テレワーク・在宅勤務導入後の労働時間管理におすすめな方法5選 - ジンジャー(jinjer)|人事データを中心にすべてを1つに

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テレワーク・在宅勤務導入後の労働時間管理におすすめな方法5選

テレワーク・在宅勤務導入後の労働時間管理におすすめな方法

働き方改革にともない、自宅やサテライトオフィスなど会社の外で従業員が働く「テレワーク制度」を導入する企業が増えています。テレワーク制度によって、従業員は自分に合った自由な働き方を選ぶことができ、多くの企業が業務生産性の向上を実感しています。

一方で、テレワーク従業員は社外で働くため、一人ひとりの労働時間が把握しづらいというデメリットもあります。

この記事では、テレワーク従業員の労働時間を管理するための3つのポイントを解説します。

▼在宅勤務・テレワークについて詳しく知りたい方はこちら
在宅勤務の定義や導入を成功させる4つのポイントを解説

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1. 【基礎知識】勤怠管理の原則

完成前パズルとピース(決まり)

テレワークやリモートワークをしている従業員であっても、勤怠管理しなくてはならない基本的な内容に変わりはありません。まずは勤怠管理すべき内容と方法の原則について確認しておきましょう。

1-1. 出退勤の時間を確認し記録する

厚生労働省が発表している「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」によると、使用者は労働日ごとに労働者の始業と終業の時間を確認・記録しなくてはならないと規定されています。

労働日ごとに出退勤の時間を記録することで、残業時間や深夜労働時間、休日労働の時間を把握することができます。

また、労働基準法第108条では労働時間や日数、残業時間、深夜労働時間など賃金計算の基礎となる項目ごとに賃金台帳へ記入しなくてはならないともされています。そのため、総労働時間のみを把握するだけでなく、項目ごとに記録・管理しなければなりません。

1-2. 客観的な記録を勤怠情報として利用する

同じく「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」によると、労働者の始業と終業の時間はタイムカードやICカード、PCの使用時間など客観的な記録による把握を基本としています

労働者からの自己申告による勤怠管理が禁止されているわけではないものの、やむを得ず自己申告制を採用する場合は、以下に挙げた規定の措置をとらなくてはなりません。

  1. 労働者への説明(自己申告の方法、不利益な取り扱いをしない旨の説明)
  2. 管理者へ当該ガイドラインの内容について説明
  3. 実態との著しい乖離があった場合は、調査を行い労働時間を補正すること
  4. 実態との乖離の理由を労働者に報告させる場合、その内容が適正か確認すること
  5. 労働者の自己申告を制限する制度を設けないこと
    また、実態よりも記録上の労働時間を短く報告する慣習がないか調査すること

関連記事:労働時間管理を正確におこなうためのガイドラインを徹底解説

2. テレワークや在宅勤務における勤怠管理の課題

在宅勤務する女性の写真

勤怠管理に必要な項目はわかりました。しかし、テレワークや在宅勤務の勤怠管理では、勤怠管理にトラブルや改善点が発生しやすいです。よくある課題とその解決策を見ていきましょう。

会社によっても取り組みやすい解決策は異なるため、参考としてご覧ください。

2-1. 労働時間の実態を把握しづらい

テレワークにおいて管理職の頭を悩ませるのが、部下の労働時間の実態が把握しづらいことでしょう。

タイムカードやICカードによる打刻を行っていた会社の場合、どうしても出退勤の時間は労働者の自己申告によって記録することになります。自己申告による勤怠管理では、申告漏れの発生や、在宅勤務で実際に従業員が労働しているかを管理職が確認しづらいなどの問題があるため、出退勤の時間は本当に申告のあった通りなのか判断が難しくなります。

