在宅勤務(テレワーク)を導入するメリット・デメリットを徹底解説
更新日: 2025.12.25 公開日: 2021.11.12 jinjer Blog 編集部

在宅勤務は、ICTを用いて自宅で勤務することを指します。在宅勤務には多くのメリットがあると同時に、デメリットも数多く存在します。実際に導入した企業では、コミュニケーションが取りにくい、従業員の管理がしにくい、会議や商談の回数が減った、導入しようにもハードウェア機器の価格が高く導入に踏み切れないなどの問題点がデメリットとして挙がっています。
本記事では、在宅勤務の導入することで企業が得るメリットとデメリットを詳しく解説していきます。在宅勤務の導入を検討している方は、メリットとデメリットをバランスよく見るほか、デメリットの解消につながる情報をぜひ参考にしてください。
▼在宅勤務・テレワークについて詳しく知りたい方はこちら
在宅勤務の定義や導入を成功させる4つのポイントを解説
目次
人事労務担当者の実務の中で、勤怠管理は残業や深夜労働・有休消化など給与計算に直結するため、正確な管理が求められる一方で、計算が複雑でミスや抜け漏れが発生しやすい業務です。
さらに、働き方が多様化したことで管理すべき情報も多く、管理方法と集計にお困りの方もいらっしゃるのではないでしょうか。そんな担当者の方には、集計を自動化できる勤怠システムの導入がおすすめです。
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1. そもそも在宅勤務とテレワークの違いは?導入される背景


まず在宅勤務やテレワークを導入するメリットやデメリットを説明する前に、それぞれがどのような働き方なのか言葉の意味と、近年在宅勤務やテレワークが導入されている背景を解説します。正しく在宅勤務やテレワークを導入するためにも、正しく理解しておきましょう。
1-1. 在宅勤務とテレワークの違い
在宅勤務とテレワークは密接に関連していますが、明確な違いがあります。
在宅勤務はテレワークの一種であり、主に自宅での勤務を指します。一方、テレワークは情報通信技術(ICT)を活用し、場所や時間に縛られない働き方全般を意味します。在宅勤務のほかに、モバイルワークやサテライトオフィス勤務などもテレワークの一種です。
また、在宅勤務やテレワークと同様に使われる「リモートワーク」は、テレワークとほぼ同義の言葉として扱われています。テレワークほど定義が明確ではなく、働き方が多様化していく中で自然に生まれた言葉です。そのため、テレワークとリモートワークで表現を迷った際は、テレワークを使うとよいでしょう。
1-2. 在宅勤務やテレワークが導入される背景
在宅勤務やモバイルワークなどのテレワークが普及し、導入されてきた背景には、働き方の多様化があります。特に2020年頃から始まった新型コロナウイルス感染症の影響は大きく、感染拡大を防ぐという観点から在宅勤務が推奨されるようになり、テレワークが急速に普及していきました。
多くの企業が在宅勤務を導入した背景には、感染拡大の防止に加えて、そもそもの働き方改革の推進や労働生産性の向上を目指す政府の方針が影響しています。少子高齢化が進む中で、柔軟な働き方を提供することは、企業が優秀な人材を確保するための重要な戦略となっています。
2. 在宅勤務を導入するメリット


