【2026年最新】所得税の非課税は年収いくらまで?具体的なラインを解説 - ジンジャー(jinjer)|統合型人事システム

【2026年最新】所得税の非課税は年収いくらまで?具体的なラインを解説 - ジンジャー(jinjer)|統合型人事システム

【2026年最新】所得税の非課税は年収いくらまで?具体的なラインを解説 - ジンジャー(jinjer)|統合型人事システム

【2026年最新】所得税の非課税は年収いくらまで?具体的なラインを解説

働く男性所得税の「非課税ライン」は、近年の税制改正により大きな注目を集めています。2025年分からは給与収入160万円以下、さらに2026年は178万円以下へと引き上げられました。

しかし、所得税が非課税になるかどうかは単純な年収額だけで決まるわけではありません。本記事では、2026年最新の所得税の非課税ラインや計算の仕組みを解説するとともに、実務で迷いやすい非課税所得の具体例や企業担当者が留意すべき実務上のポイントを紹介します。

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1. 所得税の非課税ライン

はてな

所得税には「いくらまでなら税金がかからないのか」という目安、いわゆる「非課税ライン」があります。これは単純に「年収いくら」と決まるものではなく、給与所得控除や基礎控除などを差し引いたあとの「課税所得」が生じないかどうかで判断されます。

近年は税制改正により、この非課税ラインが引き上げられています。ここでは、2025年分(令和7年分)および2026年分(令和8年分)の動向を整理します。

1-1. 所得税の計算の仕組みをおさらい

原則として、1年間(1月1日~12月31日)のすべての所得(給与や年金など)の合計額を算出し、そこから所得控除額(基礎控除や社会保険料控除など)を差し引いた「課税所得金額」に対して、5%~45%の超過累進税率を適用して所得税額を計算します。

したがって、所得控除の結果、課税所得金額が生じなければ、税率を適用しても算出税額は0円となります。そのため、所得税は発生せず、結果として非課税となります。

参考:No.1000 所得税のしくみ|国税庁

関連記事:【企業担当者向け】所得税計算の仕組みとは?源泉徴収・年末調整のポイントを徹底解説

1-2. 【2025年分】給与収入160万円以下であれば非課税

会社員やパート・アルバイトなどが働いて得る収入は、所得税法上「給与所得」に区分されます。給与所得は、年間の給与や賞与などの総収入額から「給与所得控除」を差し引いて算出します。また、所得控除のうち、基礎控除は高所得者を除き多くの人が適用できる控除です。

そのため、給与所得者の場合、給与収入が「給与所得控除」と「基礎控除」の合計額以下であれば、課税所得がゼロとなり、所得税はかかりません。いわゆる「非課税ライン」は、この2つの控除額の合計によって決まります。

令和7年度税制改正により、2025年分の給与所得控除の最低保障額は65万円、基礎控除は最大95万円へと引き上げられました。その結果、給与収入が160万円以下であれば、これらの控除により課税所得は発生せず、2025年分の所得税は非課税となります。これが、いわゆる「160万円の壁」とよばれる水準です。

参考:令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について|国税庁

1-3. 【2026年分】給与収入178万円以下であれば非課税

財務省が公表した「令和8年度税制改正大綱」で、基礎控除および給与所得控除の最低保障額を2年連続で引き上げる方針が示され、2026年3月31日に租税改正法が成立しました。これにより、2026年分(令和8年分)については、給与収入178万円以下であれば所得税が非課税になります。

ただし、この改正の中には2年間の特例による控除も含まれるため、内容を正しく把握する必要があります。

参考:令和8年度税制改正の大綱|財務省

参考:年収の壁、178万円に 税制改正法が成立|yahoo!ニュース

関連記事:年収の壁とは?税金や社会保険の負担が生じる103万、106万、130万、150万の壁を解説

2. 所得税の非課税を判断する際のポイント

考える女性

所得税の非課税判定は、現金で受け取る収入額だけを基準に判断するものではありません。ここでは、所得税が非課税となるかどうかを見極める際の重要なポイントを解説します。

2-1. 収入の種類(現物給与に注意)

