配偶者特別控除と配偶者控除の違いとは?年収いくらまでが対象か適用条件を解説 - ジンジャー(jinjer)|統合型人事システム

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配偶者特別控除と配偶者控除の違いとは?年収いくらまでが対象か適用条件を解説

考える男女配偶者特別控除は、配偶者控除の対象とならない場合でも、世帯の税負担が急激に増えないよう設けられている所得控除制度です。令和8年度税制改正により、2026年分の所得税からは控除対象となる配偶者の所得要件が見直されます。

年末調整を円滑に進めるには、改正内容を正しく理解し、従業員へ事前に周知しておくことが重要です。本記事では、配偶者特別控除と配偶者控除の違いをはじめ、所得基準の判定方法や実務上の注意点を解説します。

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1. 配偶者特別控除とは

配偶者特別控除と配偶者控除の所得要件を図説したグラフ

引用:いわゆる「年収の壁」対策|首相官邸

配偶者特別控除とは、納税者本人の合計所得金額が1,000万円以下で、配偶者の合計所得金額が58万円超133万円以下(令和7年分)の場合に最大38万円の所得控除が受けられる制度です。

配偶者特別控除は、配偶者の所得が58万円を超えたために配偶者控除の適用を受けられなくなった場合でも、税負担が急激に増えないよう設けられています。控除額は、配偶者の所得と納税者本人の所得に応じて段階的に減少する仕組みです。

対象となる配偶者は、民法上の配偶者に限られ、内縁関係の人は含まれません。また、納税者と生計を一にしていることが要件であり、別居していて生活費などの送金がおこなわれていない場合は、控除の対象と認められないことがあります。

このほか、配偶者がその年に青色申告者の事業専従者として給与の支払いを受けていないこと、または白色申告者の事業専従者でないことも適用条件です。

参考:No.1195 配偶者特別控除|国税庁

1-1. 配偶者控除との違い

配偶者特別控除とよく似た制度に「配偶者控除」があります。配偶者控除とは、納税者本人の合計所得金額が1,000万円以下で、配偶者の合計所得金額が58万円以下(令和7年分)の場合に最大38万円(配偶者が70歳以上の場合には最大48万円)の所得控除が受けられる制度です。

  • 配偶者控除:配偶者の合計所得金額が58万円以下の場合に適用
  • 配偶者特別控除:配偶者の合計所得金額が58万円超133万円以下の場合に適用

このように、配偶者の合計所得金額が58万円を超えたため配偶者控除の対象外となった場合でも、133万円以下であれば配偶者特別控除の対象となります。

なお、配偶者控除と配偶者特別控除を同時に適用できず、要件に応じていずれか一方のみが適用されます。

参考:No.1191 配偶者控除|国税庁

2. 【2026年度】配偶者特別控除・配偶者控除の適用条件の改正

ポイントをゆびさす

令和8年度税制改正により、2026年分の所得税計算から、配偶者特別控除および配偶者控除の対象となる配偶者の所得要件が見直されています。

区分 合計所得金額の要件
配偶者控除の対象となる配偶者 62万円以下(改正前:58万円以下)
配偶者特別控除の対象となる配偶者 62万円超133万円以下(改正前:58万円超133万円以下)

参考:源泉所得税の改正のあらまし 令和8年4月|国税庁

今回の改正では、配偶者控除の対象となる配偶者の合計所得金額の上限が58万円以下から62万円以下へ引き上げられ、控除を受けられる対象が拡大しました。

これに伴い、配偶者特別控除の適用が始まる所得金額も58万円超から62万円超へ変更されています。一方で、配偶者特別控除の適用上限である133万円以下については変更されていません。

2-1. 給与所得控除・基礎控除の引き上げにも注意

令和8年度税制改正では、給与所得控除の最低保障額が65万円から74万円へ引き上げられます。

この改正に伴い、給与収入のみの配偶者については給与所得控除額が増えるため、配偶者控除・配偶者特別控除の適用を判断する給与収入の基準額も見直されます。

区分 給与収入の要件(給与収入のみの場合)
配偶者控除の対象となる配偶者 136万円以下(改正前:123万円以下)
配偶者特別控除の対象となる配偶者 136万円超207万円以下(123万円超201万6,000円未満)

参考:源泉所得税の改正のあらまし 令和8年4月|国税庁

給与所得控除の最低保障額の引き上げにより、配偶者控除の対象となる給与収入の上限は「123万円以下」から「136万円以下」へ引き上げられました。また、配偶者特別控除の対象となる給与収入の上限は「201万6,000円未満」から「207万円以下」へ引き上げられました。