2-2. 中抜け時間が発生する

在宅勤務ができることは、従業員にとってもメリットがあります。その中でも「洗濯など家事をしながら仕事ができる」「空いた時間に病院へいける」など、私用をこなしながら仕事ができる点は大きなメリットである一方、「中抜け」が発生するため、管理者はその扱いに頭を悩ませることになります。正しく管理ができていない場合。業務とのメリハリがなくなり生産性が下がることが懸念されます。

さらには中抜け時のコミュニケーションがうまく図れていない場合は、業務中の従業員間で行き違いが発生してしまうこともあるため注意が必要です。

2-3.労働時間が長くなりやすい

引用:テレワークにおける適切な労務管理のためのガイドライン|厚生労働省

JILPTの調査によると、従業員が感じるテレワークのデメリットとして多く挙げられているのが「長時間労働になりやすい」ことでした。
*独立行政法人 労働政策研究・研修機構「情報通信機器を利用した多様な働き方の実態に関する調査」(2015年)

同調査では、「仕事と仕事以外の切り分けが難しい」ことがデメリットとして挙げられた回答で一番多く、テレワークでは仕事とプライベート時間の区切りがつけにくく労働時間が長くなりやすいことがうかがえます。

3. テレワーク従業員の労働時間を管理する5つの方法(解決策)

ベッドでパソコンを操作する人の写真

自宅やサテライトオフィスで働くテレワーク従業員は、通常のオフィスで働く従業員とは異なる労働時間管理が必要です。ここでは、実際にテレワーク制度を導入している国内企業の事例をもとに、効率的な勤怠管理方法を5つ解説します。

3-1. 長時間労働を制限する

基本的には先に紹介した「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」に従って管理することになりますが、勤怠管理システムを導入するなど、労働時間を正確に管理するための工夫が必要になります。

テレワークにおける長時間労働を防止するための施策としては、以下のものが挙げられます。

  • 深夜や休日のメール送付は自粛するよう呼びかける
  • 深夜や休日はシステムへのアクセス制限をかける
  • テレワーク時の時間外労働、深夜労働、休日労働を原則禁止にする、もしくは申請制にする
  • 長時間労働を行う従業員への注意喚起をおこなう

社員の労働環境や実態に即した防止策を講じるようにしましょう。

参照:情報通信機器を利用した多様な働き方の実態に関する調査|独立行政法人 労働政策研究・研修機構(JILPT)

関連記事:テレワークでしっかりした残業管理に欠かせない3つのポイント
関連記事:在宅勤務を実施する企業の問題点とその解決策を詳しく解説

3-2. 始業・就業時にメール送信をする仕組みを作る

非常に多くの企業が取り入れているのが、電話や業務メールを使った労働時間管理です。

テレワーク従業員に始業前と始業後の2回、直属の上司などへメールを送付してもらうことで、従業員の勤務時間を直接把握しています。メール送信の時間から申告された時間との整合性を確認する、朝礼や終礼をWeb会議で行うなど工夫を取り入れましょう。

最近は、電子通信技術(ICT)の発展により、電話やメール以外の連絡手段を取り入れる企業も増えています。たとえば、コンピューター同士をつなぐグループウェアや、会社の外から社内LANにアクセスするリモートデスクトップ機能を活用し、アナログではなくデジタルな勤怠管理がおこなわれています。

3-3. チャットアプリのアクティビティログを勤怠管理に役立てる

最近は、スマホやタブレットでいつでもどこでも仕事ができる「チャットアプリ」を業務に活用する企業が増えています。チャットアプリはログインや履歴などの記録が自動で保存されるため、テレワーク制度との相性が良好です。

チャットアプリのアクティビティログを活用し、始業時刻や終業時刻の取得、労働時間の計算などに活用している事例があります。また、ZoomやSkypeなどのWeb会議ツールにもチャット機能があるため、同様の使い方が可能です。

