住民税はいつから給与天引きして納付する?時期や手続き方法をわかりやすく解説 - ジンジャー(jinjer)|統合型人事システム

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住民税はいつから給与天引きして納付する?時期や手続き方法をわかりやすく解説

税金を計算する様子

毎月の給与計算において、住民税の徴収や納付はミスが許されない重要な業務のひとつです。企業は「特別徴収義務者」として、従業員の住民税を給与から天引きし、各自治体へ適切に納付する法的義務を負っています。

本記事では、住民税の納付スケジュールや特別徴収の手続き、電子納付の活用方法、さらに入退職時の注意点まで、企業担当者が実務で押さえるべきポイントを解説します。

▼給与計算における住民税の記事はこちら
給与計算における住民税の控除処理とは?計算・納付方法やスケジュールを解説

所得税・住民税の計算、 ヒヤリとした経験はありませんか?

毎月の給与計算、特に所得税や住民税の計算は複雑で、法改正も発生するため「本当にこれで合っているだろうか…」と不安に感じる瞬間は少なくないはずです。
徴収や納付の遅延は、延滞税の発生や従業員との信頼関係にも影響しかねません。
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▼この資料でわかること

  • 間違いやすい所得税・住民税計算の具体的な注意点

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1. 給与から天引きする住民税の納付手続き(特別徴収)

お金と時間を天秤にかける

企業などの給与支払者は、原則として、従業員の給与から住民税を天引きして市区町村に納付します。これを「特別徴収」といいます。

【住民税手続きの年間スケジュール】

月

手続き

内容

1月

給与支払報告書の提出

前年(1月~12月)に支払った給与額等を記載した給与支払報告書を、各従業員の居住地の市区町村へ原則1月31日までに提出する。

※給与支払報告書を提出した者のうち、4月1日現在、給与の支払いを受けなくなった者については、4月15日までに「給与所得者異動届出書」を提出する必要がある。

5月(中旬~下旬)

住民税決定通知書の受領

市区町村から、6月から翌年5月までの住民税額を記載した「税額決定通知書」が企業へ送付される。

6月〜翌年5月

住民税天引き開始

6月支給給与から住民税の天引きを開始し、翌年5月支給分までの12回で徴収する。

随時

異動に伴う届出・手続き

従業員の入社・退職・休職などの異動があった場合には「給与所得者異動届出書」の提出など必要な手続きをおこなう。

参考:地方税法第321条の4|e-Gov法令検索

関連記事:住民税特別徴収とは?納付手続きの流れや注意点を詳しく紹介

1-1. 「6月~翌年5月」の給与から住民税を徴収する

毎年5月頃、従業員がその年の1月1日現在に住所を有する市区町村から、企業あてに「特別徴収税額決定通知書」が送付されます。これは、前年の所得などをもとに算定された、その年度の個人住民税額を通知するものです。

企業は通知された税額に基づき、原則として6月から翌年5月までの12ヵ月間、毎月の給与から住民税を天引きして徴収して、市区町村へ納付します。

関連記事:【企業向け】住民税決定通知書はいつ届く?見方や再発行の方法も解説!

1-2. 納付期限(納期限)は「徴収月の翌月10日」

企業が給与から特別徴収した住民税は、原則として、徴収した月の翌月10日までに市区町村へ納付しなければなりません。

例えば、6月支給の給与から特別徴収した住民税は、7月10日が納付期限となります。なお、納付期限が土曜日・日曜日または祝日に当たる場合には、その翌開庁日が納付期限となります。

参考:納付のご案内|新宿区

1-3. 納付先は「その年1月1日現在に従業員が居住している市区町村」

住民税はその年の1月1日現在に住所がある市区町村が課税します。例えば、2026年度の住民税は、2026年1月1日現在の住所地を基準として課税する市区町村が決まります。

そのため、従業員が年の途中で別の市区町村へ引っ越した場合でも、2026年度分の住民税は2026年1月1日現在の住所地の市区町村に納付します。

1-4. 従業員数10人未満の企業は「納期の特例」を利用できる

給与の支払を受ける人が常時10人未満である事業所等は、「納期の特例」を申請し承認を受けることで、特別徴収分の住民税の納付を年2回にまとめられます。

納期の特例が承認された後は、要件を満たしている限り継続して適用されます。納付の対象期間および納付期限は、原則として次のとおりです。

  • 6月~11月徴収分:12月10日まで
  • 12月~翌年5月徴収分:6月10日まで

なお、所得税にも「納期の特例」がありますが、住民税とは対象期間や納付期限が異なるため注意が必要です。また、申請から承認までの期間は自治体によって異なるので、余裕をもって手続きをおこないましょう。

