領収書を紛失したときの対処法や返金の場合の対応を解説
更新日: 2024.11.15
公開日: 2021.9.15
jinjer Blog 編集部
商品やサービスの対価として金銭の取引がおこなわれた場合、やり取りの証明として、お金を受け取った側は領収書を作成することが義務付けられています。
領収書があることで、どういった目的でどのような内容の取引がおこなわれたのかを証明できます。法人や個人を問わず、経費として計上するために必要です。
領収書は大切な書類です。万が一、紛失してしまった際は、適切な対応をおこなわなければなりません。今回は、領収書を紛失したときの対処法について解説します。取引が中止されて返金する場合の対応についても詳しくご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
「領収書がたくさんあって、管理しきれずに困ってる」
「経費精算の際に、申請書類と領収書のチェックに時間がかかる」
「電子化するためにシステム検討を始めたが、何からはじめたらいいかわからない」
「電子化したいが、電子帳簿保存法をしっかり理解できず困っている」 など領収書管理に関してお悩みではないでしょうか。
法改正もすすみ、中長期的には領収書を電子化することがのぞましいでしょう。
領収書を電子化するためには電子帳簿保存法に対応した経費精算システムを導入することが最も効率的です。
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1. 領収書を紛失した場合の対処法
領収書を紛失してしまうと、金銭のやり取りがあったことを証明できません。もし、税務調査がおこなわれた場合、経費としての計上が認められない可能性があります。
しかし、確かに金銭のやり取りがおこなわれたのは間違いありません。領収書を紛失したのであれば、速やかに以下2つの対処法をご検討ください。
1-1. 領収書の再発行を依頼する
領収書は、金銭を受け取った側に発行する義務がありますが、一方で再発行の義務はありません。そのため、金銭を受け取った側の裁量によります。
受け取った側が領収書を紛失したのであれば、気づいた段階でまずは再発行を依頼しましょう。医療機関を利用した際の領収書であれば、多くの場合で再発行の依頼に応じてもらえます。
また、新幹線や飛行機を利用した際の交通費は、領収書を発行してから1年以内であればインターネットから再発行の依頼が可能です。
再発行は義務付けられていないため、すべてのケースで対応してもらえるとは限りません。依頼された側からすると、本当に紛失したのであれば再発行は正当なものだといえますが、経費の水増しのために悪意のある依頼の可能性も考えられるためです。
もし、再発行した領収書によって経費の水増しがなされていた場合、発行した側が税務署から脱税に加担していたと誤解される恐れがあります。そのため、領収書の再発行に後ろ向きな姿勢な会社もあるのです。
関連記事:領収書の再発行は可能?依頼された際の対応や注意点を解説
1-2. 出金伝票に記録する
領収書の再発行に対応してもらえなかった場合は、おこなわれた取引について出金伝票に記録しましょう。出金伝票に記録する際は、以下4つの項目について正確に記載してください。
- 支払い先の社名や屋号
- 支払った日付
- 但し書き
- 実際に支払った金額
出金伝票さえ記録しておけば、必ずしも経費として認められるわけではありません。税務署には、支払い先に対して本当にその取引がおこなわれたのかを調べる反面調査を実施する権限があるためです。
領収書がない場合、税務署は支払い先に対してその取引について確認をおこないます。そして、実際に取引があったと確認できれば、晴れて経費として認められます。出金伝票に記録する際は、反面調査が実施された際に合わせて確認できるように正確に作成しましょう。
1-3. レシートで代用する
領収書を紛失した場合、レシートでも代用可能です。レシートには支払いの日時や場所、何を購入したのかが判断できます。そのため、レシートでアあっても経費の精算に活用できる可能性があります。しかし、レシートは本当に会社の経費として購入したのかを判断できません。会社の経費として判断が難しいため、小額の支払いであれば認められるものの、多額の支払いは認められない可能性があります。
2. 領収書の再発行を頼まれた場合
もし領収書を発行した側で再発行を頼まれた場合、先述のリスクを踏まえると安易に了承してしまうのは望ましくありません。
リスクをケアするために、まずは領収書を発行する際に再発行には対応できないことについて事前周知しておきましょう。あらかじめ知らせておけば、再発行を断る際に流れがスムーズになります。
とはいえ、相手は大切な取引先の1つです。無下に断るわけにもいかないのであれば、先に発行した領収書とは形式の異なる証明書を作成するとよいでしょう。領収書と同様に支払い先と支払った日付、但し書き、支払い金額の4点を正しく記載したものであれば、しっかりと効力を発揮してくれます。