3-4. ネットワーク機能付きのタイムレコーダーを導入する

テレワークやリモートワークに限らず、直行直帰や現場作業が多い企業も採用しているのが、ネットワーク機能付きのタイムレコーダーを使った勤怠管理です。スマホやタブレット、フューチャーフォンの画面から、簡単操作で打刻できるため、テレワーク従業員の勤怠管理にも向いています。「誰が」「いつ」打刻したかがわかるため、労働時間の客観的な記録としても使えます。

関連記事:在宅勤務における監視の必要性やツール活用のポイント

3-5. 就業規則にルールを定める

厚生労働省の「テレワークにおける適切な労務管理のためのガイドライン」によると、就業規則に定めることで、中抜け時間を追加の休憩時間として扱い、終業時間を繰り下げる、もしくは時間単位の有給休暇とすることができます。

就業規則に定めた後は、勤怠管理システムの活用などで中抜け時間をきちんと申告してもらう仕組みづくりを行いましょう。

4. 勤怠管理システムが在宅勤務の労働時間管理におすすめな4つの理由

システムの写真

テレワーク従業員の勤怠管理をするなら、勤怠管理システムの導入がおすすめです。勤怠管理システムが最適な理由は、大きく分けて4つあります。

4-1. いつでもどこでもPCやスマホから打刻。さらに自動で集計も

インターネットにつながったPCやモバイル端末があれば、自宅でもサテライトオフィスでも、勤怠管理システムに勤怠状況を送信できます。たとえば、PCのシステム画面から直接入力したり、スマホのアプリケーションで打刻したり、多彩な管理方法を選ぶことができます。

ネットワーク機能付きのタイムレコーダーと違う点は、単に打刻するだけでなく、読み取った打刻データを元に労働時間や休憩時間などを自動で集計できる点です。これまで手作業でおこなっていた業務が効率化され、バックオフィスの人員削減も可能です。

4-2. 自動集計機能付きで業務負担を軽減できる

勤怠管理システムは入力された出退勤の情報から、勤務時間を自動計算できます。

さらに給与システムと連携できている場合は、残業代や休日出勤などの手当分まで計算できるため、人事に関連する多くの業務負担を軽減できます。

入力された情報から決められたルールに則って計算をおこなうため、必要に応じて計算方法をカスタマイズすれば給与計算にまつわる業務負担は大幅に軽減できるでしょう。

また、集計結果も正確になるため、働きすぎや計算ミスによる賃金の間違いなども減らせます。

4-3. テレワーク従業員の勤務状況をリアルタイムに情報共有

勤怠管理システムは、従業員の出勤状況や労働時間などをいつでもどこでもリアルタイムに把握できます。そのため、特定の従業員が働きすぎていないか、労働基準法や労働安全衛生法に違反する勤務実態がないかなどを素早く確認し、法令違反となる前に対処することが可能です。

従業員が増えれば増えるほど、従業員一人ひとりの労働時間を把握するのに時間がかかります。勤怠管理システムを導入すれば、システム画面から一括で勤務状況を把握できます。

4-4. 給与計算や年休付与といった業務とも連結可能

企業の人事管理や労務管理は、従業員の労働時間を集計したら終わりではありません。

労働時間を元に給与や社会保険料を計算し、時間外労働の実態があれば残業代や割増手当を算出しなければなりません。また、2019年4月の労働基準法の改正により、一定数の年次有給休暇日数の取得が義務付けられました。

今後、従業員の労働時間や日数を記録し、所定の年休消化数に達しているかどうかチェックする必要があります。

勤怠管理システムなら、これらの業務をシステム上で一元的におこなえます。従業員の労働時間を把握し、労務管理や人事管理につなげたい企業は、勤怠管理システムを導入しましょう。

5. 在宅勤務で勤怠・労務管理をする際の注意点

ノートにメモをとる女性の写真

在宅勤務は事業場で仕事をしないないため、出退勤の時間を把握すること以外にも勤怠・労務管理の面で人事担当者が考えておかなければならないことが多くあります。

ここでは、厚生労働省が発表している「テレワークにおける適切な労務管理のためのガイドライン」に沿って、人事担当者が企業でテレワークを推進する際にチェックしておきたいポイントをご紹介します。

