同一労働同一賃金の問題点とは?2026年ガイドライン改正と企業の対応を解説 - ジンジャー(jinjer)|統合型人事システム

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同一労働同一賃金の問題点とは?2026年ガイドライン改正と企業の対応を解説 - ジンジャー(jinjer)|統合型人事システム

同一労働同一賃金の問題点とは?2026年ガイドライン改正と企業の対応を解説

方法を考える様子

同一労働同一賃金は、正社員と非正規雇用労働者との間の不合理な待遇差を禁止する制度です。大企業では2020年4月、中小企業では2021年4月から適用されていますが、「待遇差の理由をうまく説明できない」「人件費の増加が心配」といった問題を抱えたままの企業は少なくありません。

さらに、2026年10月1日からは同一労働同一賃金ガイドラインの改正と雇入れ時の明示事項の追加が施行され、待遇差への説明はこれまで以上に求められるようになることが予想されます。

当記事では、同一労働同一賃金の問題点を整理したうえで、制度の基本と2026年ガイドライン改正の内容、労働者側への影響、海外との考え方の違い、裁判例、見直し手順までをわかりやすく解説します。

同一労働同一賃金の全体像が知りたい方は、こちらの記事も併せてご覧ください。
関連記事:同一労働同一賃金とは?派遣・非正規の待遇における規定や法改正の背景をわかりやすく解説

労務リスクに備える。 「同一労働同一賃金」対応の再点検を

意図せず不合理な待遇差を放置してしまうと、思わぬ労使トラブルに発展する可能性があります。
企業の信頼性を守るためにも、客観的な視点での定期的な見直しが不可欠です。

◆押さえておくべき法的ポイント

  • 「均衡待遇」と「均等待遇」の判断基準
  • 企業に課される「待遇に関する説明義務」の範囲
  • 万が一の紛争解決手続き「行政ADR」の概要

最新の法令に対応した盤石な体制を構築するために参考になりますので、ぜひこちらから資料をダウンロードしてご活用ください。

1. 同一労働同一賃金で企業が抱えやすい問題点

使うお金を分ける

同一労働同一賃金への対応は、自社の賃金制度や待遇の実態と向き合う過程で、多くの企業が共通の壁にぶつかります。まず、企業が抱えやすい4つの問題点を確認します。

1-1. 待遇差の理由を説明できない

パートタイム・有期雇用労働法第14条第2項により、労働者から求めがあった場合、企業は正社員との待遇差の内容・理由を説明しなければなりません。しかし実務では、「昔からこの支給ルールだった」という以上の説明ができないケースが多く見られます。

2026年10月1日以降は、「企業へ説明を求めることができる旨」が雇入れ時に必ず明示されるようになるため、労働者からの説明の求めは増えると想定されます。

1-2. 自社の待遇の性質や目的を棚卸しできていない

待遇差を説明できない根本的な原因は、そもそも各待遇の性質や目的が整理されていない点にあります。手当や福利厚生は、過去の労使交渉や慣行の積み重ねで生まれていることが多く、「この手当は何のために支給しているのか」を明文化していない企業は少なくありません。

同一労働同一賃金ガイドラインでは、不合理かどうかを賃金総額ではなく、個々の待遇ごとに、その性質・目的に照らして判断するとされています。性質・目的の棚卸しができていなければ、待遇差が適法かどうかの判断すら始められません。まずは待遇の一覧化と趣旨の整理が出発点です。

1-3. 正社員人材確保という理由だけで差を説明している

「賞与や退職金は、将来の企業を担う正社員人材を確保・定着させるためのもの」という説明に頼っている企業も多く見られます。過去の最高裁判決(大阪医科薬科大学事件・メトロコマース事件)で正社員の人材確保目的が考慮された経緯から、この理屈が広まりました。

しかし、2026年10月施行の改正ガイドラインでは、人材の確保・定着を図る目的があることのみをもって、直ちに待遇差が不合理でないと認められるものではないことが明記されました。待遇差は、職務の内容や配置の変更の範囲などの客観的・具体的な実態に照らして判断されます。「人材確保のため」という一言に依存した説明は、今後通用しなくなると考えておきましょう。