一方で、配偶者特別控除を満額受けられる配偶者の合計所得金額の要件(95万円以下)に変更はありません。 ただし、給与収入のみの場合は給与所得控除額が増えるので、満額の配偶者特別控除を受けられる給与収入の上限は「160万円以下」から「169万円以下」へ引き上げられています。

また、令和8年度税制改正では、基礎控除額も最大95万円から最大104万円へ引き上げられました。ただし、配偶者控除・配偶者特別控除の適用判定は合計所得金額に基づいておこなわれます。

そのため、基礎控除額の引き上げが控除の適用要件に直接影響するわけではありません。一方で、基礎控除額の引き上げにより、所得税が課税され始める「年収の壁」は160万円から178万円へ引き上げられているので注意しましょう。

関連記事:103万円の壁は撤廃へ|178万円への引き上げや年収の壁について解説

3. 【早見表】配偶者控除・配偶者特別控除の所得基準はいくらまで?

はてなとふきだし

配偶者控除および配偶者特別控除の控除額は、納税者本人の合計所得金額と、配偶者の合計所得金額によって細かく定められています。

令和8年分に適用される控除額の早見表をまとめました。

■配偶者控除の額(令和8年分)

配偶者の合計所得金額が62万円以下(給与収入のみの場合は136万円以下)の場合に適用されます。

納税者本人の合計所得金額 控除額

(一般の控除対象配偶者)

控除額

(老人控除対象配偶者※)

900万円以下 38万円 48万円
900万円超950万円以下 26万円 32万円
950万円超1,000万円以下 13万円 16万円

※老人控除対象配偶者とは、その年の12月31日現在の年齢が70歳以上の配偶者を指します。

■配偶者特別控除の額(令和8年分)

配偶者の合計所得金額が62万円超133万円以下(給与収入のみの場合は136万円超207万円以下)の場合に適用されます。

配偶者の合計

所得金額

配偶者の給与収入金額(給与収入のみの場合) 納税者本人の合計所得金額
900万円以下 900万円超

950万円以下

950万円超

1,000万円以下

62万円超

95万円以下

136万円超

169万円以下

38万円 26万円 13万円
95万円超

100万円以下

169万円超

174万円以下

36万円 24万円 12万円
100万円超

105万円以下

174万円超

179万円以下

31万円 21万円 11万円
105万円超

110万円以下

179万円超

184万円以下

26万円 18万円 9万円
110万円超

115万円以下

184万円超

189万円以下

21万円 14万円 7万円
115万円超

120万円以下

189万円超

194万円以下

16万円 11万円 6万円
120万円超

125万円以下

194万円超

199万円以下

11万円 8万円 4万円
125万円超

130万円以下

199万円超

204万円以下

6万円 4万円 2万円
130万円超

133万円以下

204万円超

207万円以下

3万円 2万円 万円

参考:源泉所得税の改正のあらまし 令和8年4月|国税庁

3-1. 所得基準の判定には給与以外の所得も含まれる

配偶者特別控除・配偶者控除の所得基準を判定する際に用いるのは、「収入」ではなく「合計所得金額」です。

合計所得金額には、給与所得だけでなく、原則として事業所得や不動産所得、雑所得、譲渡所得など、その年に生じた各種所得が含まれます。一方、預貯金の利子など源泉分離課税の対象となる所得や、上場株式の配当のうち申告不要制度を適用したものなどは合計所得金額に含まれません。

例えば、2026年分の給与収入が135万円、フリマアプリでの収入(雑所得に該当)が50万円、その必要経費が40万円、預貯金の利子収入3万円ある場合を考えてみましょう。

このケースでは、給与所得61万円(135万円ー給与所得控除:74万円)、雑所得10万円(50万円ー40万円)、利子所得3万円(源泉分離課税の対象)となります。合計所得金額は71万円(61万円+10万円)となり、配偶者特別控除の所得要件を満たします。

給与収入だけを基準に判定すると、配偶者控除の対象と誤って判断したり、適用できる控除額を誤ったりするおそれがあります。控除の適用可否を正しく判断するためには、給与以外の所得も含めた年間の合計所得金額を確認することが重要です。

参考:合計所得金額2,000万円の判定|国税庁

関連記事:年末調整における年収と所得の違いは?計算方法や含まれるものを解説

4. 配偶者特別控除・配偶者控除の適用に関する注意点

ビックリマーク

配偶者特別控除・配偶者控除を正しく適用するためには、対象となる条件だけでなく、制度上の注意点も理解しておくことが重要です。ここでは、間違えやすいポイントを紹介します。

