雇用契約の違反に当たる9のケースとトラブルの回避方法を紹介 - ジンジャー(jinjer)|統合型人事システム

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雇用契約の違反に当たる9のケースとトラブルの回避方法を紹介

男性と契約違反のブロック

 

雇用契約に違反がある場合労働者が労働基準監督署に相談に行くと、労働基準監督署が調査に入り、指導や是正勧告を受けることがあります。

よくある違反ケースとしては、長時間残業、休日・休暇を与えない、労災申請をしないほか、労働条件の明示や就業規則の作成・届出・周知を怠ることが挙げられます。

今回は、このような雇用契約の違反に当たる具体的な9つのケースの概要について、および雇用契約違反に関するトラブルを回避するための対策を紹介します。

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◆押さえておくべきポイント

  • 雇用契約の基本(労働条件通知書との違い、口頭契約のリスクなど)
  • 試用期間の適切な設定(期間、給与、社会保険の扱い)
  • 契約更新・変更時の適切な手続きと従業員への合意形成
  • 法的トラブルに発展させないための具体的な解決策

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1. 雇用契約が労働基準法に違反している場合の罰則とは

ペナルティのブロック

そもそも雇用契約の内容が法律に違反している場合、どうなるのでしょうか。

企業が守らなければならない雇用契約の条件は「労働基準法」で定められており、雇用契約の内容が法律に則っていない場合、労働基準法違反として労働基準監督署からの指導、または罰則が科されます。

労働基準法に違反した場合に科される罰則は次のとおりです。

  • 第117条:1年以上10年以下の懲役、または20万円以上300万円以下の罰金
  • 第118条:1年以下の懲役、または50万円以下の罰金
  • 第119条:6ヵ月以下の懲役、または30万円以下の罰金
  • 第120条:30万円以下の罰金

参照:e-GOV法令検索 | 労働基準法 第十三章 罰則

1-1. 雇用契約と実際の労働条件が異なる場合

雇用契約書や労働条件通知書に記載された内容と実際の労働条件が異なる場合、労働基準法第15条違反となります。

例えば契約書では所定労働時間が1日8時間と定められているにもかかわらず、実際には恒常的に9時間以上働かせていたり、賃金額や休日数の相違があったりするような場合は、法律違反なので注意してください。このような違反は、労使間の信頼を大きく損なうため、従業員のモチベーションの低下や離職につながります。また、労働基準監督署から是正勧告を受けるリスクも高まります。

労働条件通知書は労働基準法で交付が義務付けられているため、記載内容と実態を常に一致させることが重要です。不一致が判明した場合には、速やかに契約書を修正し、労働者への説明を徹底する必要があります。

1-2. 雇用契約違反の罰則は従業員も対象になる

雇用契約違反における罰則は基本的に使用者側が対象ですが、従業員にも一定の義務があります。

労働基準法第16条では、使用者側が労働者に対し、労働契約の不履行を理由に違約金や損害賠償を予定する契約は無効と定められています。しかし、就業規則に基づき秘密保持や誠実な労働提供が義務付けられているにもかかわらず、意図的に契約を無視して業務を放棄したり、競業避止義務に違反して取引先へ情報を漏らし、秘密保持義務を違反したりした場合には、民事上の責任を問える可能性があります。

また、正当な理由なく長期無断欠勤を続ける行為は、雇用契約違反として懲戒処分や損害賠償請求の対象となる場合があります。使用者と労働者は対等の立場で義務を負うため、雇用契約は使用者だけでなく、労働者自身も遵守すべき法的拘束力を持つものであると周知する必要があります。

2. 雇用契約を締結する際の義務とは

クエスチョンマーク

雇用契約を締結する際、使用者には労働基準法に基づき労働条件を明示する義務があります。労働基準法第15条では、賃金や労働時間、休日などの主要な条件を文書で通知しなければならないと定めています。

これを怠ると無効とされる可能性があり、違反した場合は罰則が科されることもあります。

また、雇用契約書自体の作成は法律上の義務ではありませんが、労使間の認識相違を防ぎ、後の紛争を避けるために作成することが強く推奨されます。このように、雇用契約をおこなう際には義務があるので確認しておきましょう。