所得税法では、課税の対象となる所得を次の10種類に区分しています。所得の種類ごとに計算方法や課税方法が異なる点が特徴です。

利子所得 預貯金や公社債の利子に関する所得
配当所得 法人から受領する剰余金や収益の分配などに関する所得
不動産所得 不動産・土地の上の権利・船舶の貸付けなどに関する所得
事業所得 農業や製造業など各人が営む事業から生じる所得
給与所得 賃金や賞与など従業員が受領する給与に関する所得
退職所得 退職により勤務先から受領する退職手当や解雇予告手当などの所得
山林所得 立木や伐採木の譲渡などにより生じる所得
譲渡所得 土地や建物などの資産の譲渡により生じる所得
一時所得 労働や譲渡の対価ではなく、継続的な営利目的行為により生じる所得以外の一時的な所得
雑所得 ほかの所得に該当しない所得

参考:No.2011 課税される所得と非課税所得|国税庁

このように、所得税は「給与」だけに課税されるものではありません。例えば、給与収入が非課税ラインであったとしても、不動産の家賃収入や株式の配当、土地・建物の売却益などがあれば、課税所得が発生し、所得税が課されることがあります。

また、所得税法上は、単に「現金を受け取ったかどうか」ではなく、経済的利益を受けたかどうかが重要な判断基準となります。そのため、現金で支払われる給与だけでなく、物やサービスの提供といった現物給与も、課税対象となる可能性があるので注意が必要です。

関連記事:現物給与とは?具体例や非課税対象をわかりやすく解説

2-2. 非課税対象となる所得

所得税法では、政策的な配慮や最低限の生活保障といった観点から、一定の所得をあらかじめ非課税としています。例えば、出張に伴う旅費のうち通常必要と認められる範囲のものは課税されません。また、制服や作業着など、職務の性質上どうしても必要となる物品の現物支給についても非課税とされています。

このほかにも、非課税とされる所得にはさまざまな種類があります(詳細は第3章で解説しています)。これらの非課税所得を誤って給与収入に含めて所得税を計算してしまうと、本来は非課税となるはずの人まで課税対象となる可能性があります。給与計算や年末調整の際には、課税・非課税の区分を正確に確認することが重要です。

参考:No.2508 給与所得となるもの|国税庁

2-3. 特定支出控除

給与所得者には、通常、必要経費の概算として「給与所得控除」が適用されます。しかし、実際に職務のために支出した費用(特定支出)が多額にのぼる場合には、一定の要件のもとで「特定支出控除」を適用できる可能性があります。特定支出に該当する主なものは、次のとおりです。

  • 通勤費
  • 職務上の旅費
  • 転居費
  • 研修費
  • 資格取得費
  • 帰宅旅費
  • 勤務必要経費(65万円まで)

なお、これらの支出のうち、勤務先から補てんを受けており、その補てん額が非課税とされる部分については、自己負担がないため特定支出には含まれません。

特定支出控除は、特定支出の合計額が給与所得控除額の2分の1を超える場合に、その超過部分を給与所得から控除できる制度です。適用にあたっては、勤務先の証明書の添付が必要であり、年末調整ではなく確定申告により手続きをおこないます。

実務上の利用件数は多くありませんが、要件を満たせば給与所得が減少し、結果として課税所得が圧縮されます。そのため、給与所得控除のみでは課税所得が生じていた場合でも、特定支出控除の適用によって課税所得がゼロとなり、非課税となるケースもあり得ます。

参考:No.1415 給与所得者の特定支出控除|国税庁

2-4. 所得控除・税額控除

税負担を軽減する仕組みには、「所得控除」と「税額控除」の2つがあります。所得控除は、収入から必要経費などを差し引いて算出した「所得」から、さらに一定額を差し引く制度です。一方、税額控除は、計算によって求めた所得税額から直接差し引く制度で、税額そのものを減らす効果があります。

例えば、令和7年分では給与所得控除と基礎控除の適用により、給与収入が160万円以下であれば所得税は原則として非課税となります。しかし、社会保険料控除や扶養控除などの所得控除、あるいは配当控除や住宅ローン控除などの税額控除が適用される場合には、給与収入が160万円を超えていても、最終的な所得税額がゼロとなり、結果として非課税になるケースも十分に考えられます。

3. 【具体例】非課税所得に含まれるもの

電卓

所得税が課税されるかどうかを判断する際には、「非課税所得」が重要なポイントのひとつとなります。ここでは、実務上とくに判断に迷いやすい代表的な非課税所得の例を取り上げて解説します。

3-1. 交通費や通勤手当

業務の遂行にあたり発生した交通費を実費で精算する場合、その支給額は原則として非課税となります。これは、その交通費が従業員の個人的利益ではなく、会社が本来負担すべき業務経費の立替精算という性質を有するためです。