4-1. 配偶者特別控除は年齢によって控除額が変わらない

配偶者控除では控除対象となる配偶者がその年12月31日時点で70歳以上の場合、「老人控除対象配偶者」に該当し、通常の配偶者控除よりも控除額が大きくなります。一方、配偶者特別控除には年齢による控除額の加算はありません。

そのため「配偶者が70歳以上であれば配偶者特別控除も増額される」と誤解しないよう注意しましょう。なお、配偶者が70歳以上であっても、配偶者控除の控除額は納税者本人の合計所得金額に応じて段階的に減額されることがあります。

4-2. 年の途中に死亡した配偶者も対象に含まれる

配偶者特別控除・配偶者控除の適用対象となるかどうかは、原則として、その年の12月31日時点の現況で判定します。ただし、配偶者が年の中途で死亡または出国した場合は、それぞれ死亡日または出国日時点の現況によって判定します。

例えば、配偶者が年の中途で死亡した場合、死亡日時点で要件を満たしていれば、納税者は配偶者特別控除または配偶者控除の適用を受けられます。

また、配偶者の死亡後、その年の12月31日時点でひとり親の要件を満たしている場合、配偶者控除とひとり親控除を併せて適用することが可能です。

なお、配偶者が年の中途で死亡した後に同じ年のうちに再婚した場合、死亡した配偶者と再婚後の配偶者の両方を控除対象とすることはできません。控除の対象とできる配偶者はいずれか一方のみです。

参考:配偶者控除とひとり親控除の双方適用|国税庁

関連記事:年末調整のひとり親控除とは?寡婦控除との違いや対象者を解説

4-3. 夫婦が同時に控除を適用できない

配偶者特別控除・配偶者控除は、夫婦がお互いを配偶者として同時に適用することはできません。いずれか一方のみが適用対象となります。

例えば、夫が妻を配偶者特別控除または配偶者控除の対象としている場合、妻は同じ年に夫を配偶者特別控除または配偶者控除の対象とすることはできません。

そのため、共働き世帯では、夫婦それぞれの所得や控除の適用要件を確認し、配偶者特別控除または配偶者控除を適用できるかを正しく判断することが重要です。

4-4. 他者が扶養控除を適用している配偶者は対象外

配偶者が他の納税者の扶養親族となっている場合、その配偶者について配偶者控除または配偶者特別控除の適用を受けることはできません。

例えば、妻が父親の扶養親族として扶養控除の対象となっている場合、夫はその妻を配偶者控除や配偶者特別控除の対象にすることはできません。

年末調整では、扶養控除と配偶者控除・配偶者特別控除の対象者が重複していないかを従業員に確認してもらい、誤りのない内容で申告してもらうことが重要です。

4-5. 社会保険の「130万円の壁」との関係を理解しておく

令和8年度税制改正により、配偶者の給与収入が169万円以下(合計所得金額95万円以下)であれば、配偶者特別控除の満額控除または配偶者控除を受けられる所得要件を満たします。

一方、社会保険(健康保険・厚生年金保険)の被扶養者認定では、原則として年間収入130万円未満が基準となります。

例えば、配偶者の給与収入が160万円の場合、税制上は配偶者特別控除の満額控除の所得要件を満たす一方で、社会保険では扶養から外れる可能性があります。

ただし、社会保険の被扶養者認定では、実際の年間収入ではなく、労働条件通知書や雇用契約書などから見込まれる年間収入をもとに判断するのが原則なので留意が必要です。

参考:労働契約内容による年間収入での被扶養者の認定の取り扱いについて|日本年金機構

関連記事:130万円の壁とは?2026年4月から労働契約ベースに計算方法が変更に!