参考:納期の特例について|八潮市

関連記事:源泉所得税の納付方法は?おすすめの選び方・納付期限を解説

2. 住民税の給与天引き(特別徴収)をしなくてもよいケース

住民税の絵

住民税の納付方法には「特別徴収」と「普通徴収」の2種類があります。どちらも税額自体は同じですが、納付方法や手続きの主体が次のように異なります。

 

特別徴収

普通徴収

納付方法

給与から天引き

自分で納付

納付回数

年12回(6月~翌年5月)

年4回(6月・8月・10月・翌年1月)

手続き主体

企業

個人

個人のメリット

  • 納め忘れがない
  • 1回あたりの負担が少ない
  • 支払いタイミングを自分で管理できる

会社員やパート・アルバイトなどの給与所得者については、原則として特別徴収が適用されます。そのため、従業員が任意で普通徴収に変更できるものではありません。

ただし、特別徴収による徴収が困難な事情がある場合、普通徴収が認められることがあります。例えば、新宿区では、次のような場合を普通徴収への切り替え理由として示しています。

  • 総従業員数が2名以下である場合
  • 他の勤務先において特別徴収が実施されている場合
  • 給与額が少なく住民税額を給与から控除できない場合(住民税非課税の場合など)
  • 給与の支払が不定期である場合(支払が毎月でない場合など)
  • 事業専従者である場合(個人事業主に係る専従者に限る)
  • 既に退職している者、または当該年度の5月末日までに退職予定である者

参考:普通徴収が認められる場合について|新宿区

そのため、普通徴収への切り替えを検討する場合は、従業員の住所地を管轄する市区町村に、切り替えの要件や必要な手続きを確認することが重要です。

参考:地方税法第321条の3|e-Gov法令検索

3. 【パターン別】住民税の納付手続きの対応ポイント

TAX

住民税の特別徴収にあたり、さまざまな事情でどのように対応するべきかわからないというケースも多々発生します。ここでは住民税特別徴収のパターン別納付対応を見ていきましょう。

3-1. 入社

前職を退職して期間が空いてから再就職した場合や、個人で活動していた人が会社員になった場合などは、住民税が普通徴収となっていることがあります。この場合、普通徴収から特別徴収へ切り替えるには、企業が市区町村へ「特別徴収切替届出書」を提出します。

ただし、普通徴収の納付期限がすでに到来している税額や、すでに納付済みの税額は、原則として特別徴収へ切り替えられません。その場合、対象となる税額は従業員本人が普通徴収として納付します。

特別徴収がいつから始まるのかを従業員が把握できるよう、企業側からあらかじめ説明しておくとよいでしょう。

参考:普通徴収から特別徴収への切替|中野区

3-2. 退職・転職(一括徴収に注意)

退職した従業員が転職・再就職する場合は、退職した企業が「給与所得者異動届出書」を作成し、従業員を通じて転職先へ提出し、転職先の企業が退職した月の翌月10日までに市区町村へ提出する方法が一般的です。

これにより、転職先の企業で住民税の特別徴収を引き継ぐことができます。一方、退職後に再就職しない場合や、再就職先が決まっていない場合は、退職した時期によって住民税の取り扱いが異なります。

  • 1~4月に退職した場合:残りの住民税を最後の給与などから一括徴収します。
  • 5月に退職した場合:最終月のため、通常どおり特別徴収します。
  • 6~12月に退職した場合:原則として翌月以降は普通徴収に切り替わります。

ただし、6~12月に退職した場合でも、従業員が希望すれば、給与や退職金などの支払額の範囲内で残りの住民税を一括徴収することも可能です。

参考:退職・転勤などがあった場合(給与所得者異動届出書の提出)|大阪市

関連記事:転職する従業員の住民税の支払いは?切り替え手続きや納付方法を紹介

3-3. 休職(普通徴収への切り替えに注意)

従業員が休職すると、給与の支給が停止され、給与から住民税を天引きできなくなることがあります。このような場合は「給与所得者異動届出書」の該当欄に必要事項を記入し、市区町村へ提出したうえで、徴収方法を「普通徴収」へ切り替えるのが一般的です。

普通徴収へ切り替えた後は、市区町村から本人あてに納付書が送付されるため、従業員が自分で住民税を納付することになります。

なお、休職していても給与の支給があり、特別徴収を継続できる場合には、必ずしも普通徴収へ切り替える必要はありません。

参考:こんなときはどうしたら(特別徴収義務者の変更・納税義務者の異動など)|豊島区

3-4. 副業・ダブルワーク

2ヵ所以上の勤務先から給与を受け取っている場合、給与に係る住民税はすべて合算して計算され、原則として「主たる給与」を支払う勤務先が特別徴収をおこないます。

また、給与以外に事業所得や不動産所得などの副収入がある場合には、確定申告書や住民税申告書で住民税の徴収方法として「普通徴収(自分で納付)」を選択することで、その副収入にかかる住民税を普通徴収にできます。