関連記事:領収書で起こりやすい不正とその対策を分かりやすく解説
2-1. 再発行であることがわかるようにする
得意先や常連からの頼みだと、領収書の再発行を断り切れないかもしれません。その際は領収書が再発行であることがわかるようにしましょう。例えば、過去に同じ領収書を発行していることを明記しておきます。何も記載せずに領収書を再発行してしまうと、悪用されるリスクがあります。万が一、以前発行した領収書が見つかったのであれば、返却してもらいましょう。返却してもらった領収書は控えと同じく保管しておきます。
3. 領収書がない場合に経費を証明する方法
領収書がなくても、経費を証明する方法はあります。そもそも領収書を発行する必要がない方法で金銭の取引をおこなっておけば、紛失するリスクは当然ありません。
領収書を発行する必要がない金銭の取引には、銀行振込とクレジットカードの2つの方法があります。銀行振込の場合、通帳に金銭の取引について履歴がしっかりと残るため、これにより領収書がなくても証明できます。
同様に、クレジットカードで支払いをおこなった場合は、そのカードのカード会社に使用履歴が記録され、銀行の口座にも引き落とされたデータが残ります。これは、電子マネーを利用した場合も同じです。
現金ではなく、この2つの方法を支払いのメインとしておけば、そもそも紛失が起きない仕組みをつくることができます。キャッシュレスには、このようなメリットもあるのです。
3-1. 領収書の電子化を検討してみよう
支払いをすべてクレジットに移行するのも難しいので、紙の領収書を電子化することが現実的でしょう。当サイトではシステムを通して領収書を電子化する方法を解説した「領収書の電子化ガイドブック」を配布しております。
領収書を電子化することで紙での保管コストがなくなり、経費精算業務の工数も大きく削減されるので、中長期的に経理業務を効率化したいとお考えの方には大変参考になる資料です。資料は無料ですのでこちらからダウンロードしてご覧ください。
関連記事:銀行振込における領収書の発行手順は?代替書類も解説
関連記事:クレジットカード決済で領収書が必要なときの発行手順を紹介
4. 領収書が必要になる場面とは
金銭の取引を確かに証明してくれる領収書は、非常に大切な書類です。それは、経費としての計上や個人事業主が確定申告をおこなう際に、税金を正しく計算して必要な分を納めなければならないからです。
そのほか、領収書は年末調整や各控除について申請をおこなう際にも必要となります。また、キャッシュレスにともない紙の領収書をわざわざ発行しなくてもよいという流れがありますが、すべてのケースでそうとも限らない場合もあります。
例えば、仕入税額控除を利用したいのであれば、3万円以上の取引の場合は領収書および請求書を保存しておかなければなりません。こういったことも踏まえ、大きな金額の取引であればやはり領収書を正しく管理する必要があります。
5. 返金が発生した場合の領収書の扱い
金銭の取引のなかで金額のミスがあった場合、その後の対応は2つのパターンが想定されます。例えば、支払われた金額が大きすぎたのであれば、その差額をそのまま返すのか、一旦払い戻してから改めて取引をし直すかになります。
払いすぎてしまった金額をそのまま返金する方法を相殺といいます。5万円で購入したものが本当は3万円だったケースを想定してみましょう。相殺するためには、購入した側が差額となる2万円分の領収書を発行する必要があります。一見、差額を支払うだけのシンプルな方法に思えますが、双方で領収書を発行しなければなりません。
一方、一旦払い戻すのであれば、まずはすでに発行された領収書と引き換えに支払った金銭の返金をおこないます。その結果、金銭の取引が一旦リセットされます。その後、改めて購入してもらい、領収書を作成します。
差額をそのまま返す方法と比較すると、一見すると手間に思えるものの、実際には片方だけが領収書を発行するだけで済むので、こちらのほうがシンプルです。
関連記事:領収書の訂正の仕方について押さえておくべき基本ルール
6. 領収書を紛失した際は適切な対応が必要
すべての国民は、それぞれが納めるべき税金を正しく計算して納税する義務があります。領収書は、そのために必要となる重要な書類です。領収書を受け取った側は、しっかりと保管して管理しなければなりません。
領収書を紛失してしまうと、そのままでは経費としての計上が難しくなりますので、必要な対処法をおこないましょう。再発行の依頼にスムーズに応えてもらえれば問題ありませんが、再発行が難しい場合は、出金伝票に記録しておくことで経費として計上することが可能です。そのままにせず、適切な対応をとるようにしましょう。
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