在宅勤務のメリットには以下の5点のようなものが挙げられます。
- 優秀な人材が確保しやすくなる
- 育児や介護と仕事を両立しやすい
- 柔軟な働き方に対応できるようになる
- ペーパーレス化やオフィスの賃料などコスト削減につながる
- 緊急時でも通常通り業務をおこなえる
従業員側のメリットのが強調されがちな在宅勤務ですが、企業にとっても在宅勤務はプラスに働きます。特に出社に縛られないことで、育休や産休に対応できる、従業員の私生活に沿った業務時間の提案ができる、緊急時でも自宅から業務できるなど、労働力を安定して雇用し続けられるのがポイントです。
それぞれのメリットを詳しく解説していきます。
2-1. 優秀な人材が確保しやすくなる
昨今の日本では「労働力不足」が顕著になっており、人材の確保が難しくなっています。人材の確保そのものが難しいため、優秀な人材も比例して少なくなっている状態です。
そのため、企業としては従業員にとって働きやすい環境や、生活に困らないだけの賃金を提供し、積極的に優秀な人材を呼び込む必要があります。そこで通勤時間が減り、プライベートと仕事を即座に切り替えらえる在宅勤務を提案することで、柔軟な働き方への要望に応えられます。
また、在宅勤務によって、遠くに住む優秀な人材にもアプローチできるため、地理的な制約を取り払い、多様な人材をチームに加えることが可能になります。これにより、企業は幅広いスキルや経験を持つ人材を獲得することができ、競争力の向上につながります。さらに、育児や介護などの理由で出社が難しい人材も、在宅勤務の選択肢があることで再び職場に復帰しやすくなります。
2-2. 育児や介護と仕事を両立しやすい
従業員の私生活と仕事のバランスをとりやすくなることも、通勤時間が減ることによるメリットです。通勤時間に費やされていた時間を、仕事や勉強、家族との時間などに使えるため、出社するよりもゆとりのある生活を送りやすくなります。
自宅で子どもの面倒を見たい、親の介護と両立させたいなど、プライベートな事情と仕事を両立させたいという思いも叶えやすくなります。両立が難しい理由のひとつである、職場と自宅の距離の問題が解消できるからです。時間的、体力的にも負担が減るのも大きなメリットです。
また、市役所や銀行など、平日の日中にしかできない手続きもしやすくなります。必要な手続きのために遅刻や早退をし、給与が減ってしまうという問題もありません。ほかにも、子供の送り迎えや、介護のデイサービスのお迎えなどにも、余裕をもって対応できるため、時間に追われることが少なくなります。
このように、時間的な余裕が生まれることで従業員のストレスが軽減され、心身の健康向上にも寄与します。さらに、ワークライフバランスが向上することで、業務への集中力や生産性も向上し、結果として企業全体のパフォーマンス向上にもつながります。
2-3. 多様化する働き方に対応しやすくなる
在宅勤務の導入で柔軟な働き方ができるようになると、育休や産休をより柔軟に取得できるようになり、労働力が一気に低下する状況を防げます。
在宅勤務の状態で、出勤時と同程度の業務を担当できるようになれば、ほかの従業員に負担をかけてしまうこともありません。部署やチームのメンバーが助かるのはもちろんですが、本人も休業に入ることで迷惑をかけてしまう罪悪感を感じずに済みます。
最近ではワーケーションという、旅先やリゾートから仕事をするテレワークも人気なため、在宅勤務に向けたIT機器の導入で、そのほかの働き方改革も進む可能性があります。
働き方を選択できるようになると、より優秀な人材を雇えるようになり、企業のメリットとなります。
2-4. コスト削減につながる
在宅勤務では書類をリアルタイムでやり取りすることができないため、ファイル共有ツールなどを通して書類を相互に確認し合う必要があります。そのため、今まで紙で印刷していた書類の総枚数が大幅に減り、ペーパーレス化に繋がります。紙やインクにかかっていたコストを削減できるでしょう。書類の整理に必要なファイルや、保管場所などもいずれは削減できるかもしれません。
ペーパーレスの状態で情報を完全に管理できていれば、膨大な書類のなかから目当ての書類を探す手間も削減できるのがポイントです。コストカットだけでなく、時間の削減にもつながります。
2-5. 緊急時でも通常通り業務をおこなえる
普段から企業と従業員が在宅勤務に慣れていると、緊急時でも自宅にいながら通常と同じような業務ができます。災害は大規模なものだけでなく、停電や電車の遅延・運休など、通勤しにくい場合も含みます。
インターネット接続が維持されていることが前提条件ではありますが、普段から在宅勤務の環境が整っており、すぐに切り替えができれば年間を通して安定した業務を遂行できます。業務効率を下げずに一定の生産性を保てることは、企業の安定に非常に重要な要素です。
このように、在宅勤務は企業にとっても災害時や緊急時のリスク管理の一環と位置づけられ、戦略的な経営判断としても重要な要素となります。オフィスに依存しない柔軟な働き方は、若い世代を中心に評価されやすいため、人材確保の観点からも大きなプラスになるでしょう。
さらに、災害や緊急時における業務の継続性は、企業の信頼性や顧客サービスに直結します。事前に在宅勤務の制度が整っていることで、業務の中断を最小限に抑えられ、従業員も安心して働ける環境が整うのです。
3. 在宅勤務のメリットを受けやすい業種


