パートタイム・有期雇用労働法の罰則は?リスクや対策をわかりやすく解説 - ジンジャー(jinjer)|統合型人事システム

パートタイム・有期雇用労働法の罰則は?リスクや対策をわかりやすく解説 - ジンジャー(jinjer)|統合型人事システム

パートタイム・有期雇用労働法の罰則は?リスクや対策をわかりやすく解説 - ジンジャー(jinjer)|統合型人事システム

パートタイム・有期雇用労働法の罰則は?リスクや対策をわかりやすく解説

パートタイム

非正規社員を雇っている企業にとって、パートタイム・有期雇用労働法は重要な法律です。しかし、罰則の対象となる行為や内容を把握できていない人事担当者は多いのではないでしょうか。

この記事ではパートタイム・有期雇用労働法の罰則の内容や罰則以外のリスク、違反しないための対策を解説します。

パートタイム・有期雇用労働法の全体像は関連記事も併せてご覧ください。

関連記事:パートタイム・有期雇用労働法の内容を分かりやすく解説

労務リスクに備える。 「同一労働同一賃金」対応の再点検を

意図せず不合理な待遇差を放置してしまうと、思わぬ労使トラブルに発展する可能性があります。
企業の信頼性を守るためにも、客観的な視点での定期的な見直しが不可欠です。

◆押さえておくべき法的ポイント

  • 「均衡待遇」と「均等待遇」の判断基準
  • 企業に課される「待遇に関する説明義務」の範囲
  • 万が一の紛争解決手続き「行政ADR」の概要

最新の法令に対応した盤石な体制を構築するために参考になりますので、ぜひこちらから資料をダウンロードしてご活用ください。

1. パートタイム・有期雇用労働法に定められた罰則

ペナルティパートタイム・有期雇用労働法では、次の2つの罰則が定められています。

  • 雇用時に特定事項を明示しない:10万円以下の過料
  • 行政指導に対して虚偽報告・報告拒否をする:20万円以下の過料

まずは罰則の対象行為の詳細を確認しましょう。

1-1. 雇用時に特定事項を明示しない

特定事項とは、パートタイム・有期雇用労働法第6条に定められた、パートタイマーや有期雇用労働者を雇い入れた際に明示が必要な項目です。パートタイマーや有期雇用労働者を雇用する場合、企業は次の4つを文書などで明示する必要があります。

  1. 昇給の有無
  2. 退職手当の有無
  3. 賞与の有無
  4. 相談窓口

法改正により、2026年10月からは「待遇の相違の内容、理由などに関する説明を求めることができる旨」が明示項目に追加されます。

なお、労働基準法では全従業員を対象として、雇い入れの際の労働条件の明示が定められています。そのためパートタイマーや有期雇用労働者には、パートタイム・有期雇用労働法の特定事項と、労働基準法に定められた項目の両方を明示しなければなりません。労働基準法の労働条件明示義務に違反した場合は30万円以下の罰金が科されます。

参考:短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律|e-Gov法令検索

参考:短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律施行規則|e-Gov法令検索

1-2. 行政指導に対して虚偽報告・報告拒否をする

もうひとつの罰則は、行政指導に対する報告義務違反です。

パートタイム・有期雇用労働法では、厚生労働大臣による行政指導の権限を定めています。労働局は、パートタイマーや有期雇用労働者の雇用管理の改善などを図る必要がある企業に対し報告を求め、助言や指導、または勧告ができます。

