記録する義務がある

アルバイトがタイムカードを押し忘れたといっても、一方的にアルバイトだけを責めることはできません。

労働時間を管理、記録する義務は会社側にあるため、適切に管理できる体制を整えておく必要があります。担当者の方は、今一度「管理、記録する義務」について確認しておきましょう。

4-1. タイムカードは、労働時間の管理方法の1つ

労働基準法では、「アルバイトなどの労働者の労働時間や日数を記録した管理台帳を保存すること」が義務付けられています。会社は管理する方法として、タイムカードを選択したにすぎません。

何時から何時まで働いたという管理については、会社側が責任をもって管理する必要があります。出社するたびに会社側が報告を受け、それを記録するとなると管理が大変なため、タイムカードを利用して仕事の開始時間、終了時間を管理しているということになるのです。

そのため、「アルバイトが押し忘れる」という理由で管理・記録が適切にできなかったとしても、すべてがアルバイトの責任になるのではなく、「タイムカードを選んだ」企業側にも責任があることを覚えておきましょう。

4-2. タイムカードの時間と実労働時間に乖離がある場合

タイムカードと実際の労働時間に乖離がある場合も少なくありません。2017年の厚生労働省のガイドラインには下記のような内容が書かれています。

自己申告された時間やタイムカードの記録と実際の労働時間に著しく乖離がある場合は実態調査を行い、労働時間を補正すること

引用:労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン|厚生労働省

そのため会社側としても、管理義務として疑わしき状態をそのまま放置せず、事実確認から労働時間の修正をおこなう必要があります。

【関連記事】タイムカードの打刻時間と労働時間のずれに関する対処法を解説

5. タイムカードを押し忘れる理由とその対策

タイムカードで勤怠管理をする場合、アルバイトが押し忘れないようにするのが1番良い解決策です。しかし、出勤時間ぎりぎりだったり、タイムカードの打刻への意識が低かったりすると、どうしてもヒューマンエラーが起こるリスクがあります。

ここでは、タイムカードの打刻忘れが起きる原因と、押し忘れを防止する方法を解説するので、押し忘れに悩んでいる担当者の方はチェックしておきましょう。

5-1. 環境の改善や身近なツールを活用する

タイムカードが視界に入りにくい場所にあったり、トイレや休憩室の近くにあると打刻忘れが発生しやすくなるため、タイムカードが設置されているところを見直してみましょう。

就業する前に必ず通るところ、更衣室がある場合は更衣室の目の前など、必ず目にするところに配置することにより見落としが防げます。

また、そもそもの話にはなりますが、社内でタイムカード打刻のルールが決まっていないケースもあります。以下の記事ではルールを決める際の具体例を6点紹介しておりますので、あやふやになっている企業の担当の方は一度ご確認ください。
タイムカードで打刻ミスをなくすために用意しておきたい打刻ルールの具体例

5-2. 従業員同士で注意し合う

押し忘れは、誰もがやってしまう可能性があることですので、みんなで声を掛け合って確認するのもよいでしょう。

挨拶や朝礼と同時に、「タイムカードは押したか?」などを声を掛け合う習慣を作ったりしてみるのがおすすめです。

5-3. 押し忘れの際のルールを厳しくする

従業員が押し忘れた際に、特に面倒な手続きもなく修正に応じているような職場では、従業員の気も緩み打刻漏れが後を絶たないかもしれません。

このようなケースでは、修正申請書の作成と上長の承認印を必要とするといったルールを設けるのも一つの手です。厳しいルールがあることで従業員の気持ちも引き締まり、押し忘れ防止の効果も期待できるでしょう。

5-4. 勤怠管理システムを使用する

システムを導入することができる環境であれば、勤怠管理システムの導入がおすすめです。

システムによってさまざまな打刻方法が用意されているので、今まで手間がかかっていた打刻方法を簡単な方法に変更、職場環境にあった方法を選択でき、不正打刻なども防止できます。

また、勤務時間や超過時間の集計なども自動でおこなえたり、打刻時間や集計結果のデータをファイルに出力したりできるメリットもあります。

6. タイムカードを押し忘れても給与の支払いは必要

原則として、アルバイトがタイムカードを押し忘れたとしても、実際の勤務状況に基づいてバイト代を支払わなければなりません。ただし、何時に出社したかなどを毎回確認をするのは、会社側にとっても負荷が大きいので、押し忘れないように対策を打つことが望ましいでしょう。

対策はいろいろありますが、もっとも効果的なのは勤怠管理システムを導入することです。

勤怠管理システムを導入すれば、押し忘れを防止できるだけでなく労働時間の集計や給与計算などの業務効率化も見込めるので、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

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タイムカードの打刻漏れの正しい対応方法とは?

タイムカードの押し忘れがあった際、給料を支払わない・罰金を科すなどの対応は違法になる可能性が高いです。

当サイトではタイムカードの打刻漏れがあった際の適切な対応方法について、本記事の内容をわかりやすくまとめた資料を無料で配布しております。

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OHSUGI

OHSUGI

クラウド型勤怠管理システムジンジャーの営業、人事向けに採用ノウハウを発信するWebメディアの運営を経て、jinjerBlog編集部に参加。営業時代にお客様から伺った勤怠管理のお悩みや身につけた労務知識をもとに、勤怠・人事管理や給与計算業務に役立つ情報を発信しています。

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