離職率が高い会社の特徴は?業界別ランキングと離職率を下げる施策を紹介 - ジンジャー(jinjer)|統合型人事システム

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離職率が高い会社の特徴は?業界別ランキングと離職率を下げる施策を紹介

ビル

離職率が高い会社では、採用や育成にかけたコストが無駄になりやすく、組織力の低下や人材不足といった深刻な課題に直結します。人事担当者にとって離職率の高さは、単なる数字ではなく、職場環境やマネジメントの不具合を示す警告サインといえるでしょう。

本記事では、離職率が高い会社に見られる特徴や背景、改善のために人事が取り組むべき施策を整理します。自社の定着率を高め、持続的な成長を実現するためのヒントとしてご活用ください。

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1. 離職率が高い会社とは?

退職届

採用難が続くなか、従業員の定着状況を示す「離職率」に注目が集まっています。離職率はある時点で在籍していた従業員のうち、一定期間にどれだけ退職したかの割合を指します。採用や育成に直結するため、会社の経営状況や職場環境の健全性を測る重要な指標として把握することが求められます。

厚生労働省によると、離職者とは調査期間中に退職・解雇された常用労働者を指し、他社への出向者や出向復帰者を含み、同一企業内の異動は含まれません。

厚生労働省の雇用動向調査では、離職率は「1月1日現在の常用労働者数に対する離職者数の割合」として算出されます。ただし「この数値を超えたら高い」といった明確な基準はありません。そのため、まずは厚生労働省が公表している平均値や産業別データと比較し、自社の状況を相対的に把握してみるとよいでしょう。

参考:雇用動向調査:調査の結果|厚生労働省

1-1. 離職率の定義と計算方法

離職率の定義や計算方法に法的な決まりはなく、会社ごとに異なります。一般的には「一定期間内の離職者数 ÷ある時点での在籍従業員数 × 100(%)」で算出されます。

多くの会社では期初から期末までの1年間を対象としますが、分析の目的に応じて計測期間や起算日を柔軟に設定することも可能です。例えば、入社後3年以内の離職率など、特定の期間に限定して算出するケースもあります。

このように、離職率は単なる数値として捉えるのではなく、「何を明らかにしたいのか」という目的を明確にしたうえで、定義や計算方法を適切に設計することが重要です。

関連記事:離職率の計算方法とは?厚労省方式と実務での算出・活用ポイントを解説

1-2. 離職率が高いとされる目安はどのくらいか

厚生労働省によると、2024年(令和6年)の日本の全産業平均離職率は14.2%です。
参考:令和6年 雇用動向調査結果の概要

離職率の高低に明確な基準はありませんが、この平均を大きく上回る場合は、離職率が高い傾向にあると解釈できるでしょう。
ただし、急成長中のベンチャー企業などでは組織改編に伴い一時的に大幅な離職が発生する場合もあります。表面的な数字だけで判断せず、会社の成長段階や業界によって差があるものと理解しましょう。

離職率が低いほど良いとは限らず、低すぎる場合は組織のぬるま湯化や昇進の停滞、従業員の高齢化による新しいアイディアの不足などの課題も生じている可能性もあります。健全な組織では、ある程度の人の出入りは自然な現象といえます。

2. 離職率が高い業界は?ランキング形式で紹介

引用:令和6年 雇用動向調査結果の概要

離職率は業界によって大きく異なるため、全体の数値だけではなく業界ごとの数値も把握することでより正確に自社の状況を把握できます。

厚生労働省の「雇用動向調査結果」をもとに、離職率が高いとされる業界をランキング形式で紹介し、その背景にある業界特性について解説していきます。2024年(令和6年)の調査によると、離職率の高い業界は、次のとおりです。

  • 1位:宿泊業、飲食サービス業 25.1%
  • 2位:サービス業(他に分類されないもの)20.3%
  • 3位:生活関連サービス業、娯楽業 19.0%
  • 4位:卸売業、小売業 15.1%
  • 5位:医療、福祉 13.8%