2-1. 労働条件を明示しなければならない

雇用契約に際し、企業には労働条件の明示が法律で定められています。

この対応を怠った場合、30万円以下の罰金を科される可能性があるため注意しましょう。

また、内容も定められていて、必ず明示をしなければならない「絶対的明示事項」と、定めをした場合に明示しなくてはならない「相対的明示事項」があります。絶対的明示事項の昇給および退職手当に関する事項を除き、書面で交付しなければならないとされています。

一般的に書面での明示は「労働条件通知書」上で取りおこなわれます。この書面の交付も法律で義務付けられていて、交付していない場合は違法とみなされてしまうので、確実に対応するようにしましょう。

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2-2. 雇用契約書は義務ではないが作成するべき

労働基準法において、労働条件通知書や就業規則には作成義務が定められていますが、雇用契約書に関しては作成義務が定められていません。しかし、労働条件通知書の交付義務があるため、実務上は契約書を併せて作成することが望ましいとされています。

雇用契約書は労使双方の署名・押印を通じて合意を明文化できるため、後に「言った、言わない」の争いを防止できます。特に賃金体系や退職に関する条件はトラブルになりやすいため、雇用契約書に明記して合意をとっておくのが効果的です。

裁判や労働審判に発展した場合も、契約書があれば使用者にとって重要な証拠となります。そのため、義務ではなくても、雇用契約書は必ず作成することが実務上の基本といえます。

このような雇用契約書を作成するタイミングにおいて、参考にできる労働条件通知書兼雇用契約書のフォーマットが欲しいという方向けに、当サイトでは社労士が監修したフォーマットを無料配布しています。

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2-3. 労働者にも義務は発生する

雇用契約を締結すると、使用者だけでなく労働者にもいくつかの義務が発生します。労働者は契約に基づいて労務を誠実に提供し、就業規則や安全衛生に関する指示を守る責任があります。また、秘密保持や競業避止義務など、契約で特に合意された義務についても遵守しなければなりません。

企業によって内容は異なりますが、一般的には以下のような義務が存在します。

  • 労務提供義務
  • 秘密保持義務
  • 競業避止義務
  • 信用保持義務
  • 企業秩序維持義務
  • 職務専念義務

労働者がこれらの義務を怠り、企業に損害を与えた場合、民法上の債務不履行責任として従業員に対して損害賠償を請求するというケースもあります。労働契約は使用者側の義務が注目されがちですが、労働者にも相応の責任が課される双務契約であるため、就業規則などで義務の詳細を定めておくとよいでしょう。

3. 雇用契約が労働基準法に違反する具体的な9のケース

話し合う様子

労働基準法に基づいた、雇用契約の違反に該当する具体的なケースの概要と罰則は下記のようなものが挙げられます。

  • 社会的身分や性別・国籍で労働条件を差別する
  • 法定労働時間を超過した労働をさせる
  • 残業代・深夜手当・休日手当を支払わない
  • 十分な休憩時間を与えていない
  • 法定休日を与えていない
  • 妊娠中や出産後の労働者に休暇を与えない・残業させる
  • 労働契約不履行に対し、違約金・賠償金を支払わせる
  • 労働条件の明示や就業規則の作成・届出をしていない
  • 予告なしに解雇する

労働基準監督署からの指導や罰則を受けるのは、使用者(事業主または事業の実質的権限を持つ人)と企業になるので、雇用契約や労働環境が違反になっていないか確認をしておきましょう。

3-1. 社会的身分や性別・国籍で労働条件を差別する

性別や国籍を理由に労働条件を変えることは、次の法律により雇用契約違反に当たります。

(均等待遇)
第三条 使用者は、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として、賃金、労働時間その他の労働条件について、差別的取扱をしてはならない。
(男女同一賃金の原則)
第四条 使用者は、労働者が女性であることを理由として、賃金について、男性と差別的取扱いをしてはならない。

引用:e-Gov 法令検索 | 労働基準法

違反が発覚した場合、是正勧告や行政指導の対象となるとともに、損害賠償や社会的信用の低下などのリスクがあります。企業は採用時の書面確認、賃金規程や評価制度の整合性、教育研修の徹底などにより平等な労働条件を確保しなければなりません。

特に、日本は女性の社会進出が諸外国と比較して遅れており、目に見えない無意識の偏見(アンコンシャス・バイアス)が働きやすい傾向もあるため、企業として注意する必要があるでしょう。

3-2. 法定労働時間を超過した労働をさせる

長時間の残業が日常化している企業のなかには、労働者に対し、法定労働時間を超えた労働をさせているケースもあります。しかし、次のとおり原則、1日8時間、週40時間を超える労働には、36協定を締結していなければなりません。

