労働保険の年度更新とは?提出期限や電子申請手続きのやり方をわかりやすく解説!
更新日: 2026.1.21 公開日: 2021.11.12 jinjer Blog 編集部

企業は前年度の労働保険料を確定し、当年度の労働保険料を概算で申告・納付するため、毎年度1回、労働保険の年度更新をおこなわなければなりません。正しく年度更新を実施するためには、手続きのやり方をしっかり押さえておく必要があります。
本記事では、労働保険の年度更新手続きの方法とその流れ、注意点についてわかりやすく解説します。労働保険の年度更新の手続きで不安を抱えている方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
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- 労働保険の年度更新:申告書作成の具体的な流れ
- 社会保険の定時決定:算定基礎届の書き方と注意点
- 社会保険の随時改定:月額変更届の提出要件の確認
- 賞与支払:賞与支払届を提出する際のポイント
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1. 労働保険の年度更新とは?


労働保険の年度更新とは、前年4月から当年3月までに支払った賃金総額をもとに雇用保険料と労災保険料の「確定保険料」を算定し過不足を精算するとともに、次年度に係る「概算保険料」を前払いするため、毎年1回おこなう手続きです。
また、平成19年4月1日以降は、石綿(アスベスト)健康被害者の救済費用に充てるため、石綿健康被害救済法に基づく「一般拠出金」についても年度更新時に併せて申告・納付する必要があります。誤りが生じないよう注意して手続きを進めましょう。
関連記事:人事担当者必見!労働保険の対象・手続き・年度更新と計算方法をわかりやすく解説
1-1. 年度更新の目的
労働保険の年度更新の目的は、前年度の賃金総額に基づいて労働保険料を確定し、過不足を精算するとともに、当年度の概算保険料を申告・納付することです。この仕組みによって、労働保険料が実態に即して毎年調整され、労働保険制度の財源が安定し、労働者を継続的に保護するための資金が確保されます。
1-2. 年度更新の計算対象期間
労働保険料は例年4月1日から翌年3月31日までを1年間として計算します。事業主が労働保険に加入した年の労働保険料は加入したときに納付しますが、それ以降の労働保険料は1年の見込み給料を基に毎年納付する必要があるのです。つまり、労働保険に加入している間は、年度更新の手続きを毎年おこなう必要があります。
なお、実際の労働保険料の額は、その年度に支払った賃金総額によって確定します。年度が終了し賃金額が確定するまでは、正確な保険料は算定できません。そこで年度更新では、前年度に納付した概算保険料と、確定した賃金に基づく保険料との差額を精算する必要があります。
1-3. 年度更新の手続きはいつ対応する?期限は?
年度更新の手続き期間は、原則、毎年6月1日から7月10日までです。6月1日や7月10日が土日・祝日にあたる場合は、期限がずれることもあります。また、後述する労働保険料の分割納付(延納)を利用する場合でも、各期ごとに定められた納期限があるのでスケジュール管理が重要です。
期限内に手続きをおこなわなかった場合、事業主には追加の負担が発生する可能性があります。具体的には、法定納期限の翌日から実際の納付日までの日数に応じて延滞金がかかることがあります。
また、政府が保険料・拠出金を決定し、確定保険料に対して通常10%の追徴金が課されることもあるのです。余分なコストを避けるためにも、年度更新の手続き方法や期限を正しく把握し、時間に余裕をもって申告・納付を進めることが重要です。
1-4. 年度更新の申告・納付先
労働保険の年度更新の申告と納付は、所轄の労働基準監督署や都道府県労働局、または金融機関(歳入代理店)でおこなえます。
例えば、銀行などの金融機関では、申告書と納付書を一緒に提出すれば、申告と納付を同時におこなうことが可能です。
ただし、納付額がなく申告のみをおこなう場合や、口座振替を利用する場合などには、金融機関ではなく管轄の労働基準監督署や都道府県労働局に申告書を提出しなければならない可能性があるので注意しましょう。
2. そもそも労働保険とは