ここまでお話をしてきたように、在宅勤務はワークライフバランスを向上させることや、災害に強い運営ができることなど、さまざまなメリットがありました。しかし、すべての業種でこれらのメリットが発生するわけではありません。在宅勤務によるメリットが多い業種と、相性が悪い業種を知っておきましょう。
3-1. 在宅勤務がしやすくメリットが多い業種
在宅勤務がしやすくメリットも出やすい業種は、デスクワークが中心のものです。また、個人で成果をだしやすい、時間や取引先の影響を受けにくい、ITに強いことなども在宅勤務に適している条件です。
- IT・情報通信業
- デザイン・編集・ライター業
- 金融・保険業
- コンサルティング業
- マーケティング業
これらの業種は、特に在宅勤務がしやすくメリットも受けやすいでしょう。
IT情報通信業はパソコンとインターネット回線があれば業務ができるケースが多いです。デザインやライター、編集などは個人で進める業務が多いため、こちらも在宅勤務向けです。
金融や保険業、コンサルティング、マーケティングはクライアントとの打合せがWEB上でできれば在宅勤務のメリットが強くでるでしょう。
3-2. 在宅勤務のメリットがでにくい業種
反対に在宅勤務に適しておらず、メリットが出にくいのは人とのコミュニケーションがコア業務である場合や、現場での業務が必須である場合です。
- 生産業
- 運輸・保安業
- 医療・福祉・教育関連
- サービス・販売業
- 人事・労務・経理など
いずれも人や物と直接関わる必要がある業種で、デジタル化やリモートができない業務が大半を占めています。
経理業務は一見するとデスクワーク中心で在宅勤務向けに思えますが、まだまだ紙ベースの業務が多く出社したほうが効率がいいケースが多いです。在宅勤務を可能にするには、各種帳票や帳簿をはじめとしたさまざまな書類の電子化が大前提にあります。また、セキュリティリスクも大きいため、多くの場合はメリットよりも課題や懸念が大きいです。
4. 在宅勤務のデメリットと解決策