1-4. 待遇改善により人件費が増加する可能性がある

不合理な待遇差を解消するには、手当の支給対象拡大や福利厚生の共通化などが必要となり、人件費や社会保険料の負担が増える可能性があります。非正規雇用労働者の比率が高い小売業・サービス業・運送業などでは、影響が特に大きいでしょう。

キャリアアップ助成金など公的な支援策も選択肢にはなりますが、申請には計画届の事前提出や一定の運用実績が要件となるため、自社の取り組みが対象になるかを早めに確認しておくことが重要です。

2. そもそも同一労働同一賃金とは?2026年ガイドライン改正で何が変わるか

説明する様子

同一労働同一賃金の問題点への対処を考える前提として、制度そのものの正確な理解が欠かせません。ここでは、同一労働同一賃金の基本的な仕組みやこれまでの変遷、2026年10月1日に施行されるガイドライン改正・明示事項を解説します。

2-1. 同一労働同一賃金は不合理な待遇差をなくす制度

同一労働同一賃金とは、同一企業内の正社員(通常の労働者)と、パートタイム労働者・有期雇用労働者・派遣労働者との間の不合理な待遇差の解消を目指す制度です。パートタイム・有期雇用労働法では、次の2つの規定が柱となっています。

  • 均衡待遇(第8条):①職務の内容(業務の内容と責任の程度)、②職務の内容・配置の変更の範囲、③その他の事情のうち、待遇の性質・目的に照らして適切なものを考慮して、個々の待遇ごとに不合理な待遇差を設けることを禁止する
  • 均等待遇(第9条):職務の内容と、職務の内容・配置の変更の範囲が雇用関係の全期間を通じて正社員と同一と見込まれる場合には、非正規雇用労働者であることを理由とした差別的取扱いを禁止する

派遣労働者については、労働者派遣法第30条の3・第30条の4により、派遣先均等・均衡方式または労使協定方式のいずれかで待遇を確保することが派遣元に義務付けられています。

参考:パートタイム労働者、有期雇用労働者の雇用管理の改善のために|厚生労働省

関連記事:同一労働同一賃金はいつから適用された?ガイドラインの考え方や対策について

2-2. 同一労働同一賃金のこれまでの変遷

同一労働同一賃金は段階的に整備されてきました。主な経緯は表のとおりです。

時期

出来事

1993年

パートタイム労働法が成立(2008年に差別的取扱いの禁止、2015年に不合理な待遇差の禁止を整備)

2013年4月

改正労働契約法の施行により、有期雇用労働者の不合理な労働条件の相違を禁止(旧第20条)

2018年6月

働き方改革関連法が成立。パートタイム労働法に有期雇用労働者を加えてパートタイム・有期雇用労働法へ改称し、労働契約法旧第20条を統合

2018年12月28日

同一労働同一賃金ガイドライン(厚生労働省告示第430号)を公布・告示

2020年4月1日

大企業にパートタイム・有期雇用労働法を施行、改正労働者派遣法を施行

2021年4月1日

パートタイム・有期雇用労働法が中小企業にも適用され、全面施行

2025年2月〜12月

施行後5年の見直しとして労働政策審議会の部会で審議、同年12月に部会報告

2026年4月28日

改正省令・告示を公布(2026年10月1日から施行・適用)

2-3. 【2026年10月1日】ガイドライン改正と明示事項の追加

2026年10月1日に施行される改正のポイントは、大きく3つです。

  1. 雇入れ時の労働条件明示事項の追加(省令):パートタイム・有期雇用労働者を雇い入れるとき(契約更新時を含む)の明示事項に、「待遇差の内容・理由などの説明を求めることができる旨」が追加されます。派遣労働者にも同様の明示が求められます。
  2. 同一労働同一賃金ガイドラインの改正(告示):最高裁判決の考え方を反映し、退職手当・家族手当・住宅手当・夏季冬季休暇・無事故手当・褒賞といった、これまで記載のなかった待遇の考え方が追加されました。賞与や病気休職の記載も充実し、定年後再雇用者や無期雇用フルタイム労働者に関する考え方も明確化されています。
  3. 雇用管理指針の改正(告示):正社員転換制度の有無や転換実績など、処遇改善の取り組み状況の明示・公表が望ましいことなどが示されました。