これに対し、通勤手当は本来給与に該当するものの、政策的配慮により一定額まで非課税とされています。電車やバスなどの公共交通機関を利用する場合は、合理的かつ経済的な経路による通勤定期券相当額が対象となり、月15万円までが非課税限度額です。

また、自家用車やバイクなどで通勤する場合には、片道の通勤距離に応じて定められた非課税限度額が適用されます。なお、令和7年11月にマイカー通勤の非課税限度額が引き上げられる改正が施行された点に注意が必要です。

参考:通勤手当の非課税限度額の改正について|国税庁

関連記事:所得税における通勤手当の課税・非課税ルールとは?交通費のとの違いも解説

3-2. 記念品

創立記念や永年勤続表彰などで支給される記念品は、社会通念上相当と認められる範囲であれば非課税とされます。例えば、おおむね10年以上長年勤務した従業員への表彰記念品は、金銭ではなく物品で支給し、その価額が常識的な範囲内であることが条件のひとつです。

高額すぎるものや、換金性の高い商品券などは課税対象と判断される場合があります。また、繰り返し支給する場合には、おおむね5年以上の間隔をあけることも要件のひとつとされています。

参考:No.2591 創業記念品や永年勤続表彰記念品の支給をしたとき|国税庁

3-3. 食事補助

会社が従業員に支給する食事補助は、一定の条件を満たせば非課税となります。具体的な条件は次のとおりです。

  • 従業員が食事代の半額以上を自己負担していること
  • 会社の負担額が月額3,500円(税抜)以下であること

これらの条件を満たさない場合、食事の価額から従業員が負担した金額を差し引いた残額は給与として課税されます。

なお、令和8年度の税制改正では、会社負担による食事補助の非課税上限が現行の月額3,500円から7,500円に引き上げられる方針が示されています。福利厚生の充実を目的として、食事補助の導入や見直しを検討することが推奨されます。

参考:No.2594 食事を支給したとき|国税庁

参考:令和8年度税制改正の大綱|財務省

関連記事:福利厚生とは?目的や種類、メリットを簡単に解説

3-4. 社宅貸与

会社が従業員に社宅や寮を貸与する場合、従業員が賃貸料相当額の半額以上(役員の場合は全額)を自己負担していれば、会社が負担する差額部分は原則として所得税の課税対象にはなりません。

一方で、すべての従業員に一定の金額の住宅手当を支給している場合などは、全額が課税対象となるので注意が必要です。また、賃貸料相当額とは、建物の固定資産税評価額などを基に国税庁の算定式で計算されるため、一般の家賃相場とは異なる点にも留意してください。

参考:No.2597 使用人に社宅や寮などを貸したとき|国税庁

参考:No.2600 役員に社宅などを貸したとき|国税庁

3-5. レクリエーション旅行

レクリエーション旅行(社員旅行)は、社会通念上一般的であり、かつ従業員が受ける経済的利益が少額で「少額不追求」の趣旨に沿う場合、その費用は給与として課税されません。非課税と認められるための目安として、次の条件があります。

  • 旅行期間が4泊5日以内
  • 全従業員の50%以上が参加

一方で、特定の役員や一部社員だけを対象とした高額な旅行は、給与課税の対象となる可能性が高くなります。また、自己都合で旅行に参加しなかった従業員に金銭を支給する場合は、参加者と不参加者の全員に給与が支給されたものとみなされるため注意が必要です。

なお、研修旅行など会社業務の遂行に直接必要な場合、その費用は給与課税の対象にはなりません。

参考:No.2603 従業員レクリエーション旅行や研修旅行|国税庁

3-6. 結婚祝金や見舞金

結婚祝金や出産祝金、傷病見舞金、災害見舞金などは、社会通念上妥当な金額であれば非課税とされます。

ただし、名目が祝金であっても、金額が過大であったり、定期的に支給される場合は、給与として課税される可能性があります。

そのため、社内規程で支給基準や金額を明確に定めておくことが、税務上のリスクを防ぐうえで重要です。

4. 所得控除の種類

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所得控除は全16種あり、次の2タイプに大別されます。

タイプ 概要
人的控除(9種類) 本人・配偶者・扶養親族の状況に応じて適用される所得控除
物的控除(7種類) 医療費・保険料・寄附金など納税者の支出に対する所得控除