労働局の行政指導に対して虚偽の報告をしたり、報告をしなかったりした企業は、20万円以下の過料の対象となる可能性があるでしょう。

2. パートタイム・有期雇用労働法による罰則の種類

法律

パートタイム・有期雇用労働法違反で科される罰則はいずれも過料です。過料の性質やほかの罰則との違いを説明します。

2-1. 過料とは

過料とは行政上の義務違反に対する罰です。法律上の義務に違反したものに対し、国が金銭的な負担を科すことで、行政上の秩序を維持することを目的としています。

過料は刑事罰ではないため、科された場合も前科にはなりません。過料の決定に不服がある場合は、決定通知から1週間以内であれば、異議の申し立てもできます。

2-2. 罰金や科料との違い

過料と間違えやすいのが罰金と科料です。罰金や科料は、犯罪に対する処罰として科す財産刑で、過料とは異なり前科がつく点が大きな違いです。

異議申し立ての機会はなく、上告などをしない限り判決がでれば罰則が確定します。

指定された額を支払えない場合、労役場に留置されて罰金分の労役が科されます。過料に労役場留置はなく、金銭を支払えない場合は財産を差し押さえられるに留まります。

罰金と科料は金額が異なるだけで内容は同じです。罰金が1万円以上、科料は1000円以上1万円未満です。

過料と科料は読み方が同じなので、過料を「あやまちりょう」、科料を「とがりょう」と読んで区別する場合もあります。

3. パートタイム・有期雇用労働法にまつわる罰則以外のリスク

ビジネスマンパートタイム・有期雇用労働法違反によるペナルティは罰則だけではありません。代表的なリスクとして、企業名の公表と同一労働同一賃金ガイドライン違反を紹介します。

3-1. 行政指導による企業名公表

行政指導で過料が科されるケースは虚偽報告・報告拒否のみです。しかし、指導に対する是正をしないと、企業名が公表される場合があります。

行政指導の結果、パートタイム・有期雇用労働法違反が見つかった企業に対して、行政は是正勧告が可能です。是正勧告に従わず、企業が法違反の状態を放置する場合には、勧告に従わなかった旨が公表されます。

3-2. 同一労働同一賃金ガイドライン違反

同一労働同一賃金とは、パートタイム・有期雇用労働法の重要な概念です。同じ職務に従事するものに対して、正社員か非正規社員かの違いを理由に、不合理な待遇差や差別的な取り扱いを設けることを禁止しています。

同一労働同一賃金はガイドラインで具体的な基準が詳細に定められていますが、ガイドラインに違反した場合の直接的な罰則は定められていません。しかし、パートタイマーや有期雇用労働者との争いに発展した場合、ガイドライン違反が認定されると、過去数年分に遡り、不足する賃金を支払うよう命じられる可能性があります。

sharoshi_default

改正同一労働同一賃金ガイドラインは2026年4月に公布され、2026年10月から施行・適用されます。大きな改正は次の4点です。

  1. 裁判例を踏まえた記載の見直し
  2. 通常の労働者の待遇引き下げによる待遇差解消に関する記載の明確化
  3. 法第8条の「その他の事情」の明確化
  4. 無期雇用フルタイム労働者などへのガイドラインの趣旨の波及

同一労働同一賃金は解釈によって判断が分かれる場面が多く、対策が難しい分野です。必要に応じて弁護士や社会保険労務士などの専門家にも相談して、改正後も対応できる体制を整えましょう。

解説:社会保険労務士

当サイトでは、同一労働同一賃金に関して、基礎知識や合理的な待遇差の考え方について解説した資料を無料で配布しております。同一労働同一賃金への対応に関して不安な点があるご担当者様は、こちらから「同一労働同一賃金 対応の手引き」をダウンロードしてご確認ください。

関連記事:同一労働同一賃金はいつから適用された?ガイドラインの考え方や対策について

参考:同一労働同一賃金ガイドライン|厚生労働省

4. 罰則により企業が受ける影響

オフィス

罰則によって企業が受ける影響は、主に次の3点です。

  • 過料による経済的負担
    特定事項の明示義務や行政指導への報告義務に違反すると、10万円以下または20万円以下の過料が科されます。パートタイム・有期雇用労働法違反に対する最も直接的な行政罰で、決して小さい額ではありません。
  • 社会的信用の失墜
    行政指導による是正勧告に対応しないと、企業名が公表される場合があります。法違反による悪評が広まれば、従業員を大切にしない企業というイメージがつくおそれもあるでしょう。
  • 採用活動や事業活動への悪影響
    法違反が世間に明らかになれば、パートタイマーや有期雇用労働者の就業環境が整っていない企業とみなされるおそれがあります。求職者や取引先から懸念を持たれ、採用活動や事業活動に悪影響が及ぶ可能性もあるでしょう。

