勤怠管理における中抜けの意味とは?扱い方や就業規則についても解説 - ジンジャー(jinjer)|クラウド型人事労務システム

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勤怠管理における中抜けの意味とは?扱い方や就業規則についても解説

社員が中抜けをしてくつろいでいる

業種、業態により勤務時間や業務形態はさまざまです。状況によっては、途中で1時間や3~4時間など中抜けすることもあるでしょう。

中抜けすること自体は会社が認めれば問題ありませんが、勤怠管理において中抜けする場合は、どのように処理・管理するべきなのでしょうか。

今回は、中抜けの定義から管理方法までわかりやすく解説します。

関連記事:勤怠管理とは?目的や方法、管理すべき項目・対象者など網羅的に解説!

中抜けの勤怠管理、どうするのが正解?

中抜けは、適切に扱わなければ労働時間集計や残業代の計算に誤りが発生するため、正しい管理方法を把握しておかなくてはなりません。

当サイトでは、中抜けの扱い方や法律的におさえておきたいポイントなど本記事の内容をわかりやすくまとめた資料を無料で配布しております。

中抜けを適切に管理したい方は、こちらから「中抜けの基本書」をダウンロードしてご覧ください。

1. 中抜けとは?

業務をおこないながら時間を確認している

中抜けとは、どのような状況のことを指すのでしょうか。具体的な例や意外と知られていない中抜けに該当する行為を見ていきましょう。

1-1. 勤務時間内に一時的に仕事から離れること

中抜けとは、勤務時間中に仕事から一時離席することを指します。とくに飲食業界や旅館業界、医療業界など、朝や夕方といった特定の時間帯に人手が集中する業種で多く見られる働き方です。このような業種では、必要な時間帯のみ勤務し、その間の時間を「中抜け」として扱うシフトが一般的です。

近年では、海外企業のように2~3時間といった長めの休憩時間を設ける企業も増えており、柔軟な働き方が広がっています。中抜け自体は法的にも問題ありませんが、休憩時間が長くなりがちで、結果として休憩回数の増加や就業時間の延長につながることがあります。そのため、企業側にとっては勤怠管理が煩雑になりやすいという課題がある点を認識しておくと良いでしょう。

1-2. 私用による一時外出も含む

中抜けは、会社の業務都合で発生するだけでなく、従業員のプライベートな事情によって必要となる場合もあります。例えば、数時間だけ離席したいが休暇や半休を取るほどではない場合や、業務にすぐ復帰したいようなケースでは、中抜けが柔軟な対応策となることがあります。

とくに育児中の従業員であれば、学校行事や避難訓練の迎え対応、保護者面談など、短時間での離席が必要になることも少なくないでしょう。また、役所や銀行など、平日の日中しか対応できない私用を短時間で済ませたいというケースでも、中抜けは有効な対応策といえます。

2. 勤怠管理での中抜けの取り扱い方

従業員が握手をしている

勤怠管理において、中抜けの取り扱いにはいくつかの方法があります。ここからは、実際に中抜けが発生する場合における勤怠管理の扱いについて確認していきましょう。

2-1. 中抜け時間を休憩時間として扱う

プライベートな理由などで中抜けをおこなう場合の管理方法として、企業によっては中抜けしている時間を「休憩時間」として扱うケースがあります。中抜け時間は業務から完全に離れることが前提となるため、その時間に対して企業は賃金を支払う義務を負いません。

ただし、労働基準法上の休憩時間として認められるためには、「労働から完全に解放されていること」「自由に利用できること」などの条件を満たしている必要があります。例えば、中抜け中に業務の電話対応をおこなったり、メール確認をしたりする場合は、たとえ私的な外出中であっても、その時間は労働時間とみなされる可能性があるので注意が必要です。

なお、労働基準法第34条に基づき、労働時間が1日6時間を超える場合は45分以上、1日8時間を超える場合は1時間以上の休憩を与えることが義務付けられています。また、中抜けによって結果的に終業時刻が繰り下がり、22時から翌5時の深夜時間帯に勤務することになった場合、25%以上の割増率を適用した深夜労働の割増賃金の支給が必要になる点にも留意しましょう。

参考:労働基準法第34条|e-Gov法令検索

関連記事:6時間勤務の際は休憩時間が必要?必要であれば何分必要?具体的に解説
関連記事:深夜残業の割増率とは?深夜手当の計算方法も紹介
関連記事:勤怠管理における休憩時間の取り扱いとは?労働基準法の基礎知識を解説

2-2. 中抜けを半休・時間単位の有休として扱う

中抜けを時間単位や半日単位の年次有給休暇(有給)の取得として扱うことも可能です。この方法であれば、中抜けした時間分をあらかじめ有給として処理できるため、労働時間を後ろにずらして終業時間を変更する必要がなく、運用が比較的シンプルになります。