これらの控除は、該当する条件を満たした場合に適用されます。全所得の合計金額から所得控除の合計金額を差し引き、残った課税所得をもとに所得税額を算出する仕組みです。

上記の2タイプ別に、各控除の概要を見ていきましょう。

4-1. 人的控除(9種類)

人的控除には、次の9種類があります。家族構成や本人の属性、生活状況に応じて控除額が定められています。

人的控除の種類 控除額(令和7年分)
配偶者控除 最大38万円(老人:最大48万円)
配偶者特別控除 最大38万円
扶養控除 一般:38万円

特定:63万円

老人:48万円(同居:58万円)

特定親族特別控除 最大63万円
障害者控除 障害者:27万円

特別障害者:40万円(同居:75万円)

寡婦控除 27万円
ひとり親控除 35万円
勤労学生控除 27万円
基礎控除 最大95万円

参考:No.1100 所得控除のあらまし|国税庁

令和7年度税制改正により、令和7年分(2025年分)の所得税から「特定親族特別控除」が新たに創設された点が大きな特徴です。

参考:令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について|国税庁

4-2. 物的控除(7種類)

物的控除には、次の7種類があります。いずれも納税者の人的事情ではなく、経済的負担に基づいて適用される所得控除です。

物的控除の種類 控除額(令和7年分)
社会保険料控除 その年に支払った社会保険料の全額
小規模企業共済等掛金控除 その年に支払った掛金の全額
生命保険料控除 最大12万円(新契約・旧契約の区分に応じて計算)
地震保険料控除 最大5万円
雑損控除 次のいずれか多い金額

・(差引損失額)− 総所得金額等 × 10%

・(災害関連支出の金額)− 5万円

医療費控除

※セルフメディケーション税制と選択適用

次の算式により計算(上限200万円)

(支払医療費 − 保険金等で補填される金額)

− {10万円 または 総所得金額等 × 5% のいずれか少ない金額}

寄附金控除 (特定寄附金の額※ − 2,000円)

※総所得金額等の40%が限度

なお、雑損控除・医療費控除・寄附金控除は年末調整で適用できません。これらの控除を適用する場合は、従業員に確定申告を案内しましょう。

参考:No.1100 所得控除のあらまし|国税庁

4-3. 【2027年分~】ひとり親控除が拡充される

令和8年度税制改正大綱によると、令和9年分(2027年分)以降、ひとり親控除の控除額が現行の35万円から38万円に引き上げられる見通しです。この改正が実現されれば、年末調整での所得税計算にも影響が出る可能性があります。今後の法改正の動向に注意しましょう。

参考:令和8年度税制改正の大綱|財務省

関連記事:年末調整のひとり親控除とは?寡婦控除との違いや対象者を解説

5. 税額控除の種類

はてなマーク

税額控除とは、計算された所得税額から直接差し引くことができる控除のことをいいます。所得控除が課税所得を減らす仕組みであるのに対し、税額控除は算出された税額そのものを減額するため、一般的に節税効果が大きい点が特徴です。

例えば、課税所得があり本来であれば所得税が発生する場合でも、税額控除を適用することで、結果的に所得税がゼロ(非課税)になるケースも理論上は考えられます。代表的な税額控除には、次のようなものがあります。

  • 住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)
  • 配当控除
  • 外国税額控除
  • 寄附金特別控除

なお、住宅ローン控除は2年目以降であれば年末調整で適用が可能です。一方で、住宅ローン控除の初年度やその他の税額控除については、原則として確定申告をおこなう必要があるため注意しましょう。

6. 所得税の課税・非課税の具体的な判断事例

考える女性

ここでは、代表的な働き方ごとに「所得税がどのように課税されるか」「非課税となるケースはあるのか」を具体的に解説します。なお、各事例ともに令和8年分の所得税において課税・非課税とされるか判断しています。

6-1. 正社員(年収400万円)

年収400万円の正社員には、通常、所得税が課されます。ここでは、具体的な数字を用いて所得税額をシミュレーションしてみましょう。まず、給与収入400万円から給与所得控除124万円を差し引くことで、給与所得276万円と計算できます。

参考:No.1410 給与所得控除|国税庁

今回適用する所得控除は次のとおりとします。

  • 基礎控除:102万円(合計所得金額276万円と仮定)
  • 社会保険料控除:50万円(その年に支払った社会保険料の金額)