(労働時間)

第三十二条 使用者は、労働者に、休憩時間を除き一週間について四十時間を超えて、労働させてはならない。

② 使用者は、一週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き一日について八時間を超えて、労働させてはならない。

引用:e-Gov 法令検索 | 労働基準法

36協定を締結し所轄労働基準監督署に届出ていた場合の時間外労働時間の上限は、月45時間、年360時間です。特別な事情により臨時的に労働時間を延長したい場合は、労使間で特別条項付き36協定を締結します。

しかし、特別条項であっても年720時間、複数月(2ヶ月〜6ヶ月)の平均で80時間以内、月100時間未満といった上限が設けられており、いかなる理由があってもこれを上回ることは禁止されています。契約上の労働時間と実際の勤務時間が守られなかったり、残業が状態化して上限を上回ったりすると法令違反となり、是正勧告や罰則の対象となるため注意してください。

3-3. 残業代・深夜手当・休日手当を支払わない

労働基準法第37条では、時間外労働、休日労働、深夜労働に対して割増賃金の支払い義務が使用者に課されています。第三十七条 使用者が、第三十三条又は前条第一項の規定により労働時間を延長し、又は休日に労働させた場合においては、その時間又はその日の労働については、通常の労働時間又は労働日の賃金の計算額の二割五分以上五割以下の範囲内でそれぞれ政令で定める率以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。

ただし、当該延長して労働させた時間が一箇月について六十時間を超えた場合においては、その超えた時間の労働については、通常の労働時間の賃金の計算額の五割以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。

引用:e-Gov 法令検索 | 労働基準法

割増率はそれぞれ下記の割合となっていて、1時間あたりの賃金にこの割合を上乗せします。

  • 時間外労働:25%以上
  • 深夜労働:25%以上
  • 休日労働:35%以上

具体的な計算例は以下の通りです。

〈例〉定時が18時(労働時間は8時間)で18時~20時まで2時間残業した場合
1時間あたりの賃金×1.25×2時間=割増分を含めた賃金

契約で残業代を固定手当として含める場合でも、法定割増分が適正に支払われなければ違反です。また、深夜労働(22時〜5時)や法定休日勤務に対して未払いがある場合、労働基準監督署の是正指導や行政罰の対象となります。

そのため、企業は勤怠記録や賃金台帳、給与計算方法などを定期的に検証し、残業代・休日手当・深夜手当の適正計算を確認する必要があります。支払遅延や未払いはトラブルの原因となるため、透明性の確保と記録保持が重要です。

3-4. 十分な休憩時間を与えていない

次のとおり、6時間を超える労働には45分以上、8時間を超える労働には60分以上の休暇が必要です。

第三十四条 使用者は、労働時間が六時間を超える場合においては少くとも四十五分、八時間を超える場合においては少くとも一時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。

引用:e-Gov 法令検索 | 労働基準法

休憩時間に業務を指示したり、電話や来客の対応をさせたりするのは、立派な違法行為です。休憩未付与は長時間労働の温床となり、労働者の健康や安全に悪影響を及ぼす可能性があります。適切な休憩時間の確保は、勤務シフトの計画やタイムカード管理、交代制の調整、監査の記録により運用する企業の義務です。

違反発覚時には是正指導と賃金精算が求められるため、企業は常に休憩取得状況を確認し、違反がないか確認する必要があります。

3-5. 法定休日を与えていない

労働基準法第35条では、使用者は労働者に対して毎週少なくとも1日の法定休日を付与することが義務付けられています。

第三十五条 使用者は、労働者に対して、毎週少くとも一回の休日を与えなければならない。

引用:e-Gov 法令検索 | 労働基準法

法定休日を与えず連続勤務をさせることは違法であり、是正勧告や罰則の対象になります。契約や就業規則で休日を規定していても、実際に付与されなければ労基法違反です。法定休日を適切に付与するためには、シフト管理や代休制度の徹底した運用、休暇取得の記録保持、労使間での調整などが必要です。

