タイムカードの打刻時間と労働時間のずれに関する対処法を解説
更新日: 2025.7.18 公開日: 2020.1.29 jinjer Blog 編集部

従業員の勤怠管理をタイムカードで運用している場合、タイムカードの打刻時間と実際の労働時間でずれが生じる場合があります。企業の労務管理者は、このずれに関する問題についてどのように対処したらいいのか悩むこともあるでしょう。
今回は、タイムカードの打刻時間と労働時間のずれを適切に対処する方法を紹介していきます。
関連記事:最新のタイムカード機5選!買い替え時に一緒に見ておきたい勤怠管理システムもご紹介
目次
人事労務担当者の実務の中で、勤怠管理は残業や深夜労働・有休消化など給与計算に直結するため、正確な管理が求められる一方で、計算が複雑でミスや抜け漏れが発生しやすい業務です。
さらに、働き方が多様化したことで管理すべき情報も多く、管理方法と集計にお困りの方もいらっしゃるのではないでしょうか。そんな担当者の方には、集計を自動化できる勤怠システムの導入がおすすめです。
◆解決できること
- 打刻漏れや勤務状況をリアルタイムで確認可能、複雑な労働時間の集計を自動化
- 有給休暇の残日数を従業員自身でいつでも確認可能、台帳の管理が不要に
- PCやスマホ・タブレットなど選べる打刻方法で、直行直帰やリモートワークにも対応
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1. タイムカードの打刻時間と労働時間がずれる問題

タイムカードの時間のずれに関する問題は2種類あります。こちらでは、タイムカードの打刻時間と労働時間がずれる原因について解説していきます。
1-1. タイムカードの不具合によるずれ
まず1つ目としては、タイムカード押し込みすぎで日付に対して打刻時間の印字がずれる、タイムレコーダーの設定ミスで事業所内の時計と時刻がずれているなど、正確に時刻が打刻されないことが挙げられます。
その場合、打刻のずれに気付かず集計される可能性もあります。また、集計時に打刻のずれに気付いた際は、正確な労働時間の把握に工数がかってしまうことも問題になります。
また、タイムカードで勤怠を管理していると二重打刻も起こり得ます。多くのタイムレコーダーでは、出勤と退勤のボタンを押すことで打刻する欄を分けていますが、退勤時に誤って出勤ボタンを押してしまうと、出勤時間の上に退勤時間の印字がされ、打刻時間が分からなくなってしまうというミスがしばしば起こります。
1-2. 打刻時間と労働時間のずれ
2つ目は、タイムカードの打刻時間と労働時間のずれの問題です。企業によっては、タイムカードの打刻時間が出退勤の時間の場合も多く、実際の労働時間はその時間もよりも少なくなります。
その場合、給与計算の際にどちらの時間で計算するか、という問題が生じるのです。
談笑をしたり、喫煙などの時間は労働をしていませんので残業時間ではありません。
2. タイムカードの打刻時間が労働時間として扱われる


タイムカードの打刻を実際の業務開始前ではなく、出勤、退勤時にしている企業の場合、労働時間として扱われるのはタイムカードの打刻時間です。そのため、先述のように定時を過ぎた後に談笑や喫煙などでタイムカードの打刻が遅くなると、タイムカード上では残業した扱いになります。しかし、実際は残業をしているわけではありません。不要な残業を是正するために従業員の労働時間を適切に管理することが必要です。
3. 打刻のずれによる企業のリスクと正しい対処法