ただし、時間単位の年次有給休暇を制度として導入するには、労使協定の締結が法律上必要です。また、時間単位の有給取得ができるのは年5日分と、上限が定められています。

年次有給休暇として中抜けを取り扱う方法は、従業員にとってメリットが多いです。しかし、企業側は管理が複雑になりやすいため、この方法を採用する場合は勤怠管理システムを導入することをおすすめします。

参考:労働基準法第39条|e-Gov法令検索

関連記事:半休(半日休暇)とは?時間休との違いや導入方法を解説

2-3. 1日2回の就業として扱う

朝と夜の出勤などは、日中を休憩として扱わず1日2回の出勤として扱う方法があります。朝の勤務と夜の勤務に分けて2回出勤扱いにする形が一般的です。24時間の対応が必要な現場や、朝と夜が忙しさのピークになる業種で採用されることが多く、飲食やサービス業、医療の現場などで見られることが多いです。

1日2回の出勤にする際の注意点としては、休憩時間の取得についてです。この方法では中抜けを休憩時間として取り扱えない可能性があります。例えば、朝から昼にかけて7時間、夕方から夜にかけて7時間、その間を中抜けとする1日2回勤務の場合を考えてみましょう。

この場合、1回目の出勤で7時間の労働をするので、その勤務時間内に少なくとも45分以上の休憩を確保する必要があります。そのため、中抜けの時間がたとえ1時間以上あったとしても、1回目の出勤のどこかで法定の休憩時間を取得させなければなりません。

2-4. テレワーク時の外出などによる中抜けの取り扱い

働き方改革の影響も受け、多くの企業が取り入れるようになったテレワークは、自宅やカフェ、サテライトオフィスなど、オフィスから離れた場所で業務をするため中抜けが発生しやすい勤務形態です。テレワーク中に発生する中抜けは、以下のような取り扱いができます。

  • 休憩時間として扱い、その分終業時間を繰り下げる
  • 時間単位の年次有給休暇として処理する

ただし、始業・終業の時間に変更がある場合は就業規則への規定、時間単位の有給を取得を認めるには労使協定の締結が必要になるため注意しましょう。

当サイトでは「中抜けの基本書」という資料を無料配布しております。本資料では中抜けの取り扱いや法的観点、中抜け管理の効率化する方法などを解説しており、中抜けに関してこの一冊で理解できるような内容となっており大変参考になる資料です。中抜けの管理に不安のある方はこちらから無料でダウンロードしてご覧ください。

参考:テレワークにおける適切な労務管理のためのガイドライン|厚生労働省

2-5. 健康診断における中抜けの扱い

一般的な定期健康診断を受診するために、中抜けが生じるケースも多いでしょう。法律上、定期健康診断を所定労働時間内に実施する義務はありません。ただし、従業員の利便性や受診率向上の観点から、所定労働時間内に実施することが望ましいとされています。

健康診断による中抜け時の賃金の取り扱いについても、法律上の支払い義務はありませんが、就業規則や労使協定で取り決めておくことが重要です。受診の円滑化を図るために、中抜け分の賃金を支払う企業も多く、実務上はそのような対応が望ましいといえます。

参考:健康診断を受けている間の賃金はどうなるのでしょうか?|厚生労働省

関連記事:労働安全衛生法における健康診断の実施は義務?種類・対象者・費用を解説

3. 就業規則への中抜け制度の記載方法と一例

就業規則を作成している

ここからは、中抜けの勤怠管理における就業規則への記載ポイントを解説します。

新たに中抜けの制度を導入するには、就業規則を変更しなければなりません。中抜けは遅刻、早退、および欠勤に関する項目として追加することが望ましいでしょう。

中抜け制度を就業規則に記載する例は、以下の通りです。

【中抜け制度】

勤務時間内に私的な用件で一定時間業務から離れる場合は、事前に所属長に許可を申し出て、承認を得る必要がある。

中抜け時間については、休憩時間として取扱い、その時間分終業時刻を繰り下げること。

中抜けとして時間単位の年次有給休暇を扱えるようにしたい場合には、別途時間単位年休について労使協定を締結し、就業規則へ記載する必要があります。

時間単位の有給休暇の導入方法については、以下の記事をご参照ください。

関連記事:時間単位の有給休暇とは?制度内容や導入方法を解説

4. 勤怠管理システムで中抜けを管理しよう

中抜けをPCの勤怠管理システムで管理している

中抜けを含むイレギュラーな勤務形態を正確に管理するには、勤怠管理システムの機能が大きな助けとなります。ここからは、中抜けの管理に役立つ勤怠管理システムの特徴について詳しく見ていきましょう。