ただし、「4週4休制」が導入されている場合は、4週間を通じて4日以上の休日を与えていれば違法ではありません。

また、36協定を締結しており、法定休日出勤に対して休日手当を支払っている場合も違法にはなりません。

休日未付与は労働者の健康やワークライフバランスに影響し、訴訟リスクや行政指導の対象になるため、適正管理が欠かせません。

3-6. 妊娠中や出産後の労働者に休暇を与えない・残業させる

原則、6週間(多胎妊婦の場合は14週間)以内に出産予定の女性が休業を請求した場合、および出産後8週間を経過していない女性を就業させてはなりません。

第六十五条 使用者は、六週間(多胎妊娠の場合にあつては、十四週間)以内に出産する予定の女性が休業を請求した場合においては、その者を就業させてはならない。

② 使用者は、産後八週間を経過しない女性を就業させてはならない。ただし、産後六週間を経過した女性が請求した場合において、その者について医師が支障がないと認めた業務に就かせることは、差し支えない。

③ 使用者は、妊娠中の女性が請求した場合においては、他の軽易な業務に転換させなければならない。

第六十六条 使用者は、妊産婦が請求した場合においては、第三十二条の二第一項、第三十二条の四第一項及び第三十二条の五第一項の規定にかかわらず、一週間について第三十二条第一項の労働時間、一日について同条第二項の労働時間を超えて労働させてはならない。

② 使用者は、妊産婦が請求した場合においては、第三十三条第一項及び第三項並びに第三十六条第一項の規定にかかわらず、時間外労働をさせてはならず、又は休日に労働させてはならない。

③ 使用者は、妊産婦が請求した場合においては、深夜業をさせてはならない。

(育児時間)

第六十七条 生後満一年に達しない生児を育てる女性は、第三十四条の休憩時間のほか、一日二回各々少なくとも三十分、その生児を育てるための時間を請求することができる。

② 使用者は、前項の育児時間中は、その女性を使用してはならない。

引用:e-Gov 法令検索 | 労働基準法

ただし、出産後6週間を経過した女性が復帰を請求した場合は、医師が支障のないと認めた業務に就かせることは可能です。

また、生後満1年に達しない子供を育てる女性は、1日2回(各30分)子供を育てるための時間を請求でき、その時間中はその女性を使用してはいけません。

3-7. 労働契約不履行に対し、違約金・賠償金を支払わせる

例え労働者が雇用契約を違反をした場合であっても、義務違反に対して違約金や賠償金を労働者に課すことは原則として認められません。

第十六条 使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。

引用:e-Gov 法令検索 | 労働基準法

また、労働者が借金をしていた場合でも、賃金との相殺は認められません。

原則として、労働契約上の労働基準法の趣旨に反し、労働者の権利を不当に制約する契約条項は無効となります。例えば、無断欠勤や退職による違約金条項は無効とされるので、使用者は適法な手続による懲戒、損害発生時の民事上の損害賠償請求で対応する必要があります。

契約書や就業規則で違約金規定を設定する場合は、合理性、金額の妥当性、手続の適正性を確認し、法令遵守の運用をおこなう必要があります。

3-8. 労働条件の明示や就業規則の作成・届出をしていない

使用者は、労働基準法第15条で定められた労働条件の明示義務を履行し、就業規則を作成し所轄労働基準監督署に届け出る必要があります。

労働条件を書面で明示した書類が「労働条件通知書」ですが、労働条件通知書は労働契約そのものではなく、交付に労働者の合意は必要ありません。(ただし、労働契約の成立には労働者の合意が必要です)しかし明示しなかったり、常時10人以上の労働者を使用する使用者は就業規則の作成・届出をしないのは以下のように法律違反となるので注意してください。

第十五条 使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。この場合において、賃金及び労働時間に関する事項その他の厚生労働省令で定める事項については、厚生労働省令で定める方法により明示しなければならない。

第八十九条 常時十人以上の労働者を使用する使用者は、次に掲げる事項について就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければならない。

引用:e-Gov 法令検索 | 労働基準法

また、短期間のアルバイト採用で雇用契約書を取り交わさない場合でも、労働条件通知書を交付する必要があるので忘れないようにしましょう。

3-9. 予告なしに解雇する

労働基準法第20条では、使用者は労働者を解雇する場合、少なくとも30日前の予告を行うか、30日分以上の平均賃金を支払うことと定めています。労働者を解雇する際に、30日前に予告することができなかった場合は、予告不足の日数分の平均賃金を労働者に支払わなければなりません。

第二十条 使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少くとも三十日前にその予告をしなければならない。三十日前に予告をしない使用者は、三十日分以上の平均賃金を支払わなければならない。但し、天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となつた場合又は労働者の責に帰すべき事由に基いて解雇する場合においては、この限りでない。