5-1. 教育制度・コミュニケーション

テレワークを行う場合、OJT等による直接的な教育の機会を設けることが難しいため、労働者が能力開発などに不安を覚えないよう、テレワークでも能力を伸ばせるような教育制度を整える必要があります。

また、対面での労働と異なり、テレワークだと部下が上司に気軽に質問や相談がしにくいなどコミュニケーションの不足が懸念されるため、Web会議システムの導入などでテレワークでも従業員間のコミュニケーションを取りやすいようにする工夫が求められます。

5-2. 在宅勤務での労災認定

リモートワークでは、仕事場がオフィスではなく各従業員の自宅などであるため、自宅では労働災害の認定がされないと考えてしまうかもしれません。

しかし、テレワークであっても労働災害の考え方は変わらず、労働契約に基づいて事業主の支配下にあることによって生じた災害は、業務上の災害として労災保険給付の対象となります。

例えば、在宅勤務中に従業員がトイレへ離席し、戻ってきた際に椅子に座ろうとして転倒した場合は業務に付随する行為によって災害が起きているため、補償対象となります。

テレワークにおける労働災害について従業員の理解が不十分でないか確認し、必要に応じて周知や説明をしましょう。

関連記事:在宅勤務で労災は認められるの?3つのケースや注意点を紹介

5-3. 評価制度の取り扱い

テレワークをおこなう従業員に不利益な人事評価を下さぬように注意が必要です。特に、以下の点について問題がないか確認しておきましょう。

  • テレワークでの目標設計を具体的に実施し、評価基準について共通認識をもつ
  • 適正な評価を行えるよう評価者への訓練を実施する
  • 時間外や休日等にメール等に対応しなかったことを理由に評価を低くしない
  • 事業場へ出社して労働していることを理由として高く評価することはしない
  • テレワークと出社での勤務について評価基準を変える場合は、その内容について従業員へ説明する

5-4. 勤務形態を問わず36協定の締結や割増賃金の支払いは必須

テレワークであっても基本的には労働基準法が適用されます。そのため、時間外労働が発生する場合は36協定の締結が必須です。

さらに、割増賃金の支払い義務も変わらず企業は負っているため、時間外労働・深夜労働・休日労働があった場合は、割増賃金を支払わなければなりません。

テレワークによる長時間労働対策として「原則禁止しているから」といった理由で実際に時間外労働や深夜労働、休日労働があったにもかかわらず、賃金を支払わないことは法律違反です。

5-5. テレワークにかかる費用の負担

テレワークをおこなうには、通信費や印刷代、光熱費など普段は企業が負担している費用を従業員が一部負担することになります。従業員側に過度な負担が発生しないようにするのはもちろんのこと、どこまで企業側で負担するのかを労使間で協議した上で就業規則に明記することが望ましいです。

また、従業員に通信費や作業用品などの負担をさせるルールを設ける際は、就業規則に記載しなくてはならないとしています。

関連記事:在宅勤務手当とは?支給額の相場や支払い方法を詳しく紹介
関連記事:在宅勤務の就業規則の在り方や見直しのポイントを解説

6. テレワークやリモートワークの労働時間管理は勤怠管理システムで効率化しよう

グラフの写真

今回は、テレワークやリモートワークにおける労働時間管理のポイントを解説しました。

通常のオフィスで働く従業員と違い、テレワーク従業員の労働時間管理は工夫が必要です。始業時・就業時のメール送信、チャットアプリやWeb会議サービスのアクティビティログの活用、ネットワーク機能付きタイムレコーダーなど、国内企業はさまざまな仕組みを設けています。

テレワーク従業員の労働時間を正確に把握するなら、勤怠管理システムの導入がおすすめです。勤怠管理システムなら、労働時間の集計作業を効率化し、バックオフィスの人員を削減することが可能です。

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