労働保険は、原則企業が1人でも従業員を雇用している場合、加入が法律で義務付けられています。ここでは、そもそも労働保険とは何かについて詳しく紹介します。
2-1. 労災保険と雇用保険を総称したもの
労働保険とは、労災保険と雇用保険を総称したものです。
労災保険とは、従業員が業務関係上で怪我や病気になったときのために加入する保険のことです。企業の業務や通勤によって怪我や病気になった場合、治療や生活に必要な金額が給付されます。
一方、雇用保険とは、失業保険とよばれることもあり、労働者が失業したときや働けなくなったときのために加入する保険です。労働者が失業・休業したときの状況に応じて給付金を受け取ることができます。
労災保険と雇用保険は、加入対象となる労働者の範囲が異なります。労災保険は正社員・パート・アルバイトを含むすべての労働者が対象となる一方、雇用保険は週所定労働時間が20時間以上など、一定の基準を満たす労働者のみが対象です。
そのため、同じ事業場に所属していても、労災保険と雇用保険の両方に加入する従業員がいる一方で、雇用保険には加入せず労災保険のみ対象となる従業員が存在する場合があります。年度更新では、このような加入範囲の違いを踏まえ、労災保険と雇用保険それぞれの対象者に応じて賃金を正しく区分し、計算することが重要です。
関連記事:雇用保険とは?パート・アルバイトの適用や給付内容についてわかりやすく解説
2-2. 労災保険と雇用保険で保険料率は異なる
労働保険料は、賃金総額に保険料率を掛け合わせて求めます。しかし、労災保険と雇用保険の保険料率はそれぞれ異なります。まず労災保険の保険料率(令和7年度)は次の通りです。
労災保険料率は、事業の種類ごとに労働災害の発生リスクが違うため、業種によって大きく異なります。また、労災保険料は全額事業主が負担するので、労使で按分計算をおこなう必要はありません。なお、一般の労災保険料率表のほかに、特別加入保険料率表もあるため、自社がどれにあてはまるかきちんとチェックしましょう。
次に雇用保険の保険料率(令和7年度)は、以下の通りです。
雇用保険料率も事業の種類によって変わりますが、労災保険料率ほどは区分されていません。雇用保険料は、事業主と労働者双方で負担し合います。そのため、労働者に支払う給与から負担すべき雇用保険料を徴収する必要があるので注意しましょう。
なお、令和7年度(2025年度)の労災保険料率は、令和6年度(2024年度)から変更ありません。一方、令和7年度の雇用保険料率は、令和6年度から引き下げられています。毎年度保険料率については見直しの対象となるため、最新の保険料率を確認し、正しく労働保険料の計算をすることが大切です。
また、一般拠出金については、賃金総額(労災保険における賃金総額)に一般拠出金率(1000分の0.02)を掛け合わせて計算をおこないます。労災保険の特別加入者の賃金を含めない点に注意が必要です。
関連記事:労災保険料とは?計算方法や保険料率、注意点などを解説
2-3. 労働保険の加入手続き
労働保険への加入手続き(企業)は、新たに事業を開始した際や初めて労働者を雇用した際におこないます。労災保険は労働基準監督署で、雇用保険はハローワークで手続きします。
加入時にはその年度分の概算保険料の納付が必要です。一元適用事業(農林漁業・建設業以外)は労働保険料を一括で申告・納付しますが、二元適用事業(農林漁業・建設業)は労災保険料と雇用保険料を別々に申告し、それぞれ納付する必要があります。
関連記事:労働保険の加入手続き方法を徹底解説!加入条件や計算方法まで
3. 労働保険の年度更新の手続きの流れ・手順