在宅勤務を導入するデメリットとしては、次の4項目が挙げられます。
- 労災認定が難しい
- 業務の進み具合は社員の自己管理力に左右される
- 社員同士のコミュニケーションがおろそかになる
- 勤怠管理や評価査定がしにくい
一部はツールや制度を変えることで解決できますが、労災や社員の自己管理力は解決するのが難しいデメリットです。
ここではデメリットを解説すると同時に、おすすめの解決策も紹介していきます。
関連記事:在宅勤務を実施する企業の問題点とその解決策を詳しく解説
4-1. 労災認定が難しくなる
在宅勤務の状況下でも、業務が原因となる怪我や病気には労災として労災保険が給付されます。しかし、在宅勤務の場合は業務とプライベートが分離しにくく、労災として認めるべきか曖昧になりやすいです。
明確に業務中に発生したという証拠があれば判断は容易になりますが、多くの場合は申告内容に基づいて判断をすることになります。どこまで従業員を信じるか、という話になってしまうため、非常に難しい問題です。
対処法としては労災認定の基準の周知を徹底し、特に業務と私的行為の線引きについて、判断基準の明確化が挙げられます。たとえば、休憩時間中の私的行為による怪我は労災の対象外であることや、業務に付随する行為中(トイレや資料の整理など)のものは認められやすいことなどを明記しましょう。実際に業務中に負傷した場合は、負傷した時間、負傷したときの状況などを、事細かく記録するルールを設けることが考えられます。
▼在宅勤務の労災に関する詳しい記事はこちら
在宅勤務で労災は認められるの?3つのケースや注意点を紹介
4-2. 業務の進み具合は社員の自己管理力に左右される
在宅勤務を嫌う人は少ないですが、向き不向きによる業務効率の差は顕著に表れやすいです。在宅勤務は出社と比べると制限が少なく、ある程度は自分の采配で業務をおこなえます。そのため、自己管理能力に優れており、時間やノルマを自分で設定し、しっかりと働ける人には適した働き方です。
一方で目を離すと手を抜いてしまう、時間にルーズ、家にいることで集中力が落ちる、など、在宅勤務が気のゆるみにつながる人には向いていません。ダラダラと仕事をすることになり、業務効率が下がりやすいでしょう。
こうした従業員の性格による課題に対しては、就業規則を見直す際に在宅勤務の対象者を絞るようにしましょう。勤続年数や役職のほか、一定の条件を設けると、より効率的に進みます。
関連記事:在宅勤務における監視の必要性やツール活用のポイント
4-3. 社員同士のコミュニケーションがおろそかになる
在宅勤務によってほかの社員と接する時間が減り、コミュニケーション不足に陥ることがあります。
社員同士で意思疎通ができていないばかりに会議が上手く進行できなかったり、共有すべき書類が行き届いていなかったり、コミュニケーションの場がないと業務自体にも支障をきたします。
こうしたコミュニケーション不足による悪影響は、拡大すれば生産性の低下を招きます。複数の部署やチームで発生すれば、企業全体の問題になりかねません。
実際に在宅勤務に切り替える場合は、まずコミュニケーションツールを確立させてからにしましょう。体制が整ってから在宅勤務に切り替えることで、業務効率の低下を防いだり、混乱を防いだり、スムーズに移行できます。
4-4. 勤怠管理や評価査定がしにくい
在宅勤務では働きぶりがわかりにくくなります。ツールやカメラを用いることで、勤務態度や業務の進捗はある程度は判断できます。しかし、同じ空間で働いていないと、細かいサポート力や貢献まではわかりません。
そのため、結果になりにくい成果が評価されないケースや、反対に中身のない業務が評価されてしまうケースなど、公平でない評価が発生しやすくなります。こうした勤怠管理や評価のエラーがデメリットとして挙げられます。
解決策としては出勤時はチャットで出勤申請させたり、残業は承認制にしたり、管理ツールを導入して評価しやすいように業務を可視化したりなどがあります。また、事業場外みなし労働制の適用可否など、在宅勤務特有の労働時間を管理するルールを定めることも有効です。
また、定期的にオンラインミーティングや個別の面談を実施して、働きぶりや業務に対する姿勢を細かく確認することも有効です。
関連記事:テレワーク・在宅勤務導入後の労働時間管理におすすめな方法3選
関連記事:勤怠管理をペーパーレス化するには?電子化のメリット・デメリットも解説
5. 在宅勤務を導入する企業の推移


テレワークの導入率は、2019年までは20.2%程でした。導入予定を含めても30%程にとどまっています。しかし、2020年頃の新型コロナウイルス感染症の影響を受けて大幅に増え、同年には在宅勤務を含むテレワークの導入率が47.5%を超えました。導入予定の企業を含めると半数以上になります。
テレワークの導入携帯は、在宅勤務が90%程になっており、モバイルワークやサテライトオフィス勤務などと比べると圧倒的な採用率です。
こうした影響は2022年頃まで継続していましたが、2021年の51.9%をピークに少しずつ下がってきています。2023年には、テレワークを導入している企業は49.9%になり、半数を下回りました。
しかし、半数ほどの企業がテレワークを実施しており、働き方のひとつとして定着しつつあります。多様化する働き方のニーズに応えることが人材確保にもつながるため、今後もリモートワーク導入率が大幅に下がることは考えにくいでしょう。まだ導入していない場合は、在宅勤務における課題を解決し、企業の魅力として導入を進めることをおすすめします。
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5. 在宅勤務ができる環境を整えて多様化する働き方に対応していこう


在宅勤務を導入すると、優秀な人材を確保しやすくなる、従業員の私生活が豊かになるなど、さまざまなメリットが得られます。一方、労災認定が難しい点や社員の自己管理力が問われる点などはデメリットです。
在宅勤務の導入前にはどうしてもデメリットに目がいきがちですが、ITツールの活用によって解決できる問題もあります。まだ在宅勤務を導入していない方、検討中の方はぜひ前向きに考えてみてください。



人事労務担当者の実務の中で、勤怠管理は残業や深夜労働・有休消化など給与計算に直結するため、正確な管理が求められる一方で、計算が複雑でミスや抜け漏れが発生しやすい業務です。
さらに、働き方が多様化したことで管理すべき情報も多く、管理方法と集計にお困りの方もいらっしゃるのではないでしょうか。そんな担当者の方には、集計を自動化できる勤怠システムの導入がおすすめです。
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