参考:給与や所得が複数ある場合の住民税の徴収方法について|中野区

3-5. 海外転勤

海外転勤で日本を出国する場合でも、住民税はその年度の1月1日現在の住所地を基準として課税されます。そのため、年の途中で海外へ転勤した場合でも、その年度分の住民税の納付が必要です。

出国後に給与の支払いがなくなるなど、特別徴収を継続できない場合には、残りの住民税について一括徴収や普通徴収への切り替えなどの対応が必要になります。

また、海外転勤後は本人への連絡や納付手続きが難しくなる場合があるため、出国前に「納税管理人を選任する」「口座振替を利用する」などの納付方法を案内しておくと安心です。

参考:従業員の方が退職・転勤後に海外へ出国される場合のご対応について|墨田区

4. 住民税の納付手段(特別徴収)

電卓で計算する人

従業員の給与から特別徴収した住民税の主な納付方法は、次の2種類です。

  • 窓口納付
  • 電子納付

それぞれの方法について紹介します。

参考:特別徴収事務に関するよくある質問|船橋市

4-1. 銀行や郵便局などでの窓口納付

窓口納付とは、市区町村から送付される納付書を持参し、金融機関や自治体の窓口で直接支払う方法です。納付書を提示して現金で納付すると、その場で領収証書が発行されます。領収書が必要な場合には、窓口納付を利用するとよいでしょう。

4-2. インターネット(eLTAX)を利用した電子納付

電子納付とは、eLTAX(エルタックス)の地方税共通納税システムを利用して納付する方法です。eLTAXを利用すれば、次のような納付方法から選択できます。

納付方法

概要

ポイント

ダイレクト納付

事前に登録した金融機関口座から引き落として納付する方法

「今すぐ納付」または「納付日を指定して納付」を選択できる

インターネットバンキング

金融機関のインターネットバンキングを利用して納付する方法

PCdeskの「インターネットバンキングで支払う」ボタンから手続きすると、納付情報が引き継がれるため入力の手間を省略できる

クレジットカード払い

クレジットカードで納付する方法

納付額に応じてシステム利用料がかかる

ATM納付

金融機関に設置されているペイジーマークの付いたATMで納付する方法

「納付情報」を用意してATMを操作する必要がある

参考:個人住民税(特別徴収)の納付フロー|eLTAX

また、電子納付を利用すれば複数の納付書をまとめて手続きできるため、納付事務の効率化にもつながります。ただし、領収証書は発行されない点には注意が必要です。

5. 企業が住民税を納付する際の注意点

書類の説明を受ける様子

住民税の納付は、期限や方法を正しく理解し、適切に手続きをおこなうことが重要です。ここでは、企業が住民税を納付する際に押さえておきたい主な注意点について紹介します。

5-1. 納付額の途中変更に伴う「天引きミス」に注意

従業員の申告内容の変更や課税内容の修正などにより、年度の途中で市区町村から「税額変更通知書」が届くことがあります。

税額変更通知書が届いた場合は、記載された内容に基づき、給与から天引きする住民税額を変更しなければなりません。変更を反映しないまま徴収を続けると、徴収不足や徴収過多といったミスが発生する可能性があります。

特に給与計算を手作業でおこなっている場合は、変更通知の見落としによる天引きミスが起こりやすいので注意が必要です。通知書が届いた際には、給与計算ソフトや計算内容を速やかに確認し、正しい金額で徴収するようにしましょう。

参考:個人住民税の特別徴収に関するよくあるご質問|横浜市

5-2. 納付書を紛失したら再発行が必要

住民税の納付書を紛失した場合は、そのままでは窓口での納付ができないため、再発行の手続きが必要になります。納付書の再発行は、該当する市区町村の税務担当窓口へ連絡することで手続きが可能です。

自治体によっては、電話やオンライン申請で再発行に対応している場合もあります。納付期限が近い場合は、再発行に時間がかかると期限を過ぎてしまうおそれがあるので、紛失に気づいた時点で速やかに自治体へ連絡することが重要です。

参考:住民税の納付書をなくしてしまいました。|東村山市

5-3. 納付期限を過ぎるとペナルティにつながる

住民税の特別徴収分は、期限までに納付しなければなりません。期限までに納付されない場合、納付期限の翌日から延滞金が計算されます。また、納付が確認できない場合には、企業(特別徴収義務者)に対して督促状が送付されることがあります。督促状が届いてもなお納付がおこなわれない場合は、財産調査を経て差し押さえなどの滞納処分がおこなわれる可能性があります。こうした状況は、企業の信用低下にもつながりかねません。

納付期限に間に合わなかった場合や、期限までに納付できない可能性がある場合は、まず管轄の市区町村の税務担当窓口へ連絡し、対応方法を確認しましょう。

参考:住民税(特別区民税・都民税)の納め忘れはありませんか?|足立区

6. 住民税の納付に関するよくある質問

ポイント

ここでは、住民税の納付に関するよくある質問への回答を紹介します。

6-1. 住民税の納付額はどのように決まる?非課税の基準は?