2-1. 宿泊・飲食サービス業

宿泊・飲食サービス業には、ホテルや旅館のフロント、客室係、シェフ、飲食店のホールやキッチンが含まれます。宿泊・飲食サービス業は、長時間労働や休日の取りにくさ、低賃金が背景となり離職率が高い傾向にあります。

さらに、コロナ終息や円安によるインバウンド需要の急増で人手不足が深刻化し、業務過多や休憩が取りにくいことも問題として挙げられるでしょう。加えて、アルバイト・パート比率が高く従業員の入れ替わりが激しいことも、コミュニケーションロスやストレスにつながり離職原因のひとつとなっています。

2-2. その他サービス業

その他サービス業には、産業廃棄物処理、自動車整備、機械修理、職業紹介・労働者派遣業、ビルメンテナンス、警備業など、幅広い職種が含まれます。

離職の主な理由は、賃金水準の低さや肉体的な負担の大きさです。廃棄物処理や警備、整備・修理といった仕事は体力面での負担が大きく、「仕事がきつい」と感じる人も多いです。

また、労働時間の長さも課題のひとつとして挙げられます。とくに職業紹介・労働者派遣業では、派遣スタッフのサポートや調整業務が重なり、長時間労働になりやすい傾向があります。

さらに、人間関係の影響も大きいでしょう。現場ごとにチームで働くことが多いため、人間関係のストレスが原因となり、離職理由につながるパターンもよく見られます。

2-3. 生活関連サービス業・娯楽業

生活関連サービス業には、クリーニングや理美容、浴場運営、旅行代理店、葬祭業など日常生活を支えるサービスが含まれます。娯楽業は、映画館や劇場、カラオケ、ゲームセンター、公園やスポーツ施設の運営などが該当します。

これらの業種は顧客対応が中心のため、土日祝に休みが取りにくく、長時間労働や残業が多くなりやすい点が特徴です。また、賃金水準が低い、収入が不安定といった面もあり、離職率が高くなっています。

2-4. 卸売業、小売業

卸売業・小売業には、食品や日用品、衣料品、家電などを扱う商社や店舗、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、専門店などが含まれます。店舗勤務の場合は、販売・接客だけでなく、品出しや在庫管理、レジ業務、発注業務など幅広い業務を担うケースが多いのが特徴です。

離職率が高い背景として、不規則な勤務体系が挙げられます。土日祝や繁忙期に出勤が必要となることが多く、ワークライフバランスを保ちにくい点が、離職につながりやすい要因です。

また、接客業務が中心のため、クレーム対応や対人ストレスが精神的負担となる場合も少なくありません。近年は業務効率化や人手不足解消を目的に、セルフレジや在庫管理システムなどのIT活用が進んでいますが、働きやすい環境づくりは依然として大きな課題となっています。

2-5. 医療、福祉

医療・福祉業界には、病院や診療所、介護施設、訪問介護事業所などが含まれ、医師・看護師・介護職員・リハビリ職など、多様な専門職が働いています。高齢化の進展により社会的な需要は高まっていますが、人材不足が深刻な業界のひとつです。

離職率が高い要因としてまず挙げられるのが、身体的・精神的負担の大きさです。夜勤やシフト勤務、突発的な対応が必要となる場面も多く、生活リズムが不規則になりやすい傾向にあります。

また、利用者や患者、その家族への対応など、強い責任感や感情労働を伴うこともストレス要因となっているでしょう。加えて、業務量に対して賃金水準が見合っていないと感じる人も多く、とくに介護分野では待遇面への不満が離職につながりやすいとされています。

2-6. 【注意】業界ごとの離職率を比較するときのポイント

離職率を業界ごとに比較する際は、数値を表面的に捉えるのではなく、その背景にある構造要因を踏まえて分析することが重要です。例えば、男女比や年齢構成、正社員・パートといった雇用形態の違いによって、同じ業界であっても離職率は大きく変動します。

また、統計上は分母(在籍人数)が小さいほど、1人の離職が離職率に与える影響は相対的に大きくなります。少人数の会社では、わずかな退職であっても離職率が急上昇し、実態以上に数値が振れやすい点に注意が必要です。

