人事評価の不満が退職に繋がる?やる気を損ねる理由や退職を防ぐ評価制度を解説 - ジンジャー(jinjer)|人事データを中心にすべてを1つに

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人事評価の不満が退職に繋がる?やる気を損ねる理由や退職を防ぐ評価制度を解説

訴訟

人事評価とは、従業員の成果や貢献度を評価し報酬や待遇に反映していくことをいいます。

設計段階では完璧な人事評価制度であっても、すべての人が納得するような評価をおこなうのは、難しいでしょう。ときには従業員の不満が募り、訴訟に発展するようなリスクも起こり得ます。

この記事では、人事評価の不満をきっかけにしたトラブルを回避する方法について解説いたします。

関連記事:人事評価はなぜ必要?導入して考えられるメリットやデメリット

【従業員の評価、適切におこなえていますか?】

人事評価制度は、健全な組織体制を作り上げるうえで必要不可欠なものです。
制度を適切に運用することで、従業員のモチベーションや生産性が向上するため、最終的には企業全体の成長にもつながります。

しかし、「しっかりとした人事評価制度を作りたいが、やり方が分からない…」という方もいらっしゃるでしょう。そのような企業のご担当者にご覧いただきたいのが、「人事評価の手引き」です。

本資料では、制度の種類や導入手順、注意点まで詳しくご紹介しています。
組織マネジメントに課題感をお持ちの方は、ぜひこちらから資料をダウンロードしてご確認ください。

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1. 人事評価の不満を放置することで起こり得るリスク

注意

人事評価の結果に不満をもつ従業員をそのまま放置しておくことで、起こり得るリスクは主に3つあります。

  • 従業員のモチベーションが低下する
  • 退職率・転職率が増加する
  • 訴訟に発展する恐れがある

それぞれどういうことか、詳しく見ていきましょう。

1-1. 従業員のモチベーションが低下する

従業員の人事評価への不満が解消されなければ、「どうせ頑張っても評価されない」と思い込んでしまい、従業員のモチベーションは低下してしまうでしょう。そうなれば、自ずと仕事の生産性も低下してしまいます。

プロセスを評価せず成果のみ評価している場合や、減点方式による人事評価を採用している場合でも、同様なことが起こりやすいです。そのため、従業員の不満が続くようであれば、人事評価自体を見直す必要があるでしょう。

1-2. 退職率や転職率が増加する

従業員の退職や転職も、人事評価の不満を放置することで起こり得るリスクです。従業員が不満を抱えた状態だと、突然会社を辞めてしまうことも想定されます。そうなれば、新たに人を補充しなければならず、採用や育成のコスト発生は避けられません。

また、同じ理由で複数の従業員が辞めてしまえば、退職率や転職率が増加することで企業イメージが悪化し、今後の採用活動にも悪影響を及ぼす恐れもあるでしょう。

そうならないためにも、設計段階から人事評価のやり方や従業員へのフィードバックの仕方をしっかり検討しておくことが重要です。

1-3. 訴訟へ発展する恐れがある

人事評価への不満を放置することは、訴訟に発展する恐れもあります。

過去には、生命保険会社で働く女性従業員が、既婚者であることを理由に職務遂行能力以外のことを人事評価の判断基準にされたとして、訴えを起こした事件があります。この事件では、企業側の不法行為に基づく損害賠償請求が一部認容されました。

人事評価の公平性や裁量範囲の逸脱が認められる場合や納得性が低い場合には、従業員とのトラブルが勃発しやすいので、十分注意しましょう。

参照:労働基準判例検索-全情報|全国労働基準関係団体連合会

2. 人事評価に不満を感じている人が多い理由とは?

不満 男性

人事評価は人が人を評価する仕組みになっているため、評価される側から不満が出ることもあります。納得感のある人事評価を実現するためにも、多くの人が人事評価に不満を抱いていしまう理由について、ここで押さえておきましょう。

関連:人事評価で部下がやる気をなくすのはなぜ?やる気を高める方法を解説

2-1. 人事評価の基準が不明瞭だから

多くの従業員は、人事評価の基準が不明瞭であるために公正な評価がされていないと感じています。働きぶりや個々の業績を一定の基準において評価するのは、非常に困難です。

人事評価の基準が曖昧になってしまうのは、評価の仕組みやフィードバックが適切でないためです。特に、人事評価の結果である昇給や降格といった結果のみを従業員に知らせている企業は注意が必要です。

