社労士の給与計算業務とは|相場ややり方、準備すべきことをご紹介
更新日: 2024.3.7
公開日: 2020.12.11
OHSUGI
給与計算は工数がかかったり、社内のリソースを多く割いたりなど、通常業務に時間を割くことができない要因となるため、給与計算の手続きを外部に依頼するケースが増えています。
このように、自社で運用をおこなわずに社労士という専門家に給与計算を依頼することで、業務量の調整や従業員の負担の軽減を実現することができます。
今回は社労士の仕事の特徴や具体的な料金、手続きの手順などをご紹介いたします。
【給与計算のやり方について解説はコチラ▶【図解】給与計算ガイド!例を用いて給与計算のやり方を徹底解説!】
【給与計算業務のまとめはコチラ▶給与計算とは?計算方法や業務上のリスク、効率化について徹底解説】
給与計算の効率化方法、徹底比較BOOK!
給与計算の自動化は担当者様の業務効率化やコスト削減に大きな効果があります。
しかし、効率化といってもExcelやアウトソーシング、システムなど方法は様々です。
今回は「給与計算の効率化方法の解説!特徴を徹底比較BOOK!」をご用意しました。
自社にとって最適な効率化方法を実践していきたい担当者様は、ぜひご覧ください。
資料は無料ですので、ぜひご覧ください。
1. 社労士、税理士に依頼するメリット
近頃、会社のリソースが足りなかったり、給与計算以外に労務や税金関連の業務に正確性を持たせるために、社労士や税理士にアウトソーシングを依頼する会社が増えています。給与計算は専用のソフトで対応可能ですが、ソフトの管理や運用に人員を割かなければなりません。そのため、社労士や税理士にアウトソーシングする傾向にあります。
その中でも、社労士に依頼するのは違法ではないのはもちろんのこと、労働法や社会保険に精通したプロフェッショナルであり、書類(就業規則や社会保険の手続きなど)の作成や提出代行が主な独占業務です。
社内の人的リソースの観点から、企業が該当業務を外部に依頼する際は社労士や税理士に依頼する企業が増えています。まずは、依頼する前に税理士や社労士に依頼するメリットをご紹介します。
1-1. 就業規則
就業規則や社会保険の手続きなどの作成や提出代行が独占業務になっています。
就業規則は労働基準法89条より、常時10人以上の労働者を使用する雇用主は、就業規則を作成し、所轄労働基準監督署に届出をしなければならないと定められています。
1-2. 人事労務手続きの代行
労働時間や休日などの従業員の勤怠管理や、給与の計算、各種保険手続きなどの人事労務手続きの業務をアウトソーシングすることを表しています。
従業員が入社した際には、社会保険への加入手続きが必要です。
社会保険には「健康保険」「介護保険」「厚生年金」「雇用保険」「労災保険」の5つがあります。
厚生年金と雇用保険は、将来的に年金が貰えなくなったり、病院に受診できなくなったりするため、加入条件を満たす従業員であれば必ず加入するようにしましょう。
2. 給与計算を社労士に依頼する際の料金の相場
社員数 | 報酬相場 |
1人~4人 | 2万円~ |
5人~10人 | 2万5,000円~ |
11人~20人 | 3万5,000円~ |
21人~30人 | 4万5,000円~ |
31人~50人 | 6万円~ |
給与計算を社労士に依頼する際の相場は約2万円~6万円程であり、依頼した会社の人数によって変動します。中小企業であれば、現在の予算を踏まえて、依頼するか否かを検討する必要があります。
また、社労士事務所によっては、顧問契約をレベル別に分けている企業もあり、顧問料にも差があります。社内の状況や従業員の負担を確認したうえで、最適な業務を外注できるようにすることがポイントです。
■具体例
依頼内容の例 | 詳細 |
各種労務手続き+相談業務 | 手続きの代行の他にも、事業相談に乗る |
各種労務手続きのみ | 手続きの代行のみ受け付けている |
相談業務のみ | 労務関連の相談のみ受け付けている |
予算がある程度決まっている企業であれば、代行か相談どちらかを依頼することで、低コストで最低限外部に依頼したい業務のアウトソーシングを実現できます。
また、労務の知見がある人が社内にいない場合、代行を依頼することで、各種労務手続きと相談業務の両方をおこなうよりも安い値段で依頼することができます。
会社の規模感や労務のお仕事の進捗に合わせて、依頼するプランを考えてみてはいかがでしょうか。