さらに、宿泊・飲食サービス業のように労働移動が活発な業界では、短期就労や人材の入れ替わりが構造的に発生しやすく、入職・離職の双方が多いことから、離職率が高くなる傾向にあります。

このように、数値のみを基に「離職率が高い業界」と一概に評価することは適切とはいえません。とくに企業規模が大きく異なる業界同士を比較する場合には、分母の大きさやサンプル数の違いを十分に考慮する必要があります。

離職率を分析する際は、厚生労働省の雇用動向調査に加え、就職四季報やハローワークなどで公開されている各種データを活用すると効果的です。自社と規模や業種が近い会社、あるいは将来的に目指したい会社の水準と比較すれば、より実態に即した課題把握と、具体的な改善の方向性を見出せます。

3. 離職率が高い会社の特徴

荷物をまとめてオフィスを去る男性

離職率が高い会社には、個人の問題だけでなく、組織構造や制度設計に共通する課題が見られます。ここでは、離職が起こりやすい会社に多い代表的な特徴を紹介します。

3-1. 長時間労働が常態化している

長時間労働が常態化した職場では、心身の疲労が蓄積しやすく、仕事への意欲や集中力の低下を招きます。とくに、業務量の偏在や慢性的な人手不足が改善されない状況では、「努力しても環境は変わらない」という諦めや無力感が生まれやすくなるでしょう。

その結果、働き続ける意義を見出せなくなり、離職を選択する従業員が増える傾向にあります。労働時間の適切な管理や業務配分の見直しが不十分であることは、離職率を高める重要な要因のひとつです。

3-2. 人間関係に不満がある

上司や同僚との関係性が円滑でない職場では、日常的なコミュニケーションの行き違いや気遣いが積み重なり、慢性的なストレスを感じやすくなります。

ハラスメントが見過ごされていたり、意見や悩みを安心して相談できない雰囲気があったりすると、従業員は不満や不安を抱え込んだまま業務に向き合うことになります。

こうした状態が長期化すると、仕事への意欲や職場への信頼感が低下し、最終的には離職という選択につながりやすくなります。人間関係に起因する問題は外から見えにくいものの、実際には離職理由として非常に大きな割合を占めている点が特徴です。

3-3. 給与・報酬が少ない

仕事内容や担う責任の大きさに対して、給与や報酬が十分に見合っていないと感じる状態が続くと、従業員の仕事への納得感や会社への信頼感は徐々に低下していきます。

とくに、同業他社や市場の給与水準と比較した際に見劣りする場合、「今の職場にとどまる理由がない」「転職によって状況を改善できる」と考えやすくなり、離職が加速する傾向にあります。

さらに、報酬額そのものに加えて、昇給や賞与の決まり方、評価との連動性が不透明であることも、将来の見通しを描きにくくし、不満や不安を強める要因となります。

3-4. 評価制度やマネジメントの不透明さ

「何をすれば評価されるのか」がわからない職場では、日々の努力や成果が正しく認められている実感を持ちにくく、努力と評価が結びつかない状態が続きやすくなります。その結果、仕事へのやりがいや成長実感が薄れ、モチベーションの低下を招きます。

評価基準や評価プロセスが不明確なままでは、「なぜその評価なのか」が本人に伝わらず、不公平感や不信感が生まれやすくなり、組織への帰属意識も弱まるでしょう。

さらに、上司のマネジメント力不足によって、適切なフィードバックや育成がおこなわれない場合、課題や期待値が共有されないまま時間が経過し、従業員は成長の方向性を見失いがちです。こうした状況が積み重なることで、将来への不安が高まり、結果として定着率の低下や離職の増加につながります。

3-5. 採用・配置のミスマッチ

入社前に聞いていた仕事内容と実際の業務内容に大きなギャップがある場合、期待との不一致が生じ、早期離職につながりやすくなります。とくに「思っていた仕事と違う」という認識は、モチベーションの低下や組織への不信感を招きやすい要因です。

また、本人の適性やキャリア志向を十分に考慮しないまま配置が続くと、本来の能力を発揮できず、成果が出にくくなります。その結果、評価への不満や自己効力感の低下につながり、仕事へのやりがいを感じにくくなる傾向があります。