引用:e-Gov 法令検索 | 労働基準法

ただし、天災事変その他やむを得ない事情により事業の継続が不可能となった場合、労働者の責任により解雇される場合は除きます。

4. 雇用契約の違反に関するトラブルの回避方法

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労使間のトラブルを回避するためには、下記のような方法があります。

  • 労働条件を明示した雇用契約書を取り交わす
  • 弁護士や社会保険労務士にチェックしてもらう
  • 全従業員に労働条件を周知する

ここでは、これらの回避方法について解説していきます。

4-1.労働条件を明示した雇用契約書を取り交わす

雇用契約自体は、労使間の合意さえあれば口頭でも契約が成立します。そのため、雇用契約書を取り交わすこと自体は、法律で義務付けられてるものではありません。

しかし、雇用契約書は「雇用主と労働者が労働条件について互いに合意したことを証明するための書類」であり、書面の最後には雇用主と労働者双方が署名・捺印します。契約書内に賃金、労働時間、休暇、退職、懲戒等の条件を明確に記載することで、後日のトラブルや行政指導リスクを低減できます。

無用な労使トラブルを防ぐためには、雇用契約書によって労働基準法を遵守した労働条件を明示するとともに、労働者の合意を得た証拠を残すことが大切です。また、契約書は複数部作成し、従業員と会社双方が保管するとともに、変更があれば速やかに書面で更新することが重要です。

関連記事:雇用契約は口頭でも有効なのか?口頭で契約する際に注意すべき2つのリスク

4-2.弁護士や社会保険労務士にチェックしてもらう

労働条件を決めるのは企業側ですが、好き勝手に決めて良いというわけではありません。労働条件は、労働基準法に則って決める必要があり、雇用契約書や労働条件通知書の内容が法律に違反していると、トラブルに発展してしまうリスクがあるため注意が必要です。

例えば、時間外手当に関する記載をせずに残業代を支払わなかった場合は、労働基準法違反となります。違反の内容によっては罰則を受けたり、行政から指導されたりすることもあります。

しかし、労働基準法などの法律は改正されることも多く、担当者が違反に気が付かないこともあるかもしれません。このようなミスを防ぐためにも、労働条件を決める際には弁護士や社会保険労務士にチェックしてもらいましょう。

4-3.全従業員に労働条件を周知する

労働条件に対する意識は、企業側と従業員側で異なることがあります。企業側は法律違反にならないように、丁寧に条件を作成していても、従業員は給与や休暇の部分しかチェックしないということが多くあります。

そのため、労働条件に書かれていることでも従業員が認識しておらず、トラブルになることがあります。認識の相違によるトラブルを防ぐためには、全従業員に労働条件を周知しておくことが重要です。

周知の方法は、個別面談やセミナー形式などがありますが、どういった方法であってもわかりやすく説明をし、疑問や質問などがないか確認をすることをおすすめします。労働条件をしっかりと理解し、すり合わせができていればトラブル防止につながります。

当サイトでは、本記事で解説したような雇用契約における禁止事項や正しい対応について、いつでもご確認いただけるようにまとめた資料を無料で配布しております。雇用契約について今すぐ確認したい方も、後ほど確認するためににほしい方も、気になる方はこちらから資料をダウンロードしてご確認ください。

5. 雇用契約が法律に違反しないように適切な対応をしよう

記入する様子

労働条件や就業規則の中に労働基準法違反があった場合は、労働基準法違反として指導や罰則を受けることになるため、雇用契約書をきちんと作成しておくことが重要です。しかし、単に作成しても労働基準法に則っていなければ意味がありません。法令を順守した労働条件を明示するためにも、雇用契約書や労働条件通知書は社労士などの専門家にチェックしてもらい作成してください。

ただし、きちんと作成をしても、労働条件通知書を交付しないのは違反です。とはいえ、新入社員が多かったり、出入りが多かったりすると毎回交付するのは面倒と感じるかもしれません。そんな時におすすめなのが電子化です。簡単に交付できて漏れもなくせるので、電子化がまだの方はぜひ一度検討してみることをおすすめします。

電子化について詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

関連記事:雇用契約書・労働条件通知書を電子化する方法や課題点とは?

関連記事:雇用契約書がないのは違法?考えられる4つのトラブルとその対処法

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