関連記事:同一労働同一賃金で中小企業が受ける影響や対応しない場合のリスクを解説

参考:労働条件通知書|厚生労働省
参考:同一労働同一賃金特集ページ|厚生労働省

3. 同一労働同一賃金が労働者側に与える影響

異なる考え方

同一労働同一賃金は労働者を守る制度ですが、企業がコスト高の回避を優先して対応すると、かえって労働者に不利益が及ぶ副作用もあります。ここでは、労働者側に生じ得る4つの影響を解説します。

3-1. 非正規雇用の募集枠やポジションが減る可能性がある

待遇改善に伴う人件費の増加を避けるため、企業が非正規雇用労働者の採用を控える可能性があります。

非正規雇用の採用ポジションが減少してしまうと、柔軟な働き方を希望する労働者の就業機会も減ってしまうおそれがあるでしょう。

3-2. 無期転換を避け契約更新がなくなることがある

有期労働契約が通算5年を超えて更新されると、労働者には無期転換申込権が発生します(労働契約法第18条)。正社員と待遇を近づけるために増加する負担を避けるため、契約の更新上限を設けたり、更新を打ち切ったりする、いわゆる雇止めが増える可能性があります。

なお、改正ガイドラインでは、無期転換後の労働条件を決める際に、あらかじめ不合理な待遇差の有無を点検し、待遇差がある場合には解消すべきことも示されました。

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無期雇用フルタイムの労働者は、パートタイム・有期雇用労働法第8条の直接の対象外です。しかし、場外馬券売り場の無期契約社員と正社員の待遇差が争われた事案で、仙台高裁は、働き方改革関連法が施行された2020年4月以降、無期雇用者の間にも均等・均衡待遇の考え方が適用されるとして、一部の待遇差を違法と判断しました(2025年9月判決、2026年4月に最高裁で確定)。

無期フルタイムであっても、幹部候補のいわゆる正社員とは限りません。無期転換者など、企業が正社員と区別したフルタイムの労働者を抱える企業は多いです。この判決により、今後はこうした労働者同士の待遇差も点検が必要といえます。

解説:社会保険労務士

3-3. 望まない形で仕事内容や責任が縮小される可能性がある

「職務の内容が違えば待遇差を説明しやすくなる」という発想から、非正規雇用労働者の業務や責任を意図的に切り分ける可能性があります。

その結果、仕事の幅を広げてキャリアアップしたいと考える労働者にとっては、望まない形で仕事の幅が狭まり、キャリア形成の機会を失う結果になりかねません。働き手の意欲をそがれる措置となり、モチベーションの低下や離職を招くおそれがあります。

3-4. 正社員の待遇が引き下げられることがある

待遇差を解消する方法として、非正規雇用労働者の待遇を引き上げるのではなく、正社員の手当や福利厚生を廃止・縮小する企業もあります。ガイドラインでは「基本的に望ましい対応とはいえない」と示されていますが、一定の条件下では適法と判断された裁判例もあります。

正社員の待遇引下げは労働条件の不利益変更にあたるため、原則として労使の合意が必要です。合意なく就業規則の変更でおこなう場合にも、変更内容の合理性が厳しく問われます。

安易な引下げは正社員の反発と紛争を招くため、待遇体系全体を労使で話し合いながら再設計する姿勢が欠かせません。

4. 日本と海外で違う同一労働同一賃金の考え方

びっくりマーク

日本に定着しつつある同一労働同一賃金は、もともとは海外で発祥したものです。それぞれの国が抱える問題の違いは、同一労働同一賃金の捉え方にも表れています。

ここでは、海外における同一労働同一賃金と日本の違いを解説します。

4-1. 欧米では人権保障の側面が強い

日本における同一労働同一賃金は、主に正規雇用と非正規雇用の間にある不合理な待遇差を是正することを目的としています。一方で、欧米ではこの制度はより強く人権保障の観点から整備されてきました。