4-1. 複雑な勤務体系の管理ができる

中抜け勤務が発生する職場では、「休憩時間として扱う」「有給として扱う」など、一般的な勤務体系とは異なるイレギュラーな勤怠処理が必要になります。このような複雑な勤怠管理には、勤怠管理システムの活用が効果的です。中抜けの申請・承認・管理などをシステム上で一元的におこなえるため、管理者の負担軽減にもつながります。

また、店舗や営業所が複数ある企業の場合でも、従業員の勤務状況をリアルタイムで把握できる点は大きなメリットです。シフト制・フレックスタイム制・変形労働時間制・裁量労働制など、多様な働き方に対応しているシステムであれば、煩雑になりがちな勤務管理もスムーズに運用できます。

4-2. 自社にあった打刻方法を選択する

中抜けがある場合は、正しく労働時間や休憩時間を把握するためにも、仕事を抜けた時刻と戻ってきた時刻を正確に把握することが不可欠です。この管理が漏れたり、不正が発生したりするのを防ぐため、適切な打刻方法の導入が重要となります。

勤怠管理システムでは、PCやスマホ、ICカード、生体認証など、多彩な打刻方法のなかからニーズにあったものを選ぶことが可能です。GPS機能を利用した打刻方法を採用すれば、従業員が打刻をおこなった場所をリアルタイムで確認できるため、不正打刻を抑止することができます。

勤怠管理システムにはさまざまな製品があり、料金体系や機能、操作性、サポート体制、セキュリティ対策などもそれぞれ異なります。自社の勤務形態や運用体制に適したシステムを選ぶためにも、複数のツールを比較検討することが重要です。

関連記事:勤怠管理システムとは?はじめての導入にはクラウド型がおすすめ

5. 勤怠管理での中抜けに関するよくある質問

はてな

ここでは、勤怠管理での中抜けに関するよくある質問への回答を紹介します。

5-1. 中抜けを禁止するのは違法?

中抜けは法律で定められている制度ではないため、禁止にすることもできます。しかし、多様な働き方が注目されているなかで、中抜けを禁止にするとワークライフバランスが実現できなくなり、従業員のモチベーションが低下する恐れもあります。

中抜けを一切禁止するのでなく、一定のルール下で認める運用にするのが望ましいでしょう。後の従業員とのトラブルを防ぐためにも、中抜けのルールは就業規則に明記しておきましょう。

5-2. 中抜けシフトは設けることは可能?

中抜けシフトとは、業務の繁閑に応じて、朝と夜などの勤務の間に長い休憩(中抜け時間)を設ける勤務形態を指します。中抜けシフトは法律で禁止されておらず、実際に旅館業や宿泊業など、特定の業種で広く採用されています。

中抜け時間には、仮眠を取ったり、買い物や観光を楽しんだりと、従業員が自由に使えるメリットがあります。ただし、この中抜け時間を「休憩時間」として扱うには、労働基準法に基づき、労働から完全に解放されていることが条件です。

中抜けの時間中に業務連絡をおこなうと、その時間は労働時間とみなされます。この場合、別途休憩時間を確保しなければならないため運用には注意が必要です。

5-3. 中抜けの移動時間の取り扱いは?

中抜けの際の移動時間について、その時間が労働時間として扱われるかどうかは、使用者の指揮命令下にあるかどうかによって判断されます。

例えば、従業員が私用のためにオフィスを離れる必要がある場合、その移動時間は労働時間には該当しません。一方で、会社の指示に基づいて移動をおこなっている場合は、その移動時間も労働時間とみなされ、その時間に対しても賃金の支払いが必要になる可能性があるので注意しましょう。

6. 中抜けの適正な取り扱い方と効率的な管理方法を理解して活用しよう

プラスマークが浮かんでいる

中抜けの取り扱い方は、休憩時間で調整する方法や、時間単位(半日単位)の有給で処理する方法など、会社によってさまざまです。ただし、中抜けの時間中に業務指示をおこなうと、その時間は労働時間とみなされ、その分の賃金支払い義務が生じる可能性もあるため注意する必要があります。

また、中抜けを認める場合、労働時間や休憩時間の管理が煩雑になりやすく、手作業での勤怠管理では人的ミスや管理負担が発生しがちです。このような課題を解消し、従業員の労働状況を正確に把握するためにも、自社の勤務形態に対応した勤怠管理システムの導入を検討しましょう。

中抜けの勤怠管理、どうするのが正解?

中抜けは、適切に扱わなければ労働時間集計や残業代の計算に誤りが発生するため、正しい管理方法を把握しておかなくてはなりません。

当サイトでは、中抜けの扱い方や法律的におさえておきたいポイントなど本記事の内容をわかりやすくまとめた資料を無料で配布しております。

中抜けを適切に管理したい方は、こちらから「中抜けの基本書」をダウンロードしてご覧ください。

jinjer Blog 編集部

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