参考:No.1199 基礎控除|国税庁

参考:No.1130 社会保険料控除|国税庁

これらを差し引いた課税所得は、次のように計算できます。

1,240,000円(課税所得) = 2,760,000円 − 1,020,000円 − 500,000円

課税所得124万円に応じた所得税率を掛け合わせることで、次のように所得税が計算できます。

62,000円(所得税) = 1,240,000円 × 5%

参考:No.2260 所得税の税率|国税庁

以上より、令和8年分の所得税は62,000円と算出されます。なお、今回は税額控除の適用はないものとし、復興特別所得税については考慮していません。

6-2. パート(年収120万円)

年収120万円のパート収入の場合、通常は所得税はかかりません。給与所得控除の最低保障額(74万円)と基礎控除(104万円)を差し引くと課税所得が発生しないためです。

また、税法上の扶養に入るためには、合計所得金額が58万円以下(給与収入でいうと136万円以下)であることが要件となります。このケースでは給与収入が136万円以下の範囲に収まっているので、親・子や配偶者が扶養控除や配偶者控除などを適用できる可能性があります。

一方、年収が150万円となった場合、本人に所得税が発生しないケースであっても、税法上の扶養の対象から外れる可能性があります。そのため、収入額によっては働き方を事前に検討・調整することが大切です。

6-3. アルバイト(年収180万円)

年収180万円のアルバイト収入の場合、所得税がかかるケースとかからないケースの両方が考えられます。給与所得控除の最低保障額(74万円)と基礎控除(104万円)を差し引くと、課税所得は2万円となるため、原則として所得税が発生します。

ただし、その年に社会保険料を支払っている場合や、本人が障害者に該当する場合などは、社会保険料控除や障害者控除といった他の所得控除を受けられる可能性があります。これらの控除が適用されることで課税所得がゼロとなり、結果として所得税がかからないケースもあります。

このように、いわゆる「年収の壁(178万円の壁)」を超えたからといって、必ずしも所得税が課税されるとは限りません。実際の税負担は、個々の状況や適用できる控除によって変わるので、収入だけで判断せず、控除の内容も踏まえて考えることが重要です。

6-4. 副業・ダブルワークをする従業員

複数の勤務先から給与を受け取っている場合、原則としてそれぞれの給与を合算して所得を計算し、所得税額を確定させる必要があります。ただし、年末調整を受けられるのは1ヵ所の勤務先のみです。

例えば、A社(本業)の給与が150万円、B社(副業)の給与が100万円あり、A社で年末調整を受けたとします。この場合、A社分については年末調整により所得税がかからないことがありますが、本来はA社とB社の給与を合算して確定申告をおこない、最終的な所得税額を確定させなければなりません。控除の適用状況によっては、所得税が発生する場合もあれば、発生しない場合もあります。

一方、A社の給与が150万円、B社の給与が15万円で、A社で年末調整を受けたケースを考えてみましょう。この場合、副業先であるB社の給与は20万円以下のため、確定申告を省略することが可能です。その結果、このケースでは、原則として所得税が発生しないことになります。

参考:No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人|国税庁

6-5. 個人事業主・フリーランス

個人事業主やフリーランスの収入は、一般に「事業所得」または「雑所得」に区分されます。どちらに該当するかは、事業としての独立性・継続性・営利性などを総合的に判断して決まります。事業所得および雑所得の金額は、次の計算式で求めます。

所得金額 = 総収入金額 − 必要経費

例えば、年間の事業収入が300万円で、必要経費が100万円であれば、所得金額は200万円となります。なお、青色申告をしている場合は、青色申告特別控除を差し引いた後の金額が事業所得となります。

その後、この所得金額から基礎控除や社会保険料控除などの各種所得控除を差し引き、課税所得金額を計算します。課税所得金額がゼロとなる場合には、所得税は課されないことになります。

7. 所得税の非課税をめぐる実務上の重要ポイント

ポイントのブロック

ここでは、実務担当者が押さえておきたい、所得税の非課税に関する具体的な留意点をより詳しく解説します。

7-1. 非課税となる給与項目は就業規則へ明確に規定する

通勤手当や出張旅費、記念品など、税法上非課税とされる給与項目であっても、会社側で支給内容や基準が明確でなければ、課税・非課税の判断に迷うことがあります。とくに通勤手当は、国税庁が定める非課税限度額の範囲内で支給されることが条件です。

支給方法や計算方法が曖昧なままだと、税務調査で課税対象とされる可能性があります。したがって、支給基準や計算方法は就業規則や給与規程に明確に定めておくことが重要です。