続いて、労働保険の年度更新における手続き方法をみていきましょう。労働保険の年度更新は大きく4つのステップで手続きを進めていきます。
3-1. 申告関係書類を確認する
まずは申告関係書類を確認しましょう。例年5月下旬ごろ、労働局から事業所宛に次の申告関係書類が届きます。
- 労働保険概算・確定保険料/石綿健康被害救済法一般拠出金申告書
- 確定保険料・一般拠出金算定基礎賃金集計表
- 申告書の書き方
- 保険料率表
申告関係書類が手元に届いたら、印字されている企業名などが間違っていないか確認しましょう。
3-2. 算定基礎賃金集計表を作成する
申告関係書類を確認したら、賃金集計表を作成していきます。賃金集計表は、保険料計算の基礎となる賃金総額の集計で使用します。
賃金集計表は提出不要ですが、大事な書類であるためしっかり保管しておきましょう。
なお、賃金集計表は厚生労働省が提供している「年度更新申告書計算支援ツール」を用いるとスムーズに作成できます。
Excelによる自動計算であるため、自身で計算する手間が省けます。
3-3. 申告書に記入する
賃金集計表を作成し終わったら、申告書に記入していきましょう。
申告書には賃金集計表を基にして、従業員に支払う見込みの賃金総額のほか、労災保険と雇用保険それぞれの対象賃金を記入します。
なお、申告年度の賃金総額の見込額が前年度の確定保険料の基礎となる賃金総額の2分の1以上2倍以下である場合、その前年度の賃金総額をそのまま当年度の賃金総額の見込額として使用します。
一方で、増員や減員などにより大きな賃金変動が見込まれる場合には、その見込み額を用いて概算保険料を計算する必要がある点に注意しましょう。
最後に「充当額」の有無・金額を確認し、前年度から当年度への賃金の増減と整合しているかをチェックすることで、計算ミスの防止につながります。
3-4. 申告書の提出と労働保険料を納付する
書類に必要事項をすべて記入したら、申告書の提出と保険料の納付をおこないましょう。申告書の提出方法は主に「窓口持参」「郵送」「電子申請」の3種類があります。
労働保険料の納付には、口座振替を利用すると便利です。口座振替を利用すれば、毎回金融機関に出向く必要がなくなり、納付手続きの手間を大幅に軽減できます。また、納付漏れや遅延を防ぎ、期限超過による延滞金・追徴金が発生するリスクも低減できます。
さらに、納期限から実際の引き落としまで最大約2ヵ月の猶予が生じるため、資金繰りの調整にも有効です。ただし、口座振替を利用するには、所定の締切日までに、取扱金融機関の窓口で申込手続きを済ませておく必要があります。
4. 労働保険の年度更新における注意点やポイント


労働保険の年度更新には、さまざまな気を付けるべき点があります。ここでは、労働保険の年度更新における注意点について詳しく紹介します。
4-1. 賃金の該当種類を間違えないようにする
労働保険料は賃金総額をベースにして算出しますが、この賃金には含まれるものと含まれないものがあります。例えば、給与や手当、賞与といった労働に対して支払われる報酬は賃金に含まれます。
しかし、役員報酬や災害見舞金、出張旅費などは賃金に含まれません。とくに、所得税の計算において通勤手当は一定額までであれば非課税ですが、労働保険料の計算においてはすべて含めなければならないので注意しましょう。
関連記事:賃金総額とは?含まれるもの・含まれないものや計算方法を解説
4-2. 前年度からの改正情報(保険料率など)を計算に反映させる
労働保険料率は、毎年度見直される可能性があります。法改正の影響により、料率が引き下げられる場合や引き上げられる場合があります。そのため、前年と同じ料率で計算すると、過不足のある保険料を納付してしまうリスクがあります。
年度更新をおこなう際には、必ず厚生労働省が公表する最新の保険料率表を確認しましょう。また、社内で使用する計算シートやテンプレートには、最新料率を正確に反映させてから手続きを進めることが重要です。
関連記事:雇用保険料率とは?令和7年度の変更点やなぜ計算割合が異なるのか解説!
4-3. 郵送する場合は返信用封筒(切手付き)を同封する
労働保険の年度更新手続きでは、直接窓口に赴く方法だけでなく、郵送の方法も利用できます。郵送であれば、窓口に行く手間を減らし、受付時間を気にすることなく手続きが可能です。
郵送で手続きする場合は、管轄の労働局宛てとします。また、受付印が必要な場合は、申告書(事業主控え)と切手が貼り付けられた返信用封筒も同封しなければなりません。
不備があると手続きに時間を要し、期限に間に合わない事態が発生するおそれもあります。早めに手続きを進めるとともに、書類がきちんと到着したか確認できるよう、追跡可能な方法で郵送することが大切です。
4-4. 65歳以上の高年齢者における手続きに注意する
以前までは、65歳以上の高年齢者には雇用保険が適用されませんでした。また、2017年からは65歳以上の従業員も雇用保険の適用対象となるものの、2020年3月31日までは雇用保険料が免除されていました。
しかし、この高年齢者の雇用保険料免除の期間は終了し、2020年4月1日からは高年齢者の従業員でも雇用保険料の納付が必要となっています。そのため、労働保険の年度更新をおこなうときは、65歳以上の従業員も雇用保険の対象として実施しましょう。
なお、65歳以上の従業員で通常の雇用保険の加入条件を満たさない場合でも、マルチジョブホルダー制度を利用し、複数の事業所で一定の要件を満たせば、マルチ高年齢被保険者として雇用保険に加入できる可能性があります。マルチ高年齢被保険者の雇用保険料の計算方法は、一般被保険者とほとんど変わりませんが、自社で支払う賃金のみを対象として雇用保険料を計算する必要があるので気を付けましょう。
関連記事:雇用保険マルチジョブホルダー制度とは?メリットや手続きの流れをわかりやすく解説!
4-5. 労働保険料の延納(分割納付)が認められる場合もある
労働保険料の納付は、一括納付が基本ですが、概算保険料が40万円(労災保険と雇用保険のどちらか一方のみ保険関係の成立をしている場合は20万円)以上の場合、もしくは労働保険事務組合に事務を委託している場合は3回に分割して納付することもできます。一般的な納期限は次の通りです。
|
期間 |
期限 |
|
4月1日~7月31日 |
7月10日 |
|
8月1日~11月30日 |
10月31日 |
|
12月1日~翌年3月31日 |
翌年1月31日 |
なお、労働保険事務組合に事務を委託している場合は、納期限が次のように延長されます。
- 第2期(10月31日納期限) → 11月14日
- 第3期(翌年1月31日納期限) → 翌年2月14日
年度途中で新規に成立した事業場の場合は、成立時期によって当てはまる分割期間や納期限が異なるため、厚生労働省の公式サイトなどで事前によく確認しておくとよいでしょう。また、期間計算においては初日を算入しない点にも注意が必要です。
5. 労働保険の年度更新をミスなく効率化する方法