これまで解説してきた通り、従業員の勤怠管理をタイムカードで管理している場合は、打刻時間と労働時間がずれる問題が生じます。
従業員の勤怠管理にタイムカードを活用している場合のリスクは次のとおりです。
- 印字ミスの発生
- タイムレコーダーと社内の時計との時間のずれ
- 不要な早出・残業の発生
これらはタイムカードの打刻時間と労働時間のずれの原因になり得ます。そのため、タイムカードによる勤怠管理のリスクを把握したうえで対策を講じるようにしましょう。
3-1. 印字ミスを修正する
タイムカードの不具合で、正しく印字されていなかったり、二重に印字されたりした場合は、正確な時間の把握が難しくなります。
印字がずれる原因はであるため、まずはタイムレコーダーを調べ、次に打刻時にタイムカードを押し込みすぎないようにしましょう。
また、印字がずれてしまったとしても、その場で気付けばすぐに訂正をすることも可能です。
しかし、そのような事態に気付くことなく集計時に判明する場合もあります。さらに、印字のミスに集計時も気付かず給与計算をしてしまう可能性もあります。
その結果、給与の未払いや過剰支払いにつながるリスクとなりかねません。ずれた部分を修正しながら計算をするのは、工数もかかります。
大企業の場合はもともとの人数も多いので、さらに時間もかかり企業の生産性が低下するという結果に陥る場合もあるでしょう。
3-2. タイムレコーダーの時間のずれを直す
事業所内にある時計とタイムレコーダーの時刻にずれがあるため、本当は終業時刻を過ぎてから打刻しているのに、勤務時間内に打刻していることになるなど、タイムレコーダーの時間が正確でないと、給与計算に影響がでます。
購入して最初に設定する際、事業所内の時計と時刻を合わせておくことの他に、定期的に時刻のズレが生じていないか確認するとよいでしょう。
3-3. 早出や残業の申請ルールを導入する
早出出勤や残業をおこなう場合は事前に上司に申請書を提出するというルールを作ることも有効的だと考えられます。
もし、会社として早出出勤や残業が必要な場合には「時間外勤務指示書」により命令を下し、従業員は「時間外勤務申請書」を提出し申請が承諾された場合にのみ、時間外勤務が認められるというルールを社内で徹底しておけば、時間のずれを解消できるでしょう。
3-4. 15分以上になるずれは理由を記載する
打刻時間と労働時間のずれが15分以上もの隔たりがある場合は、その理由を上司に報告する義務をルールとして定めておくと良いでしょう。
タイムカードの機械がどこに設置してあるかは、企業によってさまざまです。
仕事する場所とタイムカードが離れた場所であろうと、何かしら特別な理由がない場合は15分以内に打刻ができます。
時間のずれを解消するためには、出来るだけ仕事をする場所に近い所にタイムカードの機械を設置することで、ずれの範囲も最小に抑えることが可能になります。
3-5. タイムカードの打刻時間を労働時間とする
タイムカードの打刻時間を労働時間にしてしまうことで、時間のずれは解消され、残業代の漏れや未払い問題のトラブルは回避できます。
しかし、ここで問題になるのは、そのずれた時間をどのように過ごしていたのかということです。
雑談したり、喫煙をしている時間も残業代に加算されてしまうでしょう。そのような場合には、「固定残業代」として処理する方法があります。
このような細かい時間のずれをすべてそれで吸収してしまえば、企業としても残業代の払い漏れなどのリスクに備えることができるます。
4. ずれを解消して企業の効率化を目指そう


このようにタイムカードの打刻時間と労働時間の「ずれ」は、さまざまな弊害を起こし、企業の生産性の低下につながりかねません。
勤怠管理を効率的に、かつ、正確に把握していくためにも労務管理システムを導入することで、このような問題は解決されるでしょう。
4-1. 勤怠管理システムを導入して「ずれ」をなくす
近年、このような「ずれ」における企業のリスクを軽減するために、勤怠管理システムを導入する企業も増加傾向にあります。
勤怠管理システムを使えばパソコン、スマートフォン、タブレットだけではなく、チャットツールなどでも打刻ができるようになりますので、従業員のより正確な労働時間の把握に役立ちます。
さらに、タイムカードの打刻忘れを防ぐためのアラート機能も搭載していますので、さまざまな労務管理の負担を軽減してくれるのです。
また、こうしたシステムは、自動的に労働時間を集計し、月次報告書の作成を簡便にする機能も持っています。これにより、勤怠管理の手間が大幅に省け、管理者自身の時間を有効活用できるようになります。リアルタイムで勤務状況を把握できるため、早期の問題発見や対応が可能となる点も大きなメリットです。
当サイトでは、勤怠管理システム「ジンジャー勤怠」を例に、導入前後でどのように変わるのかを解説した資料を無料で配布しております。実際にシステムの管理画面を用いて説明していますので、自社で使用してる姿をイメージしながらご確認いただけます。システムの導入で打刻ずれなどのミスが低減しそうだと感じた方は、こちらから資料をダウンロードしてご確認ください。
5. タイムカードと労働時間とのずれは解消可能

今回は、タイムカードの打刻時間と労働時間のずれの問題に関して、どのような対処をしていけばいいのかを解説しました。
タイムカードの打刻時間と実際の労働時間にずれがあった場合、タイムカードの打刻時間が労働時間として扱われます。そのため、状況によっては不要な残業代が発生してしまうかもしれません。
残業代の未払い問題などのトラブルに巻き込まれないためにも、勤怠管理システムを導入することで、ずれの問題も解消し、労務管理業務の効率化にも役立つでしょう。
関連記事:労働時間管理で記録と実労働が乖離してしまう原因とその対処法
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人事労務担当者の実務の中で、勤怠管理は残業や深夜労働・有休消化など給与計算に直結するため、正確な管理が求められる一方で、計算が複雑でミスや抜け漏れが発生しやすい業務です。
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