住民税(所得割)は主に次のような流れで決まります。

  1. 収入から必要経費(※給与所得の場合は給与所得控除)を控除する
  2. 所得控除を差し引き課税所得を計算する
  3. 課税所得に税率(10%)を掛けて税額を算出する
  4. 税額控除を差し引き納付税額を計算する

この流れは所得税と似ていますが、所得控除の金額や税率などに違いがある点に注意が必要です。また、住民税には所得割とは別に均等割が課されることも覚えておきましょう。

例えば、東京23区では、同一生計配偶者や扶養親族がいない場合、前年の合計所得金額が45万円以下であれば、所得割・均等割ともに非課税となります。なお、令和8年度税制改正により、2027年度分の住民税から、給与所得控除の最低保障額は65万円から74万円に引き上げられます。

そのため、2026年中の給与収入が119万円以下で、ほかに所得がない場合、合計所得金額は「119万円-74万円=45万円」となります。したがって、このケースであれば、2027年度の住民税は所得割・均等割ともに非課税となります。参考:個人住民税|東京都
参考:令和8年度税制改正(さらなる年収の壁への対応)のよくある質問|横浜市

関連記事:【2026年最新動向】年収の壁とは?所得税・住民税や社会保険の壁を徹底解説

6-2. 賞与や退職金から住民税の納付は必要?

賞与(ボーナス)については住民税の徴収はおこないません。住民税は前年所得に基づいて年税額が決定され、その税額を通常は6月から翌年5月まで毎月の給与から分割して特別徴収する仕組みであるためです。

一方、退職金(退職所得)については住民税の徴収が必要です。退職金を支払う際に税額を計算し、その金額を退職金から天引きして納付します。納付先は、退職金の支払いを受けるべき日(通常は退職日)の属する年の1月1日現在で受給者が居住していた市区町村であり、納付期限は退職金を支払った日の翌月10日までです。

参考:所得税はボーナスからも徴収されていますが、住民税は徴収されていないのは、なぜですか|八潮市
参考:退職所得にかかる住民税の計算・各種手続き|中野区

関連記事:賞与(ボーナス)から引かれる源泉所得税の計算方法をわかりやすく解説
関連記事:退職金にかかる税金は?計算方法や退職金控除についても解説

6-3. ふるさと納税(ワンストップ特例)と住民税納付の関係は?

ふるさと納税とは、特定の自治体に寄附をおこなうことで、その寄附金のうち自己負担額2,000円を除いた部分について、所得税および住民税から控除を受けられる制度です(上限あり)。なお、ふるさと納税は税法上「寄附金控除」に該当するため、年末調整では控除の手続きができず、原則として確定申告をしなければなりません。

ただし、確定申告が必要ない会社員やパート・アルバイトなどの給与所得者で、ふるさと納税先が5団体以内の場合は「ワンストップ特例制度」を利用できます。この制度を利用する場合、各寄附先の自治体に申請書を提出することで、確定申告をおこなわずに、所得税分も含めて翌年度の住民税から控除を受けられます。

しかし、医療費控除の適用や上場株式の譲渡・配当所得の申告などにより確定申告をおこなうとワンストップ特例制度は無効となります。そのため、確定申告をする際は、ワンストップ特例を申請した分も含めて申告する必要があります。従業員への周知をおこなう際には、この点についてもあわせて案内しておきましょう。

参考:No.1155 ふるさと納税(寄附金控除)|国税庁

参考:確定申告が必要な方|国税庁

7. 住民税納付の仕組みを理解してミスなく支払おう

書類を受け取る様子

企業は「特別徴収義務者」として、毎月の給与から住民税を天引きし、徴収月の翌月10日までに各自治体へ納付する法的義務を負います。納付方法は、窓口納付のほか、事務負担を軽減できるeLTAXなどの電子納付が利用可能です。

運用上の注意点として、年度途中の税額変更や、入退職・休職に伴う徴収方法の切り替えへの速やかな対応が不可欠です。納付期限の遅滞は延滞金や企業の信用低下を招くおそれがあるので、年間スケジュールを正確に把握し、ミスや漏れのない管理を徹底しましょう。

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