5. 配偶者特別控除・配偶者控除の適用方法

年末調整の吹き出しと電卓

ここでは、配偶者控除・配偶者特別控除を適用する方法や、年末調整後に配偶者の収入が変わった場合の対応について解説します。

5-1. 年末調整

会社員やパート・アルバイトなどの給与所得者は、通常、年末調整で配偶者控除または配偶者特別控除の適用を受けます。

控除の適用を受けるには、従業員が「配偶者控除等申告書」に配偶者の年間所得の見積額などを記載し、勤務先へ提出する必要があります。

年末調整では、申告時点で見込まれる配偶者の年間所得をもとに控除額を判定するため、配偶者の収入見込みをできるだけ正確に把握したうえで申告することが重要です。

また、令和8年度税制改正に伴い、2026年分の年末調整で使用する「基礎控除申告書 兼 配偶者控除等申告書 兼 特定親族特別控除申告書 兼 所得金額調整控除申告書」の様式が変更されています。

改正の施行日は2026年12月1日ですが、施行日前であっても新様式を配布・使用することが認められています。年末調整を実施する際は、必ず最新の様式を使用しましょう。

参考:令和8年度税制改正(所得税の基礎控除の引上げ等関係)Q&A|国税庁

参考:A2-4 給与所得者の基礎控除、配偶者(特別)控除、特定親族特別控除及び所得金額調整控除の申告|国税庁

【非居住者の配偶者がいる場合の注意点】

配偶者が海外に居住するなど非居住者である場合に、年末調整で配偶者特別控除または配偶者控除の適用を受けるには「配偶者控除等申告書」とあわせて、次の書類の提出または提示が必要です。

  • 親族関係書類:戸籍の附票の写しなど、配偶者との親族関係を証明する書類
  • 送金関係書類:金融機関の送金依頼書やクレジットカードの利用明細書など、その年に納税者が配偶者の生活費または教育費に充てるための支払いを必要の都度おこなったことを証明する書類

参考:国外居住親族に係る扶養控除等の適用について|国税庁

関連記事:配偶者控除等申告書の書き方を徹底解説!令和8年度年末調整と法改正内容

5-2. 確定申告

年末調整には対象者が定められています。次のような人は年末調整の対象外です。

  • その年の最後に給与の支払いを受ける時点で勤務先に在籍していない人
  • ダブルワークなどにより扶養控除等申告書を他の勤務先へ提出している人
  • その年の給与収入が2,000万円を超える人
  • 災害減免法の規定によりその年の給与に対する所得税の源泉徴収税額について徴収猶予または還付を受けた人

参考:No.2665 年末調整の対象となる人|国税庁

年末調整の対象外となる人でも、要件を満たしていれば、確定申告で配偶者特別控除または配偶者控除の適用を受けられます。

また、年末調整を受けた人であっても、副業所得が20万円を超える場合や、年末調整では適用できない医療費控除・寄附金控除・雑損控除などを受ける場合には、確定申告が必要です。

確定申告をおこなう場合、年末調整で適用された配偶者特別控除・配偶者控除の内容も含めて年間の所得税額を再計算します。

そのため、年末調整で配偶者控除・配偶者特別控除の適用を受けている場合でも、源泉徴収票の内容を基に正しく申告するよう、対象となる従業員へ事前に周知しておくとよいでしょう。

確定申告の期間は、原則として翌年2月16日から3月15日までです。ただし、所得税の還付を受けるための還付申告は、翌年1月1日から5年間提出できます。

関連記事:年末調整の対象者とは?必要書類や確定申告との関係も解説

5-3. 年末調整後に収入変動があったら?

年末調整では、あくまで見積額で配偶者特別控除または配偶者控除の適用を判定します。年末調整後に配偶者の年間収入が確定し、申告した見込み額と異なった場合には、控除の適用区分や控除額が変わることがあります。

その場合、原則として年末調整のやり直しが必要です。ただし、控除額が増えるなど還付を受けられる場合、年末調整をやり直さずに、従業員本人が確定申告をおこない還付を受けることもできます。

一方、控除額が減るなど徴収不足税額が生じる場合は、年末調整をやり直して不足税額を徴収する必要があります。なお、この場合の年末調整の再調整は、翌年1月末日以降であってもおこなわなければならないので注意しましょう。

参考:No.2671 年末調整の後に扶養親族等の人数が異動したとき|国税庁

関連記事:年末調整の再調整は可能!方法やポイントをわかりやすく解説

関連記事:年末調整の間違いをやり直しする方法は?よくあるミスと訂正を防ぐコツも紹介

6. 配偶者特別控除の基本をおさえてスムーズに人事手続きを進めよう

書類とペン

令和8年度税制改正により、配偶者特別控除・配偶者控除の所得要件が見直されます。2026年分の所得税では、配偶者控除の対象は合計所得金額62万円以下、配偶者特別控除の対象は62万円超133万円以下となります。

年末調整を適正に実施するためには、制度改正の内容を事前に従業員へ周知し、正しい申告を促すことが重要です。また、年末調整時の混乱を防ぐため、早いうちに給与計算システムを最新の税制に対応させておきましょう。

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