さらに、採用段階での情報開示が不十分であったり、入社後のフォローや面談の機会が少なかったりすると、従業員は不安や違和感を抱えたまま働く状態が続くことになるでしょう。こうした小さなミスマッチや不満が蓄積することで、最終的に離職率の上昇を招く要因となります。

3-6. 【なぜ?】新卒の離職率が高い会社の傾向

厚生労働省の調査によると、令和3年3月に卒業した新規大学卒就職者のうち、就職後3年以内に離職した人の割合は34.9%に上り、前年から2.6ポイント上昇しています。

新卒社員の早期離職にはさまざまな要因がありますが、その一つとして、入社後のサポート体制が十分でないことが影響していることがあります。社会人としての基本的な知識や業務の進め方を学ぶ機会が少ないまま業務に入ると、不安を感じたり、職場で孤立していると感じたりすることも少なくありません。

また、入社前に思い描いていた仕事内容や職場の雰囲気と、実際の環境との間にギャップを感じることも、早期離職につながる要因のひとつです。そのため、入社直後のオンボーディングを通じて業務内容や期待される役割を丁寧に伝えることに加え、定期的な面談などを通じて不安や悩みを早めに把握し、フォローしていくことが大切です。

参考:新規学卒就職者の離職状況(令和3年3月卒業者)を公表します|厚生労働省

4. 離職率が高いとどうなる?会社に生じやすい課題

退職届を渡される上司

離職率が高い状態は、単に人が入れ替わるという問題だけでなく会社経営にさまざまな影響をもたらします。ここでは、離職率が高い会社に生じやすい課題について解説します。

4-1. 採用コスト・教育コストの増大

離職者が増えると、その分だけ新たな人材を採用しなければなりません。求人広告費や人材紹介手数料、採用担当者の工数など、採用活動には多くのコストがかかります。

さらに、新入社員の研修やOJTなどの教育にも時間と費用が必要です。せっかく育成した人材が早期に離職すると、投資したコストが回収できないまま失われることになります。結果として、人件費以外の「見えにくいコスト」が経営を圧迫するでしょう。

一方で、離職率が低い会社は、こうした採用・育成コストを抑えやすくなります。人材が長く定着することで、業務の熟練度や専門性が高まり、生産性の向上やサービス品質の安定にもつながります。

4-2. 次世代の幹部人材が育たない

離職率が高い会社では、中堅層が十分に育つ前に退職してしまうケースが増えます。これにより、将来の管理職や専門リーダーとなる人材の層が薄くなり、組織の持続的な成長が難しくなります。

一方、離職率が低い会社では、人材が長期的に定着することで経験やノウハウが社内に蓄積され、中堅層から管理職候補までの人材パイプラインが安定しやすくなるでしょう。業務や組織文化への理解が深まるので、現場を熟知したリーダーが育ちやすく、意思決定の質やマネジメントの一貫性も高まります。

4-3. 組織の士気・生産性低下

離職者が増えると、残された従業員に業務負荷がかかり、進捗の遅れや生産性の低下につながります。その結果、職場の雰囲気が悪化し、士気も下がりやすくなります。

さらに、既存の従業員の間に会社への不信感や将来への不安が広がり、転職を考える人が増えることで新たな離職を引き起こしやすくなるでしょう。こうした悪循環が、士気や生産性のさらなる低下につながってしまいます。

一方で、離職率が低い会社では、人員体制が安定し、業務の引き継ぎや連携がスムーズに進みやすくなります。その結果、安心して働ける環境が整い、従業員のモチベーションやエンゲージメントが高まり、生産性の向上や組織全体のパフォーマンス向上につながるでしょう。

4-4. 企業ブランドへの影響

離職率が高い会社は、「従業員がすぐ辞める会社」「働きにくい会社」というイメージを持たれやすくなります。こうした評判は口コミサイトやSNSなどを通じて広がり、企業ブランドに影響を及ぼします。

その結果、採用活動では応募者が集まりにくくなり、優秀な人材の確保が難しくなるおそれがあります。さらに、社外に対しても信頼を損なう要因となり、取引先との関係悪化や新たなビジネスチャンスを逃すリスクにつながりかねません。