特に性別・人種・宗教・障害などに基づく差別の是正を重視する社会背景の中で、労働者の多様性に応じた公正な待遇を実現する手段として発展してきました。多様な人種や文化が混在する社会構造が、制度設計にも大きく影響を与えている点は、欧米ならではの特徴といえるでしょう。

4-2. 海外では同一価値労働同一賃金の考え方が広く浸透している

欧州をはじめとする海外諸国では、同一労働同一賃金は人権保障の観点から重視され、すでに一般的な制度として定着しています。一方で、日本では年功序列や終身雇用といった慣行が根強く残っており、制度が施行されて数年が経過した現在でも、十分に浸透しているとは言いがたく、先進国の中でも導入の遅れが目立ちます。

海外でこの制度が根付いた背景には、「差別の是正」という価値観があります。人種、性別、宗教などに基づいて賃金に差を設けることは、差別とみなされ、平等を保障する法の原則に反するとされるのです。

4-3. 海外では同一労働同一賃金の義務の強さにも違いがある

日本における同一労働同一賃金は、基本的に同一企業内での正社員と非正規社員との間における不合理な待遇差の是正を目的としています。

一方、欧州の一部諸国では、業種ごとの労使協定や法的な枠組みにより、同じ職種であれば企業を問わず共通の賃金水準が設定されるケースもあります。

これにより、企業間での極端な格差が抑えられる仕組みとなっている点が特徴です。

5. 同一労働同一賃金の裁判例

POINT

不合理な待遇差かどうかの判断基準は、これまでの裁判例の積み重ねによって形づくられてきました。2026年10月施行の改正ガイドラインにも、こうした判例の考え方が反映されています。ここでは、実務への影響が大きい2つの類型を紹介します。

5-1. 定年後の待遇が変わるケース

長澤運輸事件では、定年後再雇用の嘱託乗務員と正社員の待遇差が争われました。最高裁は、定年後再雇用であることは待遇差の不合理性を判断する「その他の事情」として考慮されるとしたうえで、精勤手当の不支給は不合理と判断する一方、能率給・職務給や賞与の相違は不合理でないと判断しています。

定年後再雇用だからといって一律に待遇を引き下げてよいわけではなく、待遇ごとの性質・目的に照らした検討が必要である点は、改正ガイドラインでも明確化されています。

関連記事:定年後再雇用は同一労働同一賃金の対象になる?メリット・デメリットも解説

参考:長澤運輸事件|全国労働基準関係団体連合会

5-2. 有期契約社員と無期契約社員の格差があったケース

運送業のハマキョウレックス社では、正社員と有期契約社員との間に大きな給与体系の違いがありました。具体的には、正社員は月給制で、無事故手当・作業手当・給食手当・住宅手当・皆勤手当・通勤手当などの各種手当に加え、賞与や退職金の制度も適用されていました。

一方、正社員と同じトラック運転業務を担う有期契約社員は時給制で、通勤手当の一部を除き、これらの手当は支給されていませんでした。

この状況について、待遇ごとに判断をおこなった結果、無事故手当・作業手当・給食手当・皆勤手当・通勤手当の不支給は不合理と判断されました。一方、住宅手当は、正社員には転居を伴う配置転換の可能性があることを踏まえ、不合理とはいえないと判断されており、まさに「待遇ごとの個別判断」を示した判決といえます。

参考:ハマキョウレックス事件|全国労働基準関係団体連合会

関連記事:無期雇用は同一労働同一賃金の対象外!リスクや高齢者の特例措置も解説

6. 同一労働同一賃金に対応するための見直し手順

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自社の待遇を見直す際は、全体像の把握から順序立てて進めることが重要です。ここでは、2026年10月1日の改正施行も見据えた4つの手順を解説します。

6-1. 労働者全員の雇用形態と待遇を確認する

まず、自社で働く労働者全員の雇用形態を洗い出します。パート・アルバイト・契約社員・嘱託といったよび方ではなく、所定労働時間と契約期間の実態で、非正規雇用労働者に該当するかを確認してください。あわせて、比較対象となる正社員側の整理も必要です。総合職・一般職・限定正社員など複数の雇用管理区分がある場合には、そのすべてが比較の対象となります。