評価内容を適切にフィードバックしなければ、従業員は評価内容が不適切ではないかと不信感を持ってしまいます。
また、複数の評価者がいる場合、人によって評価の内容にばらつきがでることもあります。主観が入って厳しい評価をする、特定の人への評価が甘くなるなど、評価に感情が入りバイアスがかかる例は少なくありません。

評価に個人的な感情が入る原因には、ハロー効果や寛大化傾向などが挙げられます。これらを防止するための対策には、定量基準を設け、基準値を明確化することが有効です。

定量評価が難しい場合は、評価者に対する研修や評価基準のすり合わせも効果的です。当サイトが配布しております「わかりやすい!人事評価の手引き」では、人事評価を正しくおこなうための必要手順や、評価項目の適切な設定方法についても解説しています。
人事評価を適切におこないたい方は、こちらからダウンロードしてご活用ください。

2-2. 人格を否定されたように感じてしまうから

人事評価を人格否定のように受け止めてしまう従業員もなかには存在する。特に、厳しい評価をした場合や人事評価に関するフォローをしなかったときには、従業員のモチベーションが著しく低下することがあります。最悪の場合には従業員が退職を決断したり、訴訟に発展したりするケースもあるので気をつけましょう。

人事評価の際にはなぜその評価になるのかを説明することや、良い点を褒めるなどフォローすることが大切です。

2-3. 自己評価よりも他己評価が低いから

自身の頑張りが会社に正当に評価されていないと感じ、人事評価に不満を抱くケースもあります。

本人の自己評価と企業側の人事評価にはたびたびギャップが起こります。このギャップを埋めるためには、なぜその評価になるのかを本人が納得できるよう説明する必要があります。

2-4. 現場を見ない評価者が判断するから

評価者が現場を見ずに、上辺の成果や売上のみをチェックして人事評価をした場合、従業員には不満が蓄積しやすいので注意が必要です。

特に、近年多くの企業が導入しているテレワークにおいて正当な人事評価ができない例は少なくありません。リモートでは仕事ぶりをチェックしにくいため、何を基準に人事評価をおこなうべきかも不明瞭になってしまいます。

現場の状況を見ないままの人事評価を続けると、従業員と評価者の信頼関係も薄れてしまいます。

3. 人事評価の不満が退職に繋がる理由とは?

人事評価の結果、最悪の場合やる気が低下するだけではなく退職に繋がるケースもあります。ここでは人事評価の不安が退職に繋がる理由について、よくある理由を紹介します。

3-1. 人事評価が給与に反映されないから

人事評価の内容は報酬や昇進など処遇や待遇の改善に活用されます。しかし、評価内容がストレートに給与や報酬の金額に反映されるとは限りません。

中には、成果を出しているにもかかわらず給与や待遇に反映されないという点に不満を抱える従業員もいます。人事評価と報酬の内容に乖離があると、従業員のモチベーションは大きく低下してしまいます。

3-2. 評価者の評価能力にバラつきがあるから

人事評価において、評価者の能力にバラつきがあることは大きな問題です。評価者によって評価基準や重視するポイントが異なるため、同じ成果を上げた従業員でも評価が不公平になることがあります。これにより、従業員は自分の努力が正当に評価されないと感じ、モチベーションが低下します。

さらに、評価には主観が大いに影響します。特定の評価者にとって好みのある従業員と、そうでない従業員との間で差が生まれることで、職場の士気にも悪影響を与えます。このような状況が続くと、退職を考える従業員が増える可能性が高まります。

3-3. 昇進や昇格に結びつかないから

昇進や昇格が期待できないと、従業員の成長意欲に大きな影響を与えます。特に、自分の努力が評価に結びつかない場合、モチベーションの低下が避けられません。自身のキャリアに対する不安から、転職を考えることも増えます。

さらに、評価が昇進の基準にならないと、優秀な人材が会社に留まる理由が薄れ、退職者が増えるリスクも高まります。企業にとっては、長期的な成長を阻害する要因となり、業績にも悪影響を及ぼす可能性があります。これらの点を踏まえ、従業員が納得する評価制度の構築が必要となります。

4. 人事評価の不満をなくすフィードバックのやり方

評価

従業員を適正に評価するためには、評価者による評価面談が必要です。しかし、評価面談で十分に従業員の評価を見極められず、結果的に人事評価の基準が曖昧になってしまうケースもあります。