一方で、離職率が低い会社は「働きやすく、長く活躍できる職場」というポジティブな評価を得やすくなります。結果として、求職者や取引先からの信頼が高まり、企業ブランドの向上や競争力の強化につながる点も大きなメリットといえます。

5. 離職率を改善するための具体的な施策

考える女性

離職率を高いまま放置してしまうと、ビジネス面や採用面で大きな機会損失につながるおそれがあります。では、離職率を改善するためには、どのような取り組みが効果的なのでしょうか。

5-1. 組織診断サーベイで職場の課題を客観的に把握する

離職率を改善するためには、まず自社がどのような課題を抱えているのかの把握が重要です。そのための有効な手段が、組織診断サーベイの実施です。サーベイを通じて離職につながる要因や従業員の不満を可視化すれば、何に優先的に取り組むべきかが明確になります。

サーベイを実施する際には、「会社をより良くするために協力してほしい」という目的を丁寧に伝えることが大切です。会社側の姿勢を理解してもらうことで協力も得やすくなります。

「個人が特定されることはない」「回答内容が人事評価に影響することはない」という2点を明確に示し、安心して本音を回答してもらえる環境を整えると、より正確なデータが得られ、実効性の高い組織改善につなげられるでしょう。

関連記事:エンゲージメント調査とは?目的とメリット・調査の種類と導入ステップなど基本を解説

関連記事:組織診断サーベイの始め方|ツールの比較方法・導入ステップ・社内通知のコツを紹介

5-2. 勤怠管理システムで労働時間を可視化して長時間労働を防ぐ

長時間労働や業務量の偏在は、心身の疲弊を招き、モチベーションの低下や体調不良を引き起こし、結果として離職の大きな要因となります。そのため、まずは勤怠管理を徹底し、実際の労働時間を正確に把握することが不可欠です。

勤怠管理システムを活用すれば、部署ごとの残業時間や繁忙期の傾向を客観的なデータとして可視化できます。これにより、感覚や属人的な判断に頼ることなく、どこに業務負荷が集中しているのかを把握しやすくなるでしょう。

また、特定の社員に過度な負荷がかかっていないかを定期的に確認し、業務配分の見直しや人員配置の最適化、業務プロセスの改善をおこなえば、過重労働を未然に防げます。こうした取り組みを継続することで、従業員が無理なく働ける環境が整い、心身の健康維持だけでなく、生産性の向上や離職防止にもつながります。

関連記事:2025年10月施行!柔軟な働き方を実現するための措置の内容と企業の対応事項を解説

5-3. テレワークや時短勤務など柔軟な働き方を推進する

働き方の多様化が進むなかで、柔軟な制度の整備は離職防止に直結します。テレワーク(在宅勤務)や時短勤務制度などを導入することで、育児・介護といったライフイベントと仕事を無理なく両立できるようになり、従業員が抱える時間的・心理的負担を軽減できます。

こうした制度は単に用意するだけでなく、利用しやすい風土づくりも重要です。上司や同僚の理解、評価制度との整合性を確保することで、制度利用に対する心理的ハードルを下げられます。

従業員がライフステージの変化に応じて働き続けられる環境を整えることは、優秀な人材の流出防止だけでなく、「従業員を大切にする会社」という評価につながり、採用力や企業ブランド価値の向上にも寄与します。

関連記事:在宅勤務とは?定義やテレワークとの違い・導入を成功させる4つのポイントを解説

5-4. 目標管理制度(MBO)を導入して納得感のある評価制度を構築

従業員が「評価や報酬に納得できない」「将来のキャリアに不安がある」と感じると、離職の大きな要因のひとつになります。とくに主観的な評価や不透明な報酬制度は不満を生みやすく、長く働くモチベーションを損ないます。

目標管理制度(MBO)は、個人目標を明確化し、その達成度で評価する仕組みです。上司と部下が目標を共有し、定期的に進捗確認をおこなうことで、評価の透明性と納得感が高まります。また、成果だけでなくプロセスも評価対象に含めると、公平性のある制度設計が可能になります。