また、無期転換した元契約社員などのフルタイム労働者は、パートタイム・有期雇用労働法の直接の対象ではないものの、正社員との待遇差が不合理と判断された裁判例もあるため、点検の対象に含めておきましょう。

そのうえで、基本給・賞与・退職金・各種手当・福利厚生・教育訓練といった待遇ごとに、正社員との差の有無を一覧化しましょう。厚生労働省の「パートタイム・有期雇用労働法等対応状況チェックツール」や「不合理な待遇差解消のための点検・検討マニュアル」を使うと、抜け漏れを防げます。

参考:パートタイム労働者、有期雇用労働者の雇用管理の改善のために|厚生労働省

6-2. 職務内容、責任、配置変更範囲、その他の事情を確認する

次に、待遇差を判断する物差しとなる、①職務の内容(業務の内容と責任の程度)、②職務の内容・配置の変更の範囲、③その他の事情を、雇用形態ごとに整理します。ポイントは、就業規則上の建前ではなく実態で確認することです。

例えば「正社員は転勤がある」としながら、実際にはほとんど転勤がおこなわれていない場合、その理由による待遇差の説明は通用しにくくなります。

職務内容や責任の範囲を職務記述書などの形で文書化しておくと、後の説明や制度設計の土台として活用できます。

6-3. 待遇に差がある場合はその理由を明確にする

待遇差が見つかった待遇については、6-2で整理した3つの要素にもとづいて、その差を説明できるかを待遇ごとに検討します。「パートだから」「正社員人材の確保のため」といった理由だけでは、説明として不十分です。

説明できる待遇差については、労働者から求めがあった際にすぐ対応できるよう、比較表や説明文書のひな形として整備しておきましょう。反対に、どうしても説明できない待遇差は、是正すべき課題として次のステップへ引き継ぎます。

同一労働同一賃金の制度では、雇用形態のみを理由とした待遇差は不合理とされ、原則として認められません。役割や責任、勤務実態の違いに基づく合理的な差であることを、労働者に説明できるよう準備しましょう。当サイトでは、通勤手当・精皆勤手当・賞与などの待遇差について、説明方法をまとめた「同一労働同一賃金 対応の手引き」を無料で配布しています。説明内容に不安のあるご担当者様は、こちらからぜひダウンロードしてご活用ください。

6-4. 必要に応じ待遇の変更も検討する

説明できない待遇差は、支給対象の拡大や制度の統廃合などによる是正を検討します。原資の確保にはキャリアアップ助成金の活用も選択肢となります。

あわせて、必要に応じ就業規則・賃金規程・労働条件通知書・説明資料の改定もセットでおこないます。賃金規程には各手当の支給目的・支給要件を明文化し、労働条件通知書は2026年10月1日から必要となる新たな明示事項(待遇差の説明を求めることができる旨)を盛り込んだ様式へ改訂しましょう。

関連記事:同一労働同一賃金で就業規則の見直しは必要?待遇差の要素や注意点

関連記事:同一労働同一賃金の説明義務はどう強化された?注意点や説明方法も解説

7. 同一労働同一賃金の問題点を踏まえ、待遇差を点検・見直ししよう

PC作業する女性

同一労働同一賃金をめぐって企業が抱えやすい問題の多くは、自社の待遇体系を「説明できる状態」にできていないことから生じます。

2026年10月1日からはガイドラインの改正と雇入れ時の明示事項の追加が施行され、判断基準が明確になるとともに、労働者が説明を求める機会は増えていくことが予想されます。裁判例の考え方も踏まえながら、雇用形態と待遇の確認、比較要素の整理、理由の明確化、待遇と規程の見直しという手順で、自社の待遇差の点検・見直しを進めましょう。

労務リスクに備える。 「同一労働同一賃金」対応の再点検を

意図せず不合理な待遇差を放置してしまうと、思わぬ労使トラブルに発展する可能性があります。
企業の信頼性を守るためにも、客観的な視点での定期的な見直しが不可欠です。

◆押さえておくべき法的ポイント

  • 「均衡待遇」と「均等待遇」の判断基準
  • 企業に課される「待遇に関する説明義務」の範囲
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