7-2. 所得税と住民税の非課税基準は異なる

所得税と住民税は仕組みが似ているように見えますが、非課税基準や控除額は必ずしも同じではありません。住民税は前年の所得を基準に各自治体が課税する税金であり、均等割や所得割の非課税判定基準も自治体ごとに若干の違いがあります。

また、非課税限度額の考え方も所得税と完全に一致するわけではありません。例えば、令和8年分の東京都23区の住民税(所得割・均等割ともに)の非課税基準は、同一生計配偶者や扶養親族がいない場合、合計所得金額が45万円以下とされています。

住民税の計算においても給与所得控除は適用されるため、令和8年分のいわゆる「年収の壁」は110万円となります。さらに、令和8年度税制改正大綱に基づき給与所得控除が引き上げられた場合、令和9年分の住民税における年収の壁は119万円程度に上がることが想定されます。

参考:個人住民税|東京都

参考:令和8年度税制改正の大綱|財務省

関連記事:所得税と住民税の違いは?高いのは?計算方法の違いについても解説

7-3. 社会保険料の計算には非課税所得が含まれることもある

社会保険料(健康保険料・厚生年金保険料・介護保険料)および労働保険料(労災保険料・雇用保険料)の算定の基礎となる報酬・賃金とは、原則として「労働の対価として支払われるすべてのもの」をいいます。

そのため、例えば所得税法上は一定額まで非課税とされる通勤手当であっても、労働の対価として支給されるものである以上、社会保険料の算定基礎には含めなければなりません。

一方で、結婚祝金や災害見舞金のように、労働の対価とはいえない給付については、所得税法上非課税となるだけでなく、社会保険料の算定基礎にも含まれません。このように、所得税と社会保険料では、算定の対象となる範囲が必ずしも一致しない場合があるため、両者の違いを踏まえて取り扱うことが重要です。

参考:標準報酬月額の対象となる報酬とは何ですか。|日本年金機構

参考:労働保険料の算定基礎となる賃金早見表【労働保険徴収課】|厚生労働省

7-4. 給与支給時の源泉徴収義務を正しく理解する

会社は給与を支払う際に所得税を天引きし、国へ納付する「源泉徴収義務者」となります。この義務は、所得税法に基づく法的義務であり、「従業員が少ないから」「本人が申告するから」といった理由で免除されるものではありません。

非課税となる所得を正しく確認し、課税対象の給与については毎月適切に源泉徴収することが必要です。誤って処理すると、延滞税や不納付加算税などのペナルティを支払うだけでなく、従業員の手取り額にも影響する可能性があるため注意しましょう。

関連記事:給与計算における所得税の計算方法とは?源泉徴収の仕組みも解説

7-5. 年末調整と確定申告の違いを押さえる

年末調整とは、会社がその年最後に支給する給与の際に、1年間の給与総額をもとに本来納めるべき所得税額を確定し、これまで源泉徴収した税額との差額を精算する仕組みです。

通常、会社員やパート・アルバイトなどの給与所得者は、勤務先が年末調整をおこなうことで、その年分の所得税の精算が完了します。ただし、次のような人は年末調整の対象外となるため、自ら確定申告をおこない、所得税を確定・精算する必要があります。

  • 扶養控除等申告書を提出していない人
  • その年の給与収入が2,000万円を超える人
  • 災害減免法により源泉所得税の徴収猶予・還付を受けた人

また、年末調整を受けた人であっても、年末調整だけでは税額の確定が完結しないケースがあります。例えば、次のような人です。

  • 給与以外の所得が20万円を超える人
  • 医療費控除や寄附金控除など、年末調整で対応できない控除を適用したい人

このような場合は、別途確定申告が必要です。実務担当者としては、年末調整で対応できる範囲と、従業員が自ら確定申告すべきケースを整理し、適切に案内できる体制を整えておくことが重要です。

参考:No.2665 年末調整の対象となる人|国税庁

関連記事:年末調整の対象者とは?必要書類や確定申告との関係も解説

8. 非課税対象の所得を理解して手続きを進めよう!

笑顔の男女

2025年の法改正により、所得税がかからない世帯年収の基準は160万円以下へと引き上げられました。これに伴い、これまで「年収103万円の壁」とよばれていた基準は、「年収160万円の壁」へと変更されています。

非課税制度を正しく理解するためには、まず課税対象となる所得の種類と、課税されない非課税所得の内容をそれぞれ把握することが大切です。あわせて、所得から差し引くことができる各種所得控除の種類や仕組みについても理解を深めておきましょう。

 

 

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