労働保険の年度更新は、賃金総額の集計から申告書の作成・提出まで複数の工程を伴うため、誤りがあると追加納付や是正指導につながる可能性があります。ここでは、正確性を確保しつつ効率よく作業を進めるためのポイントや方法を紹介します。
5-1. 厚生労働省の公表資料・手引きを必ず確認する
労働保険の年度更新をおこなう際は、必ず最新の情報を確認して手続きを進めることが重要です。前年度の資料を参考に保険料を算定すると、保険料率の改定漏れなどにより誤った金額を算出してしまう可能性があります。
厚生労働省が毎年度公表している「労働保険年度更新申告書の書き方」には、申告書の記入方法から提出・納付手続きまで詳しく説明されています。手続きを進める前に、使用している手引きが最新年度版であることを必ず確認しましょう。
参考:令和7年度事業主の皆様へ(継続事業用)労働保険年度更新申告書の書き方|厚生労働省
5-2. 労務管理システムを活用して計算・集計を自動化する
年度更新で最も時間と手間がかかる工程のひとつが「賃金データの集計」です。従業員ごとの月例給与・賞与・割増賃金など、幅広いデータを正しく整理する必要があり、手作業やExcel管理の場合、入力漏れや転記ミス、関数エラーといったヒューマンエラーが起こりやすくなります。その結果、誤った賃金総額に基づいて保険料を計算してしまい、後々修正作業や追加納付が必要になるケースも少なくないでしょう。
こうした負担やリスクを軽減するためには、労務管理システムの活用が有効です。システムを利用すれば、月例給与や賞与データを自動で集計し、労働保険の対象となる賃金のみを抽出する処理も自動化できます。これにより、複雑な計算作業やデータ確認に要する時間を大幅に短縮できるほか、手入力や手計算によるミスも抑制されます。
5-3. 社会保険労務士に依頼してリスクと手間を最小化する
社内の労務担当者が少ない場合や、年度更新の経験が十分でない場合には、社会保険労務士(社労士)に依頼することも有効です。専門知識をもつ社労士へ業務を委託することで、担当者の負担を軽減しつつ、賃金計算や申告書作成を正確に進められます。
また、年度更新は年1回の業務であるため、社内でノウハウが蓄積しにくいという課題があります。毎年の法改正や保険料率の変更に対応するには最新情報の把握が欠かせません。外部の専門家を活用すれば、制度改正にも確実に対応でき、手続きの精度と効率がさらに向上します。
関連記事:社労士に給与計算を依頼できる?相場や税理士との違い・依頼の流れを解説
6. 労働保険の年度更新は電子申請も可能