ここからは、評価面談の方法とフィードバックのポイントについて見ていきましょう。

関連記事:お互いが納得できる人事評価面談の進め方やポイント

4-1. 従業員が自己評価を述べる機会を作る

一方的な人事評価で従業員の処遇を決めてしまうと、不満が蓄積しやすくなります。評価面談の際には従業員が自らの評価について話す機会を設けるのがおすすめです。

ただし、その場で自己評価を話すよう促してもなかなかうまくはいきません。前もって面談の内容を伝えておいたり、書式を用意したりといった方法でスムーズに評価面談を進めましょう。

4-2. 評価結果のフィードバックは順番に注意する

評価面談の際にはまず従業員の自己評価を聞き、その後評価結果のフィードバックをおこないます。先に評価者が話をすると従業員は反発心をもつことがあります。また、正当な自己評価ができなくなる可能性も考えられるので気をつけましょう。

評価者からのフィードバックはポジティブな面から伝えていくのがセオリーです。続いて、従業員が自己評価で述べた評価と一致しているネガティブな面を伝えていきましょう。従業員が意識していないマイナス評価がある場合には、最後に述べるようにするのが最適です。

この順番で評価結果のフィードバックをおこなえば、従業員が抱えやすい反発心や評価者への不信感を減らすことができます。

4-3. 今後の課題を相談し共有する

評価面談は現在起きている問題を解決し、課題を共有するまたとない機会です。自己評価と他己評価の内容をもとに、今後の課題や具体的な行動目標を決めていきましょう。

このとき、マイナス面を責めるような言い方をすると従業員の不満が蓄積しやすくなります。非難的にならないよう、今後どうすれば問題を解決できるかを軸に話を進めていきましょう。

また、一方的なアドバイスに終始しないことも重要なポイントです。一方通行の面談をした場合、従業員は意見を聞いてもらえないと判断してしまうことがあります。また、評価を押し付けられたと感じ、反発心を持ってしまう可能性も考えられます。

課題の共有をおこなう際には、従業員に意見を求め双方向のコミュニケーションを取りながらビジョンを見定めていくことが肝心です。

5. 退職を防ぐための評価制度

評価制度を導入するには自社に応じたものを選びましょう。適していない評価制度を選んでしまうと、従業員に不満を抱かれて転職されてしまうかもしれません。

例えば、従業員が自律して行動できる場合は360度評価、優秀な従業員がいるのであればコンピテンシー評価が適しています。

5-1. 従業員が自律して行動できるなら360度評価

従業員同士がフラットな関係を築けている自律型組織であれば、多面評価が可能な360度評価が適しています。360度評価は旧来型の上から下への評価ではありません。360度評価は上司や部下、同僚など複数の視点から評価を受ければ、従業員も納得しやすいでしょう。

5-2. 優秀な従業員がいるのであればコンピテンシー評価

自社に優秀な成績を残す従業員がいるのであれば、コンピテンシー評価を導入してみましょう。コンピテンシー評価では自社で高い成績を残す従業員の行動特性に着目するため、導入までに時間がかかります。しかし、自社にあった納得できる人事評価制度を実現可能です。

6. 会社は不満のない人事評価制度を策定に努めよう

フィードバック

人事評価の不満は従業員のモチベーション低下につながるだけでなく、ときに訴訟に発展するなどのリスクを孕んでいます。

人事評価の不満に向き合い対処をおこなえば自社の人事制度がブラッシュアップされていきます。また、生産性やモチベーションの向上、人材流出の阻止にもつながります。

人事評価をおこなう際には、評価内容をフィードバックするなどの方法で適切に対処しましょう。

【従業員の評価、適切におこなえていますか?】

人事評価制度は、健全な組織体制を作り上げるうえで必要不可欠なものです。
制度を適切に運用することで、従業員のモチベーションや生産性が向上するため、最終的には企業全体の成長にもつながります。

しかし、「しっかりとした人事評価制度を作りたいが、やり方が分からない…」という方もいらっしゃるでしょう。そのような企業のご担当者にご覧いただきたいのが、「人事評価の手引き」です。

本資料では、制度の種類や導入手順、注意点まで詳しくご紹介しています。
組織マネジメントに課題感をお持ちの方は、ぜひこちらから資料をダウンロードしてご確認ください。

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