3. 依頼する時に準備するもの
依頼する際には労働規則や従業員情報など、事前に社労士とすり合わせるための準備が必要です。
労務分野の中でも保険や税金関連など、どの部分のリソースが足りないか、課題を明確に伝えることで社内のリソースを別の仕事に割くことができます。
事前に契約を結ぶ前に準備すべき書類を把握し、スピーディーに依頼する内容をまとめるようにしましょう。
ここでは、社労士に業務を依頼する際に事前に準備しておくべき情報を解説いたします。
3-1. 規則(就業規則や給与規程、雇用契約規則など)の作成、確認
働く時間や給料など、人事関連の規則を作成する必要があります。企業によって給与や勤務時間、代行する仕事の範囲はさまざまです。
社労士に自社の働き方や規則を認知してもらうためにも、依頼する前に規則を用意しておきましょう。
もし給与規程などがない場合は、事前に作成するか、作成も合わせて依頼するのも一つの方法です。
3-2. 従業員情報の収集、更新
お見積りの情報を確認し、問題なければ従業員情報が記載されている資料を準備・提出しましょう。
見積書の値段に問題が無ければ、社員情報・入社、退社の情報、異動等の情報、給与振込先等を示し、従業員の入社日や社員の情報などを収集したうえで、社労士に確認してもらいましょう。
4. 依頼する手順
社労士は主に保険や社会保険の代行や相談を請け負っています。
HPや電話でのお問い合わせを通じて、保険や人事関連の書類作成など、扱っている業務範囲を確認することができます。
ここでは、実際にどのような手順で契約をおこなうのかを、実際の流れをもとに解説いたします。
4-1. 得意領域を把握
過去に担当してきた事例を事前に調べておきましょう。過去に扱ってきた業務や顧問として関わってきた企業の風土・業界を把握することで、社労士の得意領域を認識することができます。
例えば、過去に依頼された企業が保育業界なのか、介護・病院などの医療業界なのか、業界が違えば扱う助成金や就業環境も多種多様です。
業界や会社によって会社の体制や人数も相違があるため、過去の事例や扱っている業界など、口コミやHPを通じて情報収集をおこないましょう。
4-2. 問い合わせ、打合せ
過去の事例を情報収集した後、依頼する際には事務所に電話やメール等で問い合わせをしましょう。
日程が決まり次第、業務内容や相談などの打ち合わせをします。具体的な内容を社労士に相談し、勤怠集計方法や給与計算に関する現状などのヒアリングをおこなうことで、契約するサービス内容を決定します。
4-3. 見積内容の確認
見積書の発行は、正式な契約前にお互いの認識に齟齬がないことを確認します。
具体的には、作業内容をヒアリング、請負側は見積書を作成し、金額面やスケジュール調整などをおこないます。
見積書に記載してあるサービス内容と金額に問題が無ければ契約に至ります。
5. 社労士の給与計算業務について理解したうえで依頼しよう
依頼する際は会社の規模感や従業員情報を知ってもらう目的で、事前に労働規則を提出する必要があります。
小さいベンチャー企業で雇用契約書を作成していない企業は、会社の情報を認知してもらうために作成する必要があるでしょう。
一層労務の仕事を円滑に回すためにも自社の人事労務関連の課題感を明確にし、得意領域や事例を事前に把握することで、社労士選びをおこないましょう。
税理士・社労士への依頼の他にも、Excelでの効率化方法がございますので併せてご覧ください。
▶給与計算をエクセルでおこなう方法とは?4つのメリットと注意点を解説
給与計算における税金の計算を自動化したいご担当者様へ
近年、人手不足などの背景から、バックオフィス業務の効率化が多くの企業から注目されています。
給与計算は、給与計算ソフトへの入力作業や給与明細の印刷、封入、郵送など、管理方法によってはコストや手間が膨大になります。
特に、税金の計算は複雑なため時間もかかり、ミスをすると企業全体にリスクが発生する重要な業務です。
「給与計算でミスがないように管理を強化したいけど、どの方法が最も適してるんだろう・・・」
とお悩みの担当者様向けに、今回は「1分でわかるジンジャー給与」を解説した資料をご用意しました。
まずはシステムでどこまで自動化、管理できるのかを、ジンジャーを題材にぜひ知ってみてください。
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