さらに、360度評価(多面評価)を取り入れれば、上司だけでなく同僚や部下など複数の視点から評価をおこなえ、評価の偏りを抑えつつ、従業員自身の気づきや成長促進にもつなげられるでしょう。これらの評価手法を目的に応じて組み合わせることで、従業員の納得感を高め、持続的な定着を支える評価制度の実現が可能となります。

関連記事:MBO(目標管理制度)とは?メリットや導入方法を詳しく紹介

関連記事:360度サーベイとは?概要と他制度との違い・導入メリットと注意点を解説

5-5. 休暇制度やメンタルヘルス対策を充実させて従業員の健康を守る

心身の健康は、従業員が安定的に能力を発揮し、組織の持続的な生産性を支える重要な基盤です。そのため、有給休暇の取得促進やリフレッシュ休暇制度の整備に加え、産業医による面談機会の確保や外部相談窓口の設置など、メンタルヘルス対策を体系的に強化することが求められます。

従業員が「安心して休める」「不安や悩みを気軽に相談できる」と感じられる環境は、心理的安全性を高め、組織への信頼感やエンゲージメントの向上につながります。その結果、離職意向が抑制され、早期離職の防止が期待できるでしょう。

さらに、日常的にフィードバックを交わし合える風土を醸成することは、役割理解や成長実感を高め、組織への定着を促します。加えて、軽食やドリンクの無料提供など、自然なコミュニケーションを促進する福利厚生を取り入れることで、部門を越えた交流が生まれ、組織内の関係性が強化されるので、離職率の改善にも寄与します。

関連記事:年次有給休暇の基本をわかりやすく解説!付与日数や取得時期も紹介

5-6. 1on1ミーティングを通じて新入社員の定着と成長を支援する

入社直後の不安や孤立感は、早期離職につながりやすい代表的な要因です。新しい環境や人間関係の中で「これで合っているのか」「誰に相談すればよいのかわからない」と感じる状態が続くと、仕事への不安やストレスが蓄積していきます。

そのため、定期的な1on1ミーティングを実施し、業務上の悩みだけでなく、職場で感じている不安やキャリアの方向性についても率直に対話できる機会を設けることが重要です。とくに入社初期は、小さな違和感やつまずきが表面化しにくいので、上司側から意識的に声をかける姿勢が求められます。

こうした継続的な対話を通じて信頼関係が深まると、従業員は組織に対する安心感や帰属意識を持ちやすくなります。とくに新入社員や若手社員にとっては、「困ったときに相談できる上司がいる」という実感が、定着率向上に直結する重要な要素となります。

関連記事:1on1とは?目的や人事面談・フィードバックとの違いをわかりやすく解説

5-7. 【ポイント】施策は実行して終わりではなく定期的な評価と見直しが重要

施策は導入すること自体が目的ではありません。重要なのは、施策を実施したあとに「何がどう変わったのか」を客観的に捉えることです。具体的には、離職率の推移やエンゲージメントスコア、従業員サーベイの結果、現場からの定性的な声などを継続的に確認し、施策の効果を検証していく必要があります。

そのうえで、効果が見られない施策は見直し、一定の成果が出ている取り組みは強化するなど、改善を重ねていくことが重要です。PDCAサイクルを回しながら、組織の規模や風土、従業員の状況に合わせて柔軟に施策をアップデートしていくことで、離職率の改善は一過性の対策にとどまらず、組織力そのものを高める持続的な成果へとつながっていきます。

6. 自社の離職率を正しく捉えて改善につなげよう

面談をする様子

離職率は単なる数字ではなく、会社の現状や課題を映す指標です。まずは、離職率が高くなる理由や離職率の高い会社の特徴を踏まえ、自社に当てはまる点があるか確認しましょう。

課題が見つかった場合は、柔軟な働き方の導入、評価制度・キャリアパスの透明化、コミュニケーションの活性化など、適切な改善策を組み合わせて実施することが重要です。こうした取り組みによって、従業員の士気や生産性を高めつつ、適切な離職率を維持し、会社の成長につなげることができます。

 

 

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