5. パートタイム・有期雇用労働法の罰則を受けないために

はてなマーク

パートタイム・有期雇用労働法を遵守し、罰則を受けないためには、日ごろから適切にパートタイマーや有期雇用労働者の雇用環境を管理しなければなりません。罰則をはじめとしたリスクを避けるためのポイントを3点解説します。

5-1. 労働条件通知書の内容を確認する

雇用時に明示が必要な特定事項は、労働条件通知書に記載し提示する運用が一般的です。

パートタイマーや有期雇用労働者用の労働条件通知書のひながたを用意し、明示事項をすべて記載しましょう。

労働条件の明示義務は初めて雇い入れるときだけでなく、契約の更新時も対象です。必要に応じて更新時の労働条件通知書も見直しましょう。

5-2. 行政指導に適切に対応する

行政指導の対象となっただけでは罰則は科されませんが、指摘をおそれて嘘の報告をしたり、指導の通知を無視したりすると罰則の対象となる可能性があります。

指摘事項を一つひとつ是正し、改善状況をきちんと報告すれば、過料が科される可能性はほとんどありません。行政指導を受けた場合は、適切に対応しましょう。

5-3. 就業規則や賃金体系を見直す

同一労働同一賃金ガイドラインの改正に適切に対応するには、就業規則や賃金体系全般の見直しが必要になる場合があります。

同一労働同一賃金は、パートタイマーや有期雇用労働者の労働条件全般に関わる原則です。ガイドラインに記載された手当や待遇はもちろん、記載されていない項目でも不合理な待遇差や差別的な取り扱いがあれば是正しましょう。

パートタイマーや有期雇用労働者に支払われていない手当がある場合は、支給の趣旨を確認し、待遇差に合理的な説明がつくか判断しなければなりません。是正事項が多岐にわたり、一度にすべてを是正できない場合は、時間をかけて一つひとつ対応する必要があります。

同一労働同一賃金の詳細は関連記事をご覧ください。

関連記事:同一労働同一賃金とは?法改正の背景・目的や不合理な待遇差の禁止についてわかりやすく解説

6. パートタイム・有期雇用労働法を遵守して罰則を避けよう

笑顔の女性

パートタイム・有期雇用労働法で罰則が科されるのは、特定事項の明示義務違反と行政指導に対する虚偽報告または報告拒否のみです。しかし、企業名の公表や民事訴訟に発展した場合の影響など、法違反によるリスクは罰則以外にも多々あります。

リスクを避けるためにも、パートタイム・有期雇用労働法の趣旨や規定をきちんと理解し、法律の遵守や従業員の労働環境改善に努めましょう。

労務リスクに備える。 「同一労働同一賃金」対応の再点検を

意図せず不合理な待遇差を放置してしまうと、思わぬ労使トラブルに発展する可能性があります。
企業の信頼性を守るためにも、客観的な視点での定期的な見直しが不可欠です。

◆押さえておくべき法的ポイント

  • 「均衡待遇」と「均等待遇」の判断基準
  • 企業に課される「待遇に関する説明義務」の範囲
  • 万が一の紛争解決手続き「行政ADR」の概要

最新の法令に対応した盤石な体制を構築するために参考になりますので、ぜひこちらから資料をダウンロードしてご活用ください。

jinjer Blog 編集部

jinjer Blog 編集部

jinjer Blogはバックオフィス担当者様を支援するため、勤怠管理・給与計算・人事労務管理・経費管理・契約業務・帳票管理などの基本的な業務の進め方から、最新のトレンド情報まで、バックオフィス業務に役立つ情報をお届けします。

人事・労務管理のピックアップ

新着記事