労働保険の年度更新は、窓口・郵送以外に、インターネットを用いた電子申請でもおこなえます。これから電子申請をおこないたいという方のためにも、ここでは電子申請のメリットややり方について詳しく紹介します。
6-1. 特定の法人は電子申請が義務化されている
特定の法人(資本金1億円超えなど)については、労働保険の年度更新手続き(年度更新に関する申告書、増加概算保険料申告書)の電子化が義務付けられています。
特定の法人に該当する場合、電子申請が困難だと認められる場合などを除き、窓口・郵送でなく、電子申請により手続きをしなければならないので注意しましょう。
参考:2020年4月から特定の法人について電子申請が義務化されます|厚生労働省
関連記事:社会保険手続きの電子申請義務の対象や申請方法について解説
6-2. 電子申請のメリット
電子申請のメリットは、インターネット上で手続きが完結できることです。
近年働き方改革に伴い、リモートワークなどが普及し多様な働き方が推進されています。電子申請であれば、わざわざ金融機関や労働基準監督署に出向く必要がなく、24時間365日どこからでも申請をおこなえるという大きなメリットがあります。また、郵送にかかる費用などのコストも削減できます。
6-3. 電子申請に必要なもの
労働保険の年度更新について、電子申請で手続きするには、パソコンなどの端末とインターネット環境が必要です。また、アカウント・電子証明書の取得や、ブラウザ・アプリケーションの設定など、事前準備も必要になります。年度更新手続きを電子申請に切り替えようと考えている場合、早めに準備をおこないましょう。
6-4. 電子申請手続きのやり方
労働保険の年度更新の電子申請による一般的な手続きの方法とその流れは次の通りです。
- 事前に取得したアカウントを用いてマイページ(e-Gov)にログインする
- e-Gov電子申請手続検索で「労働保険年度更新申告」を検索する
- 労働保険番号・アクセスコードを入力して申告書入力画面を表示する
- 申請画面の必要事項をすべて入力したうえで電子証明書を添付して申請する
なお、電子申請後の保険料納付では、紙の納付書・口座振替に加えて、インターネットバンキングやATMを利用した電子納付も選択できます。電子申請と電子納付を併用することで、申告から納付までの一連の手続きをオンライン上で完結できるため、業務負担の軽減につながります。
6-5. 近年は電子申請に対応したシステムも普及している
近年、テクノロジーの進化や働き方改革の影響を受け、労働保険に関する手続きでもクラウド技術やデジタルツールの活用が急速に進んでいます。従来の紙ベースの手続きでは、申告書の作成・提出・管理など多くの工程が担当者の手作業に依存していましたが、電子申請に対応した労務管理システムや市販ソフトの普及により、これらの業務を自動化・効率化できる環境が整いつつあります。
なかでも、e-Govの外部連携APIに対応したシステムを利用すれば、給与データや従業員情報から必要な申告書を自動作成し、そのままクラウド上から電子申請まで完結することが可能です。入力の転記ミスや書類提出の漏れといった、アナログ処理で発生しがちなトラブルも防げるので、中小企業の経営者や労務担当者にとって大きなメリットがあるといえるでしょう。
さらに、クラウド型のツールであれば、複数拠点や在宅勤務の担当者でもリアルタイムに同じデータを共有でき、申告作業の進捗管理や社内の情報連携もよりスムーズになります。このように、クラウド技術やデジタルツールの導入は、単なる作業効率化にとどまらず、企業全体の労務管理体制を強化するうえでも重要な役割を果たします。
7. 労働保険の年度更新を正しく理解して期間内におこなおう


本記事では、労働保険の年度更新における手続き方法や注意点を解説しました。年度更新では、前年度の労働保険料を確定させ、当年度の労働保険料を見込みで申告・納付します。
年度更新の期間は例年6月1日から7月10日までの間であり、期間を過ぎるとペナルティが課せられるため注意が必要です。
ぜひ本記事の内容を参考にし、年度更新の必要書類と申請場所を確認し、漏れがないよう慎重